Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       sem_open - 名前付きセマフォを初期化し、オープンする

書式

       #include <fcntl.h>           /* For O_* constants */
       #include <sys/stat.h>        /* For mode constants */
       #include <semaphore.h>

       sem_t *sem_open(const char *name, int oflag);
       sem_t *sem_open(const char *name, int oflag,
                       mode_t mode, unsigned int value);

       -pthread とリンクする。

説明

       sem_open()   は、新規の  POSIX セマフォを作成するか、既存のセマフォのオープンを行う。 セマ
       フォは name で識別される。 name の構成の詳細は sem_overview(7)  を参照。

       oflag  引数には、   sem_open()    の動作を制御するフラグを指定する   (oflag   の値の定義は
       <fcntl.h>  のインクルードにより得られる)。 oflagO_CREAT が指定されると、まだ存在しない
       場合にはそのセマフォが作成される。 セマフォの所有者 (ユーザー ID)、グループ所有権  (グルー
       プ  ID)  には、  それぞれ呼び出し元プロセスの実効  UID、実効  GID  が設定される。 oflagO_CREATO_EXCL の両方が指定された場合、指定された名前 name のセマフォがすでに存在すると
       エラーが返される。

       oflagO_CREAT を指定する場合、さらに引数が 2 つ必要である。 mode 引数は、 open(2) と同
       じように、新しいセマフォに設定されるアクセス許可 (permission) を  指定する。許可設定はプロ
       セスの  umask でマスクされる (許可ビットのシンボル定義は <sys/stat.h> のインクルードにより
       得られる)。 セマフォにアクセスしようとするユーザーは、読み出し許可と書き込み許可の  両方を
       得る必要がある。 value 引数は新しいセマフォの初期値を指定する。 O_CREAT が指定され、指定し
       た名前 name のセマフォがすでに存在する場合、 modevalue は無視される。

返り値

       成功すると、 sem_open()  は新しいセマフォのアドレスを返す。 このアドレスは他のセマフォ関連
       の関数を呼び出す際に使用される。  エラーの場合、  sem_open()  は SEM_FAILED を返し、 errno
       にエラーを示す値をセットする。

エラー

       EACCES そのセマフォが存在するが、呼び出し元にはそのセマフォをオープンする 許可がない。

       EEXIST oflagO_CREATO_EXCL の両方が指定されたが、 name という名前のセマフォはすでに
              存在する。

       EINVAL valueSEM_VALUE_MAX よりも大きい。

       EINVAL name が "/" だけで構成され、その後ろに他の文字が続いていなかった。

       EMFILE オープンされたファイルディスクリプターの総数がプロセス単位の上限に達している。

       ENAMETOOLONG
              name が長すぎる。

       ENFILE オープンされたファイル総数がシステム全体での上限に達している。

       ENOENT oflagO_CREAT フラグが指定されておらず、 name という名前のセマフォも存在しない。
              または、 O_CREAT が指定されたが、 name が適切な形式ではなかった。

       ENOMEM 十分なメモリーがない。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├─────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │sem_open()       │ Thread safety │ MT-Safe │
       └─────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

関連項目

       sem_close(3), sem_getvalue(3), sem_post(3), sem_unlink(3), sem_wait(3), sem_overview(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。