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名前
lilo.conf - lilo の設定ファイル
説明
このファイル (デフォルトでは /etc/lilo.conf) は、ブートローダのインストーラである 'lilo' が読み込む (lilo(8) を参照)。 内容は例えば以下のようになっている: # lilo.conf # # global options: boot=/dev/hda prompt timeout=150 lba32 compact vga=normal root=/dev/hda1 read-only menu-title=" John's Computer " # # bootable kernel images: image=/boot/zImage-1.5.99 label=try image=/boot/zImage-1.0.9 label=1.0.9 image=/tamu/vmlinuz label=tamu root=/dev/hdb2 vga=ask # # other operating systems: other=/dev/hda3 label=dos other=/dev/hdb5 label=os2 loader=/boot/os2_d.b table=E: この設定ファイルでは、 lilo が /dev/hda の Master Boot Record を 用いるように記述してある。 (色々な lilo の使い方や、他のオペレーティングシステムとの関係 に関する詳細は、 lilo のドキュメントにある user.tex を 読むこと。) ブートローダはブート時に、 boot: というプロンプトを出して、ユーザーが希望するカーネルのラベル (とオプショ ン) が入力されるのを待つ。 [Tab] を入力すれば、いつでもカーネルとラベルの一覧を見ることができる。 boot- menu.b ブートローダがインストールされている場合、 選んだカーネルのブートオプションのメニューが表示され る。 何も入力しない場合、15 秒 (15 × 1/10 秒) のタイムアウトの後、 初めに記述されているデフォルトのカーネ ルイメージ (/boot/zImage-1.5.99) がブートされる。 lilo.conf には最大 16 個のイメージを記述することができ る。 上記のように、設定ファイルはいくつかのグローバルオプション (例では最初の 9 行) で始まり、種々の image セ クションがそれに続く。 image セクションに書かれているオプションは、 グローバルオプションを上書きする。 コメント行はどこに書いても構わず、"#" 文字で始まる。
グローバルオプション
多くのキーワードがある。以下の説明はほとんど user.tex と同じである (ちょっとだけ短い)。 backup=<backup-file> 元の ブートセクタを /boot/boot.NNNN ではなく、 backup-file にコピーする (/dev/null などのデバイス ファイルを指定することも可能である)。 bitmap=<bitmap-file> ブートメニューを表示するときの背景に使う 640x480x16 のビットマップファイルを指定する。 'message=' が指定されている場合には使ってはならない。 ビットマップを表示できるブートローダ (例えば boot- bmp.b) を 'install=' を使って指定する必要がある。 bmp-colors=<fg>,<bg>,<sh>,<hfg>,<hbg>,<hsh> 'bitmap=' で指定した背景上でメニューを表示する際に使われる色を 10 進数で指定する。 このリストは 6 つのエントリから構成され、 始めの 3 つは標準時の文字色であり、 その後の 3 つはハイライト時の文字色 である。 3 色組は前景色・背景色・陰影色という順番になっている。 背景色が指定されていない場合は、「 透明 (transparent)」であると仮定する。 陰影色が指定されていない場合は、「なし (none)」であると仮定 する。 リストのエントリは、スペースを入れずにコンマで区切られる。 bmp-table=<x>,<y>,<ncol>,<nrow>,<xsep> メニューテーブルの位置と配置を指定する。 <x>,<y> は、文字座標おけるテーブルの左上の x 座標と y 座 標を指定し、 x は [1..80], y は [1..25] の範囲である。 <ncol> はメニューの列数で (1..3) の範囲であ る。 <nrow> は各列の行数である。 列数を 2 以上に指定した場合、 <xsep> は各列の左端の文字の間の文字 数を指定し、(18..40) の範囲である。 文字数ではなくピクセル値で位置を指定する場合は、 10 進数の値の 後ろに 'p' を付けて <x>, <y>, <xsep> を指定する。 bmp-timer=<x>,<y>,<fg>,<bg>,<sh> カウントダウンタイマー 'timeout=' のオプション指定。 <x>,<y> は、前述の 'bmp-table=' と同様に、 タ イマーの位置を文字列 (またはピクセル) 座標で指定する。 また 3 色の組は、前述の 'bmp-colors=' と同 様に、文字の色属性を指定する。 ただし、背景色を指定しなければならない。 boot=<boot-device> ブートセクターを含むデバイス (例えばハードディスクのパーティション) の デバイスファイル名を設定す る。このキーワードが省略された場合、 ブートセクターは現在ルートとしてマウントされているデバイスか ら 読み込み (およびおそらく書き出し) を行う。 raid 装置は、たとえば "boot=/dev/md0" というように、 RAID1 デバイスをブートデバイスに指定して初期化される。 LILO のバージョン 22.0 以降では、 ブートレ コードの実際の位置が以前のものと異なる。 change-rules パーティションのタイプ番号のブート時変更 (パーティションを隠すかどうか) を定義する。 change-rules reset type=DOS12 normal=1 hidden=0x11 type=DOS16_small normal=4 hidden=0x14 type=DOS16_big normal=0x06 hidden=0x16 上に示した設定ファイルからの抜粋では、 全てのデフォルト change-rules が ("reset" で) 削除されてか ら、 3 つのパーティションタイプについての change-rules が指定されている。 reset を指定しないと、指 定された 3 つのタイプが 既存のデフォルト change-rules に追加される。 通常は、デフォルトのルールで 充分である。 パーティションタイプを定義する文字列は、 サフィックス "_normal" または "_hidden" を後 ろにつけて change セクションで使われる (下記参照)。 詳細は user.tex の中の "Partition type change rules" セクションを参照すること。 compact ブートセクター付近への readリクエストを、1 回にまとめられるか試行する。 マップを小さく保ったまま で、ロード時間を非常に短縮できる。 特にフロッピィディスクからのブートを行う場合は `compact' を使う ことを 薦める。 default=<name> 指定されたカーネルイメージをデフォルトのブートイメージとする。 `default' が省略された場合、設定 ファイルの最初に 記述が現れたカーネルイメージがデフォルトとなる。 delay=<tsecs> ブートローダが自動的にブートするまでの待ち時間を 0.1 秒単位で指定する。 現在ロックされているコマン ドライン、 または "lilo -R" で前もって設定されたコマンドライン、 またはデフォルトの `image=' や `other=' で指定された コマンドラインを使ってブートされる。 `delay' が 0 でない場合、ブートローダは 指定された秒数の間だけ 割り込みが行われるのを待つ。 割り込みを受け取った場合、または割り込みを待っ ている間は、 プロンプト boot: を表示して、自動ブートを行わない。 CAPS LOCK や SCROLL LOCK が ON に なっている場合、 または ALT, CTRL, SHIFT のどれかが押された場合、 割り込みとして解釈される。 この動作は `prompt' を指定することで変更できる (下記参照)。 disk=<device-name> 指定されたディスク対する非標準的なパラメータを定義する。 詳細は user.tex の中の "Disk geometry" セ クションを参照すること。 特に `bios=' パラメータは便利である。 BIOS はディスクを 0x80, 0x81 という 風に番号づけするため、Linux カーネルでの ディスクの認識と BIOS でのディスクの認識の間で不整合が生 ずる場合がある (これは BIOS の種類と設定に依存する)。 よって、もし Linux カーネルと BIOS でのディ スクの認識を通常と 異なる設定にしたい場合は、このパラメータによって対応を記述する必要がある。 次に 例を挙げる。 disk=/dev/sda bios=0x80 disk=/dev/hda bios=0x81 上の記述では、SCSI ディスクを BIOS が認識する 1 番目のディスクとし、 (プライマリマスタにつながって いる) IDE のディスクを BIOS が認識する 2 番目のディスクとする。 disktab=<disktab-file> ディスクのパラメータテーブル名を指定する。 `disktab' が省略されていた場合、マップインストーラは /etc/disktab を参照する。 `disktab' を使用することはあまりお薦めできない。 fix-table lilo にパーティションテーブルの 3D (sector/head/cylinder) アドレスの 調節を許可する。それぞれの パーティションエントリには、 最初と最後のセクタのリニアアドレスと 3D アドレスが入っている。 同じ ディスクを他の OS (例えば、MS/PC-DOS や OS/2) が使っている場合や パーティションがトラックに切られ ていない場合には、 3D アドレスが変わるかもしれない。 lilo は両者のアドレスタイプが一致した パー ティションにだけブートセクタを保存できる。 `fix-table' をセットすると、lilo は間違った 3D スタート アドレスを修正する。 警告: 他のOS が後でアドレスを上書きする可能性がある。 また、これは思わぬ副作用を引き起こすかもし れない。 正しい修正であっても、パーティションを トラックに合わせようとするようなプログラムでは、 これによって再パーティションがされてしまうかも知れない。 またある種のディスク (例えばアドレス変換 の可能ないくつかの Large EIDE) では、 パーティションテーブルの内容がコンフリクトし、 修正できなく なる場合がありうる。 force-backup=<backup-file> `backup' と同様だが、バックアップが存在しても上書きする。 geometric 以前のバージョンの LILO と互換性のあるディスクアドレスを使わせる。 ジオメトリアドレスには sector/head/cylinder という形式が使われ、 ディスクシリンダ数が 1023 に制限されている。 アクセスで きないシリンダが参照されている場合、 ブート時ではなく、ブートローダのインストール時に診断メッセー ジが出される。 最近の BIOS の場合は、'lba32' の使用を推奨する。 ignore-table おかしくなったパーティションテーブルを無視するよう lilo に指示する。 install=<boot-loader> 指定されたファイルを新しいブートローダとしてインストールする。 バージョン 21.5 からは、 boot- text.b と boot-menu.b の 2 つのブートローダが使用可能になった。 boot.b は後者へのシンボリックリン クである。 両方のブートローダで、全く同じ形式の カーネルコマンドラインオプションのエントリを使うこ とができる。 さらに両方ともシリアルライン (下記の serial= を参照) が 完全にサポートされている が、シリアル端末にはメニュー機能がない。 前者は以前の LILO との厳密な互換性を持たせるために使用可 能である。 `install' が省略されると、 /boot/boot.b がデフォルトで使われる。 lba32 sector/head/cylinder 形式のアドレスではなく、 32 ビットの論理ブロックアドレス (LBA) を生成する。 BIOS がパケットアドレッシングに対応している場合、 ディスクにアクセスするときにパケットコールを用い る。 これにより、1024 シリンダ以上あるディスクの どのパーティションからでもブートできるようにな る。 BIOS がパケットアドレスに対応していない場合、 'lba32' アドレスは「リニアアドレス」として sector/head/cylinder 形式 (ジオメトリアドレス) に変換される。 フロッピーディスクへの参照は、C:H:S 形式のままである。 1998 年以降の全てのシステムに対して、'lba32' の使用を推奨する。 LILO のバージョ ン 22 からは、'lba32' がディスクアドレス指定の デフォルトの方式となった。 linear sector/head/cylinder という形式の (ジオメトリ) アドレスを指定する代わりに、 セクタの 24 ビットのリ ニアアドレスを使用する。 リニアアドレスは実行時にジオメトリアドレスに変換される。 リニアアドレスは cylinder の値が 1023 以下に制限されている。 `linear' オプションを容量の大きいディスクで使うと /sbin/lilo はアクセスできないディスクシリンダへの参照をつくるかもしれない。 `lba32' オプションを指 定すれば、 これらの多くの落し穴をパケットアドレッシングを使って回避できるが、 最近の BIOS が必要で ある。 lock このオプション以降のブートコマンドラインを以後のデフォルトとして 自動的に記録する。 lilo はこの記 録を、手動で解除されるまで "lock" する。 mandatory イメージのブートにパスワードを付けるオプション `mandatory' (下記参照) を 全てのイメージに適用す る。 map=<map-file> マップファイルの場所を指定する。`map' が省略された場合、 /boot/map が使われる。 menu-title=<title-string> ブートメニューに (37 文字までの) タイトル行を指定する。 このタイトルはデフォルトのタイトル文字列 "LILO Boot Menu" を置き換える。 boot-menu.b がブートローダとしてインストールされていない場合 (install= オプション参照)、この行は何も影響を及ぼさない。 menu-scheme=<color-scheme> VGA ディスプレイにおけるデフォルトのブートメニューの色スキームを、 このオプションを使って上書きで きる (MDA ディスプレイの色スキームは固定である)。 一般的な color-scheme 文字列は以下のような形とな る: <text>:<highlight>:<border>:<title> 各エントリには、前景色と背景色を指定する 2 つの文字が入る。 最初のエントリのみが必須である。 デ フォルトのハイライト色は、 文字色の前景色と背景色を入れ換えたものである。 デフォルトの枠色とタイト ル色は、文字色と同じである。 文字 kbgcrmyw を使って色を指定する。 それぞれ blacK (黒), Blue (青), Green (緑), Cyan (シアン), Red (赤), Magenta (マゼンタ), Yellow (黄色), White (白) を表す。 大文字 の場合は明るい色 (前景色のみ)、小文字の場合は暗い色になる。 有効な色スキーム文字列は以下のようなも のである。 menu-scheme=Wm 前景を明るい白、背景をマゼンタにする。 menu-scheme=wr:bw:wr:Yr LILO のデフォルト。 menu-scheme=Yk:kw 前景を明るい黄色、背景を黒にする。 boot-menu.b がブートローダとしてインストールされていない場合、 この行は何も影響を及ぼさない。 message=<message-file> ブートプロンプトを出す前に出力したいメッセージが書かれたファイルを指定する。 "LILO"と出力された 後、Shiftキーが押されるまでは、 メッセージはなにも出力されない。 メッセージに制御文字 FF([Ctrl L]) があると、コンソール画面をクリアする。 boot-menu.b ブートローダがインストールされている場合に、 制 御文字 FF を使うのは良くない。 メッセージファイルの大きさは最大 65535 バイトに制限されている。 メッセージファイルを修正・移動した場合は、 マップファイルを再作成しなければならない。 "message=" と "bitmap=" を一緒に指定することはできない。 nowarn 将来起こりうる不具合に関する警告メッセージを出力しないようにする。 optional カーネルイメージごとのオプションである `optional' (詳細は後述) を、 全てのカーネルに適用することを 示す。 password=<password> カーネルイメージごとのオプションである `password=...' (詳細は後述) を、 全てのカーネルに適用するこ とを示す。 このオプションを指定すると、パスワード照合を通らない限りブートをしない。 デフォルトレベ ル `mandatory' では、 デフォルトのイメージは `password=' で保護されている。 `mandatory' は `restricted' より 1 段レベルが高い。 prompt ロックされたコマンドライン、 またはあらかじめ ("lilo -R" で) 設定されたコマンドラインがない限り、 自動ブート (上記の `delay' を参照) を行わない。 そのかわりに、ブートローダはプロンプト boot: を表 示して、先に進む前にユーザー入力を待つ (下記の timeout を参照)。 `prompt' が設定されていて `timeout' が設定されていない場合、 またはデフォルトイメージが `restricted' より高いレベルで パス ワードで保護されている場合、 パスワードを照合しないデフォルトイメージのブートは不可能である。 raid-extra-boot=<option> このオプションは RAID1 が導入されている場合にのみ意味がある。 <option> には none, auto, mbr-only, またはコンマで区切ったデバイスのリスト (例えば "/dev/hda,/dev/hdc6") を指定できる。 LILO バージョ ン 22.0 からは、通常、 ブートレコードは RAID1 デバイスの最初のセクタに書き込まれる。 PARALLEL raid セットの場合、これ以外のブートレコードは必要ない。 デフォルトの動作は auto であり、 SKEWED raid セットに必要な補助ブートレコードが自動的に作成される。 none を指定すると、予備ブートレコードを全く 作成しない。 mbr-only を指定すると、 raid デバイス上には予備ブートレコードを作成せず、 raid セット の全てのディスクのマスターブートレコード (MBR) に ブートレコードを書き込むことで、 バージョン 22.0 以前の LILO との互換性を持たせる。 明示的なデバイスのリスト指定すると、 RAID1 デバイスのブートレ コードに加えて、 リストに列挙されたデバイスにのみ予備ブートレコードが書き込まれる。 バージョン 22 からは RAID1 コードが デバイス 0x80 の MBR にブートレコードを自動的に書き込まないので、 このような ブートレコードが必要ならば、 このオプションを使って書き込むことができる。 restricted カーネルイメージごとのパスワードオプションである `restricted' (詳細は後述)を、 全てのカーネルに適 用することを示す。 serial=<parameters> シリアルラインからの制御を可能にする。 指定したシリアルポートを初期化して、そこからの入力も受付け る。 通常通りキーボードからの入力も可能である。 コンソールでシフトキーを押す動作は、シリアルポート では break を送ることに対応する。これによってブートローダの 注意を引くことができる。 モデムがつな がっているなど、コンソールよりセキュリティが低い場合、 すべてのブートイメージをパスワードで保護し た方が良い。 パラメーターの書式は以下の通りである: <port>[,<bps>[<parity>[<bits>]]] <port>: シリアルポートの番号を指定する。0 から始まる。 例えば 0 は COM1 (別名 /dev/ttyS0) に対応す る。 シリアルポートは 0 から 4 まですべて使用できる (存在していれば)。 <bps>: シリアルポートの速度を指定する。 110, 150, 300, 600, 1200, 2400 (デフォルト), 4800, 9600 bps が指定可能である。 さらに速い速度として 19200, 38400, 57600 (56000) も指定できる。 115200 も指 定可能であるが、 全ての COMx ポートのハードウェアで動作するとは限らない。 ブートローダは入力パリティを無視して 8 ビット目を strip する。 次のどれかの文字 (大文字小文字どち らでも良い) を パリティの記述に用いることができる。 n: パリティを使用しない e: 奇数 (odd) パリティ を使用する o: 偶数 (even) パリティを使用する <bits>: 文字のビット数を指定する。7 と 8 が指定できる。 パリティを使わない場合のデフォルトは 8 で、使う場合は 7。 `serial' をセットすると、`delay' は自動的に 20 になる。 例: "serial=0,2400n8" は COM1 をデフォルトのパラメータで 初期化することを意味する。 single-key このオプションは、1 回のキー入力で選択してブートする ブートイメージや other エントリを指定する。 選択は名前の最初の文字に基づいて行われる。 名前の最初の文字は、他のものとは区別できるものでなけれ ばならない。 このオプションは、メニューや ビットマップユーザーインターフェース ("install=") ととも に 使うことはできない。 timeout=<tsecs> boot: プロンプトでのキーボード入力待ちのタイムアウト時間 (0.1秒単位) を指定する。 "timeout" は "prompt" が指定されている場合にのみ意味を持つ。 この時間内に入力がない場合は、自動的に最初のカーネ ルイメージでブートする。 パスワード入力待ちで入力がない場合も同様である。 デフォルトのタイムアウト 時間は無限である。 verbose=<number> 進行状況報告の詳細 (verbose) レベルを変更する。 大きな数を指定すると、より詳細な報告を出力する。 lilo のコマンドラインで更に -v が指定されていた場合、 詳細レベルはそれに応じて上がる。 最大の詳細 レベルは 5。 以上に加え、カーネルに対する設定パラメータとして append, ramdisk, read-only, read-write, root, vga をグ ローバルオプションに設定できる。 各々のカーネルイメージごとの設定として指定されなければ、 これらがデフォ ルトとして使用される。
カーネルイメージごとのセクション
カーネルイメージごとのセクションの始まりは、 Linux カーネルのブートイメージを含むデバイス/ファイルを指定 する image=<pathname> の行か、ブートしたい任意のシステムを指定する other=<device> という行である。 前者の書式で、image 行がデバイスからのブートが指定している場合は、 range=<start>-<end> range=<start>+<nsec> range=<sector> のいずれかによりマップされるセクタの範囲を示さなければならない。 3 番目の場合、"nsec=1" が仮定される。
カーネルオプション (image=)
ブートイメージが Linux カーネルならば、カーネルに対し コマンドラインパラメータを与えることができる。 append=<string> カーネルに渡すパラメータラインに指定するパラメータを追加する。 典型的な利用法としては、自動的には 検出されなかったり、 自動検知が危険なハードウェアに対するパラメータを指定する場合などがある。 例を 挙げる: append="hd=576,64,32" initrd=<name> カーネルと共に読み込む初期 RAM ディスクイメージを指定する。 このイメージは、ネットワークドライバや SCSI ドライバといった ブート時に必要なモジュールを含んでいる。 mkinitrd(8) の man ページを参照する こと。 literal=<string> `append' と似ているが、ここに与えた以外のオプション (ルートデバイスの設定など) をすべて無効にす る。 重要なオプションが `literal' により意図せず無効にされる可能性があるため、 これはグローバルオ プションには指定できない。 ramdisk=<size> RAM ディスクのサイズを指定する (例えば "4096k")。 0 の場合は RAM ディスクを作成しない。 これを省略 した場合、 RAM ディスクのサイズは ブートイメージに設定されている大きさになる。 read-only ルートファイルシステムをリードオンリーでマウントする。 グローバルオプションとして指定することもで きる。 通常システムのブートアップ手続きでは、(fsck などを実行した) 後から ルートファイルシステムを 読み書きモードで再マウントする。 read-write ルートファイルシステムを読み書きモードでマウントする。 グローバルオプションとして指定することもで きる。 root=<root-device> ルートとしてマウントするデバイスを指定する。 グローバルオプションとして指定することもできる。 現在 ルートとなっているデバイスを指定するには current という特別な名前を使用する。 -r オプションにより ルートが変更されている場合、 その変更後のデバイスが用いられる。このオプションが 省略されると、ルー トデバイスには現在のカーネルイメージが 入っているデバイスが使用される。(また、これはカーネルの Makefile の ROOT_DEV に指定してコンパイルすれば変更される。 rdev(8) により後で変更することも可能で ある。) vga=<mode> ブート時に選択された VGA の text モードを指定する。 グローバルオプションとして指定することもでき る。 以下の値が指定できる (大文字、小文字を区別しない): normal: 通常の 80x25 テキストモードを指定する。 extended (または ext): 80x50 テキストモードを指定する。 ask: ブート時に動作を停止し、入力を要求する。 <number>: 対応するテキストモードを使用する。 vga=ask を指定しておいて、ブート時に [Enter] を押せ ば、 使用できるモードのリストが表示される。 このオプションが省略されると、VGA モードは現在使用している カーネルイメージの設定になる。 (ま た、カーネルの Makefile の SVGA_MODE に指定して コンパイルすれば変更可能である。 rdev(8) により後 で変更することも可能である)。
他のシステム (other=)
Linux 以外のシステムをロードするのに使われる。 `other = <device>' という形式で、他のシステムのブートセク タがある デバイスやディスクパーティションを指定する。 例えば、DOS の場合は `/dev/hda2'、フロッピーの場合 は `/dev/fd0' などである。 他のシステムをブートするときには、以下のオプションが使用できる: loader=<chain-loader> 使用するチェーンローダを指定する。 このオプションはグローバルセクションに指定することもできる。 デ フォルトでは、 /boot/chain.b を使用する。 このチェーンローダは読み込んだブートセクタの パーティ ションとドライブの情報を渡す。 情報を読み込めるファイルシステムは、 DOS の FAT12 と FAT16, Windows の FAT16 と FAT32, OS/2 の FAT16 と HPFS のみである。 代替品のチェーンローダである /boot/os2_d.b はパーティションとドライブの情報を OS/2 と DOS に適した形で渡す。 (下記の table=<letter> を参照) table=<device> パーティションテーブルを持っているデバイスを指定する。 これを省略した場合、ブートローダはブートす る OS に デフォルトパーティションの情報を渡す。 (OS によっては、 自分がどのパーティションからブー トされたかを決める方法を別に持っている。 例えば MS-DOS は通常ブートディスク/パーティションのジオメ トリ情報を ブートセクタに保存する。) 'table' で参照されているパーティションテーブルが変更された場 合は、 /sbin/lilo を再実行する必要があることに注意。 table=<drive-letter> このオプションは os2_d.b チェーンローダの場合にのみ有効である。 これはブートするパーティションの DOS ドライブ文字を指定する。 これは OS/2 を拡張パーティションにインストールした場合は 必須である。 ドライブ文字は後ろにコロンをつけてもつけなくても良い。 change このキーワードは、どのようにプライマリパーティションの ID を変更するか、 そしてどのようにしてプラ イマリパーティションを有効/無効にするかを 記述するセクションを開始する。 change がなかった場合、 変更ルールは automatic キーワードが指定されたものとして生成される。 キーワード change だけがあっ て、その後に変更ルールがない場合、 automatic 変更ルールが無効になる。 例えば、 other=/dev/hda2 label=dos table=/dev/hda change automatic partition=/dev/hda1 set=DOS12_hidden deactivate partition=/dev/hda2 set=DOS16_big_normal activate この指定では、プライマリパーティション /dev/hda2 からブートされた場合、 自動的に生成される変更ルー ルが有効となる。 さらに、DOS12 パーティションであるパーティション 1 は隠され、無効にされる。 ま た、パーティション 2 は普通に設定され、有効にされる。 有効化はパーティションテーブルのブートフラグ を設定する。 automatic キーワードはデフォルトの変更ルールと競合するため、上記の set= 行は冗長であ る。 map-drive=<num> 指定されたドライブの BIOS コールを、 次の行で to=<num> の形で指定されたデバイスコードにマッピング する。 このマッピングは DOS のような OS を 2 番目のハードディスクから ブートするときに便利である。 以下の例では、C: ドライブと D: ドライブを入れ替える。 map-drive=0x80 to=0x81 map-drive=0x81 to=0x80 unsafe マップの作成時にブートセクタにアクセスしない。 これにより、パーティションテーブルチェックなどの正 当性の検査は できなくなる。 ブートセクタが固定フォーマットのフロッピー上にある場合に UNSAFE を用い ると、マップインストーラの実行時に ドライブに読み取り可能なディスクを挿入しなくてすむ。 `unsafe' と `table' は同時に指定できない。
コマンドオプション (image= & other=)
image= と other= の両方の場合に、以下のオプションが使用できる。 label=<name> ブートローダは指定するブートイメージの識別に、 (パス名を除いた) ファイル名を使う。 違った識別名を 使うこともでき、変数 `label' に設定すればよい。 alias=<name> 同じブートイメージの 2 番目の識別名として、 ここで指定される別名を使うこともできる。 lock (上記を参照。) optional マップ作成時に利用でなければ、このブートイメージを省略する。 常に存在するとは限らないテスト用カー ネルを ブートイメージに指定する際に便利である。 password=<password> `image=' または `other=' をパスワード (パスフレーズ) で保護する。 グローバルセクションとして指定す ることもできる。 `password=' 設定の解釈は、 (下記の) `mandatory', `restricted', `bypass' によって 変わる。 パスワードは、(セキュリティ上の問題があるが) 設定ファイルで指定することも、 ブートローダのインス トール時に入力することもできる。 対話的にパスワードを入力するリクエストをさせるためには、 password="" を指定する必要がある。 ブートインストーラを再実行する際に、 対話的にパスワードを入力す る指定をもう一度行う必要はない。 この指定は、設定ファイルの参考ファイル (デフォルトの名前は /etc/lilo.conf.crc) にハッシュ形式でキャッシュされている。 設定ファイルが更新された場合、 パスワー ドキャッシュファイルを再作成するために lilo -p を再実行せよ、という警告メッセージが出される。 mandatory このオプションが指定されているイメージをブートするためには、 パスワードが必要である。 これがデフォ ルトである。 このオプションは、別のグローバル設定を上書きするために、 `image=' または `other=' の セクションで指定される。 restricted コマンドラインからカーネルパラメータ (例えば 'single') が指定されたときにだけ、 イメージをブートす る際のパスワード入力を要求するようにする。 このオプションは、別のグローバル設定を上書きするため に、 `image=' または `other=' のセクションで指定される。 bypass イメージをブートする際にパスワードを必要としない。 `image=' または `other=' で指定されているイメー ジのブートに グローバルパスワードを適用しないことを示すのに使われる。
関連項目
lilo(8), mkinitrd(8), mkrescue(8), rdev(8). lilo のディストリビューションには、ここで要約した内容の 詳細なドキュメントが含まれている。 (lilo 22.1) 31 Oct 2001 LILO.CONF(5)