Provided by: debhelper_13.18ubuntu2.1_all
名前
dh_movefiles - debian/tmp からサブパッケージへファイルを移動する
書式
dh_movefiles [debhelper オプション] [--sourcedir=ディレクトリ] [-Xitem] [ファイル ...]
説明
dh_movefiles は、debian/tmp ディレクトリや他のディレクトリから、別のパッケージビルドディレ クトリへファイルを移動する役割を持つ debhelper プログラムです。これはパッケージしようとす るソフトウェアに含まれる Makefileフ ァイルにより、インストールすべき物が debian/tmp へイン ストールされてしまうような場合に、これらを別々のディレクトリに後から仕分けたいような場合に 便利です。 注意:dh_install は dh_movefiles よりもはるかに良いプログラムなので、dh_install を利用する ことを推奨します。
ファイル
debian/package.files とあるパッケージへ移動したいファイルを、空白区切りで列挙します。ファイル名は必ず debian/tmp/ からの相対パスで指定しなければなりません。また、ディレクトリ名を指定するこ ともでき、その場合は、ディレクトリをそのまま移動します。
オプション
--sourcedir=dir debian/tmp (デフォルトの移動元) からファイルを移動する代わりに、別のディレクトリから ファイルを移動するように指定します。なお、移動元ディレクトリにある全ファイルを移動する 為、--sourcedir=/ のような指定は、非常に危険です。こういった間違いを防ぐ為、移動元ディ レクトリは相対パスしか受け付けないようにしてあります。つまり、'/' で始まるディレクトリ 指定は出来ません。 -Xitem, --exclude=item item をファイル名のどこかに含むファイルはインストール候補から除外します。 file ... 移動すべきファイルを列挙したファイルです。列挙されているファイルは debian/tmp/ からの 相対パスである必要があります。ディレクトリ名を列挙することも出来、その場合は、各ディレ クトリ全体を移動します。なお、-p、-i、-a を使って dh_movefiles にどのサブパッケージに 移動すべきかを指定していない場合エラーが報告されます。
付記
デフォルト debian/tmp からファイルを移動するという事になっています (もし debhelper が互換 性レベル v1 以上で利用したとしても、debian/tmp 以外は利用されません)。この背景として、ビル ドされたパッケージは debian/tmp に一旦インストールし、後で dh_movefiles コマンドにより debian/tmp から移動するという考え方があります。なお移動されなかったファイルやディレクトリ は無視され、後に dh_clean によって消去されることとなります。
参照
debhelper(7) このプログラムは debhelper の一部です。
作者
Joey Hess <joeyh@debian.org>