Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       atan2, atan2f, atan2l - 二つの変数に対する逆正接(arc tangent)関数

書式

       #include <math.h>

       double atan2(double y, double x);
       float atan2f(float y, float x);
       long double atan2l(long double y, long double x);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       atan2f(), atan2l():
              _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
                  || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
                  || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE

説明

       これらの関数は  y/x の逆正接 (arg tangent) の主値を計算する。 二つの引数の符号は結果の象限
       を決定するために使われる。

返り値

       成功すると、これらの関数は y/x の逆正接の主値をラジアン単位で返す。 返り値は [-pi, pi]  の
       範囲となる。

       y が +0 (-0) で x が 0 未満の場合、+pi (-pi) が返される。

       y が +0 (-0) で x が 0 より大きい場合、+0 (-0) が返される。

       y が 0 未満で x が +0 か -0 の場合、-pi/2 が返される。

       y が 0 より大きく x が +0 か -0 の場合、pi/2 が返される。

       xy のいずかが NaN の場合、NaN が返される。

       y が +0 (-0) で x が -0 の場合、+pi (-pi) が返される。

       y が +0 (-0) で x が +0 の場合、+0 (-0) が返される。

       y が 0 より大きい (小さい) 有限値で x が負の無限大の場合、+pi (-pi) が返される。

       y が 0 より大きい (小さい) 有限値で x が正の無限大の場合、+0 (-0) が返される。

       y が正の無限大 (負の無限大) で x が有限値の場合、pi/2 (-pi/2) が返される。

       y が正の無限大 (負の無限大) で x が負の無限大の場合、+3*pi/4 (-3*pi/4) が返される。

       y が正の無限大 (負の無限大) で x が正の無限大の場合、+pi/4 (-pi/4) が返される。

エラー

       エラーは発生しない。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├─────────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │atan2(), atan2f(), atan2l()  │ Thread safety │ MT-Safe │
       └─────────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       C99, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

       double 版の関数は SVr4, 4.3BSD, C89 にも準拠している。

関連項目

       acos(3), asin(3), atan(3), carg(3), cos(3), sin(3), tan(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2017-09-15                                   ATAN2(3)