Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       getgrent, setgrent, endgrent - グループファイルエントリーの取得

書式

       #include <sys/types.h>
       #include <grp.h>

       struct group *getgrent(void);

       void setgrent(void);

       void endgrent(void);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       setgrent():
           _XOPEN_SOURCE >= 500
               || /* glibc 2.19 以降: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* glibc 2.19 以前: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
       getgrent(), endgrent():
           glibc 2.22 以降:
               _XOPEN_SOURCE >= 500 ||
                   _DEFAULT_SOURCE
           Glibc 2.21 and earlier
               _XOPEN_SOURCE >= 500
                   || /* glibc 2.12 以降: */ _POSIX_C_SOURCE >= 200809L
                   || /* glibc 2.19 以前: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE

説明

       getgrent()   関数は、グループデータベースから取得したエントリーを 要素毎に分解し、各要素を
       格納した構造体へのポインターを返す  (グループデータベースの例:  ローカルのグループファイル
       /etc/group,  NIS, LDAP)。 getgrent() は、最初に呼び出された時は最初のエントリーを返し、 そ
       れ以降は呼び出される毎に次のエントリーを返す。

       setgrent()  関数を使うと、もう一度読み込めるように、 グループデータベースの先頭に戻る。

       endgrent()  関数は、全ての処理が終わった後にグループ データベースをクローズする。

       group 構造体は <grp.h> で以下のように定義されている:

           struct group {
               char   *gr_name;        /* グループ名 */
               char   *gr_passwd;      /* グループのパスワード */
               gid_t   gr_gid;         /* グループ ID */
               char  **gr_mem;         /* グループのメンバ名へのポインター
                                          の配列 (配列はヌルで終端する) */
           };

       この構造体のフィールドの詳細は group(5)  を参照のこと。

返り値

       getgrent()  関数は group 構造体へのポインターを返す。 これ以上エントリーが無いか、エラーが
       発生した場合は NULL を返す。

       エラーが発生すると、  errno が適切に設定される。 この関数の呼び出し後に errno をチェックし
       たい場合は、呼び出し前に errno を 0 に設定しておかないといけない。

       返り値は静的な領域を指しており、その後の getgrent(), getgrgid(3), getgrnam(3) の呼び出しで
       上書きされるかもしれない。 (返されたポインターを free(3)  に渡さないこと。)

エラー

       EAGAIN サービスが一時的に利用できなかったこと。あとでもう一度試してほしい。 NSS バックエン
              ドの場合、glibc  では、バックエンドとの通信中に一時的なエラーが発生したことを示す。
              このエラーは直るかもしれないので、あとでもう一度試すよう提案している。

       EINTR  シグナルが捕捉された。signal(7) 参照。

       EIO    I/O エラー。

       EMFILE オープンされたファイルディスクリプター数がプロセス毎の上限に達している。

       ENFILE オープンされたファイルの総数がシステム全体の上限に達している。

       ENOENT 必要な入力ファイルが見つからなかった。  NSS  バックエンドの場合、glibc では、このエ
              ラーはバックエンドが正しく設定されていないことを示す。

       ENOMEM group 構造体を割り当てるためのメモリーが不十分。

       ERANGE 与えられたバッファー空間が不十分である。

ファイル

       /etc/group
              ローカルのグループデータベースファイル

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────┬───────────────┬─────────────────────────────┐
       │インターフェース属性                          │
       ├─────────────────┼───────────────┼─────────────────────────────┤
       │getgrent()       │ Thread safety │ MT-Unsafe race:grent        │
       │                 │               │ race:grentbuf locale        │
       ├─────────────────┼───────────────┼─────────────────────────────┤
       │setgrent(),      │ Thread safety │ MT-Unsafe race:grent locale │
       │endgrent()       │               │                             │
       └─────────────────┴───────────────┴─────────────────────────────┘
       In the above table, grent in race:grent signifies that if any of the functions setgrent(),
       getgrent(), or endgrent()  are used in parallel in different threads of  a  program,  then
       data races could occur.

準拠

       POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, SVr4, 4.3BSD.

関連項目

       fgetgrent(3),   getgrent_r(3),   getgrgid(3),  getgrnam(3)  getgrouplist(3),  putgrent(3),
       group(5)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2017-09-15                                GETGRENT(3)