Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       getprotoent_r,  getprotobyname_r, getprotobynumber_r - プロトコル エントリーを取得する (リ
       エントラント版)

書式

       #include <netdb.h>

       int getprotoent_r(struct protoent *result_buf, char *buf,
                       size_t buflen, struct protoent **result);

       int getprotobyname_r(const char *name,
                       struct protoent *result_buf, char *buf,
                       size_t buflen, struct protoent **result);

       int getprotobynumber_r(int proto,
                       struct protoent *result_buf, char *buf,
                       size_t buflen, struct protoent **result);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       getprotoent_r(), getprotobyname_r(), getprotobynumber_r():
           Since glibc 2.19:
               _DEFAULT_SOURCE
           Glibc 2.19 and earlier:
               _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE

説明

       関数    getprotoent_r(),     getprotobyname_r(),     getprotobynumber_r()     は、それぞれ
       getprotoent(3), getprotobyname(3), getprotobynumber(3) のリエントラント版である。 protoent
       構造体の返し方と、関数呼び出し時の引数と返り値が異なる。  このマニュアルページでは、リエン
       トラントでない関数との違いだけを 説明する。

       これらの関数は、関数の結果として静的に割り当てられた  protoent 構造体 へのポインターを返す
       のではなく、 protoent 構造体を result_buf が 指す場所にコピーする。

       配列 buf は、返される protoent 構造体が指す文字列フィールドを 格納するのに使用される (リエ
       ントラントでない関数の場合は、  これらの文字列は静的な領域に格納される)。 この配列の大きさ
       は buflen で指定される。 buf が小さすぎる場合、関数呼び出しはエラー ERANGE で失敗し、 呼び
       出し側ではもっと大きなバッファーで再度呼び出す必要がある   (ほとんどの  アプリケーションで
       は、長さ 1024 バイトのバッファーで十分なはずである)。

       関数呼び出しでプロトコルレコードの取得に成功すると、 *resultresult_buf  を指すように設
       定される。 それ以外の場合は *result に NULL が設定される。

返り値

       成功すると、これらの関数は 0 を返す。エラーの場合、「エラー」の節の リストにある正のエラー
       番号のいずれかを返す。

       エラーの場合、レコードが見つからなかった場合 (getprotobyname_r(), getprotobyaddr_r()) やこ
       れ以上レコードがない場合 (getprotoent_r())、result には NULL が設定される。

エラー

       ENOENT (getprotoent_r())  データベースにこれ以上レコードがない。

       ERANGE buf  が小さすぎる。もっと大きなバッファーにして (または buflen を増やして) 再度呼び
              出すこと。

属性

       この節で使用されている用語の説明は attributes(7) を参照のこと。

       ┌─────────────────────┬───────────────┬────────────────┐
       │InterfaceAttributeValue          │
       ├─────────────────────┼───────────────┼────────────────┤
       │getprotoent_r(),     │ Thread safety │ MT-Safe locale │
       │getprotobyname_r(),  │               │                │
       │getprotobynumber_r() │               │                │
       └─────────────────────┴───────────────┴────────────────┘

準拠

       これらの関数は GNU による拡張である。 他のシステムにも同様の名前の関数が存在する場合がある
       が、 通常は関数の引数が異なる。

       以下のプログラムは、  getprotobyname_r() を使って、最初のコマンド ライン引数で指定された名
       前のプロトコルのレコードを取得する。 二番目のコマンドライン引数 (整数値)  が指定された場合
       は、  その値が buflen の初期値として使用される。 getprotobyname_r() がエラー ERANGE で失敗
       すると、プログラムは より大きなバッファーサイズで再度 getprotobyname_r を呼び出す。 下記の
       シェルのセッションは、実行例を示している。

           $ ./a.out tcp 1
           ERANGE! Retrying with larger buffer
           getprotobyname_r() returned: 0 (success)  (buflen=78)
           p_name=tcp; p_proto=6; aliases=TCP
           $ ./a.out xxx 1
           ERANGE! Retrying with larger buffer
           getprotobyname_r() returned: 0 (success)  (buflen=100)
           Call failed/record not found

   プログラムのソース

       #define _GNU_SOURCE
       #include <ctype.h>
       #include <netdb.h>
       #include <stdlib.h>
       #include <stdio.h>
       #include <errno.h>
       #include <string.h>

       #define MAX_BUF 10000

       int
       main(int argc, char *argv[])
       {
           int buflen, erange_cnt, s;
           struct protoent result_buf;
           struct protoent *result;
           char buf[MAX_BUF];

           if (argc < 2) {
               printf("Usage: %s proto-name [buflen]\n", argv[0]);
               exit(EXIT_FAILURE);
           }

           buflen = 1024;
           if (argc > 2)
               buflen = atoi(argv[2]);

           if (buflen > MAX_BUF) {
               printf("Exceeded buffer limit (%d)\n", MAX_BUF);
               exit(EXIT_FAILURE);
           }

           erange_cnt = 0;
           do {
               s = getprotobyname_r(argv[1], &result_buf,
                            buf, buflen, &result);
               if (s == ERANGE) {
                   if (erange_cnt == 0)
                       printf("ERANGE! Retrying with larger buffer\n");
                   erange_cnt++;

                   /* Increment a byte at a time so we can see exactly
                      what size buffer was required */

                   buflen++;

                   if (buflen > MAX_BUF) {
                       printf("Exceeded buffer limit (%d)\n", MAX_BUF);
                       exit(EXIT_FAILURE);
                   }
               }
           } while (s == ERANGE);

           printf("getprotobyname_r() returned: %s  (buflen=%d)\n",
                   (s == 0) ? "0 (success)" : (s == ENOENT) ? "ENOENT" :
                   strerror(s), buflen);

           if (s != 0 || result == NULL) {
               printf("Call failed/record not found\n");
               exit(EXIT_FAILURE);
           }

           printf("p_name=%s; p_proto=%d; aliases=",
                       result_buf.p_name, result_buf.p_proto);
           for (char **p = result_buf.p_aliases; *p != NULL; p++)
               printf("%s ", *p);
           printf("\n");

           exit(EXIT_SUCCESS);
       }

関連項目

       getprotoent(3), protocols(5)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。