Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all
名前
rpmatch - 質問への応答が肯定か否定かを判定する
書式
#include <stdlib.h> int rpmatch(const char *response); glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照): rpmatch(): Since glibc 2.19: _DEFAULT_SOURCE Glibc 2.19 and earlier: _SVID_SOURCE
説明
rpmatch() は yes/no の質問に対するユーザーからの応答を処理する。 国際化 (I18N) に対応して いる。 response にはユーザーからの応答を格納したヌル終端文字列が入っている必要がある。 たいてい は、 fgets(3) や getline(3) で取り込んだものであろう。 プログラムが setlocale(3) を呼び出して環境変数の変更を有効にした場合、 環境変数 LANG, LC_MESSAGES, LC_ALL が ユーザーの言語設定として考慮される。 ロケールに関わらず、^[Yy] にマッチする応答は常に肯定だと解釈され、 ^[Nn] にマッチする応答 は常に否定だと解釈される。
返り値
response を検査した後、 rpmatch() は否定的な応答 ("no") と認識した場合は 0 を返し、 肯定 的な応答 ("yes") と認識した場合は 1 を返す。 response の値を解釈できなかった場合は -1 を返 す。
エラー
返り値 -1 が返った場合、入力が不正であったか、他の何らかのエラーが あったことを意味す る。返り値が 0 以外かどうかを確認するだけでは 十分ではない。 rpmatch() は、 regcomp(3) や regexec(3) が失敗する理由のどれかで失敗することがある。 エ ラーの原因を errno や他の何かで知ることはできないが、 errno は正規表現エンジンの失敗の原因 を示している (但し、このケースと response の値を認識できずに失敗した場合を区別することはで きない)。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。 ┌─────────────────┬───────────────┬────────────────┐ │インターフェース │ 属性 │ 値 │ ├─────────────────┼───────────────┼────────────────┤ │rpmatch() │ Thread safety │ MT-Safe locale │ └─────────────────┴───────────────┴────────────────┘
準拠
rpmatch() はどの標準でも必須となっていないが、 Linux 以外にも利用できるシステムもいくつか は存在する。
バグ
rpmatch() の実装は response の最初の 1 文字だけを見ているようである。その結果、 "nyes" は 0 を返し、 "ynever; not in a million years" は 1 を返すことになる。 入力文字列をもっと厳密 に解釈した方がよいだろう。 例えば、 (regex(7) で説明されている拡張正規表現を使って) ^([yY]|yes|YES)$ や ^([nN]|no|NO)$ で解釈するなど。
例
以下のプログラムは、コマンドライン引数で 指定された文字列を rpmatch() に渡した場合の結果 を表示する。 #define _SVID_SOURCE #include <locale.h> #include <stdlib.h> #include <string.h> #include <stdio.h> int main(int argc, char *argv[]) { if (argc != 2 || strcmp(argv[1], "--help") == 0) { fprintf(stderr, "%s response\n", argv[0]); exit(EXIT_FAILURE); } setlocale(LC_ALL, ""); printf("rpmatch() returns: %d\n", rpmatch(argv[1])); exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目
fgets(3), getline(3), nl_langinfo(3), regcomp(3), setlocale(3)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの 説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。