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名前

       getservent,  getservbyname, getservbyport, setservent, endservent - サービスのエントリーを
       取得する

書式

       #include <netdb.h>

       struct servent *getservent(void);

       struct servent *getservbyname(const char *name, const char *proto);

       struct servent *getservbyport(int port, const char *proto);

       void setservent(int stayopen);

       void endservent(void);

説明

       getservent()  関数はサービスのデータベース (services(5)  参照)  から次のエントリーを読み込
       み、 そのエントリーを servent 構造体の要素別のフィールドに格納し、 その構造体を返す。 必要
       であれば、データベースへの接続がオープンされる。

       getservbyname()  関数は、 プロトコル proto を用いるサービスの名前 name  にマッチするエント
       リーをデータベースから探し、  そのエントリーを収めた  servent 構造体を返す。 proto が NULL
       の場合は、任意のプロトコルにマッチする。  必要であれば、データベースへの接続がオープンされ
       る。

       getservbyport()   関数は、 プロトコル proto を用いるサービスのポート番号 port にマッチする
       エントリーをデータベースから探し、 そのエントリーの内容を収めた servent 構造体を返す (ポー
       ト番号 port はネットワークバイトオーダで指定する)。 proto が NULL の場合は任意のプロトコル
       にマッチする。 必要であれば、データベースへの接続がオープンされる。

       setservent()  関数はデータベースへの接続をオープンし、  次の読み込みエントリーを先頭のエン
       トリーに設定する。  stayopen  が  0 でない場合、 一つ一つの getserv*()  関数の呼び出し間で
       データベースへの接続をクローズしない。

       endservent()  関数はデータベースへの接続をクローズする。

       servent 構造体は <netdb.h> で以下のように定義されている。

           struct servent {
               char  *s_name;       /* official service name */
               char **s_aliases;    /* alias list */
               int    s_port;       /* port number */
               char  *s_proto;      /* protocol to use */
           }

       servent 構造体のメンバーは以下の通り。

       s_name サービスの正式名 (official name)。

       s_aliases
              サービスの別名のリスト。 リストはヌルで終端される。

       s_port サービスのポート番号。ネットワークバイトオーダで指定される。

       s_proto
              このサービスと共に用いるプロトコルの名前。

返り値

       getservent(), getservbyname(), getservbyport()  関数は、 静的に割り当てられた servent 構造
       体へのポインターを返す。 エラーが起こったり、ファイルの末尾に達した場合は NULL を返す。

ファイル

       /etc/services
              サービスのデータベースファイル

属性

       この節で使用されている用語の説明は attributes(7) を参照のこと。

       ┌────────────────┬───────────────┬───────────────────────────┐
       │InterfaceAttributeValue                     │
       ├────────────────┼───────────────┼───────────────────────────┤
       │getservent()    │ Thread safety │ MT-Unsafe race:servent    │
       │                │               │ race:serventbuf locale    │
       ├────────────────┼───────────────┼───────────────────────────┤
       │getservbyname() │ Thread safety │ MT-Unsafe race:servbyname │
       │                │               │ locale                    │
       ├────────────────┼───────────────┼───────────────────────────┤
       │getservbyport() │ Thread safety │ MT-Unsafe race:servbyport │
       │                │               │ locale                    │
       ├────────────────┼───────────────┼───────────────────────────┤
       │setservent(),   │ Thread safety │ MT-Unsafe race:servent    │
       │endservent()    │               │ locale                    │
       └────────────────┴───────────────┴───────────────────────────┘
       In  the  above  table,  servent  in  race:servent  signifies  that if any of the functions
       setservent(), getservent(), or endservent()  are used in parallel in different threads  of
       a program, then data races could occur.

準拠

       POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, 4.3BSD.

関連項目

       getnetent(3), getprotoent(3), getservent_r(3), services(5)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。