Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all 

名前
pthread_kill - スレッドにシグナルを送信する
書式
#include <signal.h>
int pthread_kill(pthread_t thread, int sig);
-pthread を付けてコンパイルとリンクを行う。
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
pthread_kill():
_POSIX_C_SOURCE >= 199506L || _XOPEN_SOURCE >= 500
説明
pthread_kill() 関数は、呼び出したスレッドと同じプロセスの スレッド thread にシグナル sig を送信する。 シ
グナルは非同期に thread へ直接送られる。
sig が 0 の場合、シグナルは送信されないが、エラーチェックだけは実行される。
返り値
成功すると、 pthread_kill() は 0 を返す。 エラーの場合、エラー番号を返し、シグナルの送信は行わない。
エラー
EINVAL 無効なシグナルが指定された。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
┌──────────────────┬───────────────┬─────────┐
│ インターフェース │ 属性 │ 値 │
├──────────────────┼───────────────┼─────────┤
│ pthread_kill() │ Thread safety │ MT-Safe │
└──────────────────┴───────────────┴─────────┘
準拠
POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.
注意
シグナルの配送はプロセス全体で行われる。 シグナルハンドラーが設定されている場合、 そのハンドラーがスレッ
ド thread で起動されるが、 シグナルの配送が "stop", "continue", "terminate" のいずれかの場合、 シグナルに
対するアクションはプロセス全体に影響がある。
The glibc implementation of pthread_kill() gives an error (EINVAL) on attempts to send either of the
real-time signals used internally by the NPTL threading implementation. See nptl(7) for details.
POSIX.1-2008 では、 スレッドが終了した後にそのスレッド ID が使用されたことを検出した場合に、
pthread_kill() はエラー ESRCH を返すことを推奨されている。 glibc の実装では、無効なスレッド ID を検出でき
る場合にはこのエラーを返す。 しかし、 POSIX では、 終了したスレッド ID を使おうとした場合の動作は不定であ
り、 pthread_kill() で無効なスレッド ID を使おうとした場合には、 例えば、 セグメンテーションフォールトに
なる可能性もある点に注意すること。
関連項目
kill(2), sigaction(2), sigpending(2), pthread_self(3), pthread_sigmask(3), raise(3), pthreads(7),
signal(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告
に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
Linux 2017-09-15 PTHREAD_KILL(3)