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名前
fchownat - ディレクトリファイルディスクリプタから相対的な位置にあるファイルの所有者を変更する
書式
#include <fcntl.h> /* AT_* 定数の定義 */
#include <unistd.h>
int fchownat(int dirfd, const char *pathname,
uid_t owner, gid_t group, int flags);
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
fchownat():
glibc 2.10 以降:
_XOPEN_SOURCE >= 700 || _POSIX_C_SOURCE >= 200809L
glibc 2.10 より前:
_ATFILE_SOURCE
説明
fchownat() システムコールは、この man ページで説明している違いがある以外は、 chown(2) と全く同じように動
作する。
pathname で指定されるパス名が相対パスである場合、 ファイルディスクリプタ dirfd で参照されるディレクトリか
らの相対パス名として解釈される (chown(2) では、相対パスは呼び出し元プロセスのカレントワーキングディレクト
リからの 相対パスとなる)。
pathname が相対パスであり、かつ dirfd が特別な値 AT_FDCWD である場合、 pathname は (chown(2) と同じよう
に) 呼び出し元プロセスの カレントワーキングディレクトリからの相対パス名として解釈される。
pathname が絶対パスである場合、 dirfd は無視される。
flags 引き数は、 以下の値を 0 個以上 OR して作られるビットマスクである。
AT_EMPTY_PATH (Linux 2.6.39 以降)
pathname が空の文字列の場合、 dirfd が参照するファイルに対して操作が行われる (dirfd は open(2) の
O_PATH フラグを使って取得することができる)。 この場合、 dirfd は、 ディレクトリだけでなく、任意の
種類のファイルを参照することができる。
AT_SYMLINK_NOFOLLOW
pathname がシンボリックリンクの場合は、それを辿るのではなく、 lchown(2) と同様にリンク自身に対し
て (所有者の変更の) 操作を行う (デフォルトでは、 fchownat() は chown(2) と同様にシンボリックリン
クを辿る)。
返り値
成功した場合、 fchownat() は 0 を返す。 エラーの場合、-1 が返されて、 errno にはエラーを示す値が設定され
る。
エラー
chown(2) と同じエラーが fchownat() でも起こる。 fchownat() では、その他に以下のエラーが起こる:
EBADF dirfd が有効なファイルディスクリプタでない。
EINVAL flags に不正なフラグ値が指定された。
ENOTDIR
pathname が相対パスで、かつ dirfd がディレクトリ以外のファイルを参照するファイルディスクリプタであ
る。
バージョン
fchownat() は Linux カーネル 2.6.16 で追加された。 ライブラリによるサポートは glibc バージョン 2.4 で追
加された。
準拠
POSIX.1-2008. Solaris には、これと同じようなシステムコールが存在する。
注意
fchownat() が必要な理由については、 openat(2) を参照すること。
関連項目
chown(2), openat(2), path_resolution(7), symlink(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
Linux 2013-07-21 FCHOWNAT(2)