Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all bug

名前

       fstatat - ディレクトリファイルディスクリプタから相対的な位置にあるファイルの状態を取得する

書式

       #include <fcntl.h> /* AT_* 定数の定義 */
       #include <sys/stat.h>

       int fstatat(int dirfd, const char *pathname, struct stat *buf,
                   int flags);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       fstatat():
           glibc 2.10 以降:
               _XOPEN_SOURCE >= 700 || _POSIX_C_SOURCE >= 200809L
           glibc 2.10 より前:
               _ATFILE_SOURCE

説明

       fstatat()  システムコールは、この man ページで説明している違いがある以外は、 stat(2)  と全
       く同じように動作する。

       pathname で指定されるパス名が相対パスである場合、 ファイルディスクリプタ dirfd  で参照され
       るディレクトリからの相対パス名として解釈される (stat(2) では、相対パスは呼び出し元プロセス
       のカレントワーキングディレクトリからの 相対パスとなる)。

       pathname  が相対パスであり、かつ  dirfd  が特別な値  AT_FDCWD  である場合、  pathname   は
       (stat(2)   と同じように) 呼び出し元プロセスの カレントワーキングディレクトリからの相対パス
       名として解釈される。

       pathname が絶対パスである場合、 dirfd は無視される。

       flags には 0 または以下のフラグの 1 つ以上を論理和 (OR) で指定する。

       AT_EMPTY_PATH (Linux 2.6.39 以降)
              pathname が空の文字列の場合、 dirfd が参照するファイルに対して操作が行われる (dirfdopen(2)  の  O_PATH フラグを使って取得することができる)。 この場合、 dirfd は、
              ディレクトリだけでなく、任意の種類のファイルを参照することができる。

       AT_NO_AUTOMOUNT (Linux 2.6.38 以降)
              pathname   がオートマウントポイントのディレクトリの場合、   pathname   の最後の要素
              ("basename") のオートマウントを行わない。 このフラグを使うと、(マウント先の場所では
              なく)  オートマウントポイント  自身の属性を収集することができる。  ディレクトリをス
              キャンするようなツールで、オートマウントポイントを 含むディレクトリで大量のオートマ
              ウントが起こらないようにするのに、 このフラグを使うことができる。  マウントポイント
              がすでにマウントされている場合には、 AT_NO_AUTOMOUNT フラグは何も効果はない。

       AT_SYMLINK_NOFOLLOW
              pathname  がシンボリックリンクの場合は、それを辿るのではなく、 lstat(2)  と同様にリ
              ンク自身についての情報を返す (デフォルトでは、 fstatat()  は stat(2)   と同様にシン
              ボリックリンクを辿る)。

返り値

       成功した場合、 fstatat()  は 0 を返す。 エラーの場合、-1 が返されて、 errno にはエラーを示
       す値が設定される。

エラー

       stat(2)  と同じエラーが fstatat()  でも起こる。 fstatat()   では、その他に以下のエラーが起
       こる:

       EBADF  dirfd が有効なファイルディスクリプタでない。

       EINVAL flags に不正なフラグ値が指定された。

       ENOTDIR
              pathname  が相対パスで、かつ  dirfd  がディレクトリ以外のファイルを参照するファイル
              ディスクリプタである。

バージョン

       fstatat()  は Linux カーネル 2.6.16 で追加された。 ライブラリによるサポートは  glibc  バー
       ジョン 2.4 で追加された。

準拠

       POSIX.1-2008.  Solaris には、これと同じようなシステムコールが存在する。

注意

       fstatat()  が必要な理由については、 openat(2)  を参照すること。

       glibc  の  fstatat() のラッパー関数が利用するシステムコールとしては、 実際には fstatat64()
       が呼び出される。

関連項目

       openat(2), stat(2), path_resolution(7), symlink(7),

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。