Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all bug

名前

       nice - プロセスの優先度を変更する

書式

       #include <unistd.h>

       int nice(int inc);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       nice(): _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE

説明

       nice()  は inc の値を nice を呼んだプロセスの nice 値に加える (nice 値が大きい数値ほど低い優先度を表す)。
       負の数を指定する、つまり、以前よりも優先度を上げるという指定ができるのは     スーパーユーザーだけである。
       nice 値の範囲については getpriority(2)  で説明されている。

返り値

       成功した場合、新しい nice 値が返る (但し、下記の「注意」を参照)。 失敗した場合 -1 が返り、 errno がエラー
       の内容に従って設定される。

エラー

       EPERM  スーパーユーザー以外が inc に負の数値を指定して優先度を上げようとした。 呼び出し元のプロセスが inc
              に負の数値を指定して優先度を上げようとしたが、     十分な権限を持っていなかった。    Linux    では
              CAP_SYS_NICE ケーパビリティが必要である。 (setrlimit(2)  のリソース上限 RLIMIT_NICE に関する議論も
              参照のこと)。

準拠

       SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001.  しかし、Linux と (2.2.4より古い) (g)libc では返り値は標準と異なる。 詳細は以
       下を参照のこと。 SVr4 には他に EINVAL エラーコードについての記述がある。

注意

       SUSv2 と POSIX 1003.1-2003 では、 nice()  は新しい nice 値を返すと規定されている。  一方、Linux  システム
       コールと (2.2.4 より古い) (g)libc ライブラリ関数は 成功時に 0 を返す。新しい nice 値は getpriority(2)  を
       使って取得できる。

       glibc 2.2.4 以降では、 nice()  は getpriority(2)  を呼び出すライブラリ関数として実装されており、 呼び出し
       元に返す新しい  nice 値を getpriority(2)  を呼び出して取得するようになっている。 この実装では、正常な動作
       でも -1 が返される可能性がある。 確実にエラーを検出するためには、 呼び出しの前に errno  に  0  を設定し、
       nice()  が -1 を返したときに errno をチェックすると良い。

関連項目

       nice(1), renice(1), fork(2), getpriority(2), setpriority(2), capabilities(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。