Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all
名前
flockfile, ftrylockfile, funlockfile - 標準入出力 FILE のロックを行う
書式
#include <stdio.h> void flockfile(FILE *filehandle); int ftrylockfile(FILE *filehandle); void funlockfile(FILE *filehandle); glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照): 上記の全ての関数: _POSIX_C_SOURCE >= 1 || _XOPEN_SOURCE || _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _POSIX_SOURCE
説明
標準入出力関数はスレッドセーフである。これは、各 FILE オブジェクトに対し、ロック数 (lockcount) と (ロック数が 0 でない場合は) 所有者スレッド (owner thread) を管理することで 実現される。 ライブラリの呼び出しが行われる毎に、標準入出力関数は FILE オブジェクトが他の スレッドによってロックされていない状態になるまで待ち、 FILE オブジェクトをロックし、要求さ れて入出力を行い、 オブジェクトのロックを解除する。 (注: このロックは、 flock(2) や lockf(3) といった関数が行うロックとは全く無関係である。) これらのことはすべて C プログラマには見えない部分で行われるが、 より細かい制御ができた方が よい理由が2つあるだろう。一つは、一つのスレッドが 行う一連の入出力動作は一緒に行われ、他の スレッドの入出力によって中断されない 方がよいということであろう。もう一つは、効率を大きく 上げるためには ロックのオーバヘッドを避ける必要があるということであろう。 この目的を実現するために、 FILE オブジェクトのロック、一連の入出力動作の実行、 ロックの解 除をスレッドが明示的に指示することができる。 これにより、他のスレッドが途中で入出力を行う のを防止する。 このようなことを行う理由が効率の向上であるならば、 ロックを行わないバージョ ンの標準入出力関数を使うこともできる。 例えば、 getc(3) や putc(3) の代わりに getc_unlocked(3) や putc_unlocked(3) を使用する。 flockfile() 関数は、*filehandle が他のスレッドにロックされていな い状態になるまで待ったの ち、現在のスレッドを *filehandle のオーナに設 定し、ロック数を加算する。 funlockfile() 関数は、ロック数を減算する。 ftrylockfile() 関数は flockfile() のブロッキングを行わない バージョンである。他のスレッ ドが *filehandle をロックしている時は 何も行わず、そうでない場合は *filehandle の所有権を 獲得し、 ロック数を加算する。
返り値
ftrylockfile() 関数はロックに成功すると 0 を返し、 失敗した場合は 0 以外の値を返す。
エラー
なし。
属性
マルチスレッディング (pthreads(7) 参照) 関数 flockfile(), ftrylockfile(), funlockfile() はスレッドセーフである。
準拠
POSIX.1-2001.
可用性
_POSIX_THREAD_SAFE_FUNCTIONS が定義されているときにこれらの関数を使用することができる。 5.1.1 以降の libc と 2.0 以降の glibc に存在する。
関連項目
unlocked_stdio(3)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部 である。プロジェクト の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。 2013-07-23 FLOCKFILE(3)