Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all
名前
shadow - 暗号化されたパスワードファイル用ルーチン
書式
#include <shadow.h> struct spwd *getspent(); struct spwd *getspnam(char *name); void setspent(); void endspent(); struct spwd *fgetspent(FILE *fp); struct spwd *sgetspent(char *cp); int putspent(struct spwd *p, FILE *fp); int lckpwdf(); int ulckpwdf();
説明
shadow は shadow パスワードファイル /etc/shadow の内容を操作するルーチンである。 #include ファイルに与えられている構造体は以下の通り。 struct spwd { char *sp_namp; /* user login name */ char *sp_pwdp; /* encrypted password */ long sp_lstchg; /* last password change */ int sp_min; /* days until change allowed. */ int sp_max; /* days before change required */ int sp_warn; /* days warning for expiration */ int sp_inact; /* days before account inactive */ int sp_expire; /* date when account expires */ int sp_flag; /* reserved for future use */ } 各フィールドの意味は: sp_namp - ヌル終端されたユーザ名文字列へのポインタ sp_pwdp - ヌル終端されたパスワード文字列へのポインタ sp_lstchg - 1970年1月1日からパスワード最終変更日時迄の日数 sp_min - パスワード変更が出来るようになるまでの日数 sp_max - パスワードを変更しなくても良い日数 sp_warn - パスワードが期限切れになる前に、 期限切れが近づいている旨の警告をユーザに出す期 間の日数 sp_inact - パスワードが期限切れになってから、 アカウントが不能となり使用できなくなるまでの 日数 sp_expire - 1970年1月1からアカウントが使用不能となる日迄の日数 sp_flag - 将来使うときに向けて予約
説明
getspent, getspname, fgetspent, sgetspent は、それぞれ struct spwd へのポインタを返す。 getspent はファイルから次のエントリを、 fgetspent は指定されたストリーム (正しい書式のファ イルとみなされる) から次のエントリを返す。 sgetspent は入力として与えられた文字列を用いて struct spwd へのポインタを返す。 getspnam はファイル中の現在の位置から name にマッチするエ ントリを探す。 setspent は shadow パスワードファイルへのアクセスを開始するために、 endspent は終了するた めに用いられる。 /etc/shadow ファイルに対する排他的なアクセスを保証したい場合には、 lckpwdf ルーチンと ulckpwdf ルーチンを用いる。 lckpwdf は pw_lock を用いて最大 15 秒間ロックを取得しようとす る。 そして最初の 15 秒の残りの間、 spw_lock によって二度目のロックをしようと試み続ける。 計 15 秒間の間にいずれかの試みが失敗した場合は、 lckpwdf は -1 を返す。 いずれのロックも成 功した場合は 0 が返される。
返り値
これらのルーチンは、エントリが残っていない場合や、 処理の過程でエラーが発生した場合には NULL を返す。 返り値が int であるルーチンは、 成功したら 0 を、失敗したら -1 を返す。
警告
shadowされたパスワードファイルへのアクセスは制限されているので、 これらのルーチンはスー パーユーザだけが利用できる。
ファイル
/etc/shadow - 暗号化されたユーザパスワード
関連項目
getpwent(3), shadow(5)
著者
Julianne Frances Haugh (jockgrrl@ix.netcom.com) SHADOW(3)