Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all
名前
pthread_join - 終了したスレッドを join する
書式
#include <pthread.h> int pthread_join(pthread_t thread, void **retval); -pthread を付けてコンパイルとリンクを行う。
説明
pthread_join() 関数は、thread で指定されたスレッドが 終了するのを待つ。そのスレッドがすで に終了している場合、 pthread_join() はすぐに返る。 thread で指定されたスレッドは join 可能 でなければならない。 retval が NULL でない場合、 pthread_join() は対象スレッドの終了 ステータス (すなわち、対象 スレッドが pthread_exit(3) に渡した値) を *retval が指す場所にコピーする。対象スレッドが キャンセルされた場合、 *retval には PTHREAD_CANCELED が格納される。 複数のスレッドが同時に同じスレッドを join しようとした場合、その結果 は不定であ る。pthread_join() を呼び出しているスレッドがキャンセル された場合、対象スレッドは join 可 能のままとなる (detached 状態には ならない)。
返り値
成功すると、 pthread_join() は 0 を返す。 エラーの場合、エラー番号を返す。
エラー
EDEADLK デッドロックが検出された (例えば、二つのスレッドが互いに join しようと した場 合)、または thread に呼び出したスレッドが指定されている。 EINVAL thread が join 可能なスレッドではない。 EINVAL 別のスレッドがすでにこのスレッドの join 待ちである。 ESRCH ID が thread のスレッドが見つからなかった。
準拠
POSIX.1-2001.
注意
pthread_join() の呼び出しが成功した場合は、 呼び出し側には、対象スレッドが終了していること が保証される。 すでに join されたスレッドを join した場合の結果は不定である。 join 可能なスレッド (detached 状態でないスレッド) の join に失敗した場合、 "ゾンビスレッド (zombie thread)" が生成される。 各ゾンビスレッドはシステムリソースをいくらかは消費し、 ゾ ンビスレッドがたくさん生成されてしまうと、 新しいスレッド (やプロセス) がそれ以上作成でき なくなってしまうので、 このようなことが起きるのは避けること。 pthreads には、 waitpid(-1, &status, 0)、つまり "終了されたスレッドのどれかを join する" といった機能はない。 この機能が必要だと思うような場合には、おそらく 自分のアプリケーション の設計を考え直す必要があるだろう。 プロセス内の全てのスレッドは対等であり、 どのスレッドでもプロセス内の他のスレッドを join できる。
例
pthread_create(3) を参照。
関連項目
pthread_cancel(3), pthread_create(3), pthread_detach(3), pthread_exit(3), pthread_tryjoin_np(3), pthreads(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部 である。プロジェクト の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。