Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all bug

名前

       wcrtomb - ワイド文字 1 つをマルチバイト列に変換する

書式

       #include <wchar.h>

       size_t wcrtomb(char *s, wchar_t wc, mbstate_t *ps);

説明

       この関数が主に使われるのは、s  が NULL でなく、 wc が NULL ワイド文字 (L'\0') でない場合で
       ある。 この場合には、 wcrtomb()  関数はワイド文字 wc をマルチバイト表 現に変換し、s が指す
       char  型の配列にこれを格納する。この関数は シフト状態 *ps を更新し、出力されたマルチバイト
       表現の長さ、すな わち s に書き込まれたバイト数を返す。

       別のケースとしては、s は NULL でないが wc が NULL ワイド文字 (L'\0') のことがある。 この場
       合の wcrtomb()  関数は、*ps を初期状態に戻すのに必 要なシフトシーケンスを s が指す char 型
       配列に格納し、その後に '\0' を格納する。この関数はシフト状態 *ps を更新し(つまり初期状態に
       戻  し)、シフトシーケンスの長さに 1 を加えた値を返す。この値は s に 書き込まれたバイト数で
       ある。

       三番目のケースは、s が NULL の時である。 この場合には wc  は無視され、関数の実際の動きとし
       ては

           wcrtomb(buf, L'\0', ps)

       が返される。ここで、 buf は内部的な無名バッファである。

       以上のいずれの場合も、ps  が NULL ポインタならばシフト状態は用い られず、 wcrtomb() 関数だ
       けが知っている静的な匿名の状態が使われる。

返り値

       wcrtomb()  関数は、s が指すバイト列に書き込まれたバイト数、あ るいは書き込まれたであろうバ
       イト数を返す。wc を(現在のロケールに 従って)マルチバイト列で表現できなければ、 (size_t) -1
       が返され、 errnoEILSEQ が設定される。

準拠

       C99.

注意

       wcrtomb()  の動作は、現在のロケールの LC_CTYPE カテゴリに依存する。

       ps に NULL を渡した際の動作はマルチスレッドセーフでない。

関連項目

       wcsrtombs(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。