Provided by: kon2_0.3.9b-20ubuntu1_amd64 bug

【名前】

       KON - 漢字コンソールエミュレータ

【書式】

       kon [ video ] [ -capability value ...  ]

【概要】

       KONLinux, FreeBSD のコンソール画面上で漢字を表示 するためのプログラムです。KON では、
       pty(4) を使ってコンソール入出力をフックし、VGA あるいは DCGA  に展開する事によって漢字表示
       を実現しています。また、KON  が動作  しているコンソールから起動された KON は新しい仮想コン
       ソール上で 動作します。

【オプション】

       KON  はオプションでビデオドライバやいくつかの環境を指定することが  できます。  video  には
       kon.cfg  に記述されているビデオドライバエントリ の一つを指定します。何も指定しなければ、ビ
       デオドライバとして NORMAL が指定されたことになります。 CursorInterval などの設定はオプショ
       ン -capability でオーバライトすることができます。例えば、

          % kon -CursorInterval 10

       とすれば CursorInterval の値を 10 にして起動します。

【環境設定】

       表示するビデオドライバやパレットなどの環境は kon.cfg ファイルで設定する ことができます。こ
       のファイルの文法は以下のようになっています:

          エントリ名:[別名1:別名2:...]
                  エントリの値

       エントリ名の大文字/小文字は区別しません。あるエントリの値を 指示する行は必ず TAB  キャラク
       タで始めなければなりません。また、 # から行末まではコメントとして扱われます。

       エントリの値の種類には次のようなものがあります:

       boolean   On または Off を指定(大文字/小文字の区別なし)

       choice    いくつかの選択肢から一つを指定(大文字/小文字の区別なし)

       numeric   10進数値を指定

       string    そのエントリ特有のフォーマットで値を指定

       また、以下の2つのエントリは必須です:

       NORMAL(string)
           ビデオドライバを選択します。値の意味は以下の通りです:

           VGA      VGA, SVGA, EGA用ドライバ
           VGAFM    VGA, SVGA, EGA用ドライバ(フォント変形機能つき)
           J3100SX  東芝 J3100SX 用ドライバ(DCGA ドライバ)

           VGA,  VGAFM の場合はさらにVGAレジスタ値と画面サイズ (ドット数)、行幅(文字数)、行数を指
           定します。このエントリによって   表示文字数を変えることができますが、    VGA    の解像
           度(640x480)を除いて VGAレジスタ値と表示文字数の関係はビデオカードに依存します。 付属の
           kon.cfg では、 NORMAL が標準 VGA の別名となっており、 その他にいくつかのエントリが用意
           されています。まずこの状況で試して、  その後お使いのビデオカードにあったものを選んで下
           さい。

           KON は 16 ドットフォントのみを扱いますが、 VGAFM ドライバは、 ラインを間引いて 16 ライ
           ンより少ない幅で       1       行を指定する機能を持っています      (原案は松井孝雄さん
           mat@tanasei.cc.u-tokyo.ac.jpによる)。 VGAFM ドライバは、 NORMAL エントリの縦ドット数と
           行数から 1 行のライン数を求め、 必要ならばラインを間引いて通常より多くの行を表示できま
           す。フォントと ライン数の組合せにより読みやすさは異なりますが、 MINIX のパブリックフォ
           ント  を用いた場合、 12 ドットでも結構読める表示ができます。その場合、行数 が3割以上増
           えるので(480ラインで 40 行、 600 ラインで 50 行)、特にノートパソコン  などでは便利な時
           があるでしょう。

       STARTUP(string)
           スタートアップ時に起動するコマンド文字列を指定します。  1 行 1 コマン ドで何行でも記述
           できます。フォントをロードするコマンドをここで指定      してやらなければなりません。ま
           た、VGA において半角フォントをロード しなかった時は VGAフォントが使われます。

           非圧縮フォント
             <フォントローダ> <半角フォントファイル>
             <フォントローダ> <全角フォントファイル>
           圧縮フォント
             zcat <半角フォントファイル> | <フォントローダ>
             zcat <全角フォントファイル> | <フォントローダ>

       次のエントリはビデオドライバに VGA, VGAFM を指定した時に必要になります:

       PELS(string)
              パレットの指定を行ないます。フォーマットは、R,G,B  のパレット値(10  進)を  1 行に書
              き、それを 16 行並べたものです。 パッケージ付属の kon.cfg では、 STDPELREVPEL
              の エントリがあります。 STDPEL は標準パレットで、 REVPEL はリバースです。希望するエ
              ントリの別名として PELS を指定して下さい。

       その他には以下のようなエントリがあります:

       MOUSE(choice)
           Microsoft, MouseSystems, BusMouse, MMSeries, Logitech, None より 1  つ選択。デフォルト
           は None。 マウスドライバの種類を選択します。Logitech Mouse Man シリーズが動作 しない場
           合は Microsoft を指定してみて下さい。

       MouseBaud(choice)
           1200, 2400, 4800, 9600より選択。デフォルトは 1200。 シリアルマウスのボーレートを選択し
           ます。 MOUSE に None, BusMouse 以 外の値を指定した時に有効となります。

       MouseDev(string)
           マウスのデバイス名を指定します。デフォルトは  /dev/mouse です。 MOUSE に None 以外のエ
           ントリを与えた時に有効です。

       Mouse3Buttons(boolean)
           3 ボタンマウスの場合にペーストボタンを中央に設定します。 デフォルトは Off です。

       HardScroll(boolean)
           ハードウエアスクロールを使うかどうかを指定します。 デフォルトは On です。 VGA,  VGAFM,
           J31SX ドライバで有効です。

       BeepCounter(numeric)
           ビープ音の長さを 1/100 秒単位で指定します。デフォルトは 5 です。

       CursorInterval(numeric)
           カーソル点滅間隔を 1/10 秒単位で指定します。デフォルトは 4 です。 カーソルの点滅を止め
           るには 0 を指定します。

       SaveTime(numeric)
           スクリーンセイバが働くまでの時間を分単位で指定します。 デフォルトは 4 です。

       KanjiCursor(boolean)
           漢字の上にカーソルがある時、カーソルを全角幅にするかどうかを  指定します。デフォルトは
           On です。

       CursorTop(numeric),CursorBottom(numeric)
           この 2 つでカーソルボックスのサイズを指定します。
                 0 +--------+
                   |        |
                   |--------| <-- CursorTop
                   |********|
                   |********|
                   |********|
                   |********|
                   |********|
                15 +--------+ <-- CursorBottom
           VGA, VGAFM, CGA ドライバで有効です。

       BoxCursor(boolean)
           カーソルの形状を下線のみでなく箱型にするかどうかを指定します。 デフォルトは Off です。
           J3100SX ドライバで有効です。

       SavePlane3(boolean)
           VGA メモリ第 3 ページのフォントデータを保存します。Trident 系以外で は不要です。デフォ
           ルトは Off です。 VGA, VGAFM ドライバで有効です。

       VgaFontOffset(numeric)
           VGAフォントのオフセット値を指定します。デフォルトは 0 です。 VGAフォントを半角フォント
           として利用する場合、メーカによっては文字の  下部が欠けることがあります。そのような時に
           この値を指定することによって 文字の位置を調整することができます。

       Coding(string)
           デフォルトで利用するフォントおよび 16bit でのコーディングを指定します。 記述方法は、

                <SB font> <DB font> [EUC|SJIS]

           となり、それぞれ以下のような指定をすることができます。

           SB font: Single Byte フォント
                ISO8859-1,ISO8859-2,ISO8859-3,ISO8859-4,ISO8859-5,
                ISO8859-6,ISO8859-7,ISO8859-8,ISO8859-9,      JISX0201.1976-0

           DB font: Double Byte フォント
                GB2312.1980-1,JISX0208.1983-0,KSC5601,BIG5

       StartupMessage(boolean)
           起動時の greeting メッセージを出すかどうかを指定します。デフォルト は On です。

【高解像度モードの設定】

       kon では、ビデオドライバとして VGA, VGAFM を指定した場合に kon.cfg  の設定によりテキストの
       広さを変更することができます。

       エントリ名:
                <VGA あるいは VGAFM>
                [VGAFM の場合の間引き係数]
                <HR> <HS> <HE> <HFL> <VR> <VS> <VE> <VFL>
                <クロック番号>
                <行幅 - 1> <行数 - 1>

       3  行目(VGAドライバでは 2 行目)の画面制御パラメータは 8 個の 10 進数の数値からなります。こ
       れは、Xconfig(4/5) におけるビデオモードデータベースとほぼ同じ内容です。  ただし、KON  では
       800x600 までの解像度でテキストを エミュレートすることができます。

       画面制御パラメータ
           HR 水平ドット数
           HS 水平同期始点
           HE 水平同期終点
           HFL 水平総フレーム数
           VR 垂直ライン数
           VS 垂直同期始点
           VE 垂直同期終点
           VFL 垂直総フレーム数

       クロック番号 にはそのエントリの画面モードが何番目のクロックを 使用するかを指定します。実質
       有効なのは値の下位 2 ビットです。 したがって、0 〜 3 の値のいずれかです。 最後の行はエミュ
       レートするテキスト画面の広さの指定です。

【ファイル】

       /etc/kon.cfg             環境設定ファイル
       /usr/share/fonts/kon/*   フォントファイル

【関連項目】

       swkon(1), fld(1)

【注意事項】

       -  テキストを高解像度モードにして  Linux  を起動すると  VGAフォント のサイズが異なりますの
       で、正常に表示されなくなります。
       - kon.cfg において同じエントリ名が複数ある場合、最初のものが有効 となります。また、1  行の
       長さの最大値は 255 バイトです。
       -  X Window System との相性が良くない場合は swkon(1) で テキストモードに移り、マウスを切り
       離して X Window System をご利用 下さい。

【作者】

       MANABE Takashi           <manabe@papilio.tutics.tut.ac.jp>
       MAEDA Atusi              <mad@nak.math.keio.ac.jp>
       KOMEDA Shinji            <komeda@ics.es.osaka-u.ac.jp>
       YOSHIDA Kensyu           <kensyu@rabbit.is.s.u-tokyo.ac.jp>
       obuk@MIX