Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       libtoolize - Makefile に libtool の機能を付加する。

書式

       libtoolize   [-cfn]   [--automake]   [--copy]  [--debug]  [--dry-run]  [--force]  [--ltdl]
       [--ltdl-tar]

       libtoolize [--help] [--version]

説明

       libtoolize は Makefile に libtool(1) の機能を 付加するための標準的な方法を提供する。

       もし autoconfautomake を使っているならば、 `configure.in'  ファイルに  AM_PROG_LIBTOOL
       の呼び出しを  追加すべきである。  このマクロを使うと  `configure' スクリプトと ltconfig を
       シームレスに統合できる。

       aclocal プログラムは configure スクリプトに AM_PROG_LIBTOOL 機能を自動的に付加する。  あな
       たの  libtool.m4  のコピーを  acinclude.m4  に インクルードしておくことを推奨する。 なぜな
       ら、あなたのマクロのバージョンと  acinclude.m4   の   バージョンが合わない場合にユーザーが
       aclocal.m4configure を リビルドすると、互換性のないマクロのために終了しないかもしれな
       いからである。

       マクロでは `Makefile.in'  において  Makefile  の変数  top_builddir  を定義する必要がある。
       automake  はこれを自動で行うが、 autoconf ユーザーは、この変数をビルドディレクトリのトップ
       への相対パスで (`../..' といったように) 設定すべきである。

       AM_PROG_LIBTOOL
              ライブラリパッケージの名前によって、  共有/静的のどちらのライブラリをビルドするかを
              ユーザーが指定できるように、  --enable-shared[=PACKAGE,...]  をサポートする。  パッ
              ケージ名が `default' の場合、環境変数 PACKAGE にその名前がない すべてのパッケージが
              マッチする。

              デフォルトではこのマクロは、もし可能であれば、   共有ライブラリの使用を有効にする。
              さらに静的ライブラリが共有ライブラリと衝突しなければ、 静的ライブラリの使用も有効に
              する。 AM_DISABLE_SHARED または AM_DISABLE_STATIC マクロを 呼び出すことにより、この
              デフォルトを変更することができる。

              # ビルドプロセスが非常に長くなるので、
              # ベータテストの間は共有ライブラリを無効にする。
              AC_DISABLE_SHARED
              AM_PROG_LIBTOOL

              マクロは環境変数 LIBTOOL_DEPS も設定する。 この変数は libtool  スクリプトが古くなっ
              たときに 自動的に更新するために使われる。 そのためには、configure.in に以下を加え、

                     AC_SUBST(LIBTOOL_DEPS)

              さらに Makefile.in または Makefile.am に以下を加えること。

                     LIBTOOL_DEPS = @LIBTOOL_DEPS@
                     libtool: $(LIBTOOL_DEPS)
                             $(SHELL) ./config.status --recheck

       AC_DISABLE_FAST_INSTALL
              デフォルトの動作を  AM_PROG_LIBTOOL でなく すべての最適化を無効にするよう変更し、イ
              ンストールを高速化する。      ユーザーは       --enable-shared       と同じように、
              --enable-fast-install[=PACKAGE,...] を指定することで このマクロを上書きすることがで
              きる。

       AC_DISABLE_SHARED
              AM_PROG_LIBTOOL  に対するデフォルトの動作を  共有ライブラリを無効とするように変更す
              る。 ユーザーは --enable-shared を指定することにより、 このデフォルトの動作を更に変
              更することができる。

       AC_DISABLE_STATIC
              AM_PROG_LIBTOOL  に対するデフォルトの動作を  静的ライブラリを無効とするように変更す
              る。 ユーザーは --enable-static を指定することにより、 このデフォルトの動作を更に変
              更することができる。

       AC_LIBTOOL_DLOPEN
              パッケージが -dlopen または -dlpreopen を  使用するためには、このマクロを使用するこ
              と。  このマクロは AMPROG_LIBTOOL より前に呼ばれなければならず、 ダイナミックロード
              機能のチェックを有効にする。  さもなければ、libtool  はプラットホームがダイナミック
              ロードを サポートしていないと仮定する。

       AC_LIBTOOL_WIN32_DLL
              パッケージが win32 プラットホーム上でクリーンな dll をビルドするように 移植された場
              合には、このマクロを使用すること。 このマクロは AMPROG_LIBTOOL より前に呼ばれなけれ
              ばならず、 リンクモードで -no-undefined  libtool に渡されなければならない。

              これは通常、ライブラリデータアイテムが  `__declspec(dllexport)'  で  エクスポートさ
              れ、`__declspec(dllimport)' インポートされることを意味している。 このマクロが使用さ
              れないと、libtool はパッケージライブラリは dll クリーンでないと仮定して、win32 ホス
              ト上で静的ライブラリしか作らなくなる。

       Makefile.am の例は libtool(1) を参照すること。

オプション

       -c, --copy
              シンボリックリンクを作らず、 libtool データディレクトリからファイルをコピーする。

       -f, --force
              既存の libtool ファイルを置き換える。 デフォルトでは libtoolize  は既存のファイルを
              上書きしない。

       -n, --dry-run
              ファイルの作成・修正・削除をせず、libtoolize  によって どのようなコマンドが実行され
              るかを表示する。

       --automake
              静かに動作させるとともに、  Automake  の  libtool  機能が使用されることを仮定する。
              AM_PROG_LIBTOOL  が `configure.in' にある場合、 パッケージに libtool ファイルを追加
              するために Automake により `libtoolize --automake' が使用される。

       --debug
              シェルスクリプトのトレースモードを有効にし、標準出力に書き出す。

       --ltdl パッケージのサブディレクトリに libltdl をインストールする。

       --ltdl-tar
              パッケージに libtdl.tar.gz を追加する。

       --help 使用法のメッセージを標準出力に表示し、正常終了する。

       --version
              バージョン情報を標準出力に表示し、正常終了する。

関連項目

        libtool(1), ltconfig(1)

注意

       プログラムのバグについては <bug-libtool@gnu.org> へ報告してください。
       man ページは Ragnar Hojland Espinosa <ragnar@ragnar-hojland.com> が作成しました。