Provided by: mkvtoolnix_8.8.0-1_amd64 bug

名前

       mkvinfo - Matroska(TM)ファイルの要素についての情報を表示します。

書式

       mkvinfo [options] {source-filename}

説明

       このプログラムは、Matroska(TM) ファイルに格納されている全ての要素の一覧を表示します。出力
       は、使用されているコーデックを含む、トラックのリストのみに制限することもできます。

       -g, --gui
           GUIを起動します。このオプションは、mkvinfoがGUIをサポートするようにコンパイルされてい
           なければ無効です。

       -c, --checksums
           フレームごとにAdler32チェックサムを計算し、表示します。デバッグのためにのみ有用です。

       -s, --summary
           全てのエレメントについて表示するのではなく、mkvinfo(1)の見つけたものの簡潔なサマリを表
           示します。

       -t, --track-info
           各トラックの統計情報を冗長モードで表示します。また、冗長レベルが0だった場合は1に設定し
           ます。

       -x, --hexdump
           各フレームの最初の16バイトを16進数のダンプとして表示します。

       -X, --full-hexdump
           各フレームの全てのバイトを16進数のダンプとして表示します。

       -z, --size
           ヘッダも含めた各要素のサイズを表示します。

       --command-line-charset character-set
           コマンドライン文字列の文字コードを指定します。デフォルトは、システムの現在のロケールの
           文字コードになります。

       --output-charset character-set
           出力する文字コードを指定します。デフォルトは、システムの現在のロケールの文字コードにな
           ります。

       -r, --redirect-output file-name
           全てのメッセージをコンソールではなくfile-nameで指定したファイルに書き出します。出力リ
           ダイレクトによっても同じことが簡単にできますが、このオプションが必要な場合もありま
           す。ターミナルがファイルに書き込む前に出力を処理してしまう場合などで
           す。--output-charsetによって指定された文字コードは尊重されます。

       --ui-language code
           指定したcodeを強制的に言語コード(例: 日本語ならば'ja_JP')として使用します。しかし、環
           境変数LANGLC_MESSAGESLC_ALLを使用したほうが好ましいでしょう。codeにlistと指定する
           と、指定できる言語コードの一覧を出力します。

       --debug topic
           特定の機能のデバッグをオンにします。このオプションは開発者にのみ有用です。

       --engage feature
           実験的機能をオンにします。利用可能な機能のリストはmkvinfo --engage listで得られま
           す。これらの機能は通常の状況で使用されることを意図されていません。

       --gui-mode
           Turns on GUI mode. In this mode specially-formatted lines may be output that can tell
           a controlling GUI what's happening. These messages follow the format '#GUI#message'.
           The message may be followed by key/value pairs as in
           '#GUI#message#key1=value1#key2=value2...'. Neither the messages nor the keys are ever
           translated and always output in English.

           This switch has nothing to do with the --gui parameter which causes mkvinfo to display
           its own GUI.

       -v, --verbose
           冗長モードになります。冗長レベルセクションに、どの冗長レベルでどの情報が出力されるかの
           説明があります。

       -h, --help
           コマンド書式情報を出力して終了します。

       -V, --version
           バージョン情報を出力して終了します。

       --check-for-updates
           Checks online for new releases by downloading the URL
           http://mkvtoolnix-releases.bunkus.org/latest-release.xml. Four lines will be output in
           key=value style: the URL from where the information was retrieved (key
           version_check_url), the currently running version (key running_version), the latest
           release's version (key available_version) and the download URL (key download_url).

           その後プログラムは、新しいリリースが入手可能ではなかった場合は終了コード0で、新しいリ
           リースが入手可能であった場合は終了コード1で、エラーが発生した場合(例:アップデート情
           報を取得できなかった場合)は終了コード2で、それぞれ終了します。

           このオプションは、プログラムがlibcurlのサポートつきでビルドされた場合のみ使用できま
           す。

       @options-file
           options-fileで指定されたファイルから追加のコマンドラインオプションを読み込みます。行で
           最初の空白文字でない文字がハッシュマーク('#')である行はコメントとして扱われ、無視され
           ます。行頭、及び行末の空白文字は取り除かれます。各行には一つずつしかオプションを指定で
           きません。

           エスケープすることのできる文字もあります。例えば、コメントではない行を'#'で始める必要
           のある場合です。そのルールは、エスケープ文字についてのセクションで説明されています。

           'mkvinfo -v -v input.mkv --redirect-output info.txtというコマンドラインと同じこと
           は、次のようなオプションファイルで指定できます。

               # 冗長モード
               -v
               -v
               # input.mkvを解析する
               input.mkv
               # info.txtに出力を書き込む
               --redirect-output
               info.txt

冗長レベル

       -vオプションにより、mkvinfo(1)の冗長レベルを上げ、入力ファイルについてのより詳しい情報を出
       力させることができます。

       レベル0では、トラックヘッダとトラックの種類のみを出力します。mkvinfo(1)は、ヘッダを完全に
       解析し終るとすぐに(より技術的には、最初のクラスタを検出した直後に)終了します。このレベルで
       は、シークヘッドエントリ及びCUEがトラック情報の前に格納されていたとしても表示されません。

       レベル1では、ファイル全体にあるシークヘッドエントリとCUE以外のMatroska(TM)エレメントを表示
       します。もし、サマリモードが有効の場合、フレーム位置も出力します。

       レベル2では、シークヘッドエントリ、CUE、及び各Matroska(TM)エレメントのファイル内位置も表示
       します。

       レベル3以上では、Matroska(TM)エレメントに直接関係ない情報も表示します。他のエレメントにつ
       いては、見付かったものだけを表示します。レベル3はデバッグ用にメタ情報を追加します(開発者向
       け)。レベル3で追加された行は、全て角括弧で囲われています。

テキストファイルと文字コード変換

       For an in-depth discussion about how all tools in the MKVToolNix suite handle character
       set conversions, input/output encoding, command line encoding and console encoding please
       see the identically-named section in the mkvmerge(1) man page.

返り値

       mkvinfo(1)は下の3つの返り値を返します。

       •   0 -- この返り値は正常に終了したことを示します。

       •   1 -- この返り値は、少なくとも一つの警告が表示されましたが、処理が続行されたことを意味
           します。警告は '警告:' という文字列を先頭につけて出力されます。

       •   2 -- この返り値は、エラーが発生し、エラーメッセージを表示した直後にmkvinfo(1)が終了し
           たことを示します。エラーメッセージは不正なコマンドラインやファイルI/Oエラー、壊れた
           ファイルなど様々です。

テキスト中の特殊文字をエスケープする

       特殊文字をエスケープしなければならない、あるいはすべき場所が少しだけあります。エスケープの
       ルールは単純です:エスケープする必要のある各文字を、バックスラッシュ(Windows上の日本語
       フォントでは\記号)の後ろに違う文字が1つついたものと入れ替えます。

       ルール:' '(半角スペース)は'\s'に、'"'(ダブルクォーテーショ
       ン)は'\2'に、':'は'\c'に、'#'は'\h'に、そして'\'それ自体は'\\'になります。

環境変数

       mkvinfo(1)はシステムのロケールを決めるデフォルトの変数(例:LANGLC_*系)を使用します。追
       加の変数は以下の通りです:

       MKVINFO_DEBUG, MKVTOOLNIX_DEBUG and its short form MTX_DEBUG
           その内容は、あたかも--debugオプション経由で渡されたかのように扱われます。

       MKVINFO_ENGAGE, MKVTOOLNIX_ENGAGE and its short form MTX_ENGAGE
           その内容は、あたかも--engageオプション経由で渡されたかのように扱われます。

       MKVINFO_OPTIONS, MKVTOOLNIX_OPTIONS and its short form MTX_OPTIONS
           その内容は空白で分割されます。得られた一部の文字列は、あたかもそれがコマンドラインオプ
           ションとして渡されたかのように扱われます。もし特殊な文字(例:空白)を渡す必要があるな
           ら、それらをエスケープする必要があります(テキスト中の特殊文字のエスケープについてのセ
           クションをご覧ください)。

関連項目

       mkvmerge(1), mkvextract(1), mkvpropedit(1), mkvtoolnix-gui(1)

ウェブ

       最新のバージョンは、常時MKVToolNixのホームページ[1]から取得できます。

著者

       Bunkus Moritz[FAMILY Given] <moritz@bunkus.org>
           開発者

注記

        1. MKVToolNixのホームページ
           https://mkvtoolnix.download/