Provided by: po4a_0.47-2_all bug

名前

       msguntypot - POT ファイルのタイプミス修正時に PO ファイルを更新

書式

       msguntypot -o old_pot -n new_pot pofiles ...

説明

       POT ファイルにおいて、翻訳にまったく影響を与えない些細なエラー (例: タイプミス) を修正した
       際は、翻訳者に余計な作業をさせないように、翻訳した PO ファイルの対応する msgstr の fuzzy
       を外すべきです。

       この作業を手で行うのは難しく、誤りが混入する傾向にあります。このツールはそれを正しく行う補
       助をします。必要なのは、上記の書式にある前の版と後の版の、POT ファイルふたつだけで、後はす
       べて自動的に行います。

使用方法

       簡単に言うと、あなたの「英語の」メッセージにタイプミスを見つけたら、以下のようにしてくださ
       い。

       - POT ファイルと PO ファイルを再生成します。
             make -C po/ update-po # メッセージプログラム翻訳用
             debconf-updatepo      # debconf 翻訳用
             po4a po4a.conf        # po4a ベースのドキュメント翻訳用

           もしくは、プロジェクトの構築設定に従ってください。POT ファイルや PO ファイルが、確実に
           最新になっているようにするには、どのようにしたらよいか、知っているのでしょう??

       - POT ファイルのコピーを作成します。
             cp myfile.pot myfile.pot.orig

       - 全ファイルをコピーします。
             mkdir po_fridge; cp *.po po_fridge

       - タイプミス修正。
           $EDITOR the_file_in_which_there_is_a_typo

       - POT ファイルと PO ファイルを再生成します。
           上記をご覧ください。

       この時点で、タイプミスを修正することですべての翻訳が fuzzy となりますが、メインディレクト
       リの po ファイルと、fridge に置いた PO ファイルとの不幸な変更は、一つだけのはずです。これ
       を以下の手順で解決します。

       - fuzzy な翻訳を放棄し、fridge から復元します。
             cp po_fridge/*.po .

       - 意味のない fuzzy を考慮しつつ、PO ファイルと新しい POT ファイルの手動マージ。
             msguntypot -o myfile.pot.orig -n myfile.pot *.po

       - 後片付けをします。
             rm -rf myfile.pot.orig po_fridge

       以上で完了です。POT ファイルと PO ファイルの双方の msgstr からタイプミスを根絶しました
       し、このプロセス中に PO ファイルは fuzzy になりませんでした。翻訳者は、あなたを大好きなま
       までいてくれることでしょう。

関連項目

       その名前にもかかわらず、このツールは gettext ツールスイートの一部ではありません。po4a の一
       部です。もっと正確に言うと、これはすばらしい po4a モジュールを使用する、不格好な Perl スク
       リプトです。po4a についての詳細情報は、以下をご覧ください。

       po4a(7)

著者

        Martin Quinson (mquinson#debian,org)

訳者

        倉澤 望 <nabetaro@debian.or.jp>
        Debian JP Documentation ML <debian-doc@debian.or.jp>

著作権・ライセンス

       Copyright 2005 by SPI, inc.

       本プログラムはフリーソフトウェアです。GPL の条項に基づき再頒布と変更を行うことができます
       (COPYING ファイルをご覧ください)。