Provided by: po4a_0.47-2_all bug

名前

       po4a-build - 翻訳ドキュメントの構築

概要

       po4a-build [-f | --file FILE] [--pot-only]

       po4a-build [-? | -h | --help | --version]

説明

       po4a-build は現在未訳の内容を提供するのと同じように、翻訳したドキュメントを簡単に提供でき
       ることを意図しています。

       po4a が POD や DocBook XML として翻訳内容を用意すると、po4a-build を使用して最終ドキュメン
       トを構築できます。未訳内容と翻訳内容は共に、単一プロセスで構築され、同時に POT ファイルの
       更新も行われます。

       既存の構築手順を po4a-build の呼び出しに置き換え、どのように各要素を構築するのか、翻訳・未
       訳内容をどのバイナリパッケージに格納するのかといったことを po4a-build に伝えるシンプルな設
       定ファイルを使用します。

       一度構築すると、設定ファイルで指定した BASEDIR の下にある、パッケージ個別のディレクトリに
       格納します。バイナリパッケージが foo で、ドイツ語とフランス語の翻訳がある場合、以下のよう
       な結果になります。

           BASEDIR/foo/man/man1/foo.1
           BASEDIR/foo/man/de/man1/foo.1
           BASEDIR/foo/man/fr/man1/foo.1

       これにより、生成した内容をバイナリパッケージに含める場合に、以下のように一カ所のインストー
       ル先を指定するだけになります。

           doc/foo/man/* ./usr/share/man/
           doc/foo/html/* ./usr/share/doc/foo/

       この規則だと、新しい訳を追加したり、パッケージを分割したままにしておけるように、第二バイナ
       リパッケージ (bar) を追加しても、更新する必要がありません。

   サポートするフォーマット
       現在、po4a-build は以下の組み合わせをサポートしています。

        1. セクション 1 用 DocBook XML

        2. セクション 3 用 DocBook XML

        3. HTML 用 DocBook XML

        4. セクション 1 用 POD

        5. セクション 3 用 POD

        6. セクション 5 用 POD

        7. セクション 7 用 POD

       すべてのサポートするフォーマットは、すべての組み合わせを、ひとつの po4a-build.conf 設定
       ファイルで扱い、po4a-build を一度呼び出すだけですみます。po4a-build.conf(5) をご覧くださ
       い。

設定

       po4a-build は、パッケージ VCS のトップディレクトリにある po4a-build.conf を、デフォルト設
       定ファイルとして使用します (他のファイルを使用するには -f オプションを使用してくださ
       い)。po4a-build.conf(5) をご覧ください。

       例1 サンプル設定ファイル

       サンプル設定ファイルは以下にあります。

           /usr/share/doc/po4a/examples/po4a-build.conf.example

   設定ファイルレイアウト
       設定ファイルは、全般、XML/XSL サポート、POD サポート、HTML サポートのセクションから成って
       います。

       全般には、po4a 設定ファイルの名前や場所 (po4a.config のままにしておくのが最善でしょう)
       や、ドキュメントの PO ファイルがある po ディレクトリ (通常 doc/po)、翻訳を作成する POT
       ファイルのフルネーム、生成物を出力する BASEDIR、パッケージのmanpageをセクション 1 ではなく
       てセクション 3 に格納するかどうか、生成物を格納するバイナリパッケージ名が含まれます。

       XML/XSL サポートには、どのパッケージが XMLPACKAGES 変数により XSL サポートを使うかの指定
       や、xsltproc に渡す最上位の DocBookファイル、XML や DocBook ファイルの場所が含まれます。必
       要なら XSLFILE を上書きできます。

       POD サポートには、どのパッケージが PODPACKAGES 変数により POD サポートを使うかの指定
       や、POD ファイルのフルネームが含まれます。

       HTML サポートでは、BASEDIR 以下に作成する既訳・未訳 HTML 内容のサブディレクトリや、HTML を
       生成する DocBook ファイルを指定します。必要なら HTMLXSL を上書きできます。

コマンド

       --pot-only
           POT ファイルの更新のみ行います。--pot-only は、パッケージソースにあるすべての POT ファ
           イルがパッケージに含まれるように、支援することを意図しています。Autotools を使用した
           パッケージは、EXTRA_DIST により POT ファイルを簡単に追加できますが、単に Makefile を使
           用したり、特定の VCS ヘルパーを使用したパッケージは、VCS に POT ファイルを追加せず
           に、(生成した) POT ファイルを追加するのは厄介であることがわかります。面倒で不要な作業
           を避けるために、po4a-build は構築開始時に POT ファイルを更新し、dpkg-source がソース
           tarball に含められるようにします。

           例2 svn-buildpackage サンプル

           svn-buildpackage は、この種の追加を明示的にサポートしています。useNativeDist SVN 属性
           と native-dist Make ターゲットを用います。

               # ソース tarball に POT ファイル追加
               native-dist: Makefile
                    po4a-build --pot-only

               $ svn propset useNativeDist 1 debian

       -h|--help
           使用法メッセージを表示して終了します。

       --version
           使用法メッセージを表示して終了します。

オプション

       -f|--file FILE
           po4a-build のデフォルト設定ファイル (po4a-build.conf) を上書きし、自身でそれを使用しま
           す。

著者

       po4a-build は Neil Williams <codehelp@debian.org> によって書かれました。

       このマニュアルページは Neil Williams <codehelp@debian.org> によって書かれました