Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       stty - 端末の行設定の変更や表示を行う

書式

       stty [-F DEVICE | --file=DEVICE] [SETTING]...
       stty [-F DEVICE | --file=DEVICE] [-a|--all]
       stty [-F DEVICE | --file=DEVICE] [-g|--save]

説明

       端末設定の表示、または変更を行います。

       長いオプションに必須の引数は短いオプションにも必須です。

       -a, --all
              現在のすべての設定を人間に読める形式で出力する

       -g, --save
              現在のすべての設定を stty が解釈できる形式で出力する

       -F, --file=DEVICE
              標準入力の代わりに DEVICE で指定されたデバイスを使用する

       --help この使い方を表示して終了する

       --version
              バージョン情報を表示して終了する

       SETTING の前に - を付けると、否定を表します。 * (アスタリスク) 表示は POSIX に規定されてい
       ない設定を表します。使用しているシステムによって利用可能な SETTING が決まります。

   特殊文字:
       * dsusp CHAR
              CHAR は入力が読み込まれると, 端末停止シグナルを送信

       eof CHAR
              CHAR はファイル終端を送信 (入力の終了)

       eol CHAR
              CHAR は行末

       * eol2 CHAR
              行末を示す別の CHAR

       erase CHAR
              CHAR は最後にタイプされた文字を削除

       intr CHAR
              CHAR は割り込みシグナルを送信

       kill CHAR
              CHAR は現在の行を削除

       * lnext CHAR
              CHAR は引用された次の文字を入力

       quit CHAR
              CHAR は終了シグナルを送信

       * rprnt CHAR
              CHAR は現在の行を再表示

       start CHAR
              CHAR は停止した出力を再開

       stop CHAR
              CHAR 出力を停止

       susp CHAR
              CHAR は端末停止シグナルを送信

       * swtch CHAR
              CHAR は別のシェル層に切り替え

       * werase CHAR
              CHAR は最後にタイプされた単語を削除

   特殊設定:
       N      入出力の速度を N ボーに設定

       * cols N
              ターミナルが N 桁であることをカーネルに通知

       * columns N
              cols N と同じ

       ispeed N
              入力速度を N に設定

       * line N
              回線制御規則 N を使用

       min N  -icanon と共に使い, 完全な読込みに対して最低 N 文字を設定

       ospeed N
              出力速度を N に設定

       * rows N
              タームなるが N 行であることをカーネルに通知

       * size カーネルに対応した行数と桁数を表示

       speed  端末速度を表示

       time N -icanon と共に使い, 読込みのタイムアウトを 10 分の N 秒に設定

   制御設定:
       [-]clocal
              モデム制御信号を無効に

       [-]cread
              受け取る入力を許可

       * [-]crtscts
              RTS/CTS ハンドシェイクを有効に

       * [-]cdtrdsr
              DTR/DSR ハンドシェイクを有効に

       csN    文字の大きさを N ビットに設定, N の範囲は [5..8]

       [-]cstopb
              1 文字あたり 2 ストップビットを使用 ('-' 付きの場合は 1)

       [-]hup 最後のプロセスが tty を閉じたらハングアップシグナルを送る

       [-]hupcl
              [-]hup と同じ

       [-]parenb
              出力でパリティビットを生成し, 入力ではパリティビットがあると期待する

       [-]parodd
              奇数パリティに設定する ('-' 付きの場合は偶数パリティ)

       * [-]cmspar
              "stick" (mark/space) パリティを使用する

   入力設定:
       [-]brkint
              ブレイクで割り込みシグナルを発生

       [-]icrnl
              復帰 (CR) を改行 (LF) に翻訳

       [-]ignbrk
              ブレイク文字を無視

       [-]igncr
              復帰 (CR) を無視

       [-]ignpar
              パリティエラーのある文字を無視

       * [-]imaxbel
              発信音を鳴らし, 文字に全入力バッファを吐き出さない

       [-]inlcr
              改行 (LF) を復帰 (CR) に翻訳

       [-]inpck
              入力パリティのチェックを可能に

       [-]istrip
              入力文字の最上位 (第8) ビットを落とす

       * [-]iutf8
              入力文字を UTF-8 と見なす

       * [-]iuclc
              大文字を小文字に翻訳

       * [-]ixany
              開始文字だけでなく, 任意の文字で出力を再開

       [-]ixoff
              開始および停止文字の送信を可能に

       [-]ixon
              XON/XOFF フロー制御を可能に

       [-]parmrk
              パリティーエラーをマーク (255-0 文字のシーケンスで)

       [-]tandem
              [-]ixoff と同じ

   出力設定:
       * bsN  バックスペースの遅延スタイル. N の範囲は [0..1]

       * crN  復帰 (CR) 遅延スタイル. N の範囲は [0..3]

       * ffN  用紙送り遅延スタイル. N の範囲は [0..1]

       * nlN  改行 (LF) 遅延スタイル. N の範囲は [0..1]

       * [-]ocrnl
              復帰 (CR) を改行 (LF) に翻訳

       * [-]ofdel
              ヌル文字の代わりに埋める文字として削除文字を使用

       * [-]ofill
              遅延のタイミングの代わりに埋める文字を使用

       * [-]olcuc
              小文字を大文字に翻訳

       * [-]onlcr
              改行 (LF) を復帰改行 (CR-LF) に翻訳

       * [-]onlret
              改行 (LF) が復帰 (CR) として振舞う

       * [-]onocr
              1桁目の復帰 (CR) を表示しない

       [-]opost
              プロセス後出力

       * tabN 水平タブ遅延スタイル. N の範囲は [0..3]

       * tabs tab0 と同じ

       * -tabs
              tab3 と同じ

       * vtN  垂直タブ遅延スタイル. N の範囲は [0..1]

   ローカル設定:
       [-]crterase
              backspace-space-backspace として削除文字をエコー

       * crtkill
              echoprt と echoe の設定にしたがって全ての行を削除

       * -crtkill
              echoctl と echok の設定にしたがって全ての行を削除

       * [-]ctlecho
              ハット記法 ('^c') で制御文字をエコー

       [-]echo
              入力文字をエコー

       * [-]echoctl
              [-]ctlecho と同じ

       [-]echoe
              [-]crterase と同じ

       [-]echok
              削除文字の後に改行をエコー

       * [-]echoke
              [-]crtkill と同じ

       [-]echonl
              他の文字をエコーしない場合でも改行をエコー

       * [-]echoprt
              '\' と '/' の間で、削除された文字を逆順にエコー

       [-]icanon
              特殊文字 erase, kill, werase, rprnt を使用可能に

       [-]iexten
              非 POSIX 特殊文字を使用可能に

       [-]isig
              割り込み (interrupt), 終了 (quit) および中断 (suspend)

              特殊文字を使用可能に

       [-]noflsh
              割り込み (interrupt) と終了 (quit) 特殊文字の後の出力フラッシュを無効に

       * [-]prterase
              [-]echoprt と同じ

       * [-]tostop
              端末に書き込みを試みたバックグラウンドジョブを停止

       * [-]xcase
              icanon とともに使用し、大文字に対して '\' でエスケープ

   組合せ設定:
       * [-]LCASE
              [-]lcase と同じ

       cbreak -icanon と同じ

       -cbreak
              icanon と同じ

       cooked brkint ignpar istrip icrnl ixon opost isig と同じ icanon, eof および eol 文字は標準
              の値

       -cooked
              raw と同じ

       crt    echoe echoctl echoke と同じ

       dec    echoe echoctl echoke -ixany intr ^c erase 0177 kill ^u と同じ

       * [-]decctlq
              [-]ixany と同じ

       ek     erase と kill 文字を標準の値に

       evenp  parenb -parodd cs7 と同じ

       -evenp        -parenb cs8 と同じ

       * [-]lcase
              xcase iuclc olcuc と同じ

       litout -parenb -istrip -opost cs8 と同じ

       -litout
              parenb istrip opost cs7 と同じ

       nl     -icrnl -onlcr と同じ

       -nl    icrnl -inlcr -igncr onlcr -ocrnl -onlret と同じ

       oddp   parenb parodd cs7 と同じ

       -oddp         -parenb cs8 と同じ

       [-]parity
              [-]evenp と同じ

       pass8  -parenb -istrip cs8 と同じ

       -pass8 parenb istrip cs7 と同じ

       raw    -ignbrk  -brkint -ignpar -parmrk -inpck -istrip -inlcr -igncr -icrnl  -ixon  -ixoff
              -iuclc  -ixany -imaxbel -opost -isig -icanon -xcase min 1 time 0 と同じ

       -raw   cooked と同じ

       sane   cread -ignbrk brkint -inlcr -igncr icrnl -iutf8 -ixoff -iuclc -ixany imaxbel  opost
              -olcuc  -ocrnl  onlcr  -onocr  -onlret  -ofill -ofdel nl0 cr0 tab0 bs0 vt0 ff0 isig
              icanon iexten echo echoe echok -echonl  -noflsh  -xcase  -tostop  -echoprt  echoctl
              echoke と同じ, 全ての特殊文字は標準の値.

       標準入力とつながった端末を制御します。引数を指定しない場合、  ボーレート、回線制御規則およ
       び stty sane からのずれを表示します。  設定の際には、  CHAR  は文字通りに扱われるか、  ^c,
       0x37,  0177 または 127 のようにコード化されます。特別な値 ^- または undef は特殊文字を無効
       に するのに使用されます。

       GNU coreutils のオンラインヘルプ: <http://www.gnu.org/software/coreutils/> stty の翻訳に関
       するバグは  <http://translationproject.org/team/ja.html> に連絡してください。 完全な文書を
       参照する場合は info coreutils 'stty invocation' を実行してください。

作者

       作者 David MacKenzie。

著作権

       Copyright © 2013 Free Software Foundation, Inc.  ライセンス GPLv3+: GNU GPL version  3  or
       later <http://gnu.org/licenses/gpl.html>.
       This  is free software: you are free to change and redistribute it.  There is NO WARRANTY,
       to the extent permitted by law.

関連項目

       stty の完全なマニュアルは Texinfo マニュアルとして整備されている。もし、 info および  stty
       のプログラムが正しくインストールされているならば、コマンド

              info stty

       を使用すると完全なマニュアルを読むことができるはずだ。