Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       openpty, login_tty, forkpty - 端末ユーティリティ関数

書式

       #include <pty.h>

       int openpty(int *amaster, int *aslave, char *name,
                   const struct termios *termp,
                   const struct winsize *winp);

       pid_t forkpty(int *amaster, char *name,
                     const struct termios *termp,
                     const struct winsize *winp);

       #include <utmp.h>

       int login_tty(int fd);

       -lutil でリンクする。

説明

       openpty()  関数は、使用可能な疑似端末 (pseudoterminal) を見つけて、 マスタとスレーブのファ
       イル・ディスクリプタを amasteraslave に入れて返す。 name が NULL  でない場合、スレーブ
       のファイル名が  name  に返される。  termp  が  NULL でない場合、スレーブの端末パラメータは
       termp の値に設定される。 winp が NULL でない場合、スレーブのウインドウサイズは winp に設定
       される。

       login_tty()    関数は、端末  fd  にログインする準備をする  (fd  は実際の端末デバイスでも、
       openpty()  で返される疑似端末のスレーブでもよい)。  具体的には、新しいセッションを作成し、
       fd を呼び出し元のプロセスの制御端末とし、 呼び出し元の標準入力・標準出力・標準エラーのスト
       リームを fd に設定した後、 fd をクローズする。

       forkpty()  関数は openpty(), fork(2), login_tty() を組み合わせ、疑似端末を操作する新しいプ
       ロセスを生成する。  疑似端末のマスタ側のファイル・ディスクリプタは amaster に返され、 name
       が NULL でない場合には、スレーブのファイル名が name  に返される。  termpwinp  引き数
       は、NULL でなければ、 疑似端末のスレーブ側の端末属性とウインドウサイズを決定する。

返り値

       openpty(),  login_tty(), forkpty()  の呼び出しが成功しなかった場合、 -1 が返されて、 errno
       はエラーを示す値に設定される。 成功した場合、 openpty(), login_tty()  および     forkpty()
       の子プロセスは 0 を返し、 forkpty()  の親プロセスは子プロセスのプロセス ID を返す。

エラー

       以下の場合に openpty()  は失敗する:

       ENOENT 使用可能な端末がない。

       ioctl(2)   が  fd を呼び出し元のプロセスの制御端末に設定するのに失敗した場合、 login_tty()
       は失敗する。

       openpty()  または fork(2)  のどちらかが失敗した場合、 forkpty()  は失敗する。

準拠

       これらは BSD の関数であり、libc5 と glibc2 に存在する。 POSIX での標準化はされていない。

注意

       glibc 2.8 で、 openpty()  と forkpty()  の構造体へのポインタの引き数に const  修飾子が追加
       された。

       2.0.92  より前のバージョンの glibc では、 openpty()  は BSD 疑似端末ペアのファイル・ディス
       クリプタを返す。 2.0.92 以降の glibc では、 openpty()  はまず Unix 98 疑似端末ペアをオープ
       ンしようとし、それに失敗した場合に BSD 疑似端末ペアのオープンへと移行する。

バグ

       誰も name に対してどのくらい大きさを予約しておけばいいか分からない。 したがって、NULL でな
       い name を引き数として openpty()  や forkpty()  を呼び出すのは安全であるとは言えない。

関連項目

       fork(2), ttyname(3), pty(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。