Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       pthread_detach - スレッドを切り離す (detach する)

書式

       #include <pthread.h>

       int pthread_detach(pthread_t thread);

       -pthread を付けてコンパイルとリンクを行う。

説明

       pthread_detach() 関数は thread で識別されるスレッドに detached (切り離された状態) という印
       を付ける。 detached 状態のスレッドが終了すると、  別のスレッドが終了されたスレッドを  join
       しなくても、 そのスレッドのリソースは自動的に解放されてシステムに戻される。

       すでに  detach 状態のスレッドを detach しようとした場合に どのような結果となるかは規定され
       ていない。

返り値

       成功すると、pthread_detach() は 0 を返す。 エラーの場合、エラー番号を返す。

エラー

       EINVAL thread が join 可能なスレッドではない。

       ESRCH  ID が thread のスレッドが見つからなかった。

準拠

       POSIX.1-2001.

注意

       いったんスレッドを detached 状態にすると、 そのスレッドを pthread_join(3) で join したり、
       もう一度 join 可能にしたりすることはできない。

       pthread_attr_setdetachstate(3) を使って pthread_create(3) の attr 引き数の detached 属性を
       設定することで、 新しいスレッドを detached 状態で作成することができる。

       detached    属性は、スレッドが終了した際のシステムの動作を決めるだけである。    プロセスが
       exit(3)  を使って終了した場合に、そのスレッドが終了され なくなるようなことはない (なお、メ
       インスレッドが return  した場合も  プロセスが  exit(3)  を使って終了した場合と全く同じであ
       る)。

       アプリケーションが作成した各スレッドについて、そのスレッドが使用して  いるシステムリソース
       を解放できるように、pthread_join(3) か pthread_detach() のどちらかを呼び出すべきである (た
       だし、プロセスが 終了するときには、全てのスレッドのリソースが解放される)。

       以下の文は、呼び出したスレッド自身を detach する。

           pthread_detach(pthread_self());

関連項目

       pthread_attr_setdetachstate(3),   pthread_cancel(3),  pthread_create(3),  pthread_exit(3),
       pthread_join(3), pthreads(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。