Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       scalb, scalbf, scalbl - 浮動小数点数に整数である基数の累乗を掛ける (廃止予定)

書式

       #include <math.h>

       double scalb(double x, double exp);
       float scalbf(float x, float exp);
       long double scalbl(long double x, long double exp);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       scalb():
           _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 500 ||
           _XOPEN_SOURCE && _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
       scalbf(), scalbl():
           _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 600

説明

       これらの関数は最初の引き数 xFLT_RADIXexp 乗を掛ける (FLT_RADIX はおそらく  2  であ
       る)。つまり、以下の式の値を返す。

           x * FLT_RADIX ** exp

       FLT_RADIX の定義は <float.h> をインクルードすることで得られる。

返り値

       成功すると、これらの関数は x * FLT_RADIX ** exp を返す。

       xexp が NaN の場合、NaN が返される。

       x  が正の無限大 (負の無限大) で exp が負の無限大でない場合、正の無限大 (負の無限大) が返さ
       れる。

       x が +0 (-0) で exp が正の無限大でない場合、+0 (-0) が返される。

       x がゼロで exp が正の無限大の場合、領域エラー (domain error) が発生し、 NaN が返される。

       x が無限大で exp が負の無限大の場合、領域エラー (domain error) が発生し、 NaN が返される。

       結果がオーバーフローする場合、  範囲エラー  (range  error)   が発生し、   各関数はそれぞれ
       HUGE_VAL, HUGE_VALF, HUGE_VALL を返す。符号は x と同じになる。

       結果がアンダーフローする場合、範囲エラーが発生し、  各関数は 0 を返す。符号は x と同じにな
       る。

エラー

       これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7)  を
       参照のこと。

       以下のエラーが発生する可能性がある。

       領域エラー  (domain error): x が 0 で exp が正の無限大、または x が正の無限大で exp が負の
       無限大
              不正 (invalid) 浮動小数点例外 (FE_INVALID)  が上がる。

       範囲エラー (range error)、オーバーフローの場合
              オーバーフロー浮動小数点例外 (FE_OVERFLOW)  が上がる。

       範囲エラー (range error)、アンダーフローの場合
              アンダーフロー浮動小数点例外 (FE_UNDERFLOW)  が上がる。

       これらの関数は errno を設定しない。

準拠

       scalb()   は  POSIX.1-2001  で規定されているが、廃止予定とされている。  POSIX.1-2008  では
       scalb()  の仕様は削除されており、代わりに scalbln(3), scalblnf(3), scalblnl(3)  の使用が推
       奨されている。 scalb()  関数は 4.3BSD に由来する。

       scalbf()  と scalbl()  は標準化されていない。 それにも関わらず、 scalbf() はいくつかの他の
       システムに存在する。

関連項目

       ldexp(3), scalbln(3)

この文書について

       この  man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2013-03-23                                   SCALB(3)