Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       towupper, towupper_l - ワイド文字 1 個を大文字に変換する

書式

       #include <wctype.h>

       wint_t towupper(wint_t wc);

       wint_t towupper_l(wint_t wc, locale_t locale);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       towupper_l():
           glibc 2.10 以降:
                  _XOPEN_SOURCE >= 700
           glibc 2.10 より以前:
                  _GNU_SOURCE

説明

       towupper()  関数は、 toupper(3) 関数に対応するワイド文字関数である。 wc が小文字のワイド文
       字で、現在のロケールで対応する大文字が存在する場合、 wc に対応する大文字が返される。  それ
       以外の場合には、 wc は変更されずに返される。

       towupper_l()  関数も同様の動作を行うが、 locale で指定されたロケールでの文字列型の情報に基
       づき変換が行われる点が異なる。 locale が特別なロケールオブジェクト  LC_GLOBAL_LOCALE  の場
       合、もしくは locale が有効なロケールオブジェクトハンドルでない場合、 towupper_l() の動作は
       未定義である。

       引き数 wc は、 指定されたロケールで有効な wchar_t で表現できる文字、または値 WEOF でなけれ
       ばならない。

返り値

       wc が大文字に変換可能だった場合、 towupper() は対応する大文字返す。 そうでない場合、 wc を
       返す。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       towupper()  関数は、例外付きのスレッドセーフである。実行中に  setlocale(3)  を呼び出してロ
       ケールを変更しない限り、マルチスレッドアプリケーションで安全に使用することができる。

バージョン

       towupper_l() 関数は glibc 2.3 で初めて登場した。

準拠

       towupper():  C99, POSIX.1-2001 (XSI); POSIX.1-2008 の XSI 拡張に存在しているが、廃止予定と
       されている。

       towupper_l(): POSIX.1-2008.

注意

       これらの関数の動作は、ロケールの LC_CTYPE カテゴリに依存する。

       これらの関数で  Unicode  文字を扱うのはあまり適切でない。  なぜなら、Unicode  には、大文字
       (upper  case)・小文字 (lower case)・ タイトル文字 (title case) という 3 つの "case" が含ま
       れているからである。

関連項目

       iswupper(3), towctrans(3), towlower(3), locale(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。