Provided by: dpkg-dev_1.18.4ubuntu1.7_all bug

名前

       deb-split - Debian マルチパートのバイナリパッケージ形式

書式

       filename.deb

説明

       マルチパート .deb 形式は、巨大なパッケージを小さく分割することで、小容量メディアでの転送を
       容易にするために用いられる。

フォーマット

       このファイルはマジックナンバー !<arch> を持つ ar  アーカイブである。ファイル名はスラッシュ
       で終わる場合がある (dpkg 1.15.6 以降)。

       アーカイブ先頭のファイルは debian-split である。このファイルは、改行で区切られた数行からな
       る。現在のところ 8 行が存在する:

       •   本マニュアルページが書かれた時点での形式のバージョン番号は、2.1 である。

       •   パッケージ名

       •   パッケージのバージョン

       •   パッケージの md5sum

       •   パッケージ全体のサイズ

       •   単一パートの最大サイズ

       •   現在のパート番号。スラッシュに続いてパートの総数を記載する形態 (‘1/10’) で表記される。

       •   パッケージのアーキテクチャ (dpkg 1.16.1 以降)

       マルチパート形式のアーカイブを読み込むプログラムは、マイナーバージョン番号の増加や、新しい
       行の追加に対応すべきである。その際には、これらを無視すること。

       メジャーバージョン番号が変更されている場合は、互換性のない変更がされているとみなし、プログ
       ラムは停止すべきである。メジャーバージョンが変更されていない場合は、以下で説明するよう
       に、アーカイブに予期しないファイルが含まれていない限り(アーカイブ末尾に含まれる場合を除
       く)、プログラムは安全に実行を継続できる必要がある。

       2 番目となる最後の必須ファイルは data.N である。N はパート番号を示す。これにはパートのデー
       タそのものが格納されている。

       これらのファイルはこの通りの順序でアーカイブされていなければならない。現在の実装では
       data.N  より後に追加されているファイルを無視すべきである。将来的に追加のファイルが定義され
       た場合は、(やむを得ない場合を除き) これら 2 つのファイルの後にアーカイブされることになるだ
       ろう。

関連項目

       deb(5), dpkg-split(1).

翻訳者

       高橋 基信 <monyo@monyo.com>.  喜瀬 浩 <kise@fuyuneko.jp>.  関戸  幸一  <sekido@mbox.kyoto-
       inet.or.jp>.   鍋谷  栄展  <nabe@debian.or.jp>.  倉澤 望 <nabetaro@debian.or.jp>.  石川 睦
       <ishikawa@linux.or.jp>.      鵜飼      文敏      <ukai@debian.or.jp>.       中野      武雄
       <nakano@apm.seikei.ac.jp>.

翻訳校正

       Debian JP Documentation ML <debian-doc@debian.or.jp>.