xenial (8) nsupdate.8.gz

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名称

     nsupdate — 対話的に Internet ネームサーバを更新する

書式

     nsupdate [-k keydir:keyname] [-d] [-v] [filename]

解説

     nsupdate は動的な更新をサポートした Internet ドメインネームサーバを更新する ためのプログラムです。 nsupdate
     は DNS のリソースレコード (RR) を追加したり削除したりする メッセージを DNS サーバ に伝えるために、DNS リゾ
     ルバライブラリを使用します。 nsupdate は入力を filename もしくは、標準入力から読み取ります。

引数

     -k          TSIG を用いて更新に署名します。

     -d          デバッグモードを指定します。

     -v          バーチャルサーキット - サーバとの通信に TCP を使用します。既定値では UDP を 使用します。

入力書式

     nsupdate は 1 行ごとに 1 個の入力レコードを読みます。 それぞれの行は更新要求の対象になるリソースレコードで
     す。 1 個の更新要求に含まれるすべてのドメイン名は、 同一の DNS ゾーンに含まれるものであることが必要です。
     更新は、SOA MNAME フィールドで定義されるマスタサーバへ送られます。 空行は、蓄積されたレコードを 1 個の更新
     要求としてまとめ、ゾーンの権威を もつネームサーバへの送信を指示します。 追加レコードを続けることが可能で
     す。 これらは、追加的な、完全に独立した更新要求になります。 最後の要求が送信されるためには、空行が入力の最
     後にあることが必要です。

     レコードはふたつの一般的な形式のうちのどちらかの形式です。 必要条件 (prerequisite) レコードは、要求が処理さ
     れる前に満たされていることが必要な条件を指示します。 更新情報 (update) レコードは、DNS データベースになされ
     る変更を指示します。 更新要求は、0 個以上の必要条件と、1 個以上の更新情報から成ります。 それぞれの更新要求
     は、すべての必要条件が満たされることが確認 されたあとで、すべての更新が実行されるという順番で、原子的に処理
     されます。

     nsupdate は次のような入力レコードの書式を理解します。

     prereq nxdomain domain-name domain-name で指定したドメイン内に、どのような RR もないことを要求します。

     prereq yxdomain domain-name domain-name で指定したドメイン内に、最低 1 個の RR が存在することを要求します。

     prereq nxrrset domain-name [class] type domain-name で指定したドメイン内に type で指定した型の RR が存在し
             ないことを要求します。

     prereq yxrrset domain-name [class] type [data...] domain-name で指定したドメイン内に、 type で指定した型の
             RR が存在することを要求します。 data が指定された場合は、正確にチェックが行なわれます。

     update delete domain-name [class] [type [data...]] domain-name で指定したドメイン名の RR を削除します。 も
             し type (と、可能ならば data) が指定されれば、該当されるレコードだけが削除されます。

     update add domain-name ttl [class] type data... ttl, type, data で指定した RR を追加します。

使用例

     下記の例は、 nsupdate の対話的な使用例を示しています。 あるドメイン名のすべての A レコードを削除して、新し
     いレコードを 追加することによって、IP アドレスを変更します。 ここでは必要条件が指定されていないので、削除す
     るレコードがなくても新しい レコードが追加されます。 後に続く空行は要求を処理させるために必要であることに注
     意してください。

           $ nsupdate
           > update delete test.example.com A
           > update add test.example.com 3600 A 10.1.1.1
           >

     この例では、対象のドメインに A レコードまたは CNAME レコードがない場合に、 CNAME エイリアスがデータベースに
     追加されます。

           $ nsupdate
           > prereq nxrrset www.example.com A
           > prereq nxrrset www.example.com CNAME
           > update add www.example.com 3600 CNAME test.example.com
           >

     この例では、nsupdate はディレクトリ "/var/named/keys" に存在するキー "mykey" で署名されます。

           $ nsupdate -k /var/named/keys:mykey
           > update add ftp.example.com 60 A 192.168.5.1
           >

診断

     "send error" 一般に、権威のあるネームサーバに到達できなかったことを示します。

     "failed update packet" 一般に、ネームサーバが動的更新をサポートしていないためか、認証の失敗のために、 更新
             を拒否したことを示します。

     "res_mkupdate: packet size = size" (また他のメッセージが表示されないとき) 更新は正常に受信されてネームサー
             バに認証されました。 しかし必要条件が更新を妨げたかもしれません。更新が行なわれているか を確かめる
             方法は、デバッグモード (-d) を使用して、ネームサーバからの応答フィールドを確認するしかありません。

関連ファイル

     /etc/resolv.conf
     ドメイン名とネームサーバのアドレスの初期設定。

関連項目

     named(8), resolver(3), resolver(5); RFC-1034, “Domain Names - Concepts and Facilities”; RFC-1035, “Domain
     Names - Implementation and Specification”; RFC-2136, Dynamic Updates in the Domain Name System.

作者

     Brent Baccala