xenial (8) papd.8.gz

Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       papd - AppleTalk プリントサーバデーモン

書式

       /usr/sbin/papd [ -d ] [ -f configfile ] [ -p printcap ]

説明

       papd は AppleTalk プリンタデーモンである。 このデーモンは、 AppleTalk クライアント (通常は Macintosh コン
       ピュータ) から プリンタアクセスプロトコル (Printer Access Protocol,  PAP)  を使って  印刷ジョブを受け付け
       る。 papd はネットワークからジョブを受け取ると、 そのジョブを直接 lpd(8) のスプールディレクトリにスプール
       し、 lpd を起動する。 すると lpd は、対応する適切なスプールディレクトリがあるかどうかを再検査する。  実際
       の印刷とスプールは、 lpd が全て処理する。 papd は印刷ジョブを外部プログラムにパイプで渡して処理させること
       ができる。 使っている lpd のくせによる互換性の問題を避けるには、 この方法を用いると良い。

       通常     papd     は、システムの     init     スクリプトからブート時に起動される。     初めに設定ファイル
       /etc/netatalk/papd.conf   を読み込む。  このファイルは  /etc/printcap  と同じフォーマットである。  詳細は
       printcap(5) を参照すること。 エントリの名前は NBP  で登録されている。  以下のオプションがサポートされてい
       る:

       名前   タイプ   デフォルト   説明
        pd    str      `.ppd'       PPD ファイルのパス名
        pr    str      `lp'         LPD プリンタ名 (または、印刷コマンドへのパイプ)
        op    str      `operator'   LPD スプーリングのオペレータ名
        ca    str      NULL         CAP 形式認証に使うファイルのパス名
        sp    bool     false        PSSP 形式認証
        am    str      NULL         認証に使う UAM (ユーザー認証モジュール)
        pa    str      NULL         プリンタの AppleTalk アドレス?

       設定ファイルが指定されない場合、 ホスト名が NBP 名として使われ、全てのオプションがデフォルトの値になる。

オプション

       -d     fork しない。または端末から切り離さない。 デバッグ情報を標準エラーに書き出す。

       -f configfile
              設定情報として /etc/netatalk/papd.conf ではなく configfile を読み込む。

       -p printcap
              LPD 設定情報として /etc/printcap ではなく printcap を読み込む。

       以下の  papd  設定ファイルは  3  つのプリントスプーラを設定する。 1 番目のスプーラは NBP 名が Mac Printer
       Spooler で、/usr/share/lib/ppd にある PPD ファイルを使う。  さらに、ユーザー  mcs  がスプールされる全ての
       ジョブの所有者になる。 2 番目のスプーラは HP Printer という名前で、全てのオプションがデフォルトである。 3
       番目のスプーラは HP 8100 という名前である。 このスプーラは印刷ジョブを行うために lpr を使う。 PSSP 認証印
       刷が  CAP 形式認証印刷と同様に有効にされている。 'am' オプションが指定されているので、 どちらの認証法でも
       guest と平文の認証が使える。 使用される PPD は /etc/atalk/ppds/hp8100.ppd である。

              Mac Printer Spooler:\
                  :pr=ps:\
                  :pd=/usr/share/lib/ppd/HPLJ_4M.PPD:\
                  :op=mcs:

              HP Printer:\
                  :

              HP 8100:\
                  :pr=|/usr/bin/lpr -Plp:\
                  :sp:\
                  :ca=/tmp/print:\
                  :am=uams_guest.so,uams_pam.so:\
                  :pd=/etc/atalk/ppds/hp8100.ppd:

注意

       PSSP (Print Server Security Protocol) はプリントサーバーに PostScript  プリンタの問い合わせをさせる認証プ
       ロトコルである。  PSSP  を使うにはクライアント Mac 上に LaserWriter 8.6.1 以降が必要である。 印刷を行う前
       に、ユーザー名とパスワードを入力するプロンプトが出る。 PSSP を初めて有効にしたときは、 各クライアント上の
       プリンタを再設定する必要があるかもしれない。 これによりクライアントは印刷に認証が必要とされることを理解す
       ることができる。 プリンタ毎に PSSP を有効にすることができる。 PSSP は以下で説明する CAP  形式認証より堅牢
       なので、 プリンタの認証にはこちらを使うと良い。

       CAP  形式認証は、Mac クライアントでの印刷の認証で使われる CAP (Columbia APpletalk) パッケージの方法を用い
       て、 ユーザー名を取得する。 この方法では、印刷をする前に ユーザーがファイル共有にログインしている必要があ
       る。  afpd  はユーザー名をクライアントの  Appletalke アドレスにちなんだ テンポラリファイルに記録し、 ユー
       ザーが接続を切ると、このファイルを削除する。 papd は接続してきているマシンの Appletalk アドレスと  同じ名
       前のファイルからユーザー名を取得する。 CAP 形式認証はどの Mac クライアントに対しても動作するだろう。 ある
       プリンタに対して CAP と PSSP がともに有効になっている場合、 最初に CAP が試みられ、(失敗した場合は)  次に
       PSSP を試みる。

       ('am'  オプションで指定されて) 認証に使われる UAM (ユーザー認証モジュール) の一覧は全てのプリンタに適用さ
       れる。 各プリンタ毎に別の認証法を定義することはできない。 UAM のリストを複数回指定することもできるが、 最
       後の設定のみが使われる。     現在のところ、プリンタの認証法としては     uams_guest.so,    uams_passwd.so,
       uams_pam.so のみがサポートされている。 guest による方法では、有効なユーザー名が必要であるが、パスワードは
       必要ない。 passwd と pam による方法では、 有効なユーザー名と正しいパスワードの両方が必要である。

ファイル

       /etc/netatalk/papd.conf
                       デフォルトの設定ファイル。

       /etc/printcap   プリンタ機能のデータベース。

       .ppd            PostScript  プリンタ記述ファイル。  papd は、設定情報や印刷を行っているクライアントからの
                       フォント要求を、 設定された PPD  ファイルに基づいて答える。  このようなファイルは、Adobe,
                       Inc  のサイト  ftp.adobe.com の /pub/adobe/printerdrivers/mac/all/ppdfiles/ から 匿名 ftp
                       (ftp://ftp.adobe.com//pub/adobe/printerdrivers/mac/all/ppdfiles/) によって、 あるいはプリ
                       ンタの製造メーカからも入手できる。 PPD ファイルが設定されていない場合、 papd はデフォルト
                       の返答をする。 これは、クライアントに非常に大きなジョブを送信させる可能性がある。

関連項目

       lpr(1), lprm(1), printcap(5), lpc(8), lpd(8).

警告

       papd は、クライアントから送られる ハイビットセット (フル 8  ビット)  の文字を受け付ける。  しかし、(Apple
       Computer  の  LaserWriter  ファミリーを含む) PostScript プリンタの中には、 デフォルトではシリアルインター
       フェース上から 7 ビット文字しか受け付けないものがある。 この場合は、プリンタがフル 8 ビットを受け付けるよ
       うに プリンタを設定する必要がある。