xenial (8) statd.8.gz

Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       rpc.statd - NSM ステータスモニタ

書式

       /sbin/rpc.statd [-F] [-d] [-?] [-n  name ] [-o  port ] [-p  port ] [-H  prog ] [-V]

説明

       rpc.statd サーバは NSM (Network Status Monitor) RPC プロトコルを実装したものである。 このサービスは少々名
       前が適切ではなく、 予想されるようなアクティブなモニタリングを実際に行うわけではない。 実際には  NSM  はリ
       ブート通知サービスを実装したものなのである。 rpc.statd は NFS ファイルロックサービス rpc.lockd が利用する
       もので、 NFS サーバマシンがクラッシュして復帰したときに、 ロックを回復するために用いられる。

   動作
       モニタの対象となる NFS のクライアントとサーバのマシンそれぞれに対し、 rpc.statd/var/lib/nfs/sm にファ
       イルを作る。  起動するとき、 rpc.statd はこれらのファイルを順次調べ、 それら接続先のマシンの rpc.statd に
       通知する。

オプション

       -F     デフォルトでは rpc.statd はフォークしてバックグラウンドに移動してから動作を始める。 -F  オプション
              は、 rpc.statd にフォアグラウンドに留まるよう伝える。 このオプションは主にデバッグのためのものであ
              る。

       -d     デフォルトでは rpc.statd はログメッセージを syslog(3) を通してシステムログに送る。  -d  オプション
              は、このログ出力を詳細にし、  stderr に送るよう指示する。 このオプションは主にデバッグのためのもの
              であり、 おそらく -F と同時にのみ使うことになるだろう。

       -n, --name name
              rpc.statd    がローカルのホスト名として用いる名前を指定する。    デフォルトでは    rpc.statdgethostname(2)  を呼んでローカルのホスト名を取得する。 インターフェースが 2 つ以上あるマシンでは、
              ローカルのホスト名を指定すると便利かもしれない。

       -o, --outgoing-port port
              rpc.statd   が外向きのステータスリクエストを送信するときに使うポートを指定する。    デフォルトでは
              rpc.statdportmap(8)  にポート番号を割り当ててくれるよう要求する。 このマニュアルの執筆時点で
              は、  portmap  が常に割り当てに用いるような、標準的なポート番号はない。   ポートの指定は、ファイア
              ウォールを実装するときに便利だろう。

       -p, --port port
              rpc.statd が listen するポートを指定する。 デフォルトでは rpc.statdportmap(8) にポート番号を割
              り当ててくれるよう要求する。  このマニュアルの執筆時点では、  portmap   が常に割り当てに用いるよう
              な、標準的なポート番号はない。 ポートの指定は、ファイアウォールを実装するときに便利だろう。

       -P, --state-directory-path directory
              statd    の状態情報を置くディレクトリを指定する。   このオプションが指定されない場合、デフォルトの
              /var/lib/nfs が使用される。

       -N     statd を通知専用モードで実行させる。 このモードで起動すると、 statd プログラムは状態情報を置くディ
              レクトリをチェックして、 全てのモニタ対象ノードに通知を送信し、通知の送信が完了したら終了する。 こ
              のモードは高可用性 (Highly Available) NFS 実装 (つまり HA-NFS) を 有効にするために使用される。

       -H,  --ha-callout prog
              高可用性コールアウトプログラムを指定する。  このプログラムは全てのクライアントモニタとモニタ終了リ
              クエストに対する  コールアウトを受け取る。 これにより rpc.statd を高可用性 NFS (HA-NFS) 環境で使用
              することができる。 このプログラムは 3 つの引き数を付けて実行される。 1 つ目は、 add-client  または
              del-client  であり、コールアウトの理由に依存する。 2 つ目はクライアントの名前である。 3 つ目はクラ
              イアントに知らせるサーバの名前である。

       -?     コマンドラインヘルプを表示して終了する。

       -V     バージョン情報を表示して終了する。

TCP_WRAPPERS のサポート

       この版の rpc.statdtcp_wrapper ライブラリによって保護されている。 クライアントからの rpc.statd  に対す
       るアクセスが必要なら、 許可するよう設定しなければならない。.bar.com ドメインの クライアントからのアクセス
       を許可するには、 /etc/hosts.allow に次のように書けばよい。

       statd: .bar.com

       デーモンの名前は (バイナリのファイル名が異なっていても) statd としなければならない。

       詳細は man ページ tcpd(8) と hosts_access(5) を見てほしい。

シグナル

       SIGUSR1 を送ると、 rpc.statd はディスクから通知リストを読み直して、クライアントに通知を送る。  このシグナ
       ルは高可用性 NFS (HA-NFS) 環境において、 他のサーバから NFS エクスポートの引き継ぎを行うときに、 クライア
       ントに通知を行ってファイルロックを再取得するために使用される。

ファイル

       /var/lib/nfs/state
       /var/lib/nfs/sm/*
       /var/lib/nfs/sm.bak/*

関連項目

       rpc.nfsd(8), portmap(8)

著者

       Jeff Uphoff <juphoff@nrao.edu>
       Olaf Kirch <okir@monad.swb.de>
       H.J. Lu <hjl@gnu.org>
       Lon Hohberger <hohberger@missioncriticallinux.com>
       Paul Clements <paul.clements@steeleye.com>

                                                   31 Aug 2004                                      rpc.statd(8)