bionic (1) fd.1.gz

Provided by: fdclone_3.01b-1build2_amd64 bug

名称

       fd - ファイル・ディレクトリ管理ツール

形式

       fd [ -abCefhiklmNnPrSsTtuvx ] [ -NAME=value ] [ directory [ directory2 ...  ]]
       fdsh [ -abCcefhiklmNnPrSsTtuvx ] [ args ]

解説

       fd  は、  UNIX 汎用のテキスト端末用に考えられた、 ファイルやディレクトリの管理ツールです。 PC/AT 互換機と
       PC-98x1 専用に作られている同名ユーティリティのクローンを目指しています。 実際、機能的には上位互換となって
       います。

       fd   を起動すると、ファイル一覧のブラウザ画面になりますので、  各コマンドを割当ててある各種キーの入力によ
       り、 様々な機能を実行することができます。

       (以下の記述で  (UNIX) とある機能については、UNIX 版のみの実装で、  MS-DOS  版では機能しません。  同様に
       (DOS) とある機能については MS-DOS 版のみの実装です。)

   オプション
       コマンドラインオプションは、 内蔵シェル用の機能設定と、 後述の内部変数の設定に使用します。 内部変数には任
       意の変数名が使用できますが、 fd  が解釈するものは後述の  環境変数  の項目で挙げられているものに限ります。
       directory  を指定すると、  起動直後にカレントディレクトリをそのディレクトリに移動します。  directory2 ...
       を指定すると、 ウィンドウ分割モードで起動し、  追加ウィンドウ側のカレントディレクトリをそれぞれのディレク
       トリに移動します。

       内蔵シェル用に使えるオプションには下記のものがあります。

       -c string
              string で示されるコマンドを実行し、 終了します。 fdsh として起動された時のみ有効です。

       -i     -i を指定するか、 もしくは標準入出力が端末である場合には、 シェルが対話型シェルになります。

       -s     -s  を指定するか、  もしくは  args を指定しない場合は、 シェルのコマンド入力を標準入力から読込みま
              す。 以降の引数は位置パラメータとなります。

       -r     シェルの機能が一部制限されます。 具体的には以下の動作が禁止されます。
                 カレントディレクトリの移動
                 $PATH, $SHELL 及び  $ENV の設定変更
                 / を含むコマンドの実行
                 出力のリダイレクト (> 及び  >>)
                 IN_DIR         OUT_DIR        LOG_TOP
                 LOG_DIR        ATTR_FILE      COPY_FILE
                 MOVE_FILE      DELETE_FILE    DELETE_DIR
                 RENAME_FILE    MAKE_DIR       WRITE_DIR
                 TREE_DIR       BACKUP_TAPE    EDIT_FILE
                 UNPACK_FILE    PACK_FILE      LOG_TREE
                 COPY_TREE      MOVE_TREE      UNPACK_TREE
                 FIND_DIR       ATTR_DIR
              rfd または  rfdsh として起動された場合には、 自動的にこの一部制限シェルになります。

       -l     ログインシェルとして起動します。

       -N     起動時に初期設定ファイルの読込みを省略します。

       この他、 後述の組込みコマンド  set で述べられているオプションが有効です。

   画面レイアウト
       fd の画面モードは、 大きく 3 つのモードに分けられます。  ブラウザ画面では、ファイルの一覧リストの中をブラ
       ウジングして、 各コマンドを実行していきます。 アーカイブブラウザ画面では、 アーカイブファイル内のファイル
       を、ディレクトリ階層別に一覧表示し、 ブラウザ画面と同様にブラウジングします。  ツリー表示画面では、ディレ
       クトリの階層構造がツリー表示された中を、 移動してディレクトリパスを選択します。

       どの画面モードでも、画面全体の上下各  3 行ずつは、 fd の様々な情報を表示するために用いられます。 画面上端
       情報については、 4 行の場合もあります。 その画面レイアウトは、おおよそ次のようになっています。

       行数      意味

       1         タイトル行。 右端の時計は  10 秒毎に更新されます。

       2         インフォメーション行。  表示ページ  (及び全ページ数)、マーク数  (及び全ファイル数)、   ソート形
                 式、ファイル検索文字列の順で情報が書かれます。

       3         パス行。 カレントディレクトリのフルパスが表示されます。 また、アーカイブブラウザ画面では、 アー
                 カイブファイルのフルパスと、アーカイブ内パスが表示されます。

       2 (随意)  ファイルサイズ情報行。 ディレクトリ内のマークファイルの トータルサイズ  (及び全ファイルのトータ
                 ルサイズ)、  カレントディレクトリのあるファイルシステムの総容量、  及び空き容量が表示されます。
                 後述の内部変数 SIZEINFO の設定を事前に行なっておくことによりこの行が表示されます。 この行が表示
                 されている場合、 インフォメーション行とパス行は それぞれ 1 行ずつ繰り下げて表示されます。

       最下 - 2  スタック行。  ファイルの並び替えを行なう際、 一時的にスタックに積んだファイルがここに表示されま
                 す。

       最下 - 1  ファンクション行。 ファンクションキーの機能が表示されます。

       最下      ステータス行。 カーソル位置のファイルに関するステータスが表示されます。  また、コマンド実行の上
                 で何らかの支障が生じた場合の ウォーニングメッセージもここに表示されます。

   内部コマンド
       fd   では以下の各内部コマンドが使用できます。  これらの内部コマンドのキー割当てはユーザにより変更可能です
       が、 ここではデフォルトのキー割当てを添えます。 識別子は、 EXECUTE_SH  コマンド内でコマンドラインから実行
       する場合や、 キー割当てをユーザ定義する場合に用います。

       識別子              意味                          キー

       CUR_UP              カーソルを上に移動            
       CUR_DOWN            カーソルを下に移動            
       CUR_RIGHT           カーソルを右に移動            
       CUR_LEFT            カーソルを左に移動            
       ROLL_UP             次の表示ページに切替え        PageDown
       ROLL_DOWN           前の表示ページに切替え        PageUp
       CUR_TOP             カーソルを先頭に移動          Beg(<)
       CUR_BOTTOM          カーソルを最後尾に移動        Eol(>)
       FNAME_RIGHT         ファイル名表示範囲を右シフト  (
       FNAME_LEFT          ファイル名表示範囲を左シフト  )
       ONE_COLUMN          画面表示を 1 列にする         1
       TWO_COLUMNS         画面表示を 2 列にする         2
       THREE_COLUMNS       画面表示を 3 列にする         3
       FIVE_COLUMNS        画面表示を 5 列にする         5
       MARK_FILE           ファイルのマーク              Tab
       MARK_FILE2          ファイルのマークと下移動      Space
       MARK_FILE3          ファイルのマークと画面内移動  ^Space(^@)
       MARK_ALL            全ファイルにマーク            Home(+)
       MARK_REVERSE        全ファイルをマーク反転        End(-)
       MARK_FIND           検索したファイルにマーク      
       IN_DIR              サブディレクトリに移動        Return
       OUT_DIR             親ディレクトリに移動          Bs
       LOG_TOP             ルートディレクトリに移動      \
       REREAD_DIR          表示画面の再描画              ^L
       PUSH_FILE           ファイルをスタックに積む      Del(])
       POP_FILE            ファイルをスタックから取出す  Ins([)
       LOG_DIR             ディレクトリの絶対移動        F1(l)
       EXECUTE_FILE        ファイルの実行                F2(x)
       COPY_FILE           ファイルのコピー              F3(c)
       DELETE_FILE         ファイルの削除                F4(d)
       RENAME_FILE         ファイル名の変更              F5(r)
       SORT_DIR            ファイルのソート              F6(s)
       FIND_FILE           ファイルの検索                F7(f)
       TREE_DIR            ディレクトリのツリー表示      F8(t)
       EDIT_FILE           ファイルの編集                F9(e)
       UNPACK_FILE         アーカイブファイルの伸長      F10(u)
       ATTR_FILE           ファイル属性の変更            F11(a)
       INFO_FILESYS        ファイルシステムの情報表示    F12(i)
       MOVE_FILE           ファイルの移動                F13(m)
       DELETE_DIR          ディレクトリの削除            F14(D)
       MAKE_DIR            ディレクトリの作成            F15(k)
       EXECUTE_SH          子プロセスの実行              F16(h)
       WRITE_DIR           表示ディレクトリの書込み      F17(w)
       BACKUP_TAPE         テープへのバックアップ        F18(b)
       VIEW_FILE           ファイルの閲覧                F19(v)
       PACK_FILE           ファイルの圧縮                F20(p)
       LOG_TREE            ツリー選択でディレクトリ移動  L
       COPY_TREE           ツリー選択でファイルコピー    C
       MOVE_TREE           ツリー選択でファイル移動      M
       UNPACK_TREE         ツリー選択でファイル伸長      U
       FIND_DIR            ディレクトリの検索移動        F
       ATTR_DIR            再帰的なファイル属性変更      A
       SYMLINK_MODE        symbolic リンク表示形式の切替 S
       FILETYPE_MODE       ファイルタイプシンボルの切替  T
       DOTFILE_MODE        ドットファイル非表示の切替    H
       FILEFLG_MODE        ファイルフラグ表示の切替      O
       LAUNCH_FILE         ランチャの起動                Return
       SEARCH_FORW         ファイル名の前方検索          ^S
       SEARCH_BACK         ファイル名の後方検索          ^R
       SPLIT_WINDOW        ウィンドウの分割              /
       NEXT_WINDOW         ウィンドウ間の移動            ^
       WIDEN_WINDOW        ウィンドウの拡張              W
       NARROW_WINDOW       ウィンドウの縮小              N
       KILL_WINDOW         ウィンドウの破棄              K
       EDIT_CONFIG         カスタマイザの起動            E
       HELP_MESSAGE        ヘルプ画面の表示              ?
       QUIT_SYSTEM         fd の終了                     Esc(q)

       WARNING_BELL        ベルを鳴らします
       NO_OPERATION        何もしません

       最後の 2 つの内部コマンドは、 キー割当てを変更してデフォルトで割当てられた機能を殺したい時に使います。

   内部コマンド解説
       各内部コマンドの詳細を以下で説明します。 同様な機能を持つ内部コマンドは、 幾つかまとめて説明しています。

          カーソル移動
               カーソルを移動します。

          表示ページ切替え
               表示が一画面に収まらなかった場合に、  前後のページに移動します。 カーソル移動でページの外に移動し
               ようとした場合にも、 ページ切替えになります。

          先頭, 最後尾への移動
               カーソルをファイル一覧の先頭及び最後尾に移動します。 表示が一画面に収まらない場合は、ページの切替
               えも行なわれます。

          ファイル名表示範囲の変更
               ファイル名表示が規定のカラム内に収まらなかった場合、 カーソル位置のファイル名のみ、表示される部分
               を変更していくことができます。 それぞれ、一文字ずつ右と左にシフトさせて表示します。  ステータス行
               の表示も同時にシフトされます。

          画面表示列の変更
               通常は一画面  2 列の表示になっていますが、 この列の数をそれぞれの値に変更します。 列の数により、1
               ファイル当たりのカラム数が変わるので、 表示されているファイル情報も変化します。

          ファイルのマーク
               カーソル位置のファイルにマークをします。  ディレクトリにはマークできません。  [Space]  の場合には
               マークと同時にカーソルを下移動します。  [^Space] の場合にも下移動しますがページ切替えはしません。
               また、 [Home] で全ファイルにマークを、 [End] で全ファイルのマークを反転します。 [] では、 ワイル
               ドカードにマッチしたファイルにマークを追加します。 ワイルドカード文字列は  [] を押した後でその都
               度入力します。

               マークしたファイルは、 ATTR_FILE, COPY_FILE, DELETE_FILE, MOVE_FILE, UNPACK_FILE 及びユーザ定義の
               コマンドマクロ実行の際に対象となります。

          カレントディレクトリの移動
               移動したいサブディレクトリのところにカーソルを移動し、  [Return] を押すと、そのディレクトリに移動
               します。 親ディレクトリへは、".." のファイルにカーソル移動して   [Return]  を押すか、  もしくは
               [Bs] を押すことで移動できます。 また、 [\] でルートディレクトリへの絶対移動を行ないます。

          ファイルスタックへの積み下ろし
               [Del] を押すと、そのカーソル位置のファイルが一旦スタックに積まれ、 ファイル一覧の画面から一時的に
               削除されます。 スタックには  5 ファイルまで積むことができます。

               スタックに積まれたファイルは、 [Ins] でそのカーソル位置に挿入することができます。  最後にスタック
               に積んだファイルから順に取り出されます。  但し、この並びは  fd の中で便宜上そう見えているだけで、
               ディレクトリの移動等を行なえば元の並びに戻ります。

          表示画面の再描画
               カレントディレクトリの情報を再度読み出し、 ファイル一覧の画面を再描画します。  起動中に他のプロセ
               スからファイルの追加削除を行なった場合や、 何らかの理由により画面表示が乱れた場合などに有効です。

               また、画面サイズの変更に際して   SIGWINCH シグナルを発生しないような端末の場合 (HP-UXの  kterm(1)
               など) は、 画面サイズを変更した後には明示的に再描画させる必要があります。

          ディレクトリの絶対移動 (Logdir)
               入力したパス名に、カレントディレクトリを移動します。 ´/' で始まるパス名を入力すれば、相対移動でな
               く絶対移動になります。

               パス名として "." を入力すると、 カレントディレクトリのパス名を絶対表記に改めます。 これ以外の移動
               では、リンク等の原因により、 カレントディレクトリは常に仮想的なパス名を示します。 また、"?"  とい
               うパス名を入力すると、 fd を起動した直前のカレントディレクトリに移動できます。 "-" というパス名を
               入力すると、 最後に訪れたディレクトリに移動できます。

               また、フロッピードライブに移動している時に "@" というパス名を入力すると、  フロッピードライブに移
               動する前の UNIX ファイルシステム 側のディレクトリに移動できます。 (UNIX)

          ファイルの実行 (eXec)
               カーソル位置のファイル名に、  パラメータを追加して子プロセスとして実行します。 編集ラインのカーソ
               ル位置は、 実行権のあるファイルではファイル名の後に、  それ以外のファイルではファイル名の前に来ま
               す。  それぞれ、適当なパラメータやコマンド名を補って下さい。 また、カーソルキーの上下で過去に実行
               したコマンド履歴の参照もできます。

               MS-DOS 版では、 編集ライン中で引用符 " で括られた LFN 形式のファイル名は、  自動的に  8+3  形式の
               ファイル名に置き換えられてから実行されます。 この時、" で括られた文字列で表されるファイル名が存在
               する時には全て、 " を削除した上で 8+3 形式のファイル名に変換しますが、 そのファイル名が存在しない
               場合は、 " を含めて変換を行ないません。

          ファイルのコピー (Copy)
               カーソル位置のファイルを指定のディレクトリにコピーします。 カーソル位置がディレクトリだった場合に
               は、 ディレクトリの中を再帰的にコピーできます。 マークされたファイルがある場合は、 カーソル位置の
               ファイルではなくマークファイルが対象となります。

               また、コピー先に同名ファイルが存在した場合、   「日付の新しいファイルを上書き」  「名前を変えてコ
               ピー」 「全て上書き」 「同名ファイルはコピーしない」 「転送」  の中から処理を選択できます。  「転
               送」を選択すると転送先のディレクトリを聞いてきますので指定して下さい。 コピー先の同名ファイルは全
               てここで指定したディレクトリに移動します。

          ファイルの削除 (Delete)
               カーソル位置のファイルを削除します。 ディレクトリは削除できません。  マークされたファイルがある場
               合は、 カーソル位置のファイルではなくマークファイルが対象となります。

               書込み権のないファイルの場合には、安全のため確認を取ります。

          ファイル名の変更 (Rename)
               カーソル位置のファイルのファイル名を変更します。   既に存在するファイルと同じ名前には変更できませ
               ん。 また、新しいファイル名としてディレクトリ付きのパス名を指定すると、  ファイル移動も同時に行な
               われることになります。

          ファイルのソート (Sort)
               カレントディレクトリ内のファイルをソートして表示します。    ソートのタイプは   「名前順」「拡張子
               順」「サイズ順」「日付順」「長さ順」の中から選び、 更に「昇べき」「降べき」を指定します。  ソート
               前のソートタイプが「ソートしない」以外だった時は、 選択肢の中に「ソートしない」も含まれるようにな
               ります。 また、一度ソートした後に別のタイプでソートすると、  以前のソート結果を基準にしてソートし
               直します。  なお、このソートには指定したタイプ以外に優先順位があり、 「ソートしない」以外のソート
               タイプでは、   ディレクトリファイルは通常ファイルよりも常に先んじて並べられます。    また、「長さ
               順」ではファイル名長が同じもの同士は名前順で並べます。

               但し、このソートは   fd の中で便宜上そう見えているだけで、 ディレクトリの移動等を行なえば元の並び
               に戻ります。

          ファイルの検索 (Find)
               ワイルドカードにマッチしたファイルだけを画面に表示するようにします。 先頭が '.'  で始まるファイル
               名は、 ´∗' や '?' で始まるワイルドカードにマッチしません。 検索表示を解除したい場合は、ディレクト
               リを移動するか、 再度  FIND_FILE を実行して空行を入力して下さい。

               また、カレントディレクトリに、 アーカイブブラウザの登録されている拡張子のファイルが存在した場合、
               検索文字列の先頭を  '/' で始めると、 ファイル名そのものの検索ではなく、アーカイブファイル内のファ
               イル名を検索し、 マッチしたファイルを持つアーカイブファイルのみ画面に表示します。  この機能はアー
               カイブブラウザ内でも利用できます。

               なお、検索表示中は  WRITE_DIR は実行できません。

          ディレクトリのツリー表示 (Tree)
               カレントディレクトリを基準としたツリー構造を表示します。 ツリー表示モード内で移動したい先のディレ
               クトリを選択すると、 カレントディレクトリを移動します。

          ファイルの編集 (Editor)
               カーソル位置のファイルを編集します。 編集に用いるエディタは、内部変数  EDITOR  を参照して用います
               が、 内部変数が未定義の場合には環境変数  EDITOR を参照します。

          アーカイブファイルの伸長 (Unpack)
               カーソル位置のアーカイブファイルを指定ディレクトリ先に伸長します。 デフォルトでは、tar ファイルと
               その圧縮ファイル及び LHa 圧縮ファイルしか 伸長できませんが、初期設定ファイルに記述することで、 こ
               れ以外のアーカイバにも対応できるようになります。

          ファイル属性の変更 (Attr)
               カーソル位置のファイルの、 ファイルアクセスモードとタイムスタンプ及びオーナーとグループを変更しま
               す。 マークされたファイルがある場合は、  カーソル位置のファイルではなくマークファイルが対象となり
               ます。   マークファイルの場合は、  モード、タイムスタンプ、オーナーとグループのいずれかを選んでか
               ら、 入力したものを一括変更することになります。

               モードの入力は、カーソルキーで変更したい位置へカーソルを移動し、 [Space] でその位置の属性を反転さ
               せます。  実行ビットの属性は、2  値のトグルではなく、  それぞれ  setuid  ビット、setgid  ビット、
               sticky ビットを含んだ 3 値のトグルになっていますので注意して下さい。 また、  対象がマークファイル
               の場合は、  [m](Mask) を入力するとその位置のビット値は  '*' でマスクされ、 元のファイルの属性値を
               保存します。 タイムスタンプの入力は、変更したい位置にカーソルを持っていって、  数値を入力するだけ
               です。  オーナーとグループの入力は、それぞれの名前の位置にカーソルを移動し、 [Space] で名前または
               ID   値の入力を行ないます。   名前の入力にはユーザ名補完やグループ名補完が有効です。   最終的に、
               [Return] を押した時点で実行されます。 中断する場合は  [Esc] です。 日付の範囲チェックは完全ではあ
               りませんので気をつけて下さい。

               なお、 [a](Attr), [d](Date), [t](Time), [o](Owner), [g](Group) を入力すると、  各々の入力ラインの
               先頭位置にカーソル移動します。

               また、 ファイルフラグ属性のある OS では、 モードの変更と同様にファイルフラグも変更できます。 この
               場合、 [f](Flag) を入力するとフラグ入力ラインの先頭位置にカーソル移動します。 但し、 変更できるフ
               ラグの値は実効ユーザの権限に準じます。

          ファイルシステムの情報表示 (Info)
               指定されたファイルシステムの情報を表示します。   入力されたパスがファイルシステムを表すスペシャル
               ファイルでなかった場合は、 そのパスを含むファイルシステムの情報を示します。

          ファイルの移動 (Move)
               カーソル位置のファイルを指定のディレクトリに移動します。   カーソル位置がディレクトリだった場合に
               は、 ディレクトリそのものを移動します。 マークされたファイルがある場合は、 カーソル位置のファイル
               ではなくマークファイルが対象となります。

               移動先に同名ファイルが存在した場合、 COPY_FILE 同様、処理の選択ができます。  また、移動先が異なる
               ファイルシステムの場合は、 単にコピーと削除を連続して実行します。

          ディレクトリの削除 (rmDir)
               カーソル位置のディレクトリファイルを、  再帰的に削除します。 但し、ディレクトリが symbolic リンク
               の場合には、 リンクの削除のみ行ない、リンク先のディレクトリには影響を与えません。

          ディレクトリの作成 (mKdir)
               カレントディレクトリの下にサブディレクトリを作成します。 入力したサブディレクトリ文字列に、  パス
               名デリミタである  '/' が含まれていた場合、 最終的にその文字列で示されるディレクトリが作成されるま
               で、 再帰的にディレクトリ作成を繰り返します。

               ´/' で始まるパス名を入力すれば、 カレントディレクトリ下でなく、  表される絶対パスにディレクトリを
               作成します。

          子プロセスの実行 (sHell)
               入力されたコマンド文字列を内蔵シェルに渡して子プロセスとして実行させます。  EXECUTE_FILE と同様に
               コマンド履歴の参照や MS-DOS 版での LFN 自動変換もできます。 また、何も入力せずに  [Return] のみ入
               力すると、  内部変数もしくは環境変数  SHELL の指すユーザシェルを起動します。 この場合、 fd に戻る
               ためには "exit" と入力して下さい。 また、 SHELL の値が  fdsh の場合には、  内蔵シェルを対話型シェ
               ルとして起動します。

               但し、組込みコマンド及び内部コマンドに同じコマンド名があった場合、 外部コマンドに優先して組込みコ
               マンド及び内部コマンドが実行されます。 組込みコマンドの詳細は、 `組込みコマンド' の項を参照して下
               さい。

          表示ディレクトリの書込み (Write)
               現在表示されているディレクトリの書込みをします。 ディレクトリエントリ上のファイル間の隙間も詰めて
               書込まれます。 PUSH_FILE, POP_FILESORT_DIR  で並び替えた後であれば、その結果を書込むことにな
               ります。

               表示ディレクトリがホームディレクトリ下の階層に属していなかった場合、 安全のため、他のユーザが利用
               していないかどうかの確認を求めます。 セキュリティ上不安定なので、 NFS  マウントされたディレクトリ
               や一部の特殊ディレクトリ上では書込みできません。

               また、ファイルの並び替えをするような内部コマンド実行後に、 その並びを崩してしまう内部コマンドを実
               行しようとすると、 その内部コマンド実行の直前に、  書込みを行なうかどうかを問い合わせしてきます。
               この機能のため、  明示的にこの書込みコマンドを実行しなくても ディレクトリの書込みを行なうことがあ
               ります。 但し、表示ディレクトリがホームディレクトリ下になかった場合は、  この問い合わせを行ないま
               せん。

          テープへのバックアップ (Backup)
               カーソル位置のファイルを指定デバイスの記録装置にバックアップします。   カーソル位置がディレクトリ
               だった場合には、 その中身を全て保存します。 マークされたファイルがある場合は、 カーソル位置のファ
               イルではなくマークファイルが対象となります。

               バックアップには   tar(1) を用います。 デバイス名の入力の際に、デバイスを示すスペシャルファイル以
               外を与えた場合、 そのファイル名でアーカイブファイルを作成します。

          ファイルの閲覧 (View)
               カーソル位置のファイルを閲覧します。 閲覧に用いるページャは、 内部変数  PAGER  を参照して用います
               が、 内部変数が未定義の場合には環境変数  PAGER を参照します。

          ファイルの圧縮 (Pack)
               カーソル位置のファイルを指定のアーカイブファイルに圧縮します。 カーソル位置がディレクトリだった場
               合には、 その中身を全てアーカイブファイルに入れます。 マークされたファイルがある場合は、 カーソル
               位置のファイルではなくマークファイルが対象となります。

               入力したアーカイブファイルの拡張子を見て、   それぞれに応じたアーカイバを自動的に選択します。  デ
               フォルトでは、 tar ファイルとその圧縮ファイル及び LHa 圧縮ファイルにしか圧縮できませんが、 初期設
               定ファイルに記述することで、 これ以外のアーカイバにも対応できるようになります。

               但し、  tar(1) を用いる場合は、 一度に渡せるパラメータ長の限界のせいで、 たくさんのファイルを一度
               に圧縮することができない場合があります。 そのような場合は、 BACKUP_TAPE  を用いてアーカイブファイ
               ルを作成して下さい。

          ツリーを用いたファイル操作
               [L], [C], [M], [U] を押すと、 パス名の入力の際に、 文字列を入力する代わりにツリー構造の中から選択
               させることができます。 それぞれ、 LOG_DIR, COPY_FILE, MOVE_FILE, UNPACK_FILE と同等の機能の内部コ
               マンドが実行されます。

          ファイルの検索移動
               ワイルドカードにマッチするファイルを、   カレントディレクトリから下に階層的に検索し、  見つかった
               ファイルのあるディレクトリに移動します。 カーソル位置がディレクトリだった場合は、  カレントディレ
               クトリでなく、カーソル位置のディレクトリの下を検索します。

               マッチした個々のファイルに対し、  そこに移動するかどうかを確認してきますので、 目的のファイルが表
               示されるまでは  [n](No) を選択して下さい。

          再帰的なファイル属性変更
               カーソル位置のディレクトリファイルを、 再帰的にファイル属性変更します。  マークファイルの属性変更
               と同様に、  モード、タイムスタンプ、オーナーとグループのいずれかを選んでから、 ディレクトリ以下の
               全てのファイル属性を変更します。

               但し、 モードの入力では、 実行ビットの属性は、 3 値のトグルではなく、 'X' と  '!'  を含んだ 5  値
               のトグルになっていますので注意して下さい。 'X' は対象がディレクトリであるかもしくはいずれかの実行
               ビットが立っている時のみ、 そのビットを有効にします。 同様に  '!'  は対象がディレクトリであるかも
               しくはいずれかの実行ビットが立っている時のみ、 そのビットを無効にします。 また、 [m](Mask) を入力
               するとその位置のビット値は  '*' でマスクされ、 元のファイルの属性値を保存します。

          ランチャの起動
               サブディレクトリ以外のカーソル位置で  [Return] を押すと、  それぞれのファイル拡張子に応じた動作を
               します。  デフォルトでは、 tar ファイルとその圧縮ファイル及び LHa 圧縮ファイルに対し、 アーカイブ
               ブラウザが登録されています。 初期設定ファイルに記述することで、  これ以外のコマンドもランチャとし
               て登録することができます。

               カーソル位置が未登録の拡張子のファイルだった場合は、  VIEW_FILE と同じ挙動を示します。 アーカイブ
               ブラウザ画面でも、 登録ランチャは有効に機能し、  再帰的にアーカイブブラウザを起動することも可能で
               す。

          symbolic リンク表示形式の切替え
               ファイル表示欄やステータス行に表示されるファイル情報は、 symbolic リンクファイルの場合には、 リン
               ク先の本体ではなくリンクファイルのものになっています。 これを、トグルスイッチでリンク先本体の情報
               を参照するように切替えます。 (UNIX)

               リンク本体情報参照モードでは、 ファンクション行の左端に  'S'(Symbolic Link) と表示されます。

          ファイルタイプシンボル表示の切替え
               ls(1)  の -F オプションでの表示と同様に、 ファイル一覧リストのファイル名の欄に、 そのファイルのタ
               イプを表すシンボル文字を付加して表示します。   トグルスイッチでシンボルの表示非表示を切替えます。
               各シンボルの意味は以下のとおり。
                    /    ディレクトリ
                    @    symbolic リンク
                        実行可能ファイル
                    =    ソケット
                        FIFO

                    (MS-DOS 版及びフロッピードライブ)
                    /    ディレクトリ
                        実行可能ファイル
                    =    システムファイル
                        ラベル

               ファイルタイプ表示モードでは、 ファンクション行の左端に  'T'(Type) と表示されます。

          ドットファイル表示非表示の切替え
               ´.'  で始まるファイル名のファイルを、  ファイル一覧内に表示しないようにします。  トグルスイッチで
               ドットファイルの表示非表示を切替えます。

               ドットファイル非表示モードでは、 ファンクション行の左端に  'H'(Hidden) と表示されます。

          ファイルフラグ表示の切替え
               各ファイルのファイルモードの代わりに、 一部の OS にあるファイルフラグを表示します。  トグルスイッ
               チでファイルフラグの表示とファイルモードの表示を切替えます。 ファイルフラグのない OS では機能しま
               せん。 各シンボルの意味は順に以下のとおり。 (UNIX)
                    A    Archived
                    N    Nodump
                    a    system Append-only
                    c    system unChangable (immutable)
                    u    system Undeletable
                    a    user Append-only
                    c    user unChangable (immutable)
                    u    user Undeletable

               ファイルフラグ表示モードでは、 ファンクション行の左端に  'F'(Flags) と表示されます。

          ファイル名の検索
               カレントディレクトリ内でファイル名をインクリメンタルサーチし、 カーソルを移動していきます。  コマ
               ンドを実行するとサーチモードに移行し、  ファンクション行にプロンプトが現れますので、 ここで検索し
               たいファイル名をキー入力していくと、 その時点で入力されている文字列にマッチするファイル名に  カー
               ソルが順次移動していきます。 [Esc] で通常モードに復帰できます。

          ウィンドウの分割
               現在のウィンドウを分割します。  通常のウィンドウ非分割モードの時に分割を行なうと、 画面を縦方向に
               二分割して使うウィンドウ分割モードになります。 ウィンドウ分割モードでは、  それぞれのウィンドウ内
               で独立して作業を行なうことができます。  ウィンドウ分割モードの時に更に分割を行なうと、 現在操作中
               のウィンドウ画面を縦方向に二分割します。 最大で   5  つまでの分割ウィンドウを作成することができま
               す。

          ウィンドウ間の移動
               ウィンドウ分割モードの時に次のウィンドウに移動します。 現在のウィンドウが最後の時には先頭のウィン
               ドウに移動します。 ウィンドウ非分割モードでは意味を持ちません。

          ウィンドウの拡張
               ウィンドウ分割モードの時に現在のウィンドウサイズを大きくし、 その分だけ次のウィンドウサイズが小さ
               くなります。  現在のウィンドウが最後の時には先頭のウィンドウサイズが小さくなります。 ウィンドウ非
               分割モードでは意味を持ちません。

          ウィンドウの縮小
               ウィンドウ分割モードの時に現在のウィンドウサイズを小さくし、 その分だけ次のウィンドウサイズが大き
               くなります。  現在のウィンドウが最後の時には先頭のウィンドウサイズが大きくなります。 ウィンドウ非
               分割モードでは意味を持ちません。

          ウィンドウの破棄
               ウィンドウ分割モードの時に現在のウィンドウを破棄して直前のウィンドウに統合します。 現在のウィンド
               ウが先頭の時には最後のウィンドウと統合されます。 破棄した結果ウィンドウの数が一つになるとウィンド
               ウ非分割モードになります。 ウィンドウ非分割モードでは意味を持ちません。

          カスタマイザの起動
               内部変数や組込みコマンドで設定する内容を、 対話的に変更するカスタマイザを起動します。  ここで設定
               した内容は即座に反映されますが、  初期設定ファイルに反映させるには、 カスタマイザ内で明示的に書込
               みを実行する必要があります。

          ヘルプ画面の表示
               現在のキー割当てとそのコマンド内容を一覧表示します。 一画面に収まりきらない場合は一画面分の表示で
               一旦キー入力を待ちます。

               また、バイナリ頒布の実行ファイルでは、 この画面のファンクション行に頒布責任者の連絡先が表示されま
               すので、 何かあった場合にはこちらの連絡先にご一報下さい。

          fdの終了 (Quit)
               fd を終了します。

   コマンド
       EXECUTE_SH や初期設定ファイルの中では、  外部コマンド以外に上述の内部コマンドや後述の組込みコマンドが使用
       できます。 これらのコマンドについては、 一つ以上のコマンドを   または  ⎪& で区切ってパイプラインを構成す
       ることができます。  の前段のコマンドの標準出力は後段のコマンドの標準入力に渡されます。 ⎪& の場合は、  前
       段のコマンドの標準出力と標準エラー出力の両方が後段のコマンドの標準入力に渡されます。 パイプラインの終了ス
       テータスは最後段コマンドの終了ステータスになりますが、 パイプラインの先頭を  !  で始めることで、 パイプラ
       インの終了ステータスを最後段コマンドの終了ステータスの論理否定にすることができます。  また、 一つ以上のパ
       イプラインを  ;, &, &⎪, &&, ⎪⎪ で区切ってコマンドリストを構成することができます。 コマンドリストは  ;& または  &⎪ で終わっていても構いません。 これらの区切り子は各々以下のような意味を持ちます。
          ;    前段のパイプラインから順に実行します。
          &    前段のパイプラインの終了を待たずに後段のパイプラインを同時に実行します。 (UNIX)
          &⎪   最初から  disown されていることを除いて  & と同じです。 (UNIX)
          &&   前段のパイプラインを実行し、 その終了ステータスが  0 ならば後段のパイプラインを実行します。
          ⎪⎪   前段のパイプラインを実行し、 その終了ステータスが  0 でなければ後段のパイプラインを実行します。
       コマンドリストの中では、 改行文字は  ; と同じ意味を持ちます。

       また、   コマンドリスト中の各々のコマンドは、  以下のリダイレクト記述子により入出力を切替えることができま
       す。 リダイレクト記述子は、 コマンド文字列の中のどの位置にあっても構いません。
          n<file    ファイルディスクリプタ  n で表される入力をファイル  file からの入力に切替えます。 n を省略す
                    ると、 標準入力を指定したものと見なされます。
          n>file    ファイルディスクリプタ  n で表される出力をファイル  file への出力に切替えます。 n を省略する
                    と、 標準出力を指定したものと見なされます。 ファイル    file  が存在しない場合は新たに生成さ
                    れ、 存在する場合はファイルサイズ 0 に切詰められてから出力されます。
          n>⎪file   組込みコマンド  set により  -C オプションが設定されている場合でも、 強制的に既存ファイルに上
                    書きするという点を除けば、 > と全く同等です。
          n>>file   ファイルディスクリプタ  n で表される出力をファイル  file への出力に切替えます。 n を省略する
                    と、  標準出力を指定したものと見なされます。  ファイル   file が存在しない場合は新たに生成さ
                    れ、 存在する場合はその後ろに追加されます。
          n1<&n2    ファイルディスクリプタ  n1 で表される入力をファイルディスクリプタ  n2 で表される入力に切替え
                    ます。 n1 を省略すると、 標準入力を指定したものと見なされます。
          n1>&n2    ファイルディスクリプタ  n1 で表される出力をファイルディスクリプタ  n2 で表される出力に切替え
                    ます。 n1 を省略すると、 標準出力を指定したものと見なされます。
          &>file    標準出力と標準エラー出力の両方を同時にファイル  file への出力に切替えます。 ファイル    file
                    が存在しない場合は新たに生成され、 存在する場合はファイルサイズ 0 に切詰められてから出力され
                    ます。
          &>⎪file   組込みコマンド  set により  -C オプションが設定されている場合でも、 強制的に既存ファイルに上
                    書きするという点を除けば、 &> と全く同等です。
          &>>file   標準出力と標準エラー出力の両方を同時にファイル    file への出力に切替えます。 ファイル  file
                    が存在しない場合は新たに生成され、 存在する場合はその後ろに追加されます。
          n<>file   ファイルディスクリプタ  n で表される入出力をともにファイル  file の入出力に切替えます。 n を
                    省略すると、 標準入力を指定したものと見なされます。
          n><file   ファイルディスクリプタ  n で表される入出力をともにファイル  file の入出力に切替えます。 n を
                    省略すると、 標準出力を指定したものと見なされます。
          n1<>&n2   ファイルディスクリプタ  n1 で表される入出力をファイルディスクリプタ  n2 で表される入出力に切
                    替えます。 n1 を省略すると、 標準入力を指定したものと見なされます。
          n1><&n2   ファイルディスクリプタ  n1 で表される入出力をファイルディスクリプタ  n2 で表される入出力に切
                    替えます。 n1 を省略すると、 標準出力を指定したものと見なされます。
          n<-
          n<&-      ファイルディスクリプタ  n で表される入力を閉じます。 n を省略すると、 標準入力を指定したもの
                    と見なされます。
          n>-
          n>&-      ファイルディスクリプタ  n で表される出力を閉じます。 n を省略すると、 標準出力を指定したもの
                    と見なされます。
          n<>-
          n<>&-     ファイルディスクリプタ  n で表される入出力を閉じます。 n を省略すると、 標準入力を指定したも
                    のと見なされます。
          n><-
          n><&-     ファイルディスクリプタ  n で表される入出力を閉じます。 n を省略すると、 標準出力を指定したも
                    のと見なされます。
          n<<[-]word
                    ファイルディスクリプタ  n で表される入力を、 文字列  word と同じ文字列から成る入力行が現れる
                    か、  もしくはファイルの終端までの部分の入力に切替えます。 word にクォートで囲まれた部分があ
                    る場合は入力行を評価しません。 そうでなければ各入力行は評価され、 変数展開や文字列置換が行な
                    われます。 - が指定された場合、 入力行の先頭にあるタブを全て削除してからコマンドに渡します。
                    n を省略すると、 標準入力を指定したものと見なされます。

       但し、 それぞれのリダイレクトでファイルを指定する場合、 ファイル名として  `scheme://host:port' 形式の文字
       列を指定すると、  scheme  文字列の内容に応じてそれぞれ下記のような  TCP ソケットをオープンします。 待受け
       ポート番号の指定には OS 上の権限による制限があります。 (UNIX)
          connect://host:port
                    host で示されるリモートホストの  port で示される番号の TCP  ポートに接続するソケットをオープ
                    ンします。
          accept://[host][:port]
                    host で示されるローカルホストへの接続を、 port で示される番号の TCP ポートで待受けるソケット
                    をオープンします。 host を省略すると任意のホストへの接続を受理します。  port を省略すると OS
                    の定めた範囲の任意ポートを用います。
          bind://[host][:port]
                    host で示されるローカルホストへの接続を、 port で示される番号の TCP ポートに束縛されたソケッ
                    トをオープンし、 組込みコマンド  accept での待受けに備えます。 host を省略すると任意のホスト
                    への接続を受理します。  port を省略すると OS の定めた範囲の任意ポートを用います。

       なお、  各コマンド入力行においては、 '#' から行末まで、 及び空行は無視されます。 行の最後尾が  '\' で終っ
       ている場合は、 その行の記述が次行にも継続しているとみなしますので、  一行が長くなるような場合はこれで分割
       できます。

   組込みコマンド
       fd  では以下の組込みコマンドが用意されています。 これらの組込みコマンドは、 EXECUTE_SH や初期設定ファイル
       の中で用いることができます。

       if list then [elif list then list] ... [else list] fi
                     if 節及び  elif 節の  list が先頭から順に実行され、 その終了ステータスが  0 ならば対応する
                     then  節の   list が実行され、 その時点で後続の  elif 節は無視されます。 もしどの  if 節や
                     elif 節の  list0 で終了しなかった場合、  else 節の  list が実行されます。 どの    then
                     節や  else 節の  list も実行されなかった場合は、 if は終了ステータス  0 を返します。

       while list do list done
                     while  節の   list が繰返し実行され、 その終了ステータスが  0 である間ずっと  do 節の  list
                     が繰返し実行されます。 do 節の  list が一度も実行されなかった場合は、 while  は終了ステータ
                     ス  0 を返します。

       until list do list done
                     until  節の   list が繰返し実行され、 その終了ステータスが  0 でない間ずっと  do 節の  list
                     が繰返し実行されます。 do 節の  list が一度も実行されなかった場合は、 until  は終了ステータ
                     ス  0 を返します。

       for NAME [in value ...] do list done
                     value リストの値を一つずつ順に内部変数  NAME に代入し、 そのそれぞれについてコマンドリスト
                     list を実行します。 in value を省略すると、 位置パラメータを順に代入します。

       case word in [pattern [ pattern] ... ) list ;;] ... esac
                     文字列  word と各パターン  pattern とを比較し、 最初にマッチした  pattern  に対応するコマン
                     ドリスト  list を実行します。

       (list)        サブシェル内で  list を実行します。

       { list; }     現行シェル内で  list を実行します。

       NAME=[value] [com ...]
                     fd  内でのみ有効の内部変数の定義を行ないます。 内部変数  NAME に値(文字列) value を代入しま
                     す。 変数定義に続いてコマンド  com を記述すると、 この変数を環境変数として渡した状態で  com
                     を実行します。 この場合、 NAME の定義は環境変数としても内部変数としても残りません。

                     value  を省略すると、内部変数  NAME の値としてナルを定義します。 内部変数の定義を削除する場
                     合には組込みコマンド  unset を用いて下さい。

       name() { list; }
                     コマンドリスト  list を関数  name として定義します。 定義された関数は、 EXECUTE_SH の入力ラ
                     インのほか、  後述の各コマンドマクロ内に用いることができます。 各コマンド記述内では位置パラ
                     メータ  $n が記述可能で、 これは、関数呼出時の引数を指しています。 $0name そのもので、
                     $1-$9 までが引数を指します。

                     { }list は省略できませんが、 list が単文からなる場合は前後の  { } を省略しても構いませ
                     ん。 関数定義を削除する場合には組込みコマンド  unset を用いて下さい。

       !num          数値  num で表される履歴番号のコマンドを実行します。 num が負数だった場合は、現在の履歴番号
                     から相対的に数えて  num 番目の履歴番号のコマンドを実行します。

       !!            直前のコマンドを実行します。 !-1 と同義です。

       !str          文字列  str で始まる行のコマンド履歴を実行します。

       : [arg ...]   何もしません。 但し、 arg の評価やリダイレクトの実行は行なわれます。

       . file
       source file   ファイル   file を読み込んで評価します。 filePATH に含まれるディレクトリにあるか、 もし
                     くはパス名付表記でなくてはいけません。 ファイルの各行の書式は  EXECUTE_SH  コマンドの書式に
                     準拠します。 ファイル内で入れ子にしてファイルを読み込ませることもできます。

       accept [fd]   fd  で表されるファイルディスクリプタをソケットとして待受けを行ない、 接続が確立すると接続ソ
                     ケットを同じファイルディスクリプタ  fd に割付けます。  この時、  待受けに用いたソケットはク
                     ローズされます。 fdbind:// 形式のリダイレクトでない場合は失敗します。 accept:// 形式の
                     リダイレクトと比べ、 実際の接続を受ける前に一旦シェルに制御が戻るので、  リモートホストとの
                     間で事前に TCP ポート番号のネゴシエーションを行なう場合に利用することができます。 (UNIX)

                     fd を省略すると標準入力に対して待受けを行ないます。

       addcr [-1] [file]
                     file  で示されるファイルから一行ずつ読込んで標準出力に出力します。 各行の改行コードは CR-NL
                     (\r\n) に統一されます。 ソケットに対する出力を行なう際にパイプとして用いると有用です。

                     file を省略すると標準入力を指定したものと見なされます。 -1 を指定すると一行分だけ出力して終
                     了します。

       alias [name[=com]]
                     コマンド      com  の別名として    name  をエイリアス定義します。  定義されたエイリアスは、
                     EXECUTE_SH の入力ラインのほか、 後述の各コマンドマクロ内に用いることができます。 エイリアス
                     による置換は再帰的に行なわれます。

                     com  を省略すると、 name のエイリアスを表示します。 comname も省略すると、現在定義され
                     ている全てのエイリアスを一覧表示します。

       arch ext [pack unpack]
                     拡張子  ext のアーカイブファイルに対するアーカイバコマンドを登録します。 pack  には圧縮時の
                     コマンドを、  unpack  には伸長時のコマンドを、  それぞれ " で括ったマクロ表記で記述します。
                     ext の先頭を  / で始めると、 拡張子の比較の際に大文字小文字の違いを無視して比較します。

                     pack, unpack 共に省略すると、拡張子  ext に対するアーカイバコマンド登録を削除します。

       bg [job]      job で表されるジョブの実行をバックグラウンドで再開します。 ジョブを指定するには下記の書式が
                     有効です。 (UNIX)
                           %
                           %+   カレントジョブ
                           %-   一つ前のジョブ
                           %n   ジョブ番号 n のジョブ
                           %str コマンドラインが str で始まるジョブ
                     但し、  後述のパラメータマクロ機能のために、 EXECUTE_SH のコマンドライン入力ではこれらの  %
                     の部分は  %% と重ねて記述する必要があります。

                     job を省略するとカレントジョブをバックグラウンドで再開します。

       bind c [com1 [com2] [:comment]]
                     キー  c に対して、コマンド  com1 を割当てます。 c にコントロール文字を指定したい場合は、  ^
                     を冠して ^A のように 2 文字で記述します。 Meta キー (MS-DOS 版では Alt キー) を併用する文字
                     を指定したい場合は、 @ を冠して @a のように 2  文字で記述します。  ファンクションキーや機能
                     キーを指定したい場合は、 後述の  keymap コマンドで用いられている各識別子を用い、 F10 のよう
                     に文字列で記述します。 また、 \n =0x0a や  \e =0x1b といったエスケープ文字列、8  進数を用い
                     た  \ooo といった表記もできます。

                     fd  の持つ内部コマンドの割当ては、コマンド識別子をそのまま記述できます。 引数付きで内部コマ
                     ンドを定義したい場合や、 コマンドをマクロ表記で定義する場合は、 "  で括った文字列を記述しま
                     す。  com2 を省略せずに記述すると、 カーソル位置がディレクトリだった場合に  com2 の方を実行
                     します。 キー  c が F1 から F20 のファンクションキーの場合、 コマンドの記述に続いて  : を冠
                     して  comment を記述すると、 ファンクション行の該当部分の表示を  comment に変更できます。

                     但し、コントロール文字に対するキー割当てについては、 後述の編集モードの設定が優先しますので
                     気をつけて下さい。

                     com1, com2 共に省略すると、 キー  c に対するキー割当て登録を削除します。

       break [n]     ループから抜けます。 for などのステートメント中で用います。 n が指定されていると  n  段階分
                     ループから抜けます。

       browse [-@ file]
       browse com [-ftbie arg] [-p com2] [-dn {noprep,loop}] ...
                     コマンド   com を実行し、 その出力を渡してアーカイブブラウザを起動させます。 com にはコマン
                     ドのマクロ表記を " で括って記述します。 -f オプション及び  -t, -b,  -i,  -e  の各オプション
                     は、  組込みコマンド  launch で用いられるものと同等です。 複数の  com を記述すると、 アーカ
                     イブブラウザ内で各々のファイルを選択した場合に、 その次に記述されたコマンド  com が順次実行
                     され、  それぞれのコマンド  com に続いて記述されたフォーマットやパターンが用いられます。 一
                     つ前の段階のアーカイブブラウザに戻るには、 ファイル  ..  を選ぶか    [Bs]  キーを押します。
                     QUIT_SYSTEM コマンドは  browse で起動された全てのアーカイブブラウザを終了します。 また、 最
                     後に記述されたコマンド  com 以外には  -f オプションが必須です。 最後の  com-f オプショ
                     ンが指定されなかった場合には、   アーカイブブラウザを起動する代わりに単にそのコマンドを実行
                     し、 実行後はアーカイブブラウザに戻ります。

                     -p オプションを指定すると、 ファイル選択時に次のコマンド    com  の実行に進む前にコマンド
                     com2  が実行されます。 パイプ用のサブシェルで実行される  com と異なり、 com2 はカレントシェ
                     ルで実行されますので、 このコマンド内で設定した内部変数値は  com2 終了後も継承されます。 ま
                     た、 その段階のアーカイブブラウザに到達するまでに選択してきたファイル名が位置パラメータに順
                     次保存され、 最後に選択したファイル名は  $1 に保存されています。 この値はファイルを選択する
                     都度更新されますので、  comcom2 の中で組込みコマンド  setshift を使って書換えて
                     も、 次のファイル選択時にはこれまでの選択履歴のとおりに再設定されます。 -d 及び    -n  オプ
                     ションは、 選択したファイルがそれぞれディレクトリだった場合とディレクトリでなかった場合の制
                     御を記述します。 noprep を指定すると  -p オプションで指定した  com2  を実行しません。  loop
                     を指定するとファイル選択後に次のコマンド   com に進まずに同じ段階のコマンド  com を再度実行
                     します。

                     また、 browse の引数が長くなって記述が面倒な場合には、 引数を記述したファイル  file-@
                     オプションで指定することもできます。 -@ オプションは引数の中の任意の場所に記述可能で、 file
                     に記述された各引数は  -@ のある位置に挿入されます。 file として  - を指定するとファイルの代
                     わりに標準入力から引数を読込みます。  file の中には引数を空白文字または改行で区切って記述し
                     ます。 空行または  # で始まる行は無視されます。 file の中に    -@  オプションを記述した場合
                     は、 再帰的に引数ファイルが参照されます。

       builtin arg ...
                     単純な組込みコマンドとして   arg を実行します。 arg と同名の関数定義があった場合でも、 関数
                     は実行されません。

       cd [-LP] [dir]
       chdir [-LP] [dir]
                     fd 内のカレントディレクトリを  dir に移動します。 dir を省略すると内部変数  HOME で示される
                     ディレクトリに移動します。  パス名として ".", "?", "-", "@" を指定すると、 LOG_DIR と同様の
                     挙動が得られます。

                     -L が指定されると、 symbolic リンクを辿って論理的なディレクトリ移動を行ないます。 -P が指定
                     されると、 symbolic リンクを辿らずに物理的なディレクトリ移動を行ないます。 どちらも指定しな
                     い時は、 組込みコマンド  setphysical オプションに従います。

       checkid [file ...]
                     RFC1321 の MD5 アルゴリズムに従って、 指定されたファイルの一意な ID を計算し表示します。 複
                     数の   file を指定すると指定された全ファイルについて ID を表示します。 一つも指定しなかった
                     場合は、 実行中の  fd 自身の ID を表示します。

                     安全性の保証されたアルゴリズムなので、 ファイルの同一性を確認する手段として有効です。

       cls           画面を消去します。

       command [-p | -v | -V] arg ...
                     単純なコマンドとして  arg を実行します。 arg と同名の関数定義があった場合でも、  関数は実行
                     されません。  -p が指定されると、 現在の  PATH の値の代わりに既定値を用いてパス検索します。
                     -v が指定されると、 arg を実行する代わりに  arg の絶対パスを表示します。 この時、 arg  が内
                     部コマンドであれば単にその名前を表示します。 -V が指定されると  type と同様に  arg に関する
                     詳細説明を表示します。

       continue n    ループの中で次の繰返しを開始します。 for などのステートメント中で用います。 n  が指定されて
                     いると  n - 1 段階上層のループの中で次の繰返しを開始します。

       copy [-ABVY-Y] src [-AB] [+ src2 [-AB] [+ ...]] [dest [-AB]]
                     src で示されるファイルを  dest で示されるファイルまたはディレクトリにコピーします。 dest が
                     ディレクトリを表している時にはコピー先のファイル名は  src になります。 dest  を省略するとカ
                     レントディレクトリにコピーされます。 コピー元のファイルは  + で区切るかワイルドカードを用い
                     るかで複数指定できます。 + で区切った場合はそれらのファイルを連結してコピーします。  ワイル
                     ドカードを用いた場合は、  コピー先がディレクトリなら一つずつコピーし、 コピー先がファイルな
                     ら連結してコピーします。

                     -A を指定すると ASCII テキストファイルとして扱います。 -B  を指定するとバイナリファイルとし
                     て扱います。  -V を指定するとコピーの正否を照合します。 -Y を指定するとコピー先の上書き確認
                     のキー入力待ちをしません。 --Y を指定するとコピー先の上書き確認のキー入力待ちをします。

                     (MS-DOS 版では COMMAND.COM との互換性のために、 オプション識別用文字として  - の代わりに  /
                     を用います。)

       del [-P] file
       erase [-P] file
                     file で示されるファイルを削除します。 ファイルはワイルドカードを用いて複数指定できます。

                     -P を指定すると削除する前に確認のキー入力待ちをします。

                     (MS-DOS 版では COMMAND.COM との互換性のために、 オプション識別用文字として  - の代わりに  /
                     を用います。)

       dir [-[-]PWSBLV4] [-A[DRHSA-]] [-O[NSEDGA-]] [dir]
                     dir で表されるディレクトリ中のファイルとサブディレクトリを一覧表示します。 dir 省略時にはカ
                     レントディレクトリの情報を表示します。

                     -P  を指定すると一画面毎にキー入力待ちになります。  -W を指定するとワイド一覧形式で表示しま
                     す。 -A を指定するとその後続文字で表される属性のファイルのみ表示します。
                           D  ディレクトリ     R  読取り専用
                           H  隠しファイル     S  システムファイル
                           A  アーカイブ       -  その属性以外
                     -O を指定するとその後続文字で表されるソート形式でソートします。
                           N  名前順           S  サイズ順
                           E  拡張子順         D  日付順
                           G  ディレクトリ優先 A  最終アクセス順
                           -  逆順
                     -S を指定するとサブディレクトリの中のファイルも表示します。 -B を指定するとファイル名とディ
                     レクトリ名のみを表示します。  -L を指定すると小文字で表示します。 -V を指定すると詳細情報を
                     表示します。 -4 を指定すると西暦を 4 桁で表示します。 また、 これらのオプション文字の前に
                     - を冠すると、 そのオプションを上書きして無効にします。

                     (MS-DOS 版では COMMAND.COM との互換性のために、 オプション識別用文字として  - の代わりに  /
                     を用います。)

       dirs          現在のディレクトリスタックの一覧を表示します。 ディレクトリスタックは  pushd 及び  popd  コ
                     マンドで積み降ろしされます。

       disown [job]  job  で表されるジョブをシェルの管理下から外します。 disown されたジョブは、 組込みコマンド
                     jobsfg, bg で制御できなくなります。 ログインシェルとして起動された時には、 disown され
                     ていないジョブはシェル終了時に強制終了されます。 (UNIX)

                     job を省略するとカレントジョブをシェルの管理化から外します。

       dtype file    file で示されるファイルの内容を表示します。

       echo [-nN] [arg ...]
                     arg  を標準出力に出力します。 -n が指定されない場合は  arg の最後に改行を出力します。 -N が
                     指定された場合は出力する改行を CR-NL (\r\n) にします。 echo(1) を参照して下さい。

       enable [-n] [arg ...]
                     arg を組込みコマンドとして有効にします。 -n が指定された場合は無効にします。 arg を省略する
                     と現在有効または無効になっている組込みコマンドの一覧を表示します。

       eval [arg ...]
                     arg を評価した後実行します。

       evalmacro [arg ...]
                     arg  に含まれるパラメータマクロを評価した後実行します。 eval はパラメータマクロを評価しませ
                     んので、 用途に応じて適宜使い分けて下さい。 また、 関数の中ではパラメータマクロが使えないの
                     で、 パラメータマクロの展開にはこのコマンドが必要になります。

       exec [com [arg ...]]
                     fd の実行を  com に置換えて実行を続けます。 com の引数として  arg を指定できます。

       exit [n]      fd を終了します。 n が指定されていると終了ステータス  n で終了します。

       export [NAME[=[value]] ...]
                     内部変数   NAME を環境変数として子プロセスに継承させるようにします。 以降、 NAME への定義は
                     全て子プロセスでも参照されるようになります。 値が未定義の内部変数を  export した場合は、 そ
                     の内部変数に値が定義された時点で初めて環境変数となります。   値の定義も同時に行ないたい場合
                     は、 value を指定して下さい。

                     = のみ記述して  value を省略すると、環境変数  NAME の値としてナルを定義します。  引数なしで
                     実行された場合は、 現在  export されている環境変数の一覧を表示します。 環境変数の定義を削除
                     する場合には組込みコマンド  unset を用いて下さい。

       false         終了ステータス  1 を返すだけで何もしません。

       fc [-l | -s [old=new ...]] [-nr] [-e editor] [first [last]]
                     コマンド履歴を表示したり編集したりします。 first 及び  last  でコマンド履歴の範囲を選択しま
                     す。 範囲指定には数値もしくは文字列が使用できます。 正の数値は履歴番号を示し、 負の数値は現
                     在の履歴番号から相対的に数えた番号のコマンド履歴を示します。 文字列で指定すると、  その文字
                     列で始まる行のコマンド履歴を示します。  -n が指定されるとコマンド履歴一覧に履歴番号を付けま
                     せん。 -r が指定されるとコマンド履歴一覧が逆順になります。 -e  が指定されるとコマンド履歴編
                     集に使うエディタを   editor に指定します。 未指定時には内部変数  FCEDIT または  EDITOR で指
                     定されたエディタコマンドが用いられます。

                     -l が指定されると標準出力に指定された範囲のコマンド履歴を一覧表示します。 この時、 last  を
                     省略すると現在の履歴番号が指定されたものと見なし、 更に  first も省略すると  -16 が指定され
                     たものと見なします。

                     -s が指定されると  first で指定されたコマンド履歴を即時実行します。 この時、 first を省略す
                     ると現在の履歴番号が指定されたものと見なします。 指定されたコマンド履歴の文字列中に  old と
                     いう文字列が存在した場合は、 実行前にその部分を  new という文字列に置換えてから実行します。

                     -l-s も指定されなかった場合は、 指定された範囲のコマンド履歴を編集し、  編集を終えると
                     編集されたコマンドが標準出力に表示されながら逐次実行されます。  この時、 last を省略すると
                     first を指定されたものと見なし、 更に  first も省略すると共に現在の履歴番号が指定されたもの
                     と見なします。

       fd [directory [directory2]]
                     内蔵シェルから  fd を起動します。 directory を指定すると、 起動直後にカレントディレクトリを
                     そのディレクトリに移動します。 directory2 を指定すると、 ウィンドウ分割モードで起動し、  追
                     加ウィンドウ側のカレントディレクトリをそのディレクトリに移動します。 QUIT_SYSTEM により内蔵
                     シェルに戻ります。 fdsh として起動された時のみ有効です。

       fg [job]      job で表されるジョブの実行をフォアグラウンドで再開します。 ジョブを指定するには下記の書式が
                     有効です。 (UNIX)
                           %
                           %+   カレントジョブ
                           %-   一つ前のジョブ
                           %n   ジョブ番号 n のジョブ
                           %str コマンドラインが str で始まるジョブ
                     但し、  後述のパラメータマクロ機能のために、 EXECUTE_SH のコマンドライン入力ではこれらの  %
                     の部分は  %% と重ねて記述する必要があります。

                     job を省略するとカレントジョブをフォアグラウンドで再開します。

       getfreq [file]
                     かな漢字変換学習用のユーザ変換頻度ファイル  file の内容を標準出力に出力します。  出力形式は
                     一行一レコードで、 各行は「読み仮名」「単語」「頻度数」をタブ文字で区切った文字列になってい
                     ます。 この出力は、 setfreq  に渡すことで頻度情報のインポートに用いることができます。  file
                     を省略すると内部変数    FREQFILE で指定されたユーザ変換頻度ファイルを指定したものと見なしま
                     す。 (UNIX)

       getkey [num]  押下したキーに対するキーコード文字列を取得します。 コマンド実行後にキー入力待ちになりますの
                     で、 検査したいキーを押すと、 そのキーに対するキーコード文字列を表示します。 num 回キーを押
                     下すると終了です。 num2 回以上の場合は、 [Space]  を押しても終了させることができます。
                     num0 回の場合には  [Space] が押されるまで無限に繰り返されます。 ここで表示される文字列
                     は、 そのまま  keymap コマンドのキーコード文字列として使用可能です。 (UNIX)

                     num を省略すると、 1 回を指定したものと見なします。

       getopts optstr NAME [arg ...]
                     arg の並びからオプションパラメータを展開するのに用いられます。 オプションとして有効な文字は
                      optstr に列挙された文字だけです。 あるオプション文字が引数を取る場合は、 optstr の記述の中
                     でその文字の後ろに  : を続けます。 getopts が呼出される度に、 arg  の並びから展開された新し
                     いオプション文字が内部変数  NAME に代入されます。 引数を持つオプション文字の場合は、 その引
                     数が内部変数  OPTARG に代入されます。 また、 次に展開するパラメータの位置がその都度内部変数
                       OPTIND  に代入されます。 OPTIND の値は起動時に  1 に初期化されますが、 別のオプションパラ
                     メータ展開を行なう際には、 予め手動で  OPTIND の値を    1  に初期化しておく必要があります。
                     arg を省略すると、 位置パラメータをオプションパラメータに展開します。

                     オプションの終端に達した場合は、 getopts1 を返します。 この時、 NAME には  ?  が代入さ
                     れます。 optstr  に含まれないオプション文字が見つかった場合は、  標準エラー出力にエラーメッ
                     セージを表示し、  NAME?  を代入し  OPTARGunset します。 但し、 optstr: で始
                     まっていると、 エラーメッセージは表示せずに、 代わりに見つかったオプション文字を  OPTARG に
                     代入します。  引数を要するオプション文字に引数が伴わなかった場合は、 標準エラー出力にエラー
                     メッセージを表示し、 NAME?  を代入し  OPTARGunset します。 但し、 optstr: で
                     始まっていると、  エラーメッセージは表示せずに、 代わりに見つかったオプション文字を  OPTARG
                     に代入し  NAME: を代入します。

       hash [-rcom ...]
                     外部コマンド実行時の検索パス  PATH を参照して   com  に対する絶対パスを検索し、  その結果を
                     ハッシュテーブルに登録します。

                     com  の代わりに   -r を指定するとこれまで記憶していたハッシュテーブルを全て破棄します。 com
                     を省略するとハッシュテーブル情報の一覧を表示します。 hits, cost, command は、  それぞれその
                     コマンドの実行された回数、  検索パス上で検索するのに要した仕事量、 コマンドの絶対パスを表し
                     ます。 検索されたコマンドが相対ディレクトリにあった場合は、  絶対パスとして登録されませんの
                     で、  カレントディレクトリを移動する度に再検索する必要があります。 このようなコマンドでは、
                     hits の値に続いて   が表示されます。

       history [n]   最近の  n 個のコマンド履歴を、 履歴番号を添えて一覧表示します。

                     n を省略すると、 現在記憶されている全てのコマンド履歴を一覧表示します。

       jobs          実行中のジョブを一覧表示します。 (UNIX)

       kconv [-i in] [-o out] [infile [outfile]]
                     infile を読込み、 漢字コードを  in から  out に変換して  outfile に出力します。  in  及び
                     out には後述の内部変数  FNAMEKCODE に用いる文字列が指定できます。 省略すると、 コンパイル時
                     に指定された漢字コードが指定されたと見なされます。 outfile を省略すると、  標準出力に出力し
                     ます。 infile も省略すると、 標準入力から読込みます。 (UNIX)

       keymap [c [str]]
                     各種機能キー  c のキーコードとして  str の文字列をマッピングします。 c には以下の識別子のみ
                     使用可能です。 (UNIX)
                           UPDOWNRIGHTLEFTBEG      Begin      EOL      Eol
                           HOME     Home       END      End
                           INS      Insert     DEL      Delete
                           INSLIN   InsLine    DELLIN   DelLine
                           PPAGE    PageUp     NPAGE    PageDown
                           ENTER    Enter      BS       Bs
                           CLR      Clear      HELP     Help
                           PLUS     + (tenkey) MINUS    - (tenkey)
                           ASTER    ∗ (tenkey) SLASH    / (tenkey)
                           COMMA    , (tenkey) DOT      . (tenkey)
                           EQUAL    = (tenkey) RET      Return (tenkey)
                           TK0..TK9 0-9 (tenkey)
                           F1...F20 ファンクションキー

                     キーコード文字列内では、 \n =0x0a や  \e =0x1b  といったエスケープ文字列が使用可能です。  8
                     進数を用いた  \ooo といった表記もできます。 また、 ^ を冠して ^A のようにコントロール文字を
                     記述することもできます。 ^ 自身は  \^ と記述します。

                     str を省略すると、 c に対するキーコード文字列を表示します。 strc  も省略すると、現在特
                     殊キーに割当てられている全てのマッピングを一覧表示します。  str  に対し "" を指定すると、 c
                     に対するキーコードマッピングを無効にします。

       kill [-l-signal] [pidjob ...]
                     プロセス番号  pid で表されるプロセスまたは  job で表されるジョブに対して  signal で表される
                     シグナルを送ります。 signal は数値もしくはシグナル名で表します。

                     signal  を省略すると  SIGTERM を送ります。 -l を指定するとシグナルを送る代わりに  signal と
                     して使えるシグナル名を一覧表示します。

       launch ext [com [format [top bottom]]]
       launch ext com [-f format] [-t top] [-b bottom] [-ie patt]
                     拡張子  ext に対する挙動をランチャとして登録します。 com  にはコマンドのマクロ表記を  "  で
                     括って記述します。  アーカイブブラウザを登録する場合には、 com にはアーカイブファイルの一覧
                     表示のためのコマンドを記述し、 format に一覧表示形式のフォーマットを記述します。 top 及び
                     bottom を記述すると、 一覧表示のうちで不必要な行を、 それぞれ先頭行からの行数及び最終行から
                     行数として指定できます。 ext の先頭を  / で始めると、  拡張子の比較の際に大文字小文字の違い
                     を無視して比較します。

                     com を省略すると、拡張子  ext に対するランチャ登録を削除します。

                     アーカイブブラウザを登録する場合には、   後者の書式を用いるとより詳細に制御を記述できます。
                     -f  オプションを複数記述することにより、  複数のフォーマット候補を指定できます。   これらの
                     フォーマット候補は記述された順に比較され、 どれも完全にマッチしない場合は一番近いフォーマッ
                     ト候補に従います。 -i 及び  -e オプションでは、  それぞれ無視する行とエラー扱いにする行のパ
                     ターン  patt を指定します。 一覧表示の中に不必要な行が含まれている場合には、 topbottom
                     で指定することもできますが、 先頭行や最終行以外の行は    -i  オプションを用いて指定して下さ
                     い。  また、 アーカイブファイルの展開に失敗した際に特定の文字列を含んだ出力がなされる場合に
                     は、 その文字列を  -e オプションを用いて指定して下さい。 -i 及び  -e オプションはどちらも複
                     数指定することができ、 そのうちいずれかひとつにマッチすれば有効になります。 また、 パターン
                      patt の記述にはいずれもワイルドカードを用いることができます。

       md dir        ディレクトリ  dir を作成します。

       mkdir dir     md と同じ。 (DOS)

       newgrp [arg ...]
                     fd の実行を  newgrp(1) に置換えて実行を続けます。 newgrp(1) の引数として  arg  を指定できま
                     す。 newgrp(1) を参照して下さい。 (UNIX)

       login [arg ...]
                     fd  の実行を    login(1) に置換えて実行を続けます。 login(1) の引数として  arg を指定できま
                     す。 login(1) を参照して下さい。 (UNIX)

       logout [n]    ログインシェルを終了します。 n が指定されていると終了ステータス  n で終了します。

       popd          ディレクトリスタックから一番上のディレクトリを引き降ろし、 fd  内のカレントディレクトリをそ
                     のディレクトリに移動します。 ディレクトリスタックが空の時には失敗します。

       printarch [ext]
                     拡張子  ext のアーカイブファイルに対して登録されているアーカイバコマンドを表示します。

                     ext を省略すると、 現在登録されている全てのアーカイバコマンドを一覧表示します。

       printbind [c] キー    c  に割当てられているコマンドを表示します。 キーの指定方法は  bind コマンドと同様で
                     す。

                     c を省略すると、 現在登録されている全てのキー割当てのうち、  内部コマンドではなくコマンドマ
                     クロとして定義されているものを一覧表示します。  各内部コマンドのキー割当ては、 HELP_MESSAGE
                     で参照できます。

       printdrv [c]  ドライブ名    c  に対して登録されているフロッピードライブのデバイスファイル  及びそのヘッド
                     数、セクタ数、シリンダ数を表示します。 (UNIX)

                     c を省略すると、 現在登録されている全てのフロッピードライブを一覧表示します。

       printlaunch [ext]
                     拡張子  ext に対してランチャとして登録されているコマンドマクロを表示します。 アーカイブブラ
                     ウザとして登録されているものについては、 一覧表示形式のフォーマットを併記します。

                     ext を省略すると、 現在登録されている全てのランチャを一覧表示します。

       printroman [roman]
                     かな漢字変換入力モードで用いるローマ字かな変換テーブルを表示します。 ローマ字文字列   roman
                     に対して割当てられた日本語文字列を表示します。 (UNIX)

                     roman を省略すると、 現在登録されている全てのローマ字かな変換テーブルを一覧表示します。

       pushd [dir]   カレントディレクトリをディレクトリスタックの一番上に積み、  fd  内のカレントディレクトリを
                     dir に移動します。 パス名として ".", "?", "-", "@" を指定すると、 LOG_DIR  と同様の挙動が得
                     られます。 symbolic リンクを辿るか否かは組込みコマンド  setphysical オプションに従いま
                     す。

                     dir を省略すると、 ディレクトリスタックの一番上のディレクトリに移動し、  そのスタック内容を
                     カレントディレクトリに入れ換えます。   その場合、  ディレクトリスタックが空の時には失敗しま
                     す。

       pwd [-LP]     カレントディレクトリを絶対パス表記で出力します。 -L が指定されると、 symbolic  リンクを辿っ
                     た論理的なパス名を出力します。  -P が指定されると、 symbolic リンクを含まない物理的なパス名
                     を出力します。 どちらも指定しない時は、 組込みコマンド  setphysical オプションに従いま
                     す。

       read [-N] [NAME ...]
                     標準入力から一行読込み、  その文字列を内部変数   NAME に代入します。 入力文字列は  IFS で区
                     切って単語毎に分割されます。 NAME が複数指定されていた場合は、 行の先頭の単語から順に一つず
                     つ代入され、  最後の  NAME に残り全部が代入されます。 入力行の中の単語数が  NAME の数に満た
                     ない場合は、 余った  NAME にはナルが定義されます。

                     -N が指定されると、 改行を CR-NL (\r\n) と見なして一行読込みます。

       readline [prompt]
                     端末入力から一行読込み、その文字列を標準出力に出力します。 prompt  が指定された場合には入力
                     行の先頭にその文字列を表示してから入力を開始します。  常に端末からの入力になり、 また行編集
                     機能がある点で組込みコマンド  read と異なります。  行編集機能のうちヒストリ機能は使えません
                     がパス名補完機能は使えます。

       readonly [NAME[=[value]] ...]
                     内部変数    NAME を読込み専用にします。 これ以降、  NAME の値を変更することはできなくなりま
                     す。 値の定義も同時に行ないたい場合は、 value を指定して下さい。

                     = のみ記述して  value を省略すると、 内部変数  NAME の値としてナルを定義します。 引数なしで
                     実行された場合は、 現在読込み専用にされている内部変数の一覧を表示します。

       rd dir        ディレクトリ  dir を削除します。 中身が空でないディレクトリは削除できません。

       rmdir dir     rd と同じ。 (DOS)

       ren old new
       rename old new
                     ファイル名またはディレクトリ名  oldnew に変更します。 oldnew にワイルドカードを指
                     定して複数のファイル名を一括して変更することもできます。

       rem [arg ...] 何もしません。 : と同等です。

       return [n]    n で指定された返り値で関数を終了します。  n  を省略した場合は直前に実行したコマンドの終了ス
                     テータスを返り値とします。 関数の外では使えません。

       savetty [-n]  現在の端末設定を保存します。  保存された端末設定は以降の  EXECUTE_SH コマンド実行時に復元さ
                     れます。 stty(1) 等で端末設定を変更した場合には、  このコマンドでその設定を保存しないと以降
                     の  EXECUTE_SH 実行時には設定がリセットされます。 また、 端末設定の変更とこのコマンドが同じ
                     コマンドラインにないと、 リセットされた設定を保存してしまいますので注意して下さい。 -n が指
                     定された場合は保存された端末設定を破棄します。 (UNIX)

       set [--abCefhkmntuvx] [-o option] [arg ...]
                     引数なしで実行された場合は、 内部変数と関数の一覧を表示します。 arg が指定された場合は  arg
                     を位置パラメータ  $1, $2, ..., $n に順次代入します。 オプションが指定された場合は各々以下の
                     ような意味を持ちます。  各オプションパラメータは、  - の代わりに  + を用いると、 各々のオプ
                     ションをオフにします。
                     -a   内部変数が定義されると自動的に  export します。
                     -b   バックグラウンドジョブが終了した時点で、 直ちに状況通知を表示します。 ジョブ制御が有効
                          でない場合は意味を持ちません。
                     -C   ファイルへのリダイレクト時に、 既存ファイルに対し上書きをしないようにします。
                     -e   コマンドが  0 以外の終了ステータスを返した時に即座に終了します。
                     -f   ワイルドカードの展開を抑制します。
                     -h   コマンドハッシュを先読みして登録します。  また、 関数が定義された時点で、 その中で使わ
                          れているコマンドを先読みしてコマンドハッシュに登録します。 コマンドハッシュ自体は   -h
                          オプションに拘らず常に有効になっています。
                     -k   NAME=[value]  形式の変数定義がコマンドライン文字列の先頭以外にある場合も変数定義として
                          扱います。
                     -m   ジョブ制御を有効にします。 このオプションはデフォルトで有効になっています。 (UNIX)
                     -n   コマンド入力を読込むだけで実行しません。
                     -o option
                          option には以下の識別子が有効です。
                          allexport
                               -a と同等です。
                          autosavetty
                               -S と同等です。
                          emacs
                               EDITMODE=emacs と同等です。
                          errexit
                               -e と同等です。
                          hashahead
                               -h と同等です。
                          ignoreeof
                               対話型シェルの場合、 EOF を入力してもシェルを終了しないようにします。
                          keyword
                               -k と同等です。
                          monitor
                               -m と同等です。
                          noclobber
                               -C と同等です。
                          noexec
                               -n と同等です。
                          noglob
                               -f と同等です。
                          notify
                               -b と同等です。
                          nounset
                               -u と同等です。
                          onecmd
                               -t と同等です。
                          physical
                               -P と同等です。
                          ptyshell
                               -T と同等です。
                          verbose
                               -v と同等です。
                          vi   EDITMODE=vi と同等です。
                          xtrace
                               -x と同等です。
                          option が省略されると、 現在のオプション設定値を一覧表示します。
                     -P   cdpwd コマンドで、 symbolic  リンクを辿った論理的なディレクトリ構造を用いる代わり
                          に、 物理的なディレクトリ構造を用いるようにします。
                     -S   コマンド入力行を処理する度に自動的に組込みコマンド   savetty を実行します。 意図的に端
                          末設定を操作した時以外も無条件に端末設定を保存するので、  意図しない端末設定が保存され
                          てしまった場合は手動で正しい端末設定に戻す必要があります。 (UNIX)
                     -T   fdsh  を疑似端末モードで起動します。  この状態から更に疑似端末を起動することはできませ
                          ん。  起動時オプションまたは初期設定ファイル内で設定された場合のみ有効です。  非対話型
                          シェルとして起動された場合は、  起動時オプションで設定された場合のみ有効です。  また、
                          fd として起動された場合はこのオプションは無視されます。 (UNIX)
                     -t   現在のコマンド入力行を実行し終えた時点で即座に終了します。
                     -u   未定義の変数が参照された場合にエラーとして扱います。
                     -v   コマンド入力を読込む度にその入力文字列を表示します。
                     -x   コマンド実行時にそのコマンド文字列を表示します。
                     --   オプションの終わりを示します。 何の変更もしません。

       setdrv c device hd sc cl
                     MS-DOS フロッピーを扱うドライブ名  cdevice で表されるデバイスファイルを指定します。 同
                     時に、  device  のドライバで扱うフォーマットの  ヘッド(サイド)数、セクタ数、シリンダ(トラッ
                     ク)数を、 それぞれ  hd, sc, cl で指定します。 特殊な例として、720KB2DD(hd=2/sc=9/cl=80)  し
                     か扱えない ドライバで 640KB2DD(hd=2/sc=8/cl=80) のフロッピーを扱いたい場合、 sc の値として
                     100 加えた値(108)を指定します。 (UNIX)

                     PC 上で動作する PC-UNIX 環境では、 hd, sc, cl の代わりに文字列  HDD もしくは  HDD98  を指定
                     することで、  MS-DOS フロッピーではなく、 それぞれ PC/AT 互換機用と PC-98x1 用の ハードディ
                     スクの MS-DOS パーティションを登録することができます。 この場合、  デバイスファイルにはパー
                     ティション (スライス) 単位のデバイス名ではなく、 物理ドライブ装置単位のデバイス名を記述しま
                     す。 ドライブ装置に含まれる MS-DOS パーティションが、 ドライブ名  c  以降のドライブ名に自動
                     的に展開されます。  指定ドライブ装置に  MS-DOS パーティションが含まれていなかった場合には、
                     このコマンドは無視されます。 どのドライブ名が有効になったかは、 printdrv コマンドで確認でき
                     ます。 但し、安全のため、ハードディスクは読込専用で登録されます。

       setfreq [file]
                     標準入力から入力した頻度情報を、  かな漢字変換学習用のユーザ変換頻度ファイル  file に追加し
                     ます。 入力形式は getfreq  の出力形式に準拠します。  追加ではなく置換をしたい場合は、  予め
                     ユーザ変換頻度ファイルを削除しておいて下さい。 file を省略すると内部変数  FREQFILE で指定さ
                     れたユーザ変換頻度ファイルを指定したものと見なします。 (UNIX)

       setroman [-c] [-r] [-f file] [roman [kanji]]
                     かな漢字変換入力モードで用いるローマ字かな変換テーブルを設定します。 ローマ字文字列   roman
                     に対して、  日本語文字列   kanji を割当てます。 roman は 1byte 文字のみから構成される文字列
                     で、 4 文字を越える部分は無視されます。 kanji は 2bytes 文字または 1byte 文字から構成される
                     文字列で、 2 文字を越える部分は無視されます。 この場合、 2bytes 文字も 1byte 文字も等しく 1
                     文字と数えます。 (UNIX)

                     kanji を省略すると、 ローマ字文字列  roman に対するローマ字かな変換テーブルの割当て登録を削
                     除します。  -c を指定するとローマ字かな変換テーブルをクリアして空にします。 -r を指定すると
                     これまでの割当て登録をリセットしてローマ字かな変換テーブルを初期状態に戻します。 -f  を指定
                     すると、  file  で示されるファイルからローマ字かな変換テーブルの割当てを読込みます。 この場
                     合、 file には各行に  romankanji  の組を空白文字で区切って記述して下さい。  または
                     printroman の出力をそのまま収めたファイルでも構いません。

       shift [n]     $n+1 以降の位置パラメータを  $1 から順に再設定します。 元の  $1 から  $n までの位置パラメー
                     タは破棄されます。 n を省略した場合は  1 が指定されたものと見なされます。

       socketinfo [-apAP] [fd]
                     fd で表されるファイルディスクリプタがソケットの場合、 接続されているリモートホストの IP  ア
                     ドレスと TCP ポート番号、 及び接続されているローカルホストの IP アドレスと TCP ポート番号を
                     標準出力に出力します。 fd がソケットでない場合は失敗します。 (UNIX)

                     fd を省略すると標準入力を指定したものと見なされます。 -a を指定するとリモートホストの IP ア
                     ドレスのみを出力します。  -p  を指定するとリモートホストの TCP ポート番号のみを出力します。
                     -A を指定するとローカルホストの IP アドレスのみを出力します。 -P を指定するとローカルホスト
                     の TCP ポート番号のみを出力します。

       test [expr]
       [ expr ]      条件式  expr を評価します。 test(1) を参照して下さい。

       times         これまでに実行されたプロセスのユーザ及びシステム積算時間を表示します。

       trap [com] [n ...]
                     fd  がシグナル  n を受取った際にコマンド  com が評価され実行されます。 com が省略された場合
                     はそのシグナルに対するトラップは元の状態に戻されます。 com の値としてナルが指定された場合は
                     そのシグナルは無視されます。 n の値として  0 を指定するとコマンド  com は終了時に実行されま
                     す。 comn も省略した場合は登録されているトラップの一覧を表示します。

       true          終了ステータス  0 を返すだけで何もしません。

       type [com ...]
                     各々の  com がコマンド名として使用された場合にどう扱われるかを表示します。

       ulimit [-SH] [-a-cdflmnstv] n
                     fd 及びその子プロセスが利用できるリソースの制限を  n で表される値に設定します。 n  には文字
                     列  unlimited もしくは数値を用い、 unlimited は指定可能な最大値を意味します。 (UNIX)

                     -H  を指定するとハードな制限を設定します。 -S を指定するとソフトな制限を設定します。 どちら
                     も指定しないと両方の制限を設定します。 n を省略すると現在の設定値を表示します。 -a を指定す
                     ると全ての制限に対して設定値を表示します。

                     以下のオプションを指定するとそれぞれの制限を個々に設定もしくは表示します。 これらのオプショ
                     ンがどれも指定されていない場合は、 -f が指定されたものと見なします。
                     -c   コアファイルサイズの最大値。(ブロック単位)
                     -d   データセグメントの最大値。(KB 単位)
                     -f   ファイルサイズの最大値。(ブロック単位)
                     -l   メモリロックの最大値。(KB 単位)
                     -m   プロセスサイズの最大値。(KB 単位)
                     -n   同時にオープンできるファイル数の最大値。
                     -s   スタックサイズの最大値。(KB 単位)
                     -t   CPU 時間の最大値。(秒単位)
                     -v   仮想メモリの最大値。(KB 単位)

       umask [nnn]   ファイル生成マスク値を  nnn に設定します。 nnn を省略した場合は現在のファイル生成マスク値を
                     表示します。 umask(2) を参照して下さい。

       unalias name  エイリアス   name の定義を取消します。 name にはワイルドカードを用いることが可能で、 その場
                     合にはマッチする全てのエイリアス定義を取消します。 "∗" を指定すれば、全エイリアス定義が無効
                     になります。

       unset [NAME ...]
                     各々の   NAME に対して定義されている内部変数や関数の定義を削除します。 但し下記の変数定義は
                     削除できません。
                           PATH      PS1       PS2       IFS
                           MAILCHECK PPID

       unsetdrv c device hd sc cl
                     既に登録されているフロッピードライブの登録を削除します。 device, hd, sc, cl  の全てが一致し
                     た登録のみ削除されるので、 よく確認して削除して下さい。 (UNIX)

                     setdrv 時に  HDD または  HDD98 で登録した場合には、 hd, sc, cl の代わりにそれぞれ  HDD 及び
                      HDD98 を記述します。

       wait [pidjob]
                     プロセス番号  pid で表されるプロセスまたは  job  で表されるジョブを待ち、その終了ステータス
                     を返します。 pidjob も指定しない場合は稼働中の全ジョブを待ちます。 (UNIX)

       yesno [prompt]
                     端末入力から   y または  n の入力を待ち、 y が入力された場合には  0 を、 n が入力された場合
                     には  255 をそれぞれ返します。 y または  n を入力する代わりに表示されている  [Y/N] の文字を
                     カーソルで選んで  [Return] を押すと、 選択された文字を入力したことになります。 [Space] また
                     は  [Esc] の入力は  n を入力したことになります。 prompt が指定された場合には  [Y/N]  の表示
                     の前にその文字列を表示します。

       COMMAND [arg] fd  の持つ内部コマンド  COMMAND を実行します。 COMMAND には、各コマンド識別子を記述します。
                     以下の内部コマンドでは、 パラメータを引数  arg として記述できます。
                     CUR_UP
                     CUR_DOWN
                     CUR_RIGHT
                     CUR_LEFT
                     ROLL_UP
                     ROLL_DOWN
                     WIDEN_WINDOW
                     NARROW_WINDOW  行数、桁数またはページ数。
                     RENAME_FILE
                     PACK_FILE
                     BACKUP_TAPE    ファイル名。
                     LOG_DIR
                     MAKE_DIR
                     INFO_FILESYS
                     UNPACK_FILE    ディレクトリ名。
                     EXECUTE_SH     コマンド文字列。
                     MARK_FIND
                     FIND_FILE
                     FIND_DIR       検索文字列。
                     MARK_ALL       0 で全ファイルのマークを解除、 それ以外で全ファイルにマーク。
                     SORT_DIR       内部変数  SORTTYPE に使用する数値。
                     EDIT_CONFIG    編集する内部変数名。

       上記の各登録文字列内の  ~$ は展開されますが、 " の代わりに  ' で括られた文字列内では、  これらの展開
       が抑制されます。

   ツリー表示画面
       ツリー表示画面では、  ファイルシステム全体の構造をツリーで表すには時間がかかり過ぎるので、 最初は直系の親
       に当たるディレクトリと、 カレントディレクトリ直下のサブディレクトリのみ表示します。  直系の親に当たるディ
       レクトリでは、 その他のサブディレクトリ(あった場合)を "..." で一括して表します。 このように一括表示された
       サブディレクトリでは、 カーソルがその位置に来ると自動的に展開するようになっています。

       まだその内部を展開していないサブディレクトリには、 ファイル名の後ろに   '>'  をつけてその旨を表記します。
       このようなディレクトリは、明示的に展開を要求しない限りは展開しないので、 展開されていないサブディレクトリ
       下に移動したい場合は 下記に示すキー入力により展開してから移動して下さい。

       ツリー表示モードでは、以下のキー入力が有効です。
              ,       カーソル移動
                       カーソル位置のサブディレクトリの展開
              Tab       カーソル位置のサブディレクトリの展開(再帰的)
              PageUp, PageDown
                        半画面分のカーソル移動
              Home(<), End(>)
                        ツリーの先頭、最後尾にカーソル移動。
              ?         カレントディレクトリにカーソル移動。
              Bs        親ディレクトリにカーソル移動。
                       カーソル位置のサブディレクトリの一括化。 または親ディレクトリにカーソル移動。
              (, )      同じ階層のサブディレクトリで、前(次)のディレクトリにカーソル移動。
              A - Z     そのキーの文字及びその子文字を頭文字とするような 名前を持つディレクトリにカーソル移動。
              l         ツリー表示ディレクトリの変更。 フロッピードライブへの移動も行なえます。
              ^L        ツリー構造の再描画
              Return    ディレクトリの選択
              Esc       キャンセル

       なお、再帰的にディレクトリの展開を行なっている時など、 マシンの処理が遅くてフリーズしているように見える場
       合があるかも知れません。  このような場合には、処理中に何らかのキーを入力して下さい。 ディレクトリの展開中
       にキー入力を認めた場合、 途中であってもその時点でディレクトリの展開を中止します。  キーリピートが効き放し
       になった場合でも、 この機能のおかげで処理が溜らないようになっています。

   アーカイブブラウザ
       アーカイブブラウザの登録されている拡張子のファイル位置でランチャを起動すると、 アーカイブブラウザ画面にな
       ります。 この画面では、通常のディレクトリ内と同じように、  アーカイブファイル内のファイルをブラウジングし
       ていくことができます。 但し、この画面では以下の内部コマンドは使用できません。
              LOG_TOP        ATTR_FILE      COPY_FILE      MOVE_FILE
              DELETE_FILE    DELETE_DIR     RENAME_FILE    MAKE_DIR
              WRITE_DIR      TREE_DIR       EDIT_FILE      LOG_TREE
              COPY_TREE      MOVE_TREE      FIND_DIR       ATTR_DIR
              SYMLINK_MODE   DOTFILE_MODE   FILEFLG_MODE   SPLIT_WINDOW
              KILL_WINDOW

       また、新しいアーカイブブラウザを登録したい場合、 以下のような書式でアーカイバの一覧表示形式のフォーマット
       を記述してやる 必要があります。 フォーマット文字列ひとつで、 一覧表示の 1  ファイル分の表示形式を表すこと
       になります。
              %a        ファイルモードを表すフィールド
              %l        ファイルのリンク数を表すフィールド
              %u        ファイルの UID を表すフィールド
              %g        ファイルの GID を表すフィールド
              %s        ファイルサイズを表すフィールド
              %y        ファイル作成年を表すフィールド
              %m        ファイル作成月を表すフィールド
                        (表示は数値でも英字 3 文字表記でもどちらでも可。)
              %d        ファイル作成日を表すフィールド
              %w        ファイル作成曜日を表すフィールド (無視されます。)
              %t        ファイル作成時間を表すフィールド
                        (表示は "HH:MM:SS" 形式。分や秒はなくても可。)
              %p        ファイル作成午前午後を表すフィールド
              %B        デバイス ID のメジャー番号を表すフィールド
              %b        デバイス ID のマイナー番号を表すフィールド
              %/str/    このフィールド文字列が str のときに
                        ディレクトリであることを表すフィールド
                        (大文字小文字同一視。)
              %!str!    文字列 str から成るフィールドが
                        0 個以上連続したもの。
                        (大文字小文字同一視。)
              %f        ファイル名を表すフィールド
              %x        必要のないフィールド (無視されます。)
              %%        % 自身
              \n        改行
              Space Tab 0 個以上の空白文字もしくはタブ。

       ここでは、 「フィールド」とは空白文字、 タブ文字または改行で分けられている領域のことを指します。 各情報を
       表す文字列がこれらの文字で区切られている場合は、 上記のうちそのフィールドを表す文字列をそのまま並べて記述
       します。  これらの文字以外で区切られている場合は、  上記の文字列をその区切り文字で区切って記述します。 ま
       た、 フィールド長を数値で表して、  %10a  のように記述することもできます。  この例ではファイルモードを表す
       フィールドが 10 文字から成ることを表しています。 フィールド長として数値の代わりに  * を用いて  %*f のよう
       に記述すると、 空白文字やタブ文字を無視して行末までをひとつのフィールドと見なします。

       ひとつのフィールドが、 場合によって異なる二つの意味を持つような場合は、 %{yt} のように  { }  で括って記述
       します。 この例ではこのフィールドが作成年または作成時間を示すことを表しています。 また、 一つのファイル情
       報が複数行から成るような場合には、 フォーマット文字列中の改行位置に  \n を含めて下さい。

       例として、幾つかのアーカイバの一覧表示形式のフォーマットを、 この書式で記述して挙げておきます。  ここでは
       見易さのため空白文字を使いますが、 各フィールド間の空白文字は無視されますのであっても無くても構いません。
       `lha l'           "%9a %u/%g %s %x %m %d %{yt} %f"
       `lha v' (MS-DOS)  "%f\n%s %x %x %y-%m-%d %t"
       `tar tvf' (BSD)   "%9a %u/%g %s %m %d %t %y %f"
       `tar tvf' (SVR4)  "%a %u/%g %s %m %d %t %y %f"

       以上のフォーマットを用いて、 EXECUTE_SH の組込みコマンドもしくは 初期設定ファイルによって登録を行なえば、
       デフォルトで用意してあるアーカイブブラウザ以外も使用できるようになります。   但し、アーカイブファイル内の
       ファイルを実行したり閲覧したりするためには、 そのアーカイブファイル用のアーカイバコマンドも登録しておく必
       要がありますので、 注意して下さい。

       一部の OS では、 環境変数  LANGjapanese を指定しておくと、 タイムスタンプの表示に "HH時  MM分  SS秒"
       という 日本語混在の出力をする  tar(1) が存在します。 このような表示形式は  fd では解析できないので、 この
       場合は初期設定ファイルで  `export LANG=C' としておくか、 一覧表示用のコマンド記述で  `LANG=C tar tvf'  の
       ように  LANG を指定すると良いでしょう。

   フロッピードライブ (UNIX)
       ディレクトリ名の先頭に  "c:" をつけて書き表すことで、 MS-DOS フォーマットのフロッピーにアクセスすることが
       できます。 但し、フロッピードライブの登録と、 この機能を有効にするための内部変数  DOSDRIVE の設定を事前に
       行なっておくことが必要です。

       登録された各ドライブは、ドライブ名によって区別されます。 物理的に異なるドライブには必ず異なるドライブ名を
       つけて下さい。 同一のドライブで複数のフォーマットに対応している場合は、  それぞれのフォーマットの登録を同
       じドライブ名で行なっても構いませんし、  それぞれ異なるドライブ名で行なっても構いません。 同じドライブ名を
       つけられた場合には、 登録されている順番にフォーマットの適合を試みますので、  よく使うフォーマットの登録を
       先に持ってきた方が良いでしょう。

       フロッピードライブはドライブ単位でカレントディレクトリを持っています。 この初期値はルートディレクトリで、
       フロッピーを入れ換えるとカレントディレクトリは 再びルートディレクトリに戻ります。  ディレクトリ名として
       ':'  の後ろを '/' で始めると、 そのドライブの絶対パス表記になります。 この '/' がないと、そのドライブのカ
       レントディレクトリからの 相対表記と見なされますので注意して下さい。

       但し、 WRITE_DIR, INFO_FILESYS など一部の内部コマンドは、  フロッピードライブに対応していませんのでご了承
       下さい。 また、ファイル名長などの制限から、 UNIX 上のファイルをコピーした場合に名前が変更される場合があり
       ます。

       ドライブ名として小文字を用いると、 MS-Windows format floppy の Long File Name (LFN) が扱える フロッピード
       ライブとしてアクセスできます。  この場合、UNIX  上の長いファイル名もそのままコピーすることができます。 但
       し、UNICODE 変換テーブル  fd-unicd.tbl が、起動された  fd の存在するディレクトリにない場合は、 漢字のファ
       イル名は  LFN 形式では扱えません。 逆に、大文字のドライブ名を用いると、 LFN を無視して 8+3 形式のファイル
       名を扱います。 このドライブ名の大小による仕様は、 MS-DOS 版にもそのまま継承されています。

   URL ドライブ (UNIX)
       ディレクトリ名として URL 文字列を用いることで、  ネットワーク上のリモートサービスにアクセスすることができ
       ます。  URL  の書式は  scheme://[user[:password]@]host[:port]/directory/  です。 scheme には  ftp または
       http が指定できます。 host にはリモートホストの名前または IP アドレスを指定します。 port には TCP  ポート
       番号を指定します。  port  を省略すると既定ポート番号を用います。 ftp の既定ポート番号は  21http の既定
       ポート番号は  80 です。 user 及び  password には、 リモートホストに接続するためのアカウント情報を記述でき
       ます。  user を省略すると、 ftp の場合は anonymous FTP による接続を行ない、 http の場合は必要に応じてユー
       ザに問い合わせを行ないます。  password を省略すると必要に応じてユーザに問い合わせを行ないます。 但し、 こ
       の機能を有効にするための内部変数  URLDRIVE の設定を事前に行なっておくことが必要です。

       なお、 FTP や HTTP のプロトコル上の制限もしくはホスト側の設定により、 一部の内部コマンドは URL ドライブに
       対応していませんのでご了承下さい。

   文字列の入力
       パス名などの文字列を入力する場合には、 以下のキー入力が有効です。  参照される履歴の種類は要求される入力文
       字列によって異なります。  ウィンドウ分割モードでは、 もう一方のウィンドウのカレントディレクトリが常にパス
       名履歴の先頭にあります。
       ,       カーソル移動。
       ,       これまでの履歴 (コマンド及びパス名のみ) の参照。 またはカーソル移動。
       Beg       文字列の先頭にカーソル移動。
       Eol       文字列の最後尾にカーソル移動。
       Ins       挿入モードと上書モードの切替え。(起動時は挿入モード)
       Del       カーソル位置の一文字を消去。
       Bs        カーソル直前の一文字を消去。
       DelLine   カーソル以降の文字列全てを消去。
       InsLine   後続の入力文字をそのまま入力文字として扱います。 コントロール文字の入力に有効です。
       Enter     現在のカーソル位置のファイル名を取込。
       PageUp    カーソル位置の英文字を大文字に。
       PageDown  カーソル位置の英文字を小文字に。
       Tab       カーソル位置でパス名、コマンド名もしくは内部変数名の補完。
                 選択候補が複数ある場合には、 連続して入力することにより選択候補リストが表示されます。  内蔵シェ
                 ルのコマンドライン以外では、  この選択候補リストの中からカーソルキーと  [Return] を使って候補の
                 選択ができます。
       ^L        入力文字列の再描画。
       ^S, ^R    これまでの履歴 (コマンド及びパス名のみ) のインクリメンタルサーチを行います。
       Return    入力決定。 または補完選択候補リスト内での候補決定。
       Esc       キャンセル。

       また、入力された文字列は、評価される直前に以下のような展開が行なわれます。 この展開は、コマンドマクロの文
       字列中でも有効です。 但し、引用符  ' で括られた文字列中においては この展開は抑制されます。

       ~       ファイル名の先頭にあって、ユーザ本人のホームディレクトリを指します。

       ~user   ファイル名の先頭にあって、 user のホームディレクトリを指します。 (UNIX)

       ~FD     ファイル名の先頭にあって、起動された  fd の存在するディレクトリを指します。

       $NAME
       ${NAME} 内部変数、または環境変数   NAME の値を指します。 重複して定義されている場合は、内部変数の方が優先
               します。 どちらにも未定義だった場合はナルに置き換わります。 中括弧  { }NAME を後続の文字から
               分離します。

               NAME が以下の一文字であった場合には、 シェルによって自動的に代入された値に置き換わります。
               0      起動時の実行ファイル名。
               [1-9]  位置パラメータ。
                     $1 で始まる全ての位置パラメータ。 "$∗""$1 $2 ..." に置き換わります。
               @      $1 で始まる全ての位置パラメータ。 "$@""$1" "$2" ... に置き換わります。
               #      位置パラメータの数。
               -      起動時オプションまたは 組込みコマンド  set で設定されたオプションフラグ。
               ?      直前に実行されたコマンドの終了ステータス。
               $      現行シェルのプロセス番号。
               !      直前に実行されたバックグラウンドプロセスのプロセス番号。

       ${NAME:-word}
               内部変数、または環境変数   NAME にナル以外の値が設定されていればその値に置き換わり、 そうでなけれ
               ば  word に置き換わります。

       ${NAME:=word}
               内部変数、または環境変数  NAME にナル以外の値が設定されていればその値に置き換わり、  そうでなけれ
               ば 内部変数  NAMEword を代入し、 この式自体は  word に置き換わります。 但し、 位置パラメータ
               には代入できません。

       ${NAME:?word}
               内部変数、または環境変数  NAME にナル以外の値が設定されていればその値に置き換わり、  そうでなけれ
               ば  word を表示してシェルから抜けます。 word が省略された場合は、 代わりに  parameter null or not
               set という文字列を表示します。

       ${NAME:+word}
               内部変数、または環境変数  NAME にナル以外の値が設定されていれば  word に置き換わり、 そうでなけれ
               ばナルに置き換わります。

       ${NAME-word}
               内部変数、または環境変数  NAME に値が設定されていればその値に置き換わり、 そうでなければ  word に
               置き換わります。

       ${NAME=word}
               内部変数、または環境変数  NAME に値が設定されていればその値に置き換わり、 そうでなければ 内部変数
                NAMEword を代入し、 この式自体は  word に置き換わります。 但し、 位置パラメータには代入でき
               ません。

       ${NAME?word}
               内部変数、または環境変数  NAME に値が設定されていればその値に置き換わり、 そうでなければ  word を
               表示してシェルから抜けます。 word が省略された場合は、 代わりに  parameter null or not set という
               文字列を表示します。

       ${NAME+word}
               内部変数、または環境変数  NAME に値が設定されていれば  word に置き換わり、 そうでなければナルに置
               き換わります。

       ${#NAME}
               内部変数、または環境変数  NAME の値の文字数に置換わります。 NAME* または  @ の場合は文字数で
               なく位置パラメータの数に置換わります。

       ${NAME%word}
               内部変数、または環境変数  NAME の値の最後尾から  word  で示されるパターンに一致する最も短い部分を
               削除した文字列に置換わります。  NAME* または  @ の場合は各々の位置パラメータについて置換えが
               行なわれます。 (MS-DOS 版では  % の代わりに  \ を用います。)

       ${NAME%%word}
               内部変数、または環境変数  NAME の値の最後尾から  word  で示されるパターンに一致する最も長い部分を
               削除した文字列に置換わります。  NAME* または  @ の場合は各々の位置パラメータについて置換えが
               行なわれます。 (MS-DOS 版では  %% の代わりに  \\ を用います。)

       ${NAME#word}
               内部変数、または環境変数  NAME の値の先頭から  word  で示されるパターンに一致する最も短い部分を削
               除した文字列に置換わります。  NAME* または  @ の場合は各々の位置パラメータについて置換えが行
               なわれます。

       ${NAME##word}
               内部変数、または環境変数  NAME の値の先頭から  word  で示されるパターンに一致する最も長い部分を削
               除した文字列に置換わります。  NAME* または  @ の場合は各々の位置パラメータについて置換えが行
               なわれます。

       \c      文字  c 自身を示します。 上記の  ~$ などのメタキャラを評価せずにそのまま文字として使いたい時
               に用います。 \ 自身は "\\" と表します。 但し、MS-DOS 版では、パス名デリミタに用いられる  \ は通常
               文字と同様に処理されなくてはならないため、 便宜上  %c の形で  \ の代用とします。

       以降は  EXECUTE_SHEXECUTE_FILE で実行されるシェル内でのみ置き換えられます。

       `list`  list を実行しその標準出力に置き換わります。

       $(list) `list` と同様に  list を実行しその標準出力に置き換わります。 入れ子にして記述できる点で    `list`
               と異なります。 また、 list に含まれる引用符などのメタキャラをそのまま評価します。

       $((expression))
               数式   expression を評価しその結果の数値に置き換わります。 expression には数値や変数の他、 以下の
               演算子を用いた整数演算を記述できます。
                                     (単項)  (二項)
                   算術演算子        + -     + - * / %
                   条件演算子        !       == != < > <= >= && ||
                   ビット演算子      ~       & | ^ << >>
                   括弧              ( )

       ?
       
       [
       ]       これらの文字が含まれる文字列は、 既存ファイル名とのパターンマッチングを行ない、  マッチした場合は
               マッチした全てのファイル名をアルファベット順にソートしたものに置き換えられます。
               ?    / 以外の任意の一文字とマッチします。
                   / を含まない 0 個以上の任意の文字列とマッチします。
               ∗∗   / を含む 0 個以上の任意の文字列とマッチします。
               [...]
                    [ ] で囲まれた文字のうち任意の一文字とマッチします。 囲まれた文字に  - が含まれる場合、 - の
                    両端の文字間の文字コードを持つ全ての文字にマッチします。
               [!...]
                    [ ] で囲まれた文字以外の任意の一文字とマッチします。

               但し、 ファイル名部分の先頭の一文字が  .  であった場合は、 ? はマッチしません。

   編集モード
       カーソルキーやスクロールキーなど、  特殊機能キーに割り当てられている機能を利用したい場合、   端末の設定に
       よっては対応するキーが存在しないこともあります。  そのような場合、内部変数  EDITMODE に文字列を設定するこ
       とで、 コントロール文字をこれらの特殊キーの代わりに用いることができます。  また、これらの代替キー機能は、
       組込みコマンドによるキー割当て変更に優先しますので、 ここで代替キーとして用いられているコントロール文字に
       ついては キー割当ての変更が無効になります。 用意されている編集モードは以下の 3 つです。

       emacs
                   ^P   =        ^A   = Beg
                   ^N   =        ^E   = Eol     ^D   = Del
                   ^F   =                       ^Q   = InsLine
                   ^B   =                       ^K   = DelLine
                   ^V   = PageDn  ^Y   = PageUp  ^O   = Enter
                   ^M   = Return  ^I   = Tab     ^H   = Bs
                   ^[   = Esc     ^G   = Esc

       wordstar
                   ^E   =        ^A   = Beg     ^V   = Ins
                   ^N   =        ^F   = Eol     ^G   = Del
                   ^F   =        ^W   = Home    ^]   = InsLine
                   ^S   =        ^Z   = End     ^Y   = DelLine
                   ^C   = PageDn  ^R   = PageUp  ^N   = Enter
                   ^M   = Return  ^I   = Tab     ^H   = Bs
                   ^[   = Esc

       vi      vi モードは 「挿入モード」と「コマンドモード」の 2 つのローカルモードを持ち、  それぞれのモードで
               キーの機能が全く異なります。 入力開始時はコマンドモードにいるので、 一般のキー入力を行なうには 挿
               入モードへ移行する 4 種類のキーのいずれかを入力する必要があります。
                   (コマンドモード)
                   k    =        0    = Beg
                   j    =        $    = Eol     x    = Del
                   l    =        g    = Home
                   h    =        G    = End     D    = DelLine
                   ^F   = PageDn  ^B   = PageUp  o    = Enter
                   ^M   = Return  ^I   = Tab     ^H   = Bs
                   ^[   = Esc
                   (コマンドモードから挿入モードへ)
                   i, : = モードの移行のみ
                                  I    = + Beg
                   a    = +      A    = + Eol
                   R    = 上書    r    = 一文字上書
                   (挿入モード)
                   ^V   = InsLine Esc  = コマンドモードへ

               かなり特殊なキー割当てなので、 日常的に  vi エディタを用いていない人には不向きでしょう。

   かな漢字変換入力 (UNIX)
       文字列入力時に  IMEKEY で指定したキーを入力するか、 もしくは疑似端末メニューから「漢字」を選択すると、 か
       な漢字変換入力モードでの文字列入力ができます。

       変換性能は、 かな漢字変換辞書  fd-dict.tbl に依存し、 この辞書ファイルが  fd の存在するディレクトリにない
       場合は、 漢字への変換はできません。 また、 標準でインストールされる辞書ファイルは単漢字辞書なので、  この
       辞書ファイルを使う限りは単漢字変換しかできませんが、  pubdic 等の品詞情報を含んだ辞書を用意することで単文
       節変換が可能です。 連文節変換には対応していません。

       かな漢字変換入力モードでは、 以下のキー入力が有効です。
              Space     漢字への変換。 または次の変換候補の選択。
              , 
              ,       変換候補リスト中でのカーソル移動。
              Bs, Del   カーソル直前の一文字を消去。
              Tab       平仮名、片仮名、半角カナ、及び直接入力の切替え。
              ^L        入力文字列の再描画。
              Return    変換結果の確定。
              Esc       キャンセル。

       英字大文字一文字の後ろに 4 桁の十六進数を大文字で続けた文字列を変換すると、  先頭の英文字に応じてそれぞれ
       以下の漢字コードを表す十六進数と見なして、 その漢字コード番号近辺の漢字を選択するメニューが表示されます。
              S   Shift JIS
              E   EUC 漢字
              J   JIS コード (JIS X0208)
              K   区点コード
              U   UNICODE (UCS2)
       また、かな文字を変換せずに確定した状態で  [Space] を入力すると、 JIS コード一覧の中からそのかな文字で始ま
       る読みの漢字を選択するメニューが表示されます。

   パラメータマクロ
       コマンドマクロの登録、及びコマンド実行用に入力する文字列内では、   以下のパラメータマクロが使用できます。
       但し、 関数の中や、 source コマンド用の入力ファイル、 初期設定ファイルの中では使用できませんので、 これら
       の中でパラメータマクロを使う必要がある場合には  evalmacro コマンドを使って下さい。

       %C      カーソル位置のファイル名。 但し、アーカイバコマンド登録用マクロではアーカイブファイルを指します。

       %X      カーソル位置のファイル名の拡張子を除いた部分。 但し、アーカイバコマンド登録用マクロではアーカイブ
               ファイル の拡張子を除いた部分を指します。 拡張子は最後尾の一個だけ除かれます。 また、 %X に続けて
                T, TA, M を記述すると、 それぞれ  %T, %TA, %M の拡張子を除いた部分になります。 MS-DOS 版では同様
               に  S を続けて記述できます。

       %P      カレントディレクトリのパス名。

       %K      コマンド終了後、キー入力を待ってから   fd に戻ります。 但し  EXECUTE_FILE, EXECUTE_SH では  %K の
               意味は逆になり、 デフォルトでキー入力を待ち  %K の指定があれば入力待ちしません。 また、ランチャの
               アーカイブブラウザ登録用マクロや、  アーカイバコマンド登録用マクロでは、 無条件にキー入力待ちはで
               きません。

       %T      マークファイルを可能な限り空白で区切って羅列します。 ファイルが多くてコマンド文字数が OS 上限を越
               えるような場合には、 残りのマークファイルは無視されます。

       %TA     %T と同様にマークファイルを羅列しますが、 コマンド行から溢れたファイルは、 再度同じコマンドを実行
               することで、 マークの最後までファイル名が渡されます。

       %M      マークファイルを一個ずつ渡し、  マークの数だけ同じコマンドを順々に実行します。  MARK_FIND  で検索
               マークしてから、 EXECUTE_SH で "mv %M %XM.bak" などとすると便利でしょう。

       %N      パラメータが省略された場合のファイル名の追加を抑制します。

       %R      マクロ実行時に、コマンド文字列の長さに余裕があれば、   追加でパラメータを手入力するようにします。
               入力時のカーソル位置は、マクロ中で  %R のあった位置になります。 但し、 ランチャのアーカイブブラウ
               ザ登録用マクロや、 アーカイバコマンド登録用マクロ、 及び  EXECUTE_FILE, EXECUTE_SH では、 %R は無
               視されます。

       %S      カーソル位置の LFN 形式のファイル名を 8+3 形式のファイル名で 置き換えたもの。 8+3  形式の引数しか
               使えない外部コマンドを用いる時に使います。  また、 %X と同様に、 %S に続けて  T, TA, M を記述でき
               ます。 (DOS)

       %JS     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 Shift JIS に変換します。 (UNIX)

       %JE     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 EUC 漢字に変換します。 (UNIX)

       %J7     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 7bit JIS に変換します。 (UNIX)

       %J8     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 8bit JIS に変換します。 (UNIX)

       %JJ     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 ISO-2022-JP に変換します。 (UNIX)

       %JH     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 HEX に変換します。 (UNIX)

       %JC     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 CAP に変換します。 (UNIX)

       %JU     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 UTF-8 に変換します。 (UNIX)

       %JM     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 Mac OS X 用の UTF-8 に変換します。 (UNIX)

       %JI     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、 iconv 用の UTF-8 に変換します。 Linux  等  iconv
               ベースの UTF-8 を利用している環境で使われているコードです。 (UNIX)

       %JA     このマクロで囲まれた範囲の文字列の漢字コードを、   その文字列で表されるパス名で使用されている漢字
               コードに変換します。 どのパス名でどの漢字コードが使用されているかは、 変数  SJISPATH, EUCPATH  等
               で指定します。 (UNIX)

       コマンドマクロ内でパラメータマクロを展開した結果、 %C%T などによるファイル名パラメータが一つも渡され
       なかった場合、 自動的に展開された文字列の最後尾には、 カーソル位置のファイル名が  ./filename の形で追加さ
       れます。  コマンド実行用の入力文字列の場合、 もしくは  %N マクロがあった場合には、 そのようなファイル名の
       追加は行なわれません。

   カスタマイズ
       fd のカスタマイズには、以下のような方法があり、  複数の方法で重複して指定された場合には、この順で優先され
       ることになります。

          EXECUTE_SH の組込みコマンド実行
                    各種登録用組込みコマンドを実行することで、  内部変数定義、環境変数定義、エイリアス定義、関数
                    定義、 キー割当て、キーマップ変更、 ランチャ登録、アーカイバコマンド登録、フロッピードライブ
                    登録が可能です。

          カスタマイザ
                    EDIT_CONFIG コマンドにより、 内部変数定義、キー割当て、キーマップ変更、 ランチャ登録、アーカ
                    イバコマンド登録、フロッピードライブ登録が可能です。

          コマンドラインオプション
                    コマンドラインのオプションに、 `-NAME=value' の形式で値を渡すことにより、 内部変数の定義が可
                    能です。

          .fd2rc    実効ユーザのホームディレクトリにある初期設定ファイル   .fd2rc を用意しておくことで、 fd の実
                    行に先だってこのファイルに書かれたコマンドが実行されます。  組込みコマンドや外部コマンドを記
                    述し、 各設定を行なうことが可能です。 但し、 ログインシェルとして  fdsh が起動された場合は、
                    .fd2rc の代わりに  .fdshrc が読込まれます。

                    また、  .fd2rc.fdshrc  の読込みに先だって、  システム管理者による初期設定ファイル
                    /etc/fd2rc が読込まれます。 このファイルがある場合、 .fd2rc.fdshrc で意図的に登録を削除
                    しない限り、 システム管理者の用意した初期設定が有効になります。

                    (MS-DOS 版ではそれぞれのファイル名は  $HOME\fd2.rc, $HOME\fdsh.rc 及び   ~FD\fd2rc  となりま
                    す。)

          環境変数  内部変数に定義して有効な変数は、 予め環境変数として定義しておいても有効です。 但し、 fd 内で
                    は常に内部変数の方が優先されます。 また、 同じ名前の環境変数が他のアプリケーションでも使われ
                    ている場合、 fd 用に別の定義をしておきたければ、 各々の環境変数名の前に  FD_ の 3 文字を冠し
                    たものも同じ用途に使用できます。 この  FD_  を冠した環境変数は、冠していない環境変数よりも常
                    に優先されるので、  FD_  のない内部変数の定義よりも、 FD_ を冠した環境変数の方が有効になりま
                    す。

   カスタマイザ
       EDIT_CONFIG コマンドにより、 対話的に設定変更を行なうカスタマイザが起動します。  カーソルキーの左右でカテ
       ゴリを選び、 上下で項目を選んだ後、 [Return] でその内容を変更します。 変更が終わったら、 [Esc] でカスタマ
       イザを終了します。

       カテゴリには以下のようなものがあります。
          内部変数  内部変数の値を変更します。 変数により値の入力方法が異なりますので、 画面説明に従って入力して
                    下さい。
          キー割当て
                    各キーに割当てる機能を変更します。 割当ての無いキーに新規に機能を割当てる場合には、 「新規登
                    録」を選んで下さい。 「割当て削除」を選ぶと既存のキー割当てを削除します。
          キーマップ
                    各種機能キーのキーコードマッピングを変更します。 キーを押すように指示されたところで    [Esc]
                    を押すと、 既存のキーマップを削除します。 (UNIX)
          ランチャ  各拡張子に対するランチャ登録を変更します。  登録のない拡張子に新規にランチャを登録する場合に
                    は、 「新規登録」を選んで下さい。 ランチャ用コマンド入力の際に空行を入力すると、  既存のラン
                    チャ登録を削除します。
          アーカイバ
                    各拡張子に対するアーカイバコマンド登録を変更します。  登録のない拡張子に新規にアーカイバコマ
                    ンドを登録する場合には、 「新規登録」を選んで下さい。 圧縮用コマンド入力と伸長用コマンド入力
                    の際に両方とも空行を入力すると、 既存のアーカイバコマンド登録を削除します。
          DOS ドライブ
                    フロッピードライブ登録を変更します。  未設定のドライブ名に新規にフロッピードライブを登録する
                    場合には、 「新規登録」を選んで下さい。 デバイス名入力の際に空行を入力すると、  既存のフロッ
                    ピードライブ登録を削除します。 (UNIX)
          保存      カスタマイザでの設定変更をファイルに保存したり、 設定を破棄して元の状態に戻したりします。
                    Cancel    指定されたカテゴリの範囲に含まれるこれまでの設定変更を破棄し、  カスタマイザを起動
                              する前の状態に戻します。
                    Clear     指定されたカテゴリの範囲に含まれる全ての設定を破棄し、 デフォルト状態に戻します。
                    Load      指定ファイルから設定を読込みます。
                    Save      指定されたカテゴリの範囲に含まれる全ての設定を、 指定ファイルに保存します。
                    Overwrite 指定されたカテゴリの範囲に含まれる全ての設定を、  指定された既存ファイルに上書き保
                              存します。 ファイルに元々存在していた設定を構文解析し、 同じ対象の設定はできるだけ
                              同じ場所に上書きします。 現在設定されていないものやカスタマイザ対象外のものは、 既
                              存ファイルのものをそのまま残します。

                    カテゴリの範囲を指定する際には、 初期状態では全てのカテゴリが選択されているので、 [Space] で
                    選択の on/off を切替えて  [Return] で決定します。

       設定変更をした後、 保存せずにカスタマイザを終了しようとすると、  保存しないままで終了して構わないかどうか
       を確認してきます。 保存しないまま終了しても設定変更は有効ですが、 次に  fd を起動する時にも有効にしたい場
       合は、 初期設定ファイルに保存しておく必要があります。

環境変数

       fd では以下の環境変数が有効です。 これらの環境変数は、すべて内部変数として定義することも可能です。 また、
       `-NAME=value' の書式でコマンドラインオプションとして与えることもできます。 但し、 変数名の後ろに ∗ のつい
       ているものは、 環境変数として  FD_ の 3 文字を冠して利用することができません。

       ADJTTY        fd を終了する時に、端末モードを正常な状態に強制的にリセットします。  端末が文字化けするよう
                     な状態を、 fd を起動することで正しく調整することができます。 0 かナル以外の値であれば、何を
                     定義しても有効です。 (UNIX)

       ANSICOLOR     ファイル表示をカラー化します。 使用している端末が、 ANSI 規格のカラー制御エスケープシーケン
                     ス対応している場合、  ファイルタイプに応じて色別に表示させることができます。 値を  1 にする
                     とカラー画面になります。 文字色が背景色と同色で区別のつかない場合、 値を  2  にすると背景色
                     を強制的に黒色にします。 また、 値を  3 にすると表示色を強制的に黒色にします。

       ANSIPALETTE   ファイル表示がカラー化されている場合に、 各ファイルタイプに応じてどのような配色にするかを指
                     定します。 この変数値は最大  11 桁の数値で構成されます。 それぞれの桁の数字は色番号を表し、
                     各桁に対応するファイルタイプの配色をその番号で表される色に指定します。 桁番号とファイルタイ
                     プの対応は以下のとおり。
                         1    一般のファイル
                         2    背景
                         3    ディレクトリ
                         4    書込み禁止ファイル
                         5    読取り禁止ファイル
                         6    symbolic リンク
                         7    ソケット (MS-DOS ではシステムファイル)
                         8    FIFO (MS-DOS ではラベル)
                         9    ブロックデバイス
                         10   キャラクタデバイス
                         11   実行ファイル

                     また、 各桁に指定する色番号の意味は以下のとおり。
                         0123    黄色
                         456    水色
                         78    文字の既定色
                         9    背景の既定色

                     色番号  8 は変数  ANSICOLOR の値が  3 の時に強制的に黒色になります。  色番号    9  は変数
                     ANSICOLOR の値が  2 の時に強制的に黒色になります。

                     桁が   11 桁に満たない場合やこの変数が設定されていない場合は、 後ろの桁に相当するファイルタ
                     イプには標準の配色が用いられます。 標準の配色は、 上記の色番号で表現すると  89624351888  に
                     なります。

       AUTOUPDATE    ブラウザ画面またはツリー表示画面を自動的に更新する間隔を秒数で指定します。 ここで指定した秒
                     数の間キー入力が途絶えると、 表示されているファイル一覧情報を最新のものに更新します。 0  を
                     指定すると自動更新しません。 デフォルト値は  0 です。

       BASICCUSTOM   カスタマイザで編集可能な設定用内部変数を基本的な変数のみに絞り、 拡張的な変数を見えなくしま
                     す。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       CDPATH∗       組込みコマンド  cd の引数が  / で始まっていない場合にここで指定されたパス名の中から検索する
                     ように指示します。  ':' で区切って複数の検索パス名を指定できます。 デフォルトではパス名は一
                     つも指定されていません。

       COLUMNS∗      端末画面の桁数を示す変数として利用します。 何らかの値が設定されていた場合、  画面サイズの変
                     更に応じてその値を自動的に置換えます。 何も値が設定されていない場合は設定されないままです。

       COMSPEC       バッチファイルを起動する場合に用いるシェルを指定します。 未指定時には内部変数  SHELL で定義
                     されたシェルもしくは \COMMAND.COM が用いられます。 (DOS)

       COPYCMD∗      組込みコマンド  copy で使うデフォルトオプションを指定します。

       DEFCOLUMNS    fd 起動時の画面表示列を設定します。 デフォルト値は  2 列です。 1, 2, 3, 5  以外の値を指定す
                     ると無視されます。

       DEFKCODE      システム標準の漢字コードを指定します。 fd から起動される外部コマンドに渡される引数は、 ここ
                     で指定した漢字コードに変換されます。 但し、 %C%JJ などの各種マクロを用いた場合は、  そ
                     れぞれのマクロに応じた漢字コードが用いられます。 このうち  JIS8, JUNET, HEX, CAP 等は Samba
                     で用いられている漢字コードです。 (UNIX)
                         SJIS, sjis     Shift JIS
                         EUC, euc       EUC 漢字
                         JIS, jis       7bit JIS
                         JIS8, jis8     8bit JIS
                         JUNET, junet   ISO-2022-JP
                         OJIS, ojis     7bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJIS8, ojis8   8bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJUNET, ojunet ISO-2022-JP (JIS C6226-1978 + roman)
                         HEX, hex       HEX
                         CAP, cap       CAP
                         UTF8, utf8     UTF-8
                         UTF8-mac, mac  Mac OS X 用 UTF-8
                         UTF8-iconv     iconv 用 UTF-8
                         デフォルト     変換しない

       DIRCOUNTLIMIT ツリー表示モードで、ディレクトリ内のファイルを調べる上限数を設定します。 後ろに  '>' のつい
                     たディレクトリであっても、  その中にサブディレクトリが一つもなければ、 展開してもツリー構造
                     は変化しません。 ディレクトリ内のファイル数  (ディレクトリも含む)  がこの数値以内であれば、
                     一つもサブディレクトリを持たないディレクトリには、  最初から  '>' をつけません。 また、画面
                     右に表示されるディレクトリ内ファイルの一覧も、 この数値を越えては表示しないようになります。
                     処理の遅いマシンでは、この値を   0 にしておけば、 快適な処理速度が実現できます。 デフォルト
                     値は  50 ファイルです。

       DIRCMD∗       組込みコマンド  dir で使うデフォルトオプションを指定します。

       DIRHIST       ディレクトリ入力行で参照できる ディレクトリ履歴の数の上限を設定します。 デフォルト値は   50
                     個です。 この値が  0 の時にはディレクトリ履歴参照ができません。

       DIRHISTFILE   ディレクトリ入力行で参照できる  ディレクトリ履歴のセーブファイルを指定します。 ファイル名が
                     未指定の場合はディレクトリ履歴はセーブもロードもされません。 デフォルト値は未指定です。

       DIRHISTUMASK  ディレクトリ履歴のセーブファイルのファイル作成マスク値を 8 進数で指定します。  既存ファイル
                     が存在しない時のみ用いられます。  但し、 組込みコマンド  umask で設定したマスク値が優先され
                     ますので、 実際に用いられるマスク値はこの値と  umask 値との論理和になります。

       DISPLAYMODE   fd 起動時の、  ファイル一覧リストのファイル名表示形式を設定します。  symbolic  リンク表示形
                     式、ファイルタイプシンボルの表示、   及びドットファイルの非表示を、それぞれ独立に選択できま
                     す。 デフォルト値は  0 です。 設定する値は以下のとおり。
                         0    標準
                         1    SYMLINK
                         2                FILETYPE
                         3    SYMLINK &   FILETYPE
                         4                             DOTFILE
                         5    SYMLINK &                DOTFILE
                         6                FILETYPE &   DOTFILE
                         7    SYMLINK &   FILETYPE &   DOTFILE

                     なお、 ファイルフラグ対応の OS では、 これらの値にそれぞれ  8  を加えた値を設定することで、
                     ファイルフラグ表示モードを選択できます。

       DOSDRIVE      MS-DOS フロッピーへのアクセス機能を有効にします。 フロッピードライブの登録がなければ、 ここ
                     で有効にしてあってもフロッピーへのアクセスはできません。 0 かナル以外の値であれば、何を定義
                     しても有効です。

                     MS-DOS  版では、この変数を定義しておくことにより、  Ver.  6.xx 以前の旧 DOS でも LFN 形式の
                     ファイル名を扱えるようになります。 この場合、  フロッピードライブの登録は必要ありませんが、
                     OS を経由せずにディスク I/O を行なうため、 アクセス速度が落ちたり幾つかの機能が制限されたり
                     します。

       DUMBSHELL     内蔵シェルで入力行の編集を行なう際に、 コントロールシーケンスを使用しません。  内蔵シェルで
                     は端末モードのカーソル移動機能を有効にしませんが、  コンソール端末等の場合、 この端末モード
                     ではコントロールシーケンスによってカーソル移動を行なうことができないために行編集時の表示が
                     正しく行なわれないことがあります。  この変数を有効にすると、 コントロールシーケンスを用いず
                     に行編集を行ないますが、 効率の悪いカーソル移動を行なうので、  若干の機能制限や反応速度の低
                     下を招きます。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       EDITMODE      キー入力の編集モードを文字列で指定します。 デフォルト値は  emacs です。 emacs, wordstar, vi
                     以外の文字列またはナルを指定した場合、 コントロール文字は変換されずにそのまま渡されます。

       EDITOR        ファイルの編集時に使用するエディタコマンドを指定します。

       ENVfdsh として起動された場合に追加で読込む初期設定ファイルを指定します。  ファイル名はフルパス
                     で指定する必要があります。 この値が設定されていた場合、 /etc/fd2rc を読込んだ後、 .fd2rc.fdshrc を読込む前に、 その初期設定ファイルを読込みます。 但し、 実 UID と実効 UID  が異な
                     る場合や、 実 GID と実効 GID が異なる場合には、 この値は無視されます。

       FCEDIT        組込みコマンド  fc で使用するエディタコマンドを指定します。

       FD_VERSION    実行中の fd のバージョン文字列が代入されます。

       FNAMEKCODE    ファイル名に用いる漢字コードを指定します。  ファイルアクセスを行なう時点で ここで設定した漢
                     字コードにコンバートされますので、 ネットワーク上の漢字コードの異なるマシンから、  漢字で書
                     かれたファイルを参照することも可能です。  また、 アーカイブブラウザや組込みコマンド  browse
                     がファイル名を取得する際にもここで指定した漢字コードに従います。  このうち    JIS8,  JUNET,
                     HEX, CAP 等は Samba で用いられている漢字コードです。 (UNIX)
                         SJIS, sjis     Shift JIS
                         EUC, euc       EUC 漢字
                         JIS, jis       7bit JIS
                         JIS8, jis8     8bit JIS
                         JUNET, junet   ISO-2022-JP
                         OJIS, ojis     7bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJIS8, ojis8   8bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJUNET, ojunet ISO-2022-JP (JIS C6226-1978 + roman)
                         HEX, hex       HEX
                         CAP, cap       CAP
                         UTF8, utf8     UTF-8
                         UTF8-mac, mac  Mac OS X 用 UTF-8
                         UTF8-iconv     iconv 用 UTF-8
                         デフォルト     変換しない

       FREQFILE      かな漢字変換学習用のユーザ変換頻度ファイルを指定します。 ファイル名が未指定の場合は頻度情報
                     は保存も参照もされません。 デフォルト値は  ~/.fd_freq です。 (UNIX)

       FREQUMASK     かな漢字変換学習用のユーザ変換頻度ファイルのファイル作成マスク値を   8   進数で指定します。
                     ユーザ変換頻度ファイルは更新時に上書きせずに作成し直すため、 この値は既存ファイルが存在する
                     時にも用いられます。 但し、 組込みコマンド  umask で設定したマスク値が優先されますので、 実
                     際に用いられるマスク値はこの値と  umask 値との論理和になります。 (UNIX)

       FTPADDRESS    URL  ドライブで FTP 接続を行なう際に、 anonymous FTP 用パスワードとして用いるメールアドレス
                     を指定します。 デフォルト値は  FDclone@ です。 (UNIX)

       FTPLOGFILE    URL ドライブで FTP 通信を行なう際に、 通信ログを出力するファイル名を指定します。 但し、  フ
                     ルパスで指定されなかった場合やログファイルを格納するディレクトリが用意されていない場合はロ
                     グ出力を行ないません。 デフォルト値は未指定です。 (UNIX)

       FTPPROXY      URL ドライブで FTP 接続を行なう際に、 プロキシサーバとして用いる URL を指定します。 URL  の
                     書式は scheme://[user[:password]@]host[:port] です。 scheme には  ftp または  http が指定で
                     きます。 user 及び  password には、  プロキシサーバに接続するためのアカウント情報を記述でき
                     ます。 デフォルト値は未指定です。 (UNIX)

       FUNCLAYOUT    ファンクション行のレイアウトを    n  * 100 + size という形式の値で指定します。 n はファンク
                     ション行に表示するファンクションキーの数を表します。 size  はファンクションキーを表示するブ
                     ロック単位を表します。  デフォルト値は 1005 (10 個のファンクションキーを 5 個単位でまとめて
                     表示) です。

       HIDEPASSWD    URL ドライブでパスワード入力を行なう際に、 入力文字の代わりに  * を表示するのを抑制し、  何
                     も表示しないようにします。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。 (UNIX)

       HISTFILE      EXECUTE_FILEEXECUTE_SH で参照できるコマンド履歴のセーブファイルを指定します。 ファイル
                     名が未指定の場合はコマンド履歴はセーブもロードもされません。  デフォルト値は  ~/.fd_history
                     です。

                     (MS-DOS 版でのデフォルト値は $HOME\fd.hst となります。)

       HISTSIZE      EXECUTE_FILEEXECUTE_SH で参照できるコマンド履歴の数の上限を設定します。 デフォルト値は
                      50 個です。 この値が  0 の時にはコマンド履歴参照ができません。

       HISTUMASK     コマンド履歴のセーブファイルのファイル作成マスク値を 8 進数で指定します。  既存ファイルが存
                     在しない時のみ用いられます。  但し、 組込みコマンド  umask で設定したマスク値が優先されます
                     ので、 実際に用いられるマスク値はこの値と  umask 値との論理和になります。

       HOME∗         組込みコマンド  cd の引数が無い場合のデフォルト値を示します。 また、 ログインシェルとして起
                     動された場合は、  この変数が指定されているとそのディレクトリをカレントディレクトリとし、 指
                     定されていないとホームディレクトリの値を自動的に定義します。

       HTMLLOGFILE   URL ドライブで HTTP 通信を行なう際に、 受信した HTML データのログを出力するファイル名を指定
                     します。  但し、 フルパスで指定されなかった場合やログファイルを格納するディレクトリが用意さ
                     れていない場合はログ出力を行ないません。 デフォルト値は未指定です。 (UNIX)

       HTTPLOGFILE   URL ドライブで HTTP 通信を行なう際に、 通信ログを出力するファイル名を指定します。 但し、 フ
                     ルパスで指定されなかった場合やログファイルを格納するディレクトリが用意されていない場合はロ
                     グ出力を行ないません。 デフォルト値は未指定です。 (UNIX)

       HTTPPROXY     URL ドライブで HTTP 接続を行なう際に、 プロキシサーバとして用いる URL を指定します。 URL の
                     書式は  scheme://[user[:password]@]host[:port]  です。  scheme  には  http が指定できます。
                     user 及び  password には、 プロキシサーバに接続するためのアカウント情報を記述できます。  デ
                     フォルト値は未指定です。 (UNIX)

       IFS∗          フィールド区切り文字を指定します。  EXECUTE_SH でコマンドと引数とを区切るのに用いられます。
                     デフォルトでは空白、タブ、改行が指定されています。

       IGNORECASE    ファイル名比較の際に、常に大文字小文字の違いを無視して比較します。  0  かナル以外の値であれ
                     ば、何を定義しても有効です。 (UNIX)

       IMEBUFFER     かな漢字変換テーブルをオンメモリで持ち続けるか否かを設定します。 かな漢字変換が高速化するの
                     で、 メモリ資源が潤沢にある環境では有用でしょう。 設定する値は以下のとおり。 (UNIX)
                         0    オンメモリで持たない
                         1    品詞情報テーブルのみ
                         2    インデックステーブルも含む
                         3    全テーブルをオンメモリで持つ

       IMELEARNING   かな漢字変換学習用のユーザ変換頻度ファイルによる学習レベルを指定します。 値が大きいほど頻度
                     情報を重視します。 値が  0 の場合は、 頻度情報を保存しますが参照はしません。 デフォルト値は
                      16 です。 (UNIX)

       IMEKEY        文字列入力中に、   直接入力モードとかな漢字変換入力モードを切替えるためのキーを指定します。
                     設定値には   bind コマンドと同様のキー名を用いることができます。 デフォルト値は未指定です。
                     (UNIX)

       INHERITCOPY   COPY_FILE  コマンド実行時に、  コピー先のタイムスタンプをコピー元のタイムスタンプに合わせま
                     す。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。 (UNIX)

                     (MS-DOS 版ではこの変数の有効無効に関わらず、 常にコピー元のタイムスタンプが継承されます。)

       INPUTKCODE    キーボード入力時の漢字コードを指定します。  これら以外の設定にすると、 コンパイル時の設定に
                     よる漢字コードが採用されます。 (UNIX)
                         SJIS, sjis     Shift JIS
                         EUC, euc       EUC 漢字
                         UTF8, utf8     UTF-8
                         UTF8-mac, mac  Mac OS X 用 UTF-8
                         UTF8-iconv     iconv 用 UTF-8

       LANGUAGE      表示する文字の言語を指定します。 fd の出力する各種メッセージの他、 漢字を含むファイル名に対
                     するコード変換も行なわれます。  選択できる文字種は以下のとおりですが、 これらの文字列が含ま
                     れていれば判別しますので、 環境変数  LANG の値をそのまま用いても有効です。 このうち   JIS8,
                     JUNET 等は Samba で用いられている漢字コードです。
                         SJIS, sjis     Shift JIS
                         EUC, euc       EUC 漢字
                         JIS, jis       7bit JIS
                         JIS8, jis8     8bit JIS
                         JUNET, junet   ISO-2022-JP
                         OJIS, ojis     7bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJIS8, ojis8   8bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJUNET, ojunet ISO-2022-JP (JIS C6226-1978 + roman)
                         UTF8, utf8     UTF-8
                         UTF8-mac, mac  Mac OS X 用 UTF-8
                         UTF8-iconv     iconv 用 UTF-8
                         en, C, POSIX   英語 (メッセージのみ)
                         デフォルト     変換しない

                     (MS-DOS 版では英語メッセージの選択のみ有効です。)

       LINENO∗       現在の行番号を示します。  シェルスクリプトや関数の中以外の箇所では、 意味を持つ値である保証
                     はありません。 また、 この値を  unset  したり再定義すると、  この変数の特殊な意味は失われ、
                     一般の変数と同等の扱いになります。

       LINES∗        端末画面の行数を示す変数として利用します。  何らかの値が設定されていた場合、 画面サイズの変
                     更に応じてその値を自動的に置換えます。 何も値が設定されていない場合は設定されないままです。

       LOGFILE       LOGLEVELROOTLOGLEVEL で指定したレベルのログを出力するファイル名を指定します。 フルパス
                     で指定されなかった場合は、  実効ユーザのホームディレクトリ以下のパスと見なされます。 但し、
                     ディレクトリの自動作成は行なわれませんので、 ログファイルを格納するディレクトリは予め用意し
                     ておく必要があります。 デフォルト値は未指定です。

       LOGLEVEL      ログファイルに出力すべき内容の優先度を指定します。 デフォルト値は  0 です。
                         0       出力しない
                         1       書込みなど警告レベルの出力のみ
                         2       属性変更など通知レベル以上の出力
                         3       参照など報告レベル以上の出力
                         4 以上  デバッグレベル以上の出力

                     但し、  同じ操作を行なってもその結果がエラーになった場合は、 一つレベルの低い優先度でも出力
                     されます。

       LOGSIZE       LOGFILE で指定したログファイルの最大サイズをキロバイト単位で指定します。 この値を超えると直
                     前のログファイルを拡張子  .old を追加したファイル名に変更してから新たなログファイルを作成し
                     ます。 デフォルト値は  1024(1MB) です。 この値が    0  の時にはログファイル名の変更をしませ
                     ん。

       LOOPCURSOR    カーソル移動の際に、  カーソルが同一ページ内でループするようにします。 0 かナル以外の値であ
                     れば、何を定義しても有効です。

       MAIL∗         内蔵シェルがメイルの新着チェックを行なう際のスプールファイル名を示します。 MAILPATH  が設定
                     されていた場合はそちらが優先されます。 (UNIX)

       MAILCHECKMAILPATH  または  MAIL で指定されたスプールファイルに対する新着チェックの間隔を秒数で指定し
                     ます。 デフォルト値は  600 秒です。 0 に指定すると、 各プロンプトを表示する度に確認します。
                     (UNIX)

       MAILPATH∗     内蔵シェルがメイルの新着チェックを行なう際のスプールファイル名を   : で区切って複数指定しま
                     す。 ここで列挙された全てのスプールファイルに対して新着チェックが行なわれます。  各ファイル
                     名の後ろには    %  に続けて新着時のメッセージを書くことができます。 メッセージ未指定時には
                     you have mail と表示されます。 (UNIX)

       MESSAGELANG   表示するメッセージの言語を指定します。  LANGUAGE   の設定に優先してここで指定した言語のメッ
                     セージが表示されます。  メッセージが日本語の場合の漢字コードは  LANGUAGE の設定値で決定され
                     ます。 選択できる言語は以下のとおりですが、  これらの文字列が含まれていれば判別しますので、
                     環境変数  LANG の値をそのまま用いても有効です。 また、 追加のメッセージカタログが用意されて
                     いる場合は、 そのファイルの拡張子をカタログ名として  MESSAGELANG に設定することでメッセージ
                     の切替を行なうことができます。
                         en, C, POSIX   英語
                         ja             日本語
                         デフォルト     LANGUAGE の設定値

       MINFILENAME   ファイル一覧リスト内の、  ファイル名表示領域の最小文字数を設定します。 端末のカラム数や画面
                     表示列によって、 ここで設定した文字数分だけの領域が確保できない場合には、 UID,  GID、タイム
                     スタンプ、サイズ、の順で情報を減じていきます。 デフォルト値は  12 文字です。

       OPTARG∗       組込みコマンド  getopts でオプションの引数が代入されます。

       OPTIND∗       組込みコマンド  getopts で次に展開するパラメータの位置を指定します。 初期値は  1 です。

       PAGER         ファイルの閲覧時に使用するページャコマンドを指定します。

       PATH∗         外部コマンド実行時の検索パスを指定します。 ':' で区切って複数の検索パス名を指定できます。

       PPID∗         最初に起動した  fd の親プロセスのプロセス ID を示します。 (UNIX)

       PRECEDEPATH   /dev  のように数多くのファイルを抱えているディレクトリに対し、 ファイル情報を調べるより先に
                     ファイル名だけでも画面表示させてしまう 先行ファイル表示機能を指示します。 ':'  で区切って複
                     数のパス名を指定できます。  各パス名の指定は、先行ファイル表示機能を実現させたい トップディ
                     レクトリだけを記述すれば、   それ以下のディレクトリでは全て先行ファイル表示機能が働きます。
                     先行ファイル表示機能が働くと、  そのディレクトリではファイルはソートされず、 キー入力待ち状
                     態の間に少しずつファイル情報を調べていきます。 デフォルトではパス名は一つも指定されていませ
                     ん。

       PRECOPYMENU   複数ファイルのコピー、移動、及び削除の際に、  処理が始まる前にメニューを表示し、 同名ファイ
                     ルやアクセス制限ファイルが存在した時の処理をどうするかを問い合わせます。 対象ファイルが多い
                     場合に、  処理が始まって暫く経ってから問い合わせが発生することを防ぎます。 0 かナル以外の値
                     であれば、何を定義しても有効です。

       PROGRESSBAR   ファイルのコピー、移動、及び削除の際に、 進捗状況を示すプログレスバーを表示します。  但し、
                     進捗度を計算する時間が必要なので、 プログレスバーを表示しない時と比べて若干処理時間が長くな
                     ります。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       PS1           EXECUTE_SH の入力ラインのプロンプト文字列を指定します。 デフォルト値は "$ " です。 この文字
                     列内には以下のエスケープ文字列が使用できます。
                         \u   ユーザ名 (UNIX)
                         \h   ホスト名 (UNIX)
                         \H   ホスト名 (ドメイン名を含む) (UNIX)
                         \w   カレントディレクトリのフルパス
                         \~   カレントディレクトリのフルパス
                              (ホームディレクトリを ~ で簡略表示)
                         \W   カレントディレクトリ名
                         \!   コマンド履歴番号
                         \$   root 時のみ # それ以外では $ (UNIX)
                         \[   非印字文字列の開始 (端末制御文字等)
                         \]   非印字文字列の終了
                         \e   ESC (\033)
                         \ooo 8 進数表記 ooo で表される文字
                         \\   \ 自身

       PS2           EXECUTE_SH  実行時にまだ継続して入力が必要な時のプロンプト文字列を指定します。 デフォルト値
                     は "> " です。

       PS4set  -x  指定時にコマンド文字列を表示する際のプロンプト文字列を指定します。  デフォルト値は
                     "+ " です。

       PTYINKCODE    疑似端末に入力として渡す文字列の漢字コードを指定します。 疑似端末上で稼働している全てのプロ
                     セスには、 INPUTKCODE  で指定した漢字コードからここで指定した漢字コードにコンバートされた文
                     字列が入力されます。 但し、 この変数は疑似端末毎に独立の値を持つため、 既に稼働中の疑似端末
                     の入力漢字コードを変更する場合には、     その端末内で変数値を変更しないと効果がありません。
                     (UNIX)
                         SJIS, sjis     Shift JIS
                         EUC, euc       EUC 漢字
                         UTF8, utf8     UTF-8
                         UTF8-mac, mac  Mac OS X 用 UTF-8
                         UTF8-iconv     iconv 用 UTF-8
                         デフォルト     変換しない

       PTYMENUKEY    疑似端末を操作している最中に疑似端末メニューを開くためのキーを指定します。 設定値には  bind
                     コマンドと同様のキー名を用いることができます。 疑似端末メニューでは、  「この文字を送出」「
                     文字コード入力」「強制終了」「ウィンドウ移動」「漢字」の各項目が選択可能です。   それぞれ、
                     疑似端末メニューキー自身の送出、 送出する文字をキー名で入力、  疑似端末で稼働中のプロセスを
                     強制的に終了、  ウィンドウ間の移動、 かな漢字変換入力、 を行ないます。 「文字コード入力」で
                     は  bind コマンドと同様のキー名のほか、  かな漢字変換入力モードで用いる漢字コード番号による
                     文字の指定ができます。  但し、 ウィンドウ非分割モードでは「ウィンドウ移動」項目は選択できま
                     せん。 デフォルト値は未指定です。 (UNIX)

       PTYMODE       外部コマンドの起動に疑似端末を用います。 ウィンドウ分割モードでは各ウィンドウ毎に独立した疑
                     似端末を用いますので、 同時に複数の外部コマンドを端末から操作することができます。 但し、 使
                     用している端末が端末エミュレーションに必要な機能を備えていない場合は疑似端末が正しく機能し
                     ないことがあります。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。 (UNIX)

       PTYOUTKCODE   疑似端末から出力として渡される文字列の漢字コードを指定します。 疑似端末上で稼働している全て
                     のプロセスからは、 ここで指定した漢字コードから LANGUAGE で指定した漢字コードにコンバートさ
                     れた文字列が表示されます。 但し、 この変数は疑似端末毎に独立の値を持つため、 既に稼働中の疑
                     似端末の出力漢字コードを変更する場合には、   その端末内で変数値を変更しないと効果がありませ
                     ん。 (UNIX)
                         SJIS, sjis     Shift JIS
                         EUC, euc       EUC 漢字
                         UTF8, utf8     UTF-8
                         UTF8-mac, mac  Mac OS X 用 UTF-8
                         UTF8-iconv     iconv 用 UTF-8
                         デフォルト     変換しない

       PTYTERM       疑似端末を用いた場合に外部コマンドに渡す環境変数    TERM  の値を指定します。 termcap(5) や
                     terminfo(5) の設定によっては疑似端末の挙動が期待通りでない場合もあるので、 その環境で有効な
                     端末名を指定して下さい。 デフォルト値は  vt100 です。 (UNIX)

       PWD∗          カレントディレクトリの絶対パス名を示す変数として利用します。   何らかの値が設定されていた場
                     合、 カレントディレクトリの変更に応じてその値を自動的に置換えます。  何も値が設定されていな
                     い場合は設定されないままです。 また、 起動時に環境変数として与えられた場合には、 この値とカ
                     レントディレクトリとが論理的に同じディレクトリを指す場合に限り、 この値をカレントディレクト
                     リの初期値として扱います。   シンボリックリンクを辿った論理的なパス名を指定したい時に有用で
                     しょう。

       ROOTLOGLEVEL  実効ユーザがスーパユーザの場合に、  ログファイルに出力すべき内容の優先度を指定します。   デ
                     フォルト値は  1 です。 (UNIX)
                         0       出力しない
                         1       書込みなど警告レベルの出力のみ
                         2       属性変更など通知レベル以上の出力
                         3       参照など報告レベル以上の出力
                         4 以上  デバッグレベル以上の出力

                     但し、  同じ操作を行なってもその結果がエラーになった場合は、 一つレベルの低い優先度でも出力
                     されます。

       RRPATH        ISO 9660 RockRidge 拡張に対応していない OS 用に、 CD-ROM のマウントされているディレクトリ以
                     下のファイルを 疑似的に RockRidge 拡張して表示します。 ':' で区切って複数のマウントポイント
                     を指定できます。 各マウントポイントの指定は、CD-ROM がマウントされている トップディレクトリ
                     だけを記述すれば、  それ以下のディレクトリでは全て疑似  RockRidge  拡張機能が働きます。  但
                     し、飽くまでもこれは疑似的な拡張で、 TRANS.TBL ファイルを参照してファイル名の置換えをしてい
                     るに過ぎませんので、  TRANS.TBL が不整合な一部の CD-ROM では正しく機能しません。 デフォルト
                     ではマウントポイントは一つも指定されていません。

       SAVEDIRHIST   ディレクトリ履歴セーブファイルに保存する数の上限を設定します。 デフォルト値は  50  個です。
                     この値が  0 の時にはセーブファイルを作成しません。

       SAVEHIST      コマンド履歴セーブファイルに保存する数の上限を設定します。 デフォルト値は  50 個です。 この
                     値が  0 の時にはセーブファイルを作成しません。

       SECOND        タイトル行の時計に秒針を表示させるようにします。 但し、正確に時計が調整されるのは  10  秒お
                     きなので、  その間は実時間とのずれが生じています。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても
                     有効です。

       SHELL         ここで指定された値のファイル名部分が  rfd または  rfdsh である場合には、 起動時の  -r  オプ
                     ションと同様、  シェルの機能が一部制限されます。  また、  EXECUTE_SH コマンドから起動できる
                     シェルを指定します。

       SIZEINFO      ファイルサイズ情報行を画面上端に表示させるようにします。 但し、ここで表示されるトータルサイ
                     ズは単純にバイト数を合計したものではなく、 実際にディスクを占有しているブロックサイズ単位で
                     合計したものになります。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       SIZEUNIT      ファイルサイズ表示の際に、  表示桁数に収まり切れない大きな値を  SI   単位系の接頭子を用いて
                     「KB」「MB」のような表現で表します。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       SORTTREE      ツリー表示画面でディレクトリの並びをソートするようにします。  ソートタイプは  SORT_DIR で指
                     定したものを用いますが、 「サイズ順」及び「日付順」になっている場合はソートできません。  ま
                     た、カレントディレクトリパスに含まれるディレクトリは、 ソートタイプに関係なく常にツリー構造
                     の先頭に来ます。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       SORTTYPE      ブラウザ画面のファイル一覧リストは、     デフォルトではソートしないようになっていますので、
                     ディレクトリ内に登録されている順に並べられています。 これを、デフォルトでソートするように定
                     義します。 設定する値は以下のとおり。
                         0    ソートしない
                         1    名前順         9    名前順(逆順)
                         2    拡張子順       10   拡張子順(逆順)
                         3    サイズ順       11   サイズ順(逆順)
                         4    日付順         12   日付順(逆順)
                         5    長さ順         13   長さ順(逆順)
                         100-113   直前のソート形式を保持
                         200-213   アーカイブブラウザ内でも保持

                     100 〜 113 の値を設定した場合、 起動直後は下  2  桁で表される数値のソート形式になりますが、
                     ディレクトリ移動などの際にはデフォルトのソート形式ではなく、 その直前に指定したソート形式が
                     保持されるようになります。 更に 200 〜 213 の値を設定した場合、  アーカイブブラウザを起動し
                     た際にも直前のソート形式が保持されるようになります。

       TERM∗         端末名を指定します。  この値が   dumb, unknown, un のいずれかの場合には、 ダム端末と見なし
                     DUMBSHELL  の値に関係なく内蔵シェルでエスケープシーケンスを用いることを抑制します。  また、
                     この値が  termcap(5) や  terminfo(5) に登録されていなかった場合、 fdsh として起動された時の
                     み実行可能です。 端末名は動的に変更可能ですので、  端末表示やキー入力の挙動がおかしい時は、
                     起動後にこの値を適切なものに再設定して下さい。

       THRUARGS      fd   起動時の引数として指定されたパス名をそのままの文字列として素通しします。  旧式の低機能
                     シェルでは  ~${#} といった POSIX 拡張の展開に対応していないため、 fd  は与えられたパス
                     名に含まれるこれらのメタキャラを自身で展開しています。  しかし、 最近の高機能シェルではこれ
                     らの展開は一般的に対応しているため、 シェルから与えられたパス名を  fd  が展開してしまうと二
                     重に展開した結果期待しない文字列に変換することがあります。 この引数展開を抑制するのがこの変
                     数です。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       TMPDIR        アーカイバコマンドが、 アーカイブファイル内のファイルを一時的に伸長するための  作業ディレク
                     トリを設定します。 デフォルト値は  /tmp です。

                     (MS-DOS 版でのデフォルト値は `.'  となります。)

       TMPUMASK      TMPDIR  に一時的に作成されるファイル及びディレクトリのファイル生成マスク値を 8 進数表記で指
                     定します。 但し、 組込みコマンド  umask で設定したマスク値が優先されますので、 実際に用いら
                     れるマスク値はこの値と  umask 値との論理和になります。

       TRADLAYOUT    オリジナル版の『FD』準拠の画面レイアウトにします。 このレイアウトでは、 SIZEINFO 指定の有
                     無に拘らずファイルサイズ情報が表示されます。 但し、 画面の横幅が 80  桁以上ない場合にはこの
                     指定は無効となります。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。

       UNICODEBUFFER UNICODE  変換テーブルをオンメモリで持ち続けるようにします。  フロッピードライブのアクセスや
                     UTF-8 の変換が高速化するので、 メモリ資源が潤沢にある環境では有用でしょう。 0  かナル以外の
                     値であれば、何を定義しても有効です。

       URLDRIVE      URL ドライブ機能を有効にします。 0 かナル以外の値であれば、何を定義しても有効です。 (UNIX)

       URLKCODE      URL  ドライブでホスト側のファイル名に用いる漢字コードを指定します。  このうち  JIS8, JUNET,
                     HEX, CAP 等は Samba で用いられている漢字コードです。 (UNIX)
                         SJIS, sjis     Shift JIS
                         EUC, euc       EUC 漢字
                         JIS, jis       7bit JIS
                         JIS8, jis8     8bit JIS
                         JUNET, junet   ISO-2022-JP
                         OJIS, ojis     7bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJIS8, ojis8   8bit JIS (JIS C6226-1978 + roman)
                         OJUNET, ojunet ISO-2022-JP (JIS C6226-1978 + roman)
                         HEX, hex       HEX
                         CAP, cap       CAP
                         UTF8, utf8     UTF-8
                         UTF8-mac, mac  Mac OS X 用 UTF-8
                         UTF8-iconv     iconv 用 UTF-8
                         デフォルト     変換しない

       URLOPTIONS    URL  ドライブでホストと通信を行なう際の通信オプションを指定します。  FTP  通信の際に  PASV,
                     PORT,  MDTM, FEAT の各コマンドを禁止するか否か、 また HTTP 通信の際に正確なファイル情報を取
                     得するか否かを、 それぞれ独立に選択できます。 HTTP プロトコルでは、  ファイル情報をまとめて
                     取得すると時刻やサイズが丸め誤差を含む値になってしまいますが、 正確な情報を取得するにはファ
                     イル一個ずつの処理が必要なので余分の通信時間を要します。 デフォルト値は  0 です。  設定する
                     値は以下のとおり。 (UNIX)
                         0    標準
                         1    PASV
                         2            PORT
                         3    PASV &  PORT
                         4                    MDTM
                         5    PASV &          MDTM
                         6            PORT &  MDTM
                         7    PASV &  PORT &  MDTM
                         8                            FEAT
                         9    PASV &                  FEAT
                         10           PORT &          FEAT
                         11   PASV &  PORT &          FEAT
                         12                   MDTM &  FEAT
                         13   PASV &          MDTM &  FEAT
                         14           PORT &  MDTM &  FEAT
                         15   PASV &  PORT &  MDTM &  FEAT
                         16                                   HTTP
                         17   PASV &                          HTTP
                         18           PORT &                  HTTP
                         19   PASV &  PORT &                  HTTP
                         20                   MDTM &          HTTP
                         21   PASV &          MDTM &          HTTP
                         22           PORT &  MDTM &          HTTP
                         23   PASV &  PORT &  MDTM &          HTTP
                         24                           FEAT &  HTTP
                         25   PASV &                  FEAT &  HTTP
                         26           PORT &          FEAT &  HTTP
                         27   PASV &  PORT &          FEAT &  HTTP
                         28                   MDTM &  FEAT &  HTTP
                         29   PASV &          MDTM &  FEAT &  HTTP
                         30           PORT &  MDTM &  FEAT &  HTTP
                         31   PASV &  PORT &  MDTM &  FEAT &  HTTP

       URLTIMEOUT    URL ドライブでホストと通信している際のタイムアウトを秒数で指定します。 ここで指定した秒数の
                     間ホストからの通信が途絶えると、 通信が無効になったものと見なして強制的に接続を切断します。
                     この値が   0 秒の時にはタイムアウト処理をせずに永久に応答を待ち続けます。 デフォルト値は  0
                     秒です。 (UNIX)

       USEGETCURSOR  端末サイズ取得時に、 VT100 互換のカーソル位置取得エスケープシーケンスを用います。 fd の画面
                     サイズが端末サイズと一致しないような場合は、     これを有効にすると一致することがあります。
                     カーソル位置取得エスケープシーケンスに対応していない端末では 処理が止まってしまうこともあり
                     ますので、  このような時は、 キーボードから 'R' の文字を入力してやると復帰します。 0 かナル
                     以外の値であれば、何を定義しても有効です。 (UNIX)

       USESYSLOG     LOGLEVELROOTLOGLEVEL で指定したレベルのログをシステムロガー  syslogd(8) に出力します。
                     エラー時のみログ優先度は   LOG_ERR   となり、  それ以外のログ優先度は全て  LOG_INFO  です。
                     facility の指定できる環境では LOG_USER が用いられます。 0  かナル以外の値であれば、何を定義
                     しても有効です。 (UNIX)

       WIDEDIGIT     ページ数やファイル数を表示する桁数を増やします。  標準ではページ数とファイル数はそれぞれ  2
                     桁と  4 桁で表示されますが、 これをそれぞれ  4 桁と  5 桁に拡張します。 0  かナル以外の値で
                     あれば、何を定義しても有効です。

       WRITEFS       WRITE_DIR  コマンドの使用を禁止します。 値を  1 にすると、 明示的にコマンドが実行された時の
                     みディレクトリに対して書込みを行ない、 並び替えの後に書込みの問い合わせをしてこないようにな
                     ります。  値を  2 にすると、コマンドでの実行すら無効になり、 ディレクトリの書込みが一切禁止
                     されます。

       SJISPATH
       EUCPATH
       JISPATH
       JIS8PATH
       JUNETPATH
       OJISPATH
       OJIS8PATH
       OJUNETPATH
       HEXPATH
       CAPPATH
       UTF8PATH
       UTF8MACPATH
       UTF8ICONVPATH
       NOCONVPATH    ファイル名に用いる漢字コードを、ディレクトリ単位で  FNAMEKCODE 以外のものにしたい時に指定し
                     ます。 ':' で区切って複数のパス名を指定できます。 各パス名の指定は、 その漢字コードを使用し
                     たいトップディレクトリだけを記述すれば、 それ以下のディレクトリでは全てその漢字コードのファ
                     イル名が使えます。  NOCONVPATH に記述されているディレクトリでは、 FNAMEKCODE の指定を無視し
                     て一切漢字コードの変換を行ないません。   デフォルトではどれもパス名は一つも指定されていませ
                     ん。 (UNIX)

多国語対応

       コンパイル時の設定により、  「EUC  漢字」と「Shift JIS」で漢字を入出力できます。 漢字を含むパス名の表示に
       は、漢字の 2byte 目に対する考慮がされています。 入出力に関しては、 内部変数  LANGUAGE, INPUTKCODE  及び
       FNAMEKCODE により、動的に漢字コードを選択できます。 文字列の入力では、 かな漢字変換入力モードを用いて日本
       語文字列の入力が可能です。

       コマンドマクロやコマンド文字列内に漢字は使用できますが、 内部変数の値には漢字は使用できません。 '' や
       '' など、2bytes 文字の記号は、 メタキャラクタなどの記号としては用いることができません。 ワイルドカードの
       検索では、漢字は 1 文字として見なされません。

       また、 %JJ などのパラメータマクロを用いて OS 非標準の漢字コードをシェルに渡した場合、  漢字によっては変換
       後のコードが   '$' や  '\' といった シェルのメタキャラを含んでしまい、 期待した動作を示さないことがありま
       す。 このような場合、大抵は  %' で変換したい文字列部分を括ってやることで回避できます。

著者

       白井     隆     <shirai@unixusers.net>。     MS-DOS      用に作られたオリジナルの『FD』は、      A.Idei
       <SDI00544@niftyserve.or.jp> 氏によって 1989 年に 最初に作成、公開されました。 fd はこのインプリメントを模
       して、 1995 年に UNIX 用に一から新たに作成されました。

関連ファイル

       /etc/fd2rc
                 システム共通の  fd 初期設定ファイル
       ~/.fd2rc  個人用の  fd 初期設定ファイル
       ~/.fdshrc 個人用の  fdsh 初期設定ファイル
       ~/.fd_history
                 コマンド履歴のセーブファイル既定値
       ~/.fd_freq
                 かな漢字変換学習用のユーザ変換頻度ファイル既定値
       /bin/sh   環境変数  SHELL が未定義だった場合のユーザシェル
       /bin/rm   異常終了時に不要ファイルを消去するためのコマンド
       /tmp/fd∗  アーカイブファイル伸長のための一時的ディレクトリ
       fd-unicd.tbl
                 fd の起動ディレクトリにインストールされる UNICODE 変換テーブル
       fd-dict.tbl
                 fd の起動ディレクトリにインストールされるかな漢字変換辞書ファイル

       fd2rc     fd の起動ディレクトリに用意しておく MS-DOS 版での共通  fd 初期設定ファイル
       $HOME\fd2.rc
                 MS-DOS 版での個人用の  fd 初期設定ファイル
       $HOME\fdsh.rc
                 MS-DOS 版での個人用の  fdsh 初期設定ファイル
       $HOME\fd.hst
                 MS-DOS 版でのコマンド履歴のセーブファイル既定値

制限事項

       端末の種類によって、 一部のファンクションキーや特殊キーの入力ができないことがあります。 termcap(5) に登録
       されていない機能のデフォルトシーケンスは、  VT200 互換のシーケンスを採用していますが、 端末がこれに対応で
       きていない場合は、 その機能を用いたキーの取得や画面制御ができません。

関連事項

       echo(1), test(1), ls(1), rm(1), tar(1),  compress(1),  zcat(1),  gzip(1),  gunzip(1),  lha(1),  login(1),
       newgrp(1), stty(1), umask(2), termcap(5), terminfo(5), syslogd(8)

バグ

       アーカイブファイル内に  ".."  を含んだパス名で圧縮してある場合は、 アーカイブブラウザが正常に働きません。
       アーカイブファイル内の symbolic リンクは個別に展開できません。

       ユーザインタフェースが稚拙です。

著作権

       Copyright (C) 1995-2014 by Takashi SHIRAI

                                                   May 6, 2014                                             FD(1)