Provided by: kterm_6.2.0-46.2_amd64
NAME
kterm - 多国語用 X 端末エミュレータ
SYNOPSIS
kterm [-toolkitoption ...] [-xtermoption ...] [-option ...]
DESCRIPTION
kterm は、xterm(1) をもとにした、多国語用端末のエミュレー タです。xterm との主な違い は、ISO2022 で符号化された多国語テキス トを扱うことができ、色の付いたテキストを表示で き、ステータスライン機能 を持つという点です。多国語テキストの入力には、X Input Method (XIM) プ ロトコルと、kinput2 プロトコルの両方を利用することができます。詳しくは USING XIM と USING KINPUT2 の節を参照してください。
OPTIONS
kterm は、xterm(1) のコマンドラインオプションに加え、 以下のオプションを受け付けます: -dfl kterm がフォントを動的に(要求があったときに)ロードすることを指示 します。大きな フォントをロードする際に、kterm や X サーバが一瞬 止まってしまうことがあります。 +dfl kterm がフォントをあらかじめロードしておくことを指示します。 -fl fontlist フォントのリストを指定します。fontlist は任意のワイルドカードを 含む XLFD を、カン マで区切って並べたリストです。kterm は、必要な 文字セットを持つフォントをこのリス トから選択します。本リリースでは以下 の文字セットを使用することがあります: "iso8859-1", "iso8859-2", "iso8859-3", "iso8859-4", "iso8859-5", "iso8859-6", "iso8859-7", "iso8859-8", "iso8859-9", "jisx0201.1976-0", "jisx0208.1990-0" または "jisx0208.1983-0", "jisx0212.1990-0", "gb2312.1980-0", "ksc5601.1987-0", "jisc6226.1978-0" または "jisx0208.1983-0"。 -fn iso8859/1-font Latin-1 (ASCII を含む) のテキストを表示する時に用いる、通常の(ボールド でない) ISO8859/1 のフォントを指定します。指定されていない時は、 fontlist の中から探しま す。 -fr roman-kana-font 通常の JISX0201 のフォントを指定します。このフォントは、ISO8859/1 のフォ ントと同 じ高さと幅を持っていなければなりません。指定されていない時は、 fontlist の中から探 します。 -fk kanji-font 漢字テキストを表示する時に用いる通常の JISX0208 のフォントを指定します。 このフォ ントは、ISO8859/1 のフォントと同じ高さで、2倍の幅を持っていな ければなりません。指 定されていない時は、fontlist の中から探しま す。 -flb bold-fontlist -fb bold-font -frb roman-kana-bold-font -fkb kanji-bold-font ボールドフォントを指定します。 -lsp dots このオプションは各行間に挿入するスペースのドット数を指定します。 -ka kterm が X サーバとのソケット接続に KEEPALIVE オプションを用いる ことを指示しま す。サーバが電源をしばしば切る X 端末であるような時に有 用です。 +ka kterm が X サーバとのソケット接続に KEEPALIVE オプションを用いな いことを指示しま す。 -km kanji-mode pty とやりとりされる漢字コードを指定します。漢字モードが ``euc'' の場 合、入出力は 日本語 EUC であると仮定します。``sjis'' の場合、Shift-JIS コード(マイクロソフト漢 字コード)であると仮定します。 -sn デフォルトでは、ステータスラインは(ウインドウの他の部分に対して相対的 に)反転しま す。このオプションはステータスラインを反転しなくします(しか し、箱で囲まれます)。 +sn このオプションはステータスラインを反転します。 -st ステータスラインがスタート時に表示されるようにします。 +st ステータスラインがスタート時に表示されないようにします。 -version 単に kterm のバージョンを表示します。 -xim kterm の起動時に IM をオープン(しようと)することを指示します。適 切な IM サーバが 走っていない場合は、kterm はそれを待つことはなく、 サーバが利用可能になってから接 続を行います。 +xim kterm が起動時に IM をオープンしないことを指示します。
RESOURCES
このプログラムは、xterm のすべてのリソースと同様に、以下の vt100 ウィジェット用リソースも 解釈します。 dynamicFontLoad (class DynamicFontLoad) kterm がフォントを動的にロードするかどうかを指定します。 デフォルトは ``true'' で す。 fontList (class FontList) フォント名のリストを指定します。デフォルトは ``-*-fixed-medium-r-normal--14-*, -*-gothic-medium-r-normal--14-*, -*-mincho-medium-r-normal--14-*'' です。 boldFontList (class FontList) ボールドフォント名のリストを指定します。デフォルトでは指定しません。 font (class Font) Latin-1 のフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 boldFont (class Font) Latin-1 のボールドフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 romanKanaFont (class RomanKanaFont) JIS-Roman と片仮名のフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 romanKanaBoldFont (class RomanKanaFont) JIS-Roman と片仮名のボールドフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 kanjiFont (class KanjiFont) 漢字のフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 kanjiBoldFont (class KanjiFont) 漢字のボールドフォント名を指定します。デフォルトでは指定しません。 kanjiMode (class KanjiMode) pty とやりとりする漢字コードを指定します。デフォルトは ``jis'' です。 lineSpace (class LineSpace) 各行間に挿入するスペース量を指定します。デフォルトは ``0'' です。 keepAlive (class KeepAlive) kterm が X サーバとのソケット接続に KEEPALIVE オプションを用いるかどうか指定しま す。 デフォルトは ``false'' です。 statusLine (class StatusLine) ステータスラインをスタート時に表示します。デフォルトは ``false'' です。 statusNormal (class StatusNormal) ステータスラインが反転しないことを指定します。デフォルトは ``false'' です。 forwardKeyEvent (class ForwardKeyEvent) false だと変換サーバにキーイベントを送りません。この場合、フォーカスが kterm にあ るがポインタは他のウインドウ上にある時には変換サーバは イベントを受け取ることがで きません。その代わり遅いネットワークでは変換 時のレスポンスが改善されることがあり ます。デフォルトは ``true'' です。 openIm (class OpenIm) kterm の起動時に IM をオープン(しようと)するかどうかを指定します。 デフォルトは ``false'' です。 eucJPLocale (class EucJPLocale) 入力メソッドのロケールを、カンマで区切ったリストの形式で指定します。デ フォルト は``ja_JP.eucJP,ja_JP.ujis,ja_JP.EUC,japanese.euc, Japanese-EUC,ja,japan'' で す。詳しくは USING XIM の節を参照してくださ い。 inputMethod (class InputMethod) 入力メソッドモディファイアを指定します。デフォルトでは指定しません。 (これは、環境 変数 XMODIFIERS を使用するという意味です) preeditType (class PreeditType) XIM プロトコルで用いる入力スタイルを、カンマで区切ったリストの形式で指 定しま す。現在は ``OverTheSpot'' と ``Root'' がサポートされています。 デフォルトは ``OverTheSpot,Root'' です。
ACTIONS
vt100 のトランスレーションリソース内で利用できるアクションが以下 のように追加されています: open-im([input-method]) このアクションは、指定された入力メソッドモディファイアの IM をオープン (しよう と)します。もし input-method が省略されれば、最後に指定さ れたモディファイアがその まま使用されます。もし input-method がキー ワード XMODIFIERS ならば、環境変数 XMODIFIERS が使用されます。 close-im() このアクションは IM をクローズします。 begin-conversion(conversion-atom) このアクションは、kinput2 プロトコルを用いて、テキスト入力のための変換 を開始しま す。日本語変換のための conversion-atom は ``_JAPANESE_CONVERSION'' です。
TERMCAP
kterm で利用できる termcap(5) エントリには、``kterm'', ``xterm'', ``vt102'', ``vt100'' お よび ``ansi'' があります。
USING XIM
kterm は、まず国際環境(ロケール)を、vt100 リソース "eucJPLocale" を用いて設定します。環境 変数 LANG は無視されます。これは kterm が日本語 EUC を内部入力コードとして用いているためで す。も し、お使いのシステムが、デフォルトで用意されているロケール名をサポート していない場 合は、app-defaults ファイルに適切に設定してください。その 後 kterm は、ロケールモディファ イアを、リソース "inputMethod" ま たは環境変数 XMODIFIERS に従って設定します。 kterm が、"-xim" オプションで起動されたり、vtMenu 内の "Open Input Method" が選択される と、kterm は単に IM サーバの起動を知ら せるためのコールバックを登録することしかしませ ん。この時点で適切なサー バが走っていたり、後から利用可能になると kterm はそのサーバに接 続します。変換の開始は、IM サーバの設定に依存します。 もし、kterm が kinput2 プロトコルのサーバと接続していると、IM は オープンできません。 さらに詳しい情報(テキストの入力/変換/修正方法など)は変換サーバのドキュ メン ト(kinput2(1))を参照して下さい。 日本語以外の言語 日本語以外の言語を入力するには、vt100 リソース "eucJPLocale" を 必要なロケール名に設定 し、漢字モードを("-km euc" オプション、 "*vt100.kanjiMode: euc" リソース、あるいは vtMenu の "Japanese EUC Mode" エントリを用いて)日本語 EUC に設定してください。日本語 EUC モー ド では、IM から入力された文字は、修正されずに pty に渡されるので、この 方法はどのようなロ ケールに対しても動作するはずです。ただし、この機構は、 将来変更される可能性があります。 注意 接続している IM サーバがあるタイミングで死ぬと kterm がハングし てしまうことがあります。あ る kterm 上でそれに接続しているサーバ、 および、kterm と接続を確立しようとしているサーバを 殺してはいけま せん。IM サーバを殺すときは、どの kterm もそのサーバに接続してい ないことを 必ず確かめてください。 お知らせ kterm は、X11R5 に基づく XIMP プロトコルを用いたサーバとは通信で きません。
USING KINPUT2
デフォルトでは、control-Kanji キーを押すと、kinput2 プロトコルを用いた 日本語テキストのた めの変換が始まります。kinput2(1) などの変換サー バはそれまでに走らせてある必要があり、でな ければ `Conversion Server not found' という警告メッセージが現れます。他の言語について は、もしサー バが利用可能ならば、トランスレーションテーブルを変更することによって、 変換を 開始するためのキーをバインドすることができます。 IM がオープンされ(ようとし)ている場合は、kinput2 プロトコルを用いた変 換は開始できません。 さらに詳しい情報(テキストの入力/変換/修正方法など)は変換サーバのドキュ メン ト(kinput2(1))を参照して下さい。
SEE ALSO
xterm(1), resize(1), X(1), kinput2(1), pty(4), tty(4) ``Xterm Control Sequences''
BUGS
kterm は2バイト文字が1バイト文字の二倍の幅を持っているものと仮定 します。不定幅のフォント は xterm 同様扱うことができません。 本バージョンでは JIS モードで漢字を入力する際、``ESC $ B'' を漢字文字 セットの割当に用いま す。
AUTHORS
以下を含む多くの人々: 佐野勝也 (株式会社東芝), 入江英夫 (ソニー株式会社), 加藤朗 (東京大学), 有座道春 (株式会社 SRA), 石曽根信 (株式会社 SRA), 籠谷裕人 (岡山大学), 武川進 (日本電信電話株式会社)