Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all bug

名称

       grotty - タイプライタ型デバイスのための groff ドライバ

書式

       grotty [ -hfbuodBUv ] [ -Fdir ] [ files...  ]

       -F オプションとパラメータの間に空白を含めることが可能です。

解説

       grotty   は、GNU   troff   の出力をタイプライタ型デバイスのために変換します。通常   grotty
       は、ASCII ベースのシステム上では groff-Tascii, -Tkoi8-r, -Tlatin1, -Tutf8 のいずれかの
       オプションを指定することにより、EBCDIC  ベースのシステム上では -Tcp1047 オプションを指定す
       ることによりそれぞれ起動されます。    ファイル名を指定しない場合は標準入力を読み込みます。
       ファイル名として  -  を指定した場合も標準入力を読み込みます。 出力は標準出力に書き出されま
       す。

       通常 grotty は、ボールド文字 c を `c BACKSPACE c' というシーケンスで、 イタリック文字 c を
       `_ BACKSPACE c' というシーケンスで出力します。 これらのシーケンスは、 ul(1) を通すことによ
       り、端末で表示することができるようになります。 more(1) や less(1) のようなページャも、これ
       らのシーケンスを表示することができます。  less(1) を使って表示する場合は -B または -U オプ
       ションを、 more(1) を使って表示する場合は -b オプションを使用してください。 grotty  は逆改
       行を出力しないので、 col(1) を通す必要はありません。

       フォント記述ファイルには、以下のコマンドを含めることができます。

              internalname n

       ここで、 n は 10 進数の整数です。もし n の 01 ビットがセットされているなら、そのフォントは
       イタリックフォントとして扱われます。 02 ビットがセットされているなら、ボールドフォントとし
       て扱われます。 フォント記述のコードフィールドは、出力時に用いられる文字を指定します。 この
       コードは、 troff\N エスケープシーケンスでも使用されます。

オプション

       -Fdir  フォントとデバイス記述ファイルの検索パスの前に、ディレクトリ dir/devname を追加しま
              す。  name  はデバイス名で、通常は ascii, koi8-r, latin1, utf8, cp1047 のいずれかで
              す。

       -h     出力に水平タブを使用します。水平タブは 8 桁ごとに設定されているものとします。

       -f     フォームフィードを使用します。     最終行に出力するものがないページの最後にフォーム
              フィードが出力されます。

       -b     ボールド文字を出力するのに二重打ちを使わないようにします。

       -u     イタリック文字を出力するのにアンダーラインを使用しないようにします。

       -B     ボールドイタリック文字をただの二重打ちで出力します。

       -U     ボールドイタリック文字をただのアンダーラインで出力します。

       -o     ボールドとアンダーライン以外に二重打ちを用いないようにします。

       -d     すべての \D コマンドを無視します。このオプションを指定しないと、 grotty\D'l...'
              コマンドのうち引数のどちらかが  0   (すなわち水平あるいは垂直線の描画)   であるもの
              を、文字 -, |, + を用いて描画します。

       -v     バージョン番号を表示します。

関連ファイル

       /usr/share/groff_font/devascii/DESC
              ascii デバイス記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devascii/F
              ascii デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devkoi8-r/DESC
              koi8-r デバイス記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devkoi8-r/F
              koi8-r デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devlatin1/DESC
              latin1 デバイス記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devlatin1/F
              latin1 デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devutf8/DESC
              utf8 デバイス記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devutf8/F
              utf8 デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devcp1047/DESC
              cp1047 デバイス記述ファイル

       /usr/share/groff_font/devcp1047/F
              cp1047 デバイスにおけるフォント F 用のフォント記述ファイル

       /usr/share/tmac/tty.tmac
              grotty で用いるマクロ

       /usr/share/tmac/tty-char.tmac
              そのままでは grotty に表示できない文字の表示方法の定義

       EBCDIC  ホストでは、 cp1047 デバイス用のファイルのみがインストールされることに注意してくだ
       さい。

バグ

       grotty は、単純なドキュメントの作成を意図して作られています。

       水平や鉛直方向への小さな移動 (半改行など、1文字、1行より小さな位置決め) を  サポートしてい
       ません。

       水平線、鉛直線以外の \D コマンドはサポートされていません。

       1 行目よりも上に位置する文字(すなわち垂直方向の座標が 0 である文字)は 出力されません。

関連項目

       groff(1), troff(1), groff_out(5), groff_font(5), groff_char(7), ul(1), more(1), less(1)