Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20180315+dfsg-1_all bug

名前

       sigpause - ブロックされたシグナルをアトミックに解放して割り込みを待つ

書式

       #include <signal.h>

       int sigpause(int sigmask);  /* BSD (ただし「備考」を参照) */

       int sigpause(int sig);      /* System V / UNIX 95 */

説明

       この関数を使わないこと。 代わりに sigsuspend(2)  を使うこと。

       関数 sigpause()  はシグナルを待つように設計されている。 この関数はプロセスのシグナルマスク
       (ブロックされたシグナルのセット) を変更し、 シグナルが到着するのを待つ。  シグナルが到着す
       ると、シグナルマスクは元に戻される。

返り値

       sigpause()   が返った場合、この関数はシグナルによって割り込まれている。  返り値は  -1 で、
       errnoEINTR に設定される。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       sigpause() 関数はスレッドセーフである。

準拠

       System V 版の sigpause()  は POSIX.1-2001 で標準化されている。

注意

   歴史
       この関数の古典的な  BSD  版は  4.2BSD  で登場した。   この関数はプロセスのシグナルマスクを
       sigmask  に設定する。  UNIX 95 では BSD 版と互換性のない System V 版のこの関数が標準化され
       た。 UNIX 95 版は、指定されたシグナル  sig  をプロセスのシグナルマスクから削除するだけであ
       る。  同じ名前で互換性のない 2 つの関数があるという不幸な事態は、 sigsuspend(2) 関数によっ
       て解消された。 この関数は (int の代わりに)  sigset_t * 引き数をとる。

   Linux での注意
       Linux では、このルーチンは Sparc (sparc64) アーキテクチャーでのみ システムコールとなってい
       る。

       機能検査マクロ  _BSD_SOURCE  が定義され、  _POSIX_SOURCE,  _POSIX_C_SOURCE, _XOPEN_SOURCE,
       _GNU_SOURCE, _SVID_SOURCE のいずれも定義されていない場合、 glibc は BSD 版を使う。  それ以
       外の場合には、System V 版を使用する (宣言を得るためには _XOPEN_SOURCE が定義されていなけれ
       ばならない)。 glibc 2.19 以降では、 <signal.h> では System V 版だけが公開される。 BSD 版の
       sigpause()  を使用していたアプリケーションは  sigsuspend(2) を使用するように修正すべきであ
       る。

関連項目

       kill(2),   sigaction(2),   sigprocmask(2),    sigsuspend(2),    sigblock(3),    sigvec(3),
       feature_test_macros(7)

この文書について

       この  man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部である。 プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。