Provided by: timidity_2.14.0-8ubuntu1.22.04.1_amd64
名前
TiMidity++ - MIDI-to-WAVE変換およびプレーヤー
書式
timidity [options] filename [...]
説明
TiMidity++ は,標準 MIDI ファイル(*.mid),RCP ファイル(*.rcp, *.r36, *.g18, *.g36)あるいは Module ファイル(*.mod)を,RIFF WAVE 形式等 のオーディオファイルへ変換するコンバータで す。各種 MIDI ファイルからデ ィジタルオーディオデータを生成するために,Gravis Ulstarsound 互換の patch ファイル,あるいは AWE32/64 の SFX,SF2 ファイルなどを使用します。 TiMidity++ によって生成されたデータは,更に加工するためにファイル に格納したり,オーディオデバイスを 使ってリアルタイムに演奏したりするこ とができます。 リアルタイム演奏時には,KAR ファイルや WRD ファイルなどを読み込んで,歌 詞を表示することも できます。
ファイル名
filename には,以下の表記が使用可能です。 - 標準入力から読み込んだ MIDI ファイルを演奏します。 path/filename ディスク上のファイルを演奏します。 dir:directory directory/ directory 内すべてのファイルを演奏します。例えば, % timidity some/where/ として起動すると,some/where/ ディレクトリ内すべてのファイルが演 奏されます。 アーカイブファイル アーカイブファイルから MIDI ファイルを展開しながら演奏します。アーカイ ブファイル中 の個々のファイルを指定するには,アーカイブファイル名の後に 続けて `#' を記述し,そ の後に続けてアーカイブ中のファイル名を指定します。 `#' の後は UNIX shell の正規表現 のパターンになっています。ただし,UNIX shell の正規表現とは少し異なり,大文字/小文 字は区別されません。 ここで,\xHH という表現は,16 進数 `HH' で表した ASCII 文字列に マッチします。 例: % timidity file.zip#file.mid file.zip 中の file.mid ファイルを演奏します。 % timidity file.lzh#*.mid file.lzh 中の *.mid にマッチするファイルを演奏します。 % timidity file.tgz#* これは file.tgz と等価です。 これらは自前で展開していますので,Windows でもこれらのファイルを読むこ とができま す。 TiMidity++ が内部で展開できるアーカイブ形式は以下の通りです。 tar ファイル(*.tar) tar+gzip ファイル(*.tar.gz, *.tgz) zip ファイル(*.zip) lzh ファイル(*.lzh *.lha) (lh0,lh1,lh2,lh3,lh4,lh5,lh6,lz4,lzs,lz5 に対応) なお,これ以外でも,拡張子に対してその展開コマンドがコンパイル時に定義 されている場 合,TiMidity++ は指定された展開コマンドにファイルをパ イプで流しこみ,展開します。 news://news-server[:port]/Message-ID news://news-server[:port]/newsgroup[/first-last] news-server に保存されている MIDI ファイルを演奏します。 newsgroup を指定すると,そ のグループに投稿されている MIDI ファイ ルを演奏します。 news://* で指定したファイルは MIME の Multi Part を認識し,そこに 投稿されている MIDI ファイルを展開して演奏することができます。また通常 のファイルであって も,*.mime という拡張子で保存するか,あるいはファイル 名に mime: というプレフィック スを指定して入力すると MIME を認識し ます。 現在,以下のフォーマットが認識できます。 uu-encoded file begin という文字から始まっている行が必要 base64 encoded Content-Transfer-Encoding: base64 が必要 quoted-string Content-Transfer-Encoding: quoted-string が必要 Mac BinHex format HQX のみ対応 http://address ftp://address URL で指定した MIDI ファイルを演奏します。 例: % timidity http://www.goice.co.jp/member/mo/dist/midi/impromptu.mid ネットワークを介して MIDI ファイルを演奏します。 同様に,*.cfg ファイル内で URL を指定すればリモートのパッチファイルを利 用すること もできます。
入力ファイル
TiMidity++ が自分で認識し,演奏することができる MIDI ファイルの形 式は以下の通りです。 .mid, .rmi (Format 0, 1, 2) 標準 MIDI ファイル(SMF)です。 .rcp, .r36, .g18, .g36 (レコンポーザ形式) カモンミュージック社製レコンポーザ形式ファイルです。 .mfi (MFi Version 3 - i モード用メロディ形式) 最近流行りの携帯電話の着メロも再生できます。 .kar (Karaoke フォーマット) Lyric Meta Event と同じように,歌詞が表示されます。 .mod, mod.* (Module ファイル) .wrd (WRD 形式)
オプション
TiMidity++ では次のコマンドラインオプションが使用可能です。 -A [n][,m](a) --amplification=n --drumpower=m --[no-]volume-compensation 全体の音量を n% にします。デフォルトでは 70 です。大きな値 を指定するほど大きな音に なります。また,通常音色の音量とドラム音色の音 量の比率(ドラムパワー)を m% にしま す。デフォルトでは 100 で す。それぞれ,0 (無音)から 800 までの値が有効です。 さらに,-a オプションに `a' の文字を付加するか, --volume-compensation オプションを 指定することにより,音量自動 補正機能を有効にします。この機能は,MIDI データの MAINVOLUME を最大音量 (0x7f)に正規化するもので,できるだけダイナミックレンジを稼 ぐ,曲間での 音量格差を小さくする,などの目的で使用されます。 例: -A90 音量 90%,ドラム比 100%,補正無 -A,120 音量 70%,ドラム比 120%,補正無 -A90,120 音量 90%,ドラム比 120%,補正無 -Aa 音量 70%,ドラム比 100%,補正有 -A90a 音量 90%,ドラム比 100%,補正有 -A,120a 音量 70%,ドラム比 120%,補正有 -A90,120a 音量 90%,ドラム比 120%,補正有 -a, --[no-]anti-alias アンチエイリアシングを有効にします。-s オプションで低いサンプリ ングレートを指定し たときに,折り返し雑音と呼ばれる不自然な成分が発生す ることがあります。-a オプショ ンで起動することで,この不自然な成 分を取り除くことができます。 -B n,m, --buffer-fragments=n,m 音源にデータを書き込む時の分割数(バッファフラグメント) n およびバ ッファサイズ 2^m を指定します。n は,0 から 1000 までの値が有効です。フラグメントの数を大きくする と,プロセス が多数動いている時の音切れが減りますが,早送り,巻き戻し,ボリューム制 御などに対する反応は遲くなります。また,状態表示も同期が取れなくなりま す。n を 0 にすると,できるだけ大きなフラグメントの値を取り ます。このオプションは Linux,FreeBSD,Windows のみで有効です。 -C n, --control-ratio=n 制御レートを指定します。TiMidity++ では,エンベロープやトレモロな どの音量計算を 1 サンプルごとに行うのではなく,複数のサンプルをまとめて 計算することで高速化を図って います。すなわち,n サンプルごとに, エンベロープやトレモロの音量が再計算されていま す。n の値を小さく すればするほど音質が良くなりますが,その分 CPU パワーを必要とし ます。 n には 1 から 255 までの値を指定することができます。 デフォルトでは 1 msec に相当するサンプル数となっています。 -c file, --config-file=file TiMidity++ の設定ファイル file を読み込みます。 TiMidity++ のデフォルトの設定ファイ ルを読み込んだ後,file が読み込まれます。 -D n, --drum-channel=n n チャンネル目をドラムチャンネルにします。-D -n の ように指定すると, n チャンネル 目をドラムではなく,メロディチャン ネルにすることできます。n に 0 を与えると,すべ てのチャンネ ルがメロディチャンネルになります。 -d dir, --interface-path=dir ダイナミックリンクインタフェースモジュールがインストールされているディ レクトリを dir で指定します。 -E mode, --ext=mode TiMidity++ シーケンサの拡張モードを指定します(複数指定可)。以下の mode が指定できま す。 w/W, --[no-]mod-wheel モジュレーションホイール制御を有効/無効にします。 p/P, --[no-]portamento ポルタメント制御を有効/無効にします。 v/V, --[no-]vibrato NRPN ビブラート制御を有効/無効にします。 s/S, --[no-]ch-pressure チャンネルプレッシャー制御を有効/無効にします。 e/E, --[no-]mod-envelope モジュレーションエンベロープを有効/無効にします。 t/T, --[no-]trace-text-meta すべての/特定のテキストメタイベントをトレースします。 o/O, --[no-]overlap-voice 同一音の重なったボイスを許します/許しません(前の音は消音されます)。 z/Z, --[no-]temper-control MIDI Tuning Standard の音律制御を有効/無効にします。 mHH, --default-mid=HH デフォルトマニュファクチュア ID を 2 桁の16進数 HH で指定します。 このとき,HH を GS/gs,XG/xg,GM/gm にすること で,それぞれ 41,43,7e を指 定したことになります。 入力ファイルから音源を自動的に認識できないような場合には,このパラメー タで デフォルトの ID を指定することができます。 MHH, --system-mid=HH システムマニュファクチュア ID を 2 桁の16進数 HH で指定します。 このオプションで指定されたマニュファクチュア ID は固定され,入力ファイ ルか らのマニュファクチュア ID は無視されます。 bn, --default-bank=n パッチのデフォルトのバンクを n にします。この設定は,MIDI の Bank select メッセージにより変更されます。 Bn, --force-bank=n -Eb と異なり,すべてのチャンネルのパッチのバンクを常に n にします。n を省略 するとデフォルトの動作になります。 in[/m], --default-program=n[/m] デフォルトのプログラム番号を n にします。デフォルトでは n は 0(通常はピア ノ)となっています。 また,n の後に /m を付けると,チャンネル m のデフォル トのプログラム番号を指 定することができます。/m を省略した場合には, 全チャンネルに対する指定となり ます。 In[/m], --force-program=n[/m] プログラム番号を常に n にします。この設定は,MIDI の Program change メッセー ジを受け取っても変更されません。 また,n の後に /m を付けると,チャンネル m のプログラ ム番号を指定することが できます。/m を省略した場合には,全チャンネ ルに対する指定となります。 F args エフェクトオプションです。以下の args が指定できます。 delay=(d|l|r|b)[,msec], --delay=(d|l|r|b)[,msec] イヤホンで聞いた時の音の臨場感を出すようにします。 d, 0 ディレイを無効(Disable)にします(デフォルト)。 l, 1 左(Left)ディレイを有効にします。主に左から音が聞こえてきます。 r, 2 右(Right)ディレイを有効にします。主に右から音が聞こえてきま す。 b, 3 左右(Both)ローテートを有効にします。ときどき,左右の音場が変化 します。 msec は左右のディレイタイムを指定するオプションです。 chorus=(d|n|s)[,level], --chorus=(d|n|s)[,level] d, 0 コーラスを無効(Disable)にします。 n, 1 標準的(Normal)な MIDI コーラス制御を有効にします(デフォルト)。 s, 2 サラウンド(Surround)コーラスを有効にします。 level はコーラスレベル 0 から 127 を指定するオプショ ンです。 reverb=(d|n|g)[,level], --reverb=(d|n|g)[,level] reverb=(f|G)[,level,scaleroom,offsetroom,predelay] --reverb=(f|G)[,level,scaleroom,offsetroom,predelay] d, 0 MIDI リバーブ制御を無効(Disable)にします。 n, 1 標準的(Normal)な MIDI リバーブ制御を有効にします。 g, 2 グローバル(Global)リバーブを有効にします。 f, 3 Freeverb MIDI リバーブ制御を有効にします(デフォルト)。 G, 4 グローバル Freeverb MIDI リバーブ制御を有効にします。 level はリバーブレベル 0 から 127 を指定するオプショ ンです。 Freeverbを有効にした場合には,追加のオプションとして scaleroom, offsetroom および predelay を指定できます。 scaleroom と offsetroom は以下のリバーブのルームサイズの 計算に対する変数です roomsize = C * scaleroom + offsetroom ここで C はリバーブのキャラクタを表します。 predelay はリバーブのプリ ディレイに対する倍率を百分率で指定しま す。 いずれのパラメータも省略 可能です。 デフォルトはそれぞれ 0.28,0.7,100 です。 vlpf=(d|c|m), --voice-lpf=(d|c|m) d, 0 ボイス単位 LPF を無効(Disable)にします。 c, 1 Chamberlin レゾナント LPF (12dB/oct)を有効にします(デフォル ト)。 m, 2 Moog レゾナントローパス VCF (24dB/oct)を有効にします。 ns=n, --noise-shaping=n n 次ノイズシェーピングフィルタを有効にします。ディケイでの歪みが 改善 されますが,ノイズが高域にシフトし聴感上のノイズも増えます。8 ビッ ト 線形符号化のとき,n には 0 から 4 までの値を指定す ることができま す。0 のときフィルタは機能せず,4 のとき最大 の効き方となります。デ フォルトでは 4 です。16 ビット線形符号化の とき,n には 0 から 4 まで の値を指定することができま す。値によって,下記の動作になります。デ フォルトでは 4 です。 0 ノイズシェーピングなし 1 従来のノイズシェーピング 2 過負荷風ソフトクリッピング + 新ノイズシェーピング 3 真空管風ソフトクリッピング + 新ノイズシェーピング 4 新ノイズシェーピング resamp=(d|l|c|L|n|g), --resample=(d|l|c|L|n|g) d, 0 補完処理を無効(Disable)にします。 l, 1 線形(Linear)補完アルゴリズムを有効にします。 c, 2 C スプライン補完アルゴリズムを有効にします。 L, 3 ラグランジュ(Lagrange)補完アルゴリズムを有効にします。 n, 4 ニュートン(Newton)補完アルゴリズムを有効にします。 g, 5 ガウス(Gauss)風補完アルゴリズムを有効にします(デフォルト)。 -EFresamp は -N オプションの挙動に影響します。 -e, --evil TiMidity++ のスレッドプライオリティを上げます。Windows のみで有効 です。このオプ ションを有効にすると,TiMidity++ 以外のプログラムが ほとんど動作できなくなる evil モードに入ります。 -F, --[no-]fast-panning ファーストパンを指定します。このオプションを指定すると,Note ON のまま の状態で Midi control change 10: Panning が有効になります。デフォルトで はすぐには変化しない で,音量の再計算が必要になったときに変化します。改 良版ではトグルオプションになって います。 -f, --[no-]fast-decay ファーストディケイを指定します。このオプションを指定にすると,エンベロ ープの変化時 間が半分になり高速に動作します。ただし,音の立ち上がりとリ リース時間が短くなってし まいます。 -g sec, --spectrogram=sec サウンドスペクトログラムを表示する Window を開きます。このオプションは X Window System がサポートされている環境のみで動作します。サウンドスペ クトログラムは声紋の ようなもので,スペクトラムの時間変化を表現したもの です。 -H n, --force-keysig=n 調号の数を指定します。n が正の場合は♯(シャープ)の数,n が 負の場合は♭(フラット)の数 のキーに移調ながら,MIDI ファイルを演奏します。 n には -7 から 7 までの値を指定する ことができます。 例えば,n に -1 を与えると,いかなる調性の MIDI ファイルで あって も,♭(フラット)が 1 個のヘ長調あるいはニ短調に移調しながら演奏す るので,演奏しやす い調性で楽器を練習するときの伴奏などに使うと便利です。 -h, --help TiMidity++ のオプションの簡単な説明を表示します。 -i mode, --interface=mode --realtime-priority=n --sequencer-ports=n ユーザインタフェースを指定します。環境によって利用可能なインタフェー スが異なりま す。 ALSA シーケンサインタフェースでは,別途 --realtime-priority オプションにより,リア ルタイム・プライオリティを指定できます。また, --sequencer-ports オプションによ り,シーケンサのポート数を指定 できます。デフォルトでは 4 です。 以下の mode が存在します。 -id dumb インタフェース -in ncurses インタフェース -is S-Lang インタフェース -ia X Athena Widget インタフェース -ik Tcl/Tk インタフェース -im Motif インタフェース -iT vt100 インタフェース -ie Emacs インタフェース Emacs 上から ``M-x timidity'' により起動されます。 -ii skin インタフェース 環境変数 TIMIDITY_SKIN に,使用する skin のパス(圧縮状態でもよい) を指定して おいてください。 -ig GTK+ インタフェース -ir MIDI サーバインタフェース -iA ALSA シーケンサインタフェース -iW Windows シンセサイザインタフェース -iw Windows GUI インタフェース -iP PortMIDI シンセサイザインタフェース -ip UMP インタフェース インタフェースオプション 上記オプションに続けて,以下の文字列を追加することができます(複数指定化)。 v, --verbose=n 冗長表示のレベルを累積的に上げます。 q, --quiet=n 冗長表示のレベルを累積的に下げます。 t, --[no-]trace トレース表示を on/off します(トグル)。 l, --[no-]loop ループ再生します(インタフェースによっては無視されます)。 r, --[no-]random 再生前にファイルリスト順をランダムにします。 s, --[no-]sort 再生前にファイルリスト順をソートします。 D, --[no-]background TiMidity++ をバックグラウンドでデーモン化します(alsaseq のみ)。 -j, --[no-]realtime-load このオプションを有効にすると,演奏しながらパッチファイルを読み込みます。 -K n, --adjust-key=n n 半音単位でキーを調節(移調)します。n には -24 から 24 までの値を指定することができ ます。 -k msec, --voice-queue=msec ボイスを減少させるオーディオキュータイムを指定します。 -L path, --patch-path=path サーチパスに path を追加します。patch ファイル,設定ファイル, MIDI ファイルなど は,このサーチパスに従って探索されます。最後に加えられ たディレクトリは最初に探索さ れます。ただし,このサーチパスに関係なく, カレントディレクトリがいつも最初に探索さ れるので注意すること。 -M name, --pcm-file=name 演奏する PCM ファイル名(*.wav または *.aiff)を指定します。name に auto を指定する と,*.mid.wav または *.mid.aiff を演奏します。 name に none を指定すると,この機能 を無効にします(デフォル ト)。 -m msec, --decay-time=msec サステインしたノートがディケイされるまでの最大時間を指定します。 -m0 サステイン減衰を無効にして,サステインボリュームを一定にします(デフォル ト)。 -m1 サステインが存在しないものとします。音量減衰は,標準のステージ 3 と同じ で す。 -m3000 最大音量のノートがサステイン状態になってから 3 秒 で減衰します(ス テージ 3 の rate がそれ以上伸びないものとします)。十分小さくなったノー トは,もちろん すぐに消えます。 -N n, --interpolation=n 補完パラメータを指定します。-N オプションの挙動は -EFresamp オプション指定に依存し ます。 cspline, lagrange 4 点補完を指定します。デフォルトでは有効です。 newton n 次のニュートン補完を指定します。n には 1 から 57 までの奇数を指定すること ができます。 gauss n+1 点ガウス風補完を指定します。n には 1 から 34 までの整数を指定することが できます。デフォルトでは 25 で す。 オーディオキューが 99% 以下のときは,線形補完が使われます。 -O mode, --output-mode=mode --flac-verify --flac-padding=n --flac-complevel=n --oggflac --speex-quality=n --speex-vbr --speex-abr=n --speex-vad --speex-dtx --speex-complexity=n --speex-nframes=n 出力モードやフォーマットを指定します。 Ogg FLAC 出力モードでは,別途 --flac-verify, --flac-padding,--flac-complevel,--oggflac オプションにより,それぞれ元波形とのべ リファイ(圧縮速度が少し遅くなる), ファイルヘッダのパディング長(デフォルトで は4096),0 から 8 までの圧縮レベル(デフォルトでは5),OggFLAC ストリームで出 力を指 定できます。 Ogg Speex 出力モードでは,別途 --speex-quality, --speex-vbr,--speex-abr,--speex-vad, --speex-dtx,--speex-complexity オプション により,そ れぞれ0 から 10 までの圧縮品質(デフォルトでは 8), VBR で出力,レート n の ABR で出力,VAD(voice activity detection) で出力,DTX(discontinuous transmission) で出力,0 から 10 までの解析の複雑さ(デフォルトでは 3),0 から 10 ま で のOgg パケット内のフレーム数(Speex の処理単位)(デフォルトでは 1) を指定できま す。 以下の mode が有効です。 -Od オーディオデバイスに出力します(デフォルト)。 -Os ALSA オーディオデバイスに出力します。 -Or ヘッダのないオーディオのデータ部分のみを出力します。下記のすべてのフォ ー マットオプションが使えます。一般的なフォーマットは以下の通りです。 -OrU μ-Law -Or1sl 16 ビット符号あり線形符号化 -Or8ul 8 ビット符号なし線形符号化 -Ou Sun Audio (au)ファイルを出力します。 -Oa AIFF(Audio Interchange File Format) ファイルを出力します。 -Ow RIFF WAVE ファイルを出力します。出力がシーケンシャルファイルだったり, TiMidity++ がファイルを閉じる前に中断された場合,ファイルヘッダは 0xffffffff の RIFF およびデータブロック長フィールドを含みます。著名なサ ウンド変換ユー ティリティ sox は,そのような規格外のファイルを読めるので, 別フォーマットへ のオンザフライ変換として,sox に直接データをパイプでき ます。 -Ol MIDI イベントのリストを出力します。 -OM MOD ファイルから MIDI ファイルに変換して出力します。 -Oe EsounD -Op PortAudio -Oj JACK -OR aRts -OA Alib -Ov Ogg Vorbis -OF Ogg FLAC -OS Ogg Speex -OO libdao フォーマットオプション 上記オプションに続けて,以下の文字を追加することで出力フォーマットを指 定で きます(複数可)。 S, --output-stereo ステレオ M, --output-mono モノラル s, --output-signed 符合あり出力 u, --output-unsigned 符合なし出力 1, --output-16bit 16 ビットサンプル精度 2, --output-24bit 24 ビットサンプル精度 8, --output-8bit 8 ビットサンプル精度 l, --output-linear 線形符合化 U, --output-ulaw μ-Law 符合化 A, --output-alaw A-Law 符合化 x, --[no-]output-swab バイト反転出力 一部のモードでは,指定しても効果がないオプションがあります。例えば,バ イト 反転した RIFF WAVE ファイルを作ることはできませんし,μ-Law 出力は Linux PCM デバイスに対しては使用できません。 -o file, --output-file=file 出力ファイル名を指定します。出力先がファイルでない場合はこのオプション は無視されま す。file を `-' にすると標準出力に出力されます。 -P file, --patch-file=file すべての楽器を file(パッチ) を用いて演奏します。 -p [n](a) --polyphony=n --[no-]polyphony-reduction 最大同時発音数を n にします。 さらに,-p オプションに `a' の文字を付加するか, --polyphony-reduction オプションを 指定することにより,自動で発 音数の減少させることを可能にします。デフォルトでは有効 です。 -Q n[,...](t) --mute=n[,...] --temper-mute=n[,...] n チャンネル目を演奏しないようにします。`,' で区切って,複数のチ ャンネルを指定する ことができます。n に 0 を指定すると,すべ てのチャンネルを演奏しないようにしま す。続けて,-n を指定するこ とにより,n チャンネル目だけを演奏することができます。 一方,-Q オプションに `t' の文字を付加するか, --temper-mute オプションを指定するこ とにより,音律種別 n をミュートします。n には,プリセット音律種別として 0 から 3 ま での値を,ユーザ定義音律種別として 4 から 7 までの値を指定することができます。 -q sec/n, --audio-buffer=sec/n オーディオ最大バッファを sec 秒,オーディオ開始バッファを n% にします。デフォルトで は 5.0/100 です。100% のサイズはデ バイスバッファサイズと等価です。 -R msec エンベロープリリースを msec に修正して音響効果を得ます(疑似リバー ブ)。msec が 0 の とき,msec は 800 に設定されま す。 -S n, --cache-size=n リサンプリングキャッシュの大きさをバイト数で指定します。頻繁に用いられ るサンプル は,あらかじめリサンプリングしておくことで高速化しています。 ただし,ビブラートや ピッチベンドなどによってピッチが変化するサンプルは キャッシュされません。0 を指定す ると,まったくキャッシュしません。 デフォルトでは n は 2097152 (2MB)となっていま す。 -s freq, --sampling-freq=freq 再生サンプルレート(Hz または kHz)を指定します。 -T n, --adjust-tempo=n テンポを n% に調節します。n を 120 にすると,MOD ファ イルを NTSC Amiga のタイミン グで演奏します。 -t code, --output-charset=code テキストの出力文字コードを指定します。以下の code が指定可能です (大文字小文字は区 別されません)。 auto LANG 環境変数によってコードが決まります。 ascii 非可読 ASCII をピリオド(0x2e)に変換して出力します。 nocnv 出力文字コードを変換しません。 1251 windows-1251 から koi8-r に変換して出力します。 euc EUC コード(japan)で出力します。 jis JIS コードで出力します。 sjis SJIS コードで出力します。 -U, --[no-]unload-instruments このオプションを有効にすると,演奏ごとに毎回,パッチに割り当てられてい たメモリを解 放します。 -V power, --volume-curve=power ベロシティ/ボリューム/エクスプレッションカーブを amp=vol^power で power の値が 0 で 自動,1 で線形,約 1.661 で理 想,約 2 で GS 設定となります。 -v, --version TiMidity++ のバージョン情報を表示します。 -W mode, --wrd=mode 入力ファイルの拡張子を .WRD または .wrd に変更したファイルが存在すれば, それを WRD ファイル として読み込み,そのコマンドと歌詞を表示します。 表示方法は以下の通りです。 x X Window System を使用して,グラフィカルに WRD を表示します。 w Windows コンソール上に WRD を表示します。 t エスケープシーケンスを使用して,WRD に含まれる文字情報を表示します。 d WRD のイベント情報をそのまま出力します。 - WRD のトレースを行いません。 R[opts] WRD 読み込み時の設定を行います。 a1=b1,a2=b2,... WRD 読み込み時のオプションを指定します。an にオプション名, bn にその 値が入ります。 d=n @WAIT,@WMODE まわりの MIMPI のタイミングに関するバグをエミュレートし ま す。以下のオプションでエミュレートレベルを変更できます。 -WRd=0 MIMPI のバグをエミュレートしないで,規格通りに動作します。 -WRd=1 おそらく間違いないと思われるバグのみをエミュレートします(デ フォルト)。 -WRd=2 怪しいバグまでエミュレートします。 エミュレートレベルをあげると,今までタイミングが合っていたものがずれ る 可能性があります。 F=file WRD ファイル名を指定します。WRD ファイルが見つからない場合のみ,指定 し た file が WRD ファイルとして用いられます。 f=file WRD ファイル名を指定します。常に指定した WRD ファイル file を用い ま す。 なお,WRD はトレースモードで実行しないとタイミングが合いません。 -w mode, --rcpcv-dll=mode Windows 用の拡張モードのオプションです。以下の mode が有効です。 -w r rcpcv.dll を使用します。 -w R rcpcv.dll を使用しません(デフォルト)。 -x str, --config-string=str 指定した文字列で TiMidity++ の設定を行います。str の書式は timidity.cfg と同じで す。例えば -x'bank 0\n0 violin.pat' とすると 0 番で指定される音色ををバイオリンにすることができます。 -x に続く文字列中 の `\' (ASCII 0x5c)は特別文字として扱われ,そ れ以降の文字(列)に対し,C 言語のリテ ラルと同様の展開が行われます。例え ば,`\n' は改行を意味します。 -Z file, --freq-table=file 周波数テーブルを読み込みます。file に ``pure'' を指定すると,簡易 純正律で演奏しま す。 -Zpure[n(m)], --pure-intonation=[n(m)] MIDI ファイルの Key Signature メタイベントに基づき,簡易的な純正律で演 奏し ます。MIDI ファイルに Key Signature メタイベントが含まれていない場 合は,初 期の調性として n(m) を指定することで,正しい純正律演奏が 可能となります。n は調号の数で,♯(シャープ)の場合は正の数,♭(フ ラット)の場合は負の数を指定し ます。n には -7 から 7 までの値を指定することができます。さらに,短調の場合 は `m' の文字を付加 します。 --module=n 特定の音源モジュールの動作をできるだけ真似ます。今のところ,定義されて いる n の値 は次のとおりです。 0 TiMidity++ デフォルト 1 Roland SC-55 2 Roland SC-88 3 Roland SC-88Pro 4 Roland SC-8850 5-15 GS 用にリザーブ 16 YAMAHA MU-50 17 YAMAHA MU-80 18 YAMAHA MU-90 19 YAMAHA MU-100 20-31 XG 用にリザーブ 32 SoundBlaster Live! 33 SoundBlaster Audigy 34-111 任意の音源モジュール用にリザーブ 112 TiMidity++ スペシャル 1 113-126 TiMidity++ 特定目的用にリザーブ 127 TiMidity++ デバッグ
関連項目
lsmidiprog(1), mididump(1), patinfo(1), sf2text(1), wav2pat(1), timidity.cfg(5)
著作権
Copyright (C) 1999-2004 Masanao Izumo <iz@onicos.co.jp> Copyright (C) 1995 Tuukka Toivonen <tt@cgs.fi> The original version was developed by Tuukka Toivonen <tt@cgs.fi> until the release of TiMidity-0.2i. His development was discontinued because of his being busy with work. This program is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or (at your option) any later version. This program is distributed in the hope that it will be useful, but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the GNU General Public License for more details. You should have received a copy of the GNU General Public License along with this program; if not, write to the Free Software Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston, MA 02111-1307 USA
入手元
TiMidity++ は 改良版 TiMidity のページ URL http://www.timidity.jp/ で手に入ります。
バグ
小さな CPU-time-eating 獣よりも CPU time を喰う。
著者
Version 0.2i and earlier: Tuukka Toivonen <tt@cgs.fi> Vincent Pagel <pagel@loria.fr> Takashi Iwai <tiwai@suse.de> Davide Moretti <dave@rimini.com> Chi Ming HUNG <cmhung@insti.physics.sunysb.edu> Riccardo Facchetti <riccardo@cdc8g5.cdc.polimi.it> TiMidity++: 出雲正尚 (IZUMO Masanao) <iz@onicos.co.jp> 原田智和 (HARADA Tomokazu) <harada@prince.pe.u-tokyo.ac.jp> 山手圭一郎 (YAMATE Keiichirou) <keiich-y@is.aist-nara.ac.jp> 木竜雅樹 (KIRYU Masaki) <mkiryu@usa.net> 青木大輔 (AOKI Daisuke) <dai@y7.net> 松本庄司 (MATSUMOTO Shoji) <shom@i.h.kyoto-u.ac.jp> 小柳雅明 (KOYANAGI Masaaki) <koyanagi@okilab.oki.co.jp> 今井邦彦 (IMAI Kunihiko) <imai@leo.ec.t.kanazawa-u.ac.jp> 野上貴哉 (NOGAMI Takaya) <t-nogami@happy.email.ne.jp> 渡辺尊紀 (WATANABE Takanori) <takawata@shidahara1.planet.kobe-u.ac.jp> 竹川視野 (TAKEKAWA Hiroshi) <sian@big.or.jp> 長野大介 (NAGANO Daisuke) <breeze.nagano@nifty.ne.jp> 木下浩介 (KINOSHITA Kosuke) <kino@krhm.jvc-victor.co.jp> 重村法克 (SHIGEMURA Norikatsu) <nork@ninth-nine.com> 山幡為佐久 (YAMAHATA Isaku) <yamahata@kusm.kyoto-u.ac.jp> 荒井良重 (ARAI Yoshishige) <ryo2@on.rim.or.jp> Glenn Trigg <ggt@netspace.net.au> Tim Allen <thristian@usa.net> Michael Haardt <michael@moria.de> Eric A. Welsh <ewelsh@ccb.wustl.edu> Paolo Bonzini <bonzini@gnu.org> 木本雅彦 (KIMOTO Masahiko) <kimoto@ohnolab.org> 岩井隆 (IWAI Takashi) <tiwai@suse.de> Saito <saito2@digitalme.com> 佐藤研太郎 (SATO Kentaro) <kentaro@ps.catv.ne.jp> 田向正一 (TAMUKI Shoichi) <tamuki@linet.gr.jp> 卜部昌平 (URABE Shohei) <root@mput.dip.jp> 末永圭司 (SUENAGA Keishi) <s_keishi@mutt.freemail.ne.jp> SUZUKI Koji <k@kekyo.net> (敬称略・順不同) これ以外にも,TiMidity++ メーリングリストの皆様をはじめ多くの方か ら情報,バグ報告などを頂 いています。 WRDで使用される端末ターミナルエミュレーションのコードは X Consotium 等の kterm のコードの 一部を取り込み,またそれを参考に実装を行いました。 和訳は松本庄司(MATSUMOTO Shoji <shom@i.h.kyoto-u.ac.jp>)。この和訳は正 確かどうかは保証で きません。あなたがこの和訳の使用でいかなる損害を受け ても責任は持ちません。 TiMidity++ のオプション,cfg ファイルの解説は出雲正尚(IZUMO Masanao <iz@onicos.co.jp>)が, その nroff 化,およびマニュアルのリライトは長野大介(NAGANO Daisuke <breeze.nagano@nifty.ne.jp>)が行いました。 現在は,田向正一(TAMUKI Shoichi <tamuki@linet.gr.jp>)と卜部昌平(URABE Shohei <root@mput.dip.jp>)が,マニュアルをメンテナンスしています。