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名前
getgrent_r, fgetgrent_r - グループファイルエントリーをリエントラント (reentrant) に取り出す
書式
#include <grp.h>
int getgrent_r(struct group *gbuf, char *buf,
size_t buflen, struct group **gbufp);
int fgetgrent_r(FILE *stream, struct group *gbuf, char *buf,
size_t buflen, struct group **gbufp);
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
getgrent_r(): _GNU_SOURCE
fgetgrent_r(): _SVID_SOURCE
説明
関数 getgrent_r() と fgetgrent_r() は getgrent(3) と fgetgrent(3) のリエントラント版である。 前者は、
setgrent(3) によって初期化されたストリームから、次のグループファイルのエントリーを読み込む。 後者は、
stream から次のグループファイルのエントリーを読み込む。
group 構造体は <grp.h> で以下のように定義されている:
struct group {
char *gr_name; /* グループ名 */
char *gr_passwd; /* グループのパスワード */
gid_t gr_gid; /* グループ ID */
char **gr_mem; /* グループのメンバ名へのポインター
の配列 (配列はヌルで終端する) */
};
この構造体のフィールドの詳細は group(5) を参照のこと。
リエントラントでない関数は静的な格納領域へのポインターを返す。 この静的な格納領域には、更にグループ名・パ
スワード・ メンバへのポインターが含まれる。 ここで説明されているリエントラントな関数は、 呼び出し側から提
供されるバッファーにグループ名など全てを返す。 最初の引き数として struct group を保持できるバッファー
gbuf がある。 次にその他の文字列を保持できるサイズ buflen のバッファー buf がある。 これらの関数の結果
(ストリームから読み込まれた struct group) は、 提供されたバッファー *gbuf に格納され、この struct group
へのポインターは *gbufp に返される。
返り値
成功した場合、これらの関数は 0 を返し、 *gbufp は struct group へのポインターとなる。 エラーの場合、これ
らの関数はエラー値を返し、 *gbufp は NULL になる。
エラー
ENOENT 次のエントリーがない。
ERANGE 十分なバッファー空間が与えられていない。 もっと大きなバッファーで再度実行すること。
準拠
これらの関数は GNU 拡張であり、POSIX 版の関数 getpwnam_r(3) の形式に似せてある。 他のシステムでは以下の
プロトタイプが使われている。
struct group *getgrent_r(struct group *grp, char *buf,
int buflen);
より良いものでは、以下のようになっている。
int getgrent_r(struct group *grp, char *buf, int buflen,
FILE **gr_fp);
注意
関数 getgrent_r() は本当のリエントラントではない。 なぜなら、ストリームの読み込み位置を 他の全てのスレッ
ドと共有しているためである。
例
#define _GNU_SOURCE
#include <grp.h>
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#define BUFLEN 4096
int
main(void)
{
struct group grp, *grpp;
char buf[BUFLEN];
int i;
setgrent();
while (1) {
i = getgrent_r(&grp, buf, BUFLEN, &grpp);
if (i)
break;
printf("%s (%d):", grpp->gr_name, grpp->gr_gid);
for (i = 0; ; i++) {
if (grpp->gr_mem[i] == NULL)
break;
printf(" %s", grpp->gr_mem[i]);
}
printf("\n");
}
endgrent();
exit(EXIT_SUCCESS);
}
関連項目
fgetgrent(3), getgrent(3), getgrgid(3), getgrnam(3), putgrent(3), group(5)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
GNU 2015-01-22 GETGRENT_R(3)