Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all
名前
getsubopt - 文字列中のサブオプション引数の解釈を行う
書式
#include <stdlib.h> int getsubopt(char **optionp, char * const *tokens, char **valuep); glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照): getsubopt(): _XOPEN_SOURCE >= 500 || /* glibc 2.12 以降: */ _POSIX_C_SOURCE >= 200809L
説明
getsubopt() は、 optionp で与えられたカンマ区切りのサブオプションリストを解析する。 (この ようなサブオプションリストは getopt(3) を使ってコマンドラインを解釈した場合に現れることが 多い。 例えば、 mount(8) の -o オプションを見るとよい。) それぞれのサブオプションには対 応する値を指定することができる。 サブオプションの名前と対応する値は等号 ('=') で区切られ る。 例えば、以下のような文字列を optionp に渡すことができる。 ro,name=xyz tokens 引数はトークンへのポインターの配列へのポインターで、 配列は NULL で終端される。 getsubopt() はこのトークンを optionp 内で探す。 それぞれのトークンは、NULL 終端された 1文 字以上の文字列で、 他のトークンと区別できる必要がある。 また、等号とカンマを含んではならな い。 getsubopt() は呼び出されるたびに、 optionp 中の次の未処理のサブオプションの情報を返す。 サブオプション内に等号があった場合、最初の等号は そのサブオプションの名前と値の区切りと解 釈される。 区切りから次のカンマ (最後のサブオプションの場合、文字列の末尾) までが、サブオ プションの値となる。 サブオプションの名前が tokens 内の名前と一致し、値を表す文字列が見つ かった場合、 getsubopt() は *valuep を値を表す文字列のアドレスに設定する。 optionp 中の最 初のカンマはヌルバイトで上書きされる。そのため、 *valuep はそのサブオプションの「値の文字 列」そのものとなる。 サブオプションが認識されたが、値を表す文字列が見つからなかった場合、 *valuep は NULL に設 定される。 getsubopt() が返る時、 optionp は次のサブオプションを指している。 ちょうど最後のサブオプ ションが処理された場合は、 文字列末尾のヌルバイト ('\0') を指している。
返り値
optionp 内でサブオプションが見つかった場合、 getsubopt() は最初のサブオプションにマッチす る tokens の要素の添字を返す。 見つからなかった場合、-1 を返す。この場合、 *valuep は name[=value] の文字列全体となる。 *optionp は変更されるので、 getsubopt() を呼び出す前の最初のサブオプションは getsubopt() を呼び出し後のサブオプションと必ずしも同じとは限らない。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。 ┌─────────────────┬───────────────┬─────────┐ │インターフェース │ 属性 │ 値 │ ├─────────────────┼───────────────┼─────────┤ │getsubopt() │ Thread safety │ MT-Safe │ └─────────────────┴───────────────┴─────────┘
準拠
POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.
注意
getsubopt() は、文字列 *optionp 中に見つけたカンマを上書きするので、文字列 *optionp は書 き込み可能でなければならず、 文字列定数にすることはできない。
例
以下のプログラムは "-o" オプションに続いてサブオプションがあることを 期待している。 #define _XOPEN_SOURCE 500 #include <stdlib.h> #include <assert.h> #include <stdio.h> int main(int argc, char **argv) { enum { RO_OPT = 0, RW_OPT, NAME_OPT }; char *const token[] = { [RO_OPT] = "ro", [RW_OPT] = "rw", [NAME_OPT] = "name", NULL }; char *subopts; char *value; int opt; int readonly = 0; int readwrite = 0; char *name = NULL; int errfnd = 0; while ((opt = getopt(argc, argv, "o:")) != -1) { switch (opt) { case 'o': subopts = optarg; while (*subopts != '\0' && !errfnd) { switch (getsubopt(&subopts, token, &value)) { case RO_OPT: readonly = 1; break; case RW_OPT: readwrite = 1; break; case NAME_OPT: if (value == NULL) { fprintf(stderr, "Missing value for " "suboption '%s'\n", token[NAME_OPT]); errfnd = 1; continue; } name = value; break; default: fprintf(stderr, "No match found " "for token: /%s/\n", value); errfnd = 1; break; } } if (readwrite && readonly) { fprintf(stderr, "Only one of '%s' and '%s' can be " "specified\n", token[RO_OPT], token[RW_OPT]); errfnd = 1; } break; default: errfnd = 1; } } if (errfnd || argc == 1) { fprintf(stderr, "\nUsage: %s -o <suboptstring>\n", argv[0]); fprintf(stderr, "suboptions are 'ro', 'rw', " "and 'name=<value>'\n"); exit(EXIT_FAILURE); } /* Remainder of program... */ exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目
getopt(3)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの 説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。