Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       ptsname, ptsname_r - スレーブ擬似端末の名前を取得する

書式

       #include <stdlib.h>

       char *ptsname(int fd);
       int ptsname_r(int fd, char *buf, size_t buflen);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       ptsname():
           glibc 2.24 以降:
               _XOPEN_SOURCE >= 500 ||
                   (_XOPEN_SOURCE && _XOPEN_SOURCE_EXTENDED)
           glibc 2.23 以前:
               _XOPEN_SOURCE

       ptsname_r():
           _GNU_SOURCE

説明

       ptsname()  関数は、ファイルディスクリプター fd で参照されるマスタ擬似端末 (pts) デバイスに
       対応する スレーブ擬似端末デバイスの名前を返す。

       ptsname_r()  関数は ptsname()  のリエントラントなバージョンである。 この関数は、スレーブ疑
       似端末デバイスの名前を、ヌルで終端された文字列の形で  buf で指定されたバッファーに格納して
       返す。 buflen 引数には buf のバイト数を指定する。

返り値

       成功の場合、 ptsname()  は静的記憶領域の文字列へのポインターを返す。  この記憶領域はこの後
       の  ptsname() の呼び出しで上書きされる。 このポインターを free してはいけない。 エラーの場
       合は NULL を返す。

       成功の場合、 ptsname_r()  は  0  を返す。  エラーの場合、0  以外の値を返し、エラーを示すた
       め、エラー番号が返される。

エラー

       EINVAL (ptsname_r()   only)  buf is NULL.  (This error is returned only for glibc 2.25 and
              earlier.)

       ENOTTY fd がマスタ疑似端末デバイスを参照していない。

       ERANGE (ptsname_r()  のみ)  buf が小さすぎる。

バージョン

       ptsname()  は、バージョン 2.1 以降の glibc で提供されている。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────┬───────────────┬────────────────────────┐
       │インターフェース属性                     │
       ├─────────────────┼───────────────┼────────────────────────┤
       │ptsname()        │ Thread safety │ MT-Unsafe race:ptsname │
       ├─────────────────┼───────────────┼────────────────────────┤
       │ptsname_r()      │ Thread safety │ MT-Safe                │
       └─────────────────┴───────────────┴────────────────────────┘

準拠

       ptsname():
        POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

       ptsname() は UNIX 98 疑似端末仕様の一部である (pts(4) を参照のこと)。

       ptsname_r() は Linux による拡張であり、 POSIX.1 の次のメジャーバージョン (Issue 8)  に含め
       るように提案されている。この関数についての記載があるものとして  Tru64  と HP-UX があるが、
       これらの OS での実装ではエラーの場合 -1 を返し、 errno にエラーを示す値を設定する。 移植を
       考慮したプログラムではこの関数の使用は避けること。

関連項目

       grantpt(3), posix_openpt(3), ttyname(3), unlockpt(3), pts(4), pty(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2020-06-09                                 PTSNAME(3)