noble (3) longjmp.3.gz

Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       setjmp, sigsetjmp - 非局所的なジャンプのために、スタックコンテキスト (stack context) を保存する

書式

       #include <setjmp.h>

       int setjmp(jmp_buf env);

       int sigsetjmp(sigjmp_buf env, int savesigs);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       setjmp(): 「注意」参照。
       sigsetjmp(): _POSIX_C_SOURCE >= 1 || _XOPEN_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE

説明

       setjmp()   と longjmp(3)  は、プログラムの低レベルなサブルーチン において、エラーや割り込みが発生した時の
       処理に便利である。 setjmp()  は、 longjmp(3)  によって使われる env に スタックコンテキスト/スタック環境を
       保存する。 setjmp()  を呼び出した 関数が返るときに、そのスタックコンテキストは無効になる。

       sigsetjmp()   も setjmp()  と同様である。 savesigs が 0 以外の場合、 このプロセスの現在のシグナルマスクも
       env に保存され、 このシグナルは後で siglongjmp(3)  がこの env で実行された際に復元される。

返り値

       直接返ってくるときは、 setjmp()  と sigsetjmp()  は 0 を返し、保存したコンテキストを使って longjmp(3)  や
       siglongjmp(3)  から返ってくるときは 0 以外を返す。

準拠

       setjmp()  は C89, C99, POSIX.1-2001 で規定されている。 sigsetjmp()  は POSIX.1-2001 で規定されている。

注意

       POSIX は、 (longjmp() 中で後で復元できるように) setjmp() がシグナルマスクを保存すべきかどうかを規定してい
       ない。 System V では保存しない。  4.3BSD  では保存する;  4.3BSD  にはシグナルコンテキストを保存しない関数
       _setjmp もある。 バージョン 2.19 より前の glibc を使う Linux では、 setjmp() はデフォルトでは System V の
       振る舞いに従うが、 _BSD_SOURCE 機能検査マクロが定義され、 _POSIX_SOURCE, _POSIX_C_SOURCE,  _XOPEN_SOURCE,
       _XOPEN_SOURCE_EXTENDED,  _GNU_SOURCE,  _SVID_SOURCE のいずれも定義されていない時は BSD の振る舞いとなる。
       glibc 2.19 以降では、 <setjmp.h> は System V 版の setjmp() のみを公開するようになっている。 BSD  の動作を
       必要とするプログラムでは、  setjmp() の呼び出しを、 savesigs 引き数に 0 以外の値を渡す sigsetjmp() に置き
       換えるべきである。

       移植性のある形でシグナルマスクを保存および復元したいのなら、 sigsetjmp()  と siglongjmp(3)  を使うこと。

       setjmp()  や sigsetjmp()   を使うと、プログラムは理解しづらく、保守しにくいものになる。  別の方法が可能な
       ら、それを使うべきである。

関連項目

       longjmp(3), siglongjmp(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                                   2014-01-07                                          SETJMP(3)