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名称


       uumkey              かな漢字変換フロントエンドプロセッサ(uum(1))キーバインド定義ファイル

形式


       /usr/local/lib/wnn/ja_JP/uumkey (デフォルト)

機能


       uumkey   は、日本語入力時のキーの設定ファイルである。   各ユーザが  uumkey  を設定すること
       で、ユーザ独自のキー操作が可能である。 ´;' あるいは':'で始まる行は、コメントになる。

機能外エントリ


       include <uumkeyファイル名>
               指定されたファイルを基にキーバインド設定を行う。これと、二重に  設定した時には後の
               ものを優先する。  例えば、デフォルトの  uumkey の1部だけを変更して使いたい時、 デ
               フォルトの uumkey を include してから異なる部分だけを書けば良い。

       unset <機能エントリ名>
               指定エントリに対する既設定を取り除く。

機能エントリ設定形式


       機能名    キーコード  [キーコード ....]

       キーコードの表記の仕方は、8進、10進、16進数が使用でき C のそれに準じる。  また、コントロー
       ルコードについては、次のような略記法が使用できる。

         CTRL A   --->  ^A

       henkan_off の機能だけは、一つのキーコードに対してしかセット出来ない。その他は、 1つの機能
       に対してコードを最大10個まで書くことが出来る。  同じ機能を2度セットした場合には後のものが
       優先される。即ち、1つの機能を複数の    キーにバインドする時は、1度に設定しなくてはならな
       い。ただし、同じモードで作動  する複数の機能を同じキーにバインドすることはできない。この条
       件の元で1つのキー に複数の機能をバインドすることができる。

機能エントリ


       uum  には、以下に挙げる10個のモードがある。各機能エントリ名の右にある数字は、 その機能が
       作用するモード番号を表わしている。モードによって機能が異なる場合は、

        モードを表す数字列 : 機能説明

       として、モードごとの機能を説明している。

         0: 変換後の変換結果を修正しているモード
         1: 変換前の文字を入力しているモード
         2: 変換後に文節の長さを伸ばしたり、縮めたりしているモード
         3: バッファーに何も文字が入っていないモード
         4:  カーソルを動かしながら、何か候補を選択する時のモード(すなわち、   次候補選択や、ユー
       ティリティーモード、登録時の品詞や辞書を選択する時のモード)
         5: 単語登録時に、漢字の範囲を設定している時のモード
         6: 単語登録時の読み入力や、辞書追加の時の辞書名などの文字列を入力している 時のモード
         7: 単語検索のモード
         8: 辞書検索のモード
         9:インスペクトのモード

       エントリ名の最後に "_e" が付いたエントリは、"_e" が付いていない同じ名前の エントリと同じ機
       能がバッファーが空の状態(モード 3)においても作動する。  rubout  の働きをするキーの設定は、
       uum を起動した tty の erase 文字の設定に従う。

       以下に設定できるエントリ名とその機能を説明する。

       henkan_on               0123456789
               変換モードの  on/off  を変更する。  変換モード、uum のモードに関わらずバインドされ
               る。

       quote_keyin             0123456789
               次の入力文字をクオートする。変換モード変更文字も対象になる。  変換モード、uum   の
               モードに関わらずバインドされる。  henkan_on にバインドされたコードを入力するための
               非常手段として 用意されている。

       send_string             012
               変換行内の文字列に、この機能がバインドされているコードを付け  加えた文字列を、アプ
               リケーションに送る。

       kakutei         012
               変換行内の文字列をアプリケーションに送る。

       forward_char            01256
               156  :  1文字右へ進む。 0 : 1文節右へ進む。 2 : 反転している部分を仮名のままにし
               て、それ以降を連文節変換 して、一つ右の文節に移る。

       backward_char           01256
               1 : 1文字左へ戻る。だたし、一度変換して途中から解除してあ  る状態で、カーソルが解
               除してある部分の一番左にある状態で  この機能が呼ばれると、連文節変換をしてから一つ
               左の文節に 移る。 56 : 1文字左へ戻る。 0 : 1文節左へ戻る。 2 :  反転している部分
               を仮名のままにして、それ以降を連文節変換 して、一つ左の文節に移る。

       goto_top_of_line        01256
               1256 : 行の先頭の文字へとぶ。 0 :  行の先頭の文節へとぶ。

       goto_end_of_line        01256
               1256 : 行の後端の文字へとぶ。 0 :  行の後端の文節へとぶ。

       delete_char_at_cursor           156
               カーソルの位置の文字消去。

       kaijo           02
               注目している文節以降の変換された文字列を、変換される前の状態に 戻す。

       henkan          1
               連文節変換を行う。

       tan_henkan      1
               小文節1文節として単文節変換を行う。

       tan_henkan_dai  1
               大文節1文節として単文節変換を行う。

       nobi_henka      2
               文節の伸ばして縮みをしている時には、反転している部分を小文節とし    て単文節変換し
               て、それ以降を連文節変換する。

       nobi_henka_dai  2
               文節の伸ばして縮みをしている時に、反転している部分を大文節とし      て単文節変換し
               て、それ以降を連文節変換する。

       jikouho         0
               小文節として次候補を出す。

       jikouho_dai             0
               大文節として次候補を出す。

       zenkouho        0
               小文節として前候補を出す。

       zenkouho_dai    0
               大文節として前候補を出す。

       select_jikouho          0
               小文節として次候補一覧を出す。

       select_jikouho_dai      0
               大文節として次候補一覧を出す。

       kana_henkan     1
               漢字かな変換を行なう。

       kill            156
               カーソル以降(カーソル位置を含む)の文字列を消去して、キルバッ ファーに蓄える。

       yank            156

       yank_e          1356
               キルバッファーの内容を、カーソルの位置に挿入する。

       bunsetu_nobasi          02
               文節の長さを1文字長くする。

       bunsetu_chijime         02
               文節の長さを1文字短くする。

       jisho_utility           012

       jisho_utility_e         0123
               辞書関係の操作を行うモードに入る。

       touroku         012

       touroku_e       0123
               単語登録を行うモードに入る。

       sainyuuryoku            1

       sainyuuryoku_e          13
               前に入力されたかな文字列に置き換える。

       kuten           156

       kuten_e         1356
               区点入力を行うモードに入る。

       jis             156

       jis_e           1356
               JISコード入力を行うモードに入る。

       redraw_line             012456789

       redraw_line_e           0123456789
               変換行の書き直しを行う。

       previous_history                1

       previous_history_e              13
               ヒストリに蓄えられている1つ前の文字列に置き換える。

       next_history            1

       next_history_e          13
               ヒストリに蓄えられている1つ後の文字列に置き換える。

       touroku_mark_set        5
               登録時に、登録する文字列の始まりの位置及び、終わりの位置を  指定する。なお、終わり
               の位置を始めの位置と同じ場所で指定し た時(即ち、長さ0で指定した時)は、登録の始まり
               位置を指定する モードに戻る。

       touroku_return          6
               登録時の読みなどの文字列を入力している時に、文字列入力の 終わりを示す。

       quit            456789
               変換文字列を入力したり、変換したりする以外のモードにはいっ   ている時、(次候補一覧
               や、登録など、モード4、5、6、7、8、9) そのモードから抜ける。

       touroku_jump_forward            5
               登録時に、カーソルを一文節だけ先に飛ばす。

       touroku_jump_backward           5
               登録時に、カーソルを一文節だけ後ろに飛ばす。

       change_to_insert_mode           0
               変換された文字列を、もう一度編集できる状態にする。  この後、変換された漢字は、かな
               には戻せない。

       quote           1

       quote_e         13
               次の入力文字が、henkan_on  以外の文字なら、それを  quote する。 即ち、次の入力文字
               を、ローマ字かな変換に通さずに、バインド  されている機能があってもそれを呼ばずに変
               換行に入れる。

       forward_select          4789
               4  : 次候補など候補を選択するモードで、反転部分を右に動かす。 789 : 辞書検索などの
               時に、1行に入らない場合に、スクロールする。

       backward_select         4789
               4 : 候補を選択するモードで、反転部分を左に動かす。 789 :  辞書検索などの時に、1行
               に入らない場合に、逆スクロールする。

       next_select             4789
               4  :  次候補など候補を選択するモードで、次の画面に移る。  789  :  辞書検索などの時
               に、次の行に移る。

       previous_select         4789
               4  :  次候補など候補を選択するモードで、前の画面に移る。  789  :  辞書検索などの時
               に、前の行に移る。

       linestart_select        4789
               4  :  次候補など候補を選択するモードで、画面の先頭に移る。  789 : 辞書検索などの時
               に、一行に入らない場合に最初の画面に移る。

       lineend_select          4789
               4 : 次候補など候補を選択するモードで、画面の最後に移る。  789  :  辞書検索などの時
               に、一行に入らない場合に最後の画面に移る。

       select_select           4789
               4  :  次候補など候補を選択するモードで、どれか候補を選んでその  モードから抜ける。
               789 : 辞書検索などの時に、どれか候補を選んでそのモードから抜ける。

       send_ascii_char         0123456789
               それ以降バッファが空の時にアスキ文字が入力された時に、それ  をバッファに取らないよ
               うにする。

       not_send_ascii_char             0123456789
               それ以降バッファが空の時にアスキ文字が入力された時に、それ  をバッファに取るように
               する。

       pop_send_ascii_char             0123456789
               それ以降バッファが空の時にアスキ文字が入力された時の動作を 前の状態に戻す。

       toggle_send_ascii_char          0123456789
               それ以降バッファが空の時に ascii 文字が入力された時の動作を その時の動作と反対にす
               る。

       quote_send_ascii_char           3

       send_ascii_char モードの時で、バッファが空の時に次の ascii 文字
               をバッファに取る。 それ以降のバッファが空の時にはバッファに取らないようにする。

       reconnect_jserver               012456789
               jserver との再接続を行う。

       inspect                 0
               辞書引きを行う。

       sakujo_kouho            0
               候補の削除を行う。

       del_entry               78
               辞書のエントリ,辞書を削除する。

       use_entry               78
               辞書のエントリ,辞書の使用を中止/再開する。

       hindo_set               7
               辞書のエントリの頻度を数値で設定する。

       ima_bit                 7
               辞書のエントリの今使ったよビットをON/OFFする。

設定例


         ; Commands                  Codes

         forward_char                ^F 0x90
         jikouho                     ^N 0x92 ^W 0x9E
         ;yank                       ^Y
         yank_e                      ^Y
         select_select               32 ^J ^M 0x9E 0x9F

使用上の注意事項


       変換モード  OFF とは一時的に uum を切り離したのと同じ効果を上げるもので、 ローマ字かな変換
       オートマトンも同時に切り離される。    コードとして取ることのできる数は、0以上256未満の整数
       で、表記法については  上に述べた通り。これには、キーボードで発生できるものと、そうでないも
       のと があるが、発生できるものはそのままコードを書くことができる。 発生できないもの(128以上
       の整数等)を使用する場合は、キーコード変換  (cvt_key_tbl(4)、あるいはローマ字かな変換オート
       マトンでそのコードを 発生させる必要がある。

       henkan_on エントリに設定するコードには、キーコード変換の出力コードは書けない。

関連項目


       uum(1), uumrc(5), cvt_key_tbl(5), オートマトン(3)

                                         28 January 1992                                UUMKEY(5)