Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       svnserve - 'svn' リポジトリアクセス方式に対応するサーバー

書式

       svnserve [options]

説明

       svnserve  は、 ネットワークプロトコル svn を使って、 Subversion リポジトリへのアクセスを行
       います。 これはスタンドアロンのサーバープロセスとして実行可能であり、 また inetd  を使って
       実行することも可能です。  svnserve  を実行する際には、  操作モードを選んでおく必要がありま
       す。 以下に示すオプションが用いられます。

       -d, --daemon
            svnserve をデーモンモードで起動します。 svnserve がバックグラウンドで実行されて、 svn
            ポート (デフォルトで 3690) 上から TCP/IP 接続を受け付け、 また提供します。

       --listen-port=port
            デーモンモードでの実行時に、 svnserve が待ち受ける port を指定します。

       --listen-host=host
            host  によって指定されるインターフェースから svnserve が待ち受けるようにします。 指定
            にあたっては、 ホスト名または IP アドレスを用います。

       --foreground
            -d とともに用いることで、  svnserve  をフォアグラウンド実行のままとします。  このオプ
            ションは主にデバッグ目的で利用することができます。

       -i, --inetd
            svnserve  が  stdin/stdout  ファイルディスクリプターを用いるようにします。 inetd から
            デーモン実行する場合に適しています。

       -h, --help
            使用方法の概要を示して終了します。

       --version
            svnserve のバージョンを表示します。  また特定の  svnserve  がサポートするリポジトリの
            ファイルシステムバックエンドを表示します。

       -r root, --root=root
            svnserve   が提供するリポジトリの仮想ルートを設定します。  クライアントから指定される
            URL 内のパス名は、 このルートからの相対パスとして解釈されます。  このルート以外をアク
            セスすることはできません。

       -R --read-only
            この svnserve インスタンスを通じて行われる書き込み操作を、 強制的にすべて禁止します。
            これは、 アクセスポリシーを定めた設定を上書きします。 このオプションは、 通常のリポジ
            トリアクセスポリシーには用いないでください。  それを行うのは、 リポジトリ設定ファイル
            conf/svnserve.conf です。 このオプションは、 特定の方法によって起動した svnserve に対
            しての限定的なアクセス時に用いてください。 たとえば書き込みアクセスを svnserve デーモ
            ン経由ではなく、 SSH 経由で行うような場合です。 あるいは、 読み込みアクセスにのみ利用
            する限定的な SSH 鍵を生成して利用するような場合です。

       -t, --tunnel
            トンネルモード (tonnel mode) により svnserve を実行します。 これは inetd モードによる
            動作に似ています (stdin/stdout  を通じて一接続を提供します)。  ただしその際の接続は、
            現在の  uid によるユーザー名を使い、 あらかじめ事前承認されたものとして動作する点が異
            なります。 トンネルエージェントを介して動作しているクライアントにより、  本フラグが選
            択されます。

       --tunnel-user=username
            --tunnel  とともに組み合わせて、  事前承認されたユーザー名を、 指定された username に
            よって上書きします。 これは ssh の authorized_key ファイルにある  "command"  ディレク
            ティブと合わせて用いると便利です。  複数のコミットユーザーが、 単一のシステムアカウン
            トを利用するようなことが可能になります。  この場合、  ssh  の認証は別々のものとなりま
            す。

       -T, --threads
            デーモンモードでの実行時に、  svnserve が各接続に対してプロセスを実行するのではなく、
            スレッドを実行するようにします。 svnserve プロセスは、 起動直後にバックグラウンド実行
            されて起動し続けます。

       --config-file=filename
            これが指定されると、 svnserve は起動時に一度だけ filename の内容を読み込み、 svnserve
            設定としてキャッシュします。 パスワードと認証の設定は  filename  から参照されますが、
            各接続ごとにロードされます。 このオプションが指定された場合、 svnserve はリポジトリご
            との conf/svnserve.conf ファイルは読み込みません。 svnserve.conf(5)  ファイルにおける
            本オプションの書式については、 その man ページを参照してください。

       --pid-file=filename
            これを指定した場合、 svnserve はプロセス ID を filename に書き出します。

       -X, --listen-once
            svnserve  が svn ポートからのアクセスを 1 度だけ行い、 それに対する返信を行って終了し
            ます。 このオプションは主にデバッグ目的で利用することができます。

       --config-file  オプションがコマンドラインから指定されなかった場合には、   クライアントから
       URL  送信によってリポジトリが選択された際に、 svnserve はリポジトリ内の conf/svnserve.conf
       というファイルを読み込みます。  このファイルは、  利用する認証データベースや認可ポリシーな
       ど、  リポジトリ固有の設定を定めるものです。 svnserve.conf(5) のファイルフォーマットの詳細
       は、 その man ページを参照してください。

関連項目

       svnserve.conf(5)

                                                                                      svnserve(8)