Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       getfsent, getfsspec, getfsfile, setfsent, endfsent - fstab エントリーの処理

書式

       #include <fstab.h>

       void endfsent(void);

       struct fstab *getfsent(void);

       struct fstab *getfsfile(const char *mount_point);

       struct fstab *getfsspec(const char *special_file);

       int setfsent(void);

説明

       これらの関数は /etc/fstab ファイルから情報を読み込む。fstab 構造体は次のように定義されてい
       る。

           struct fstab {
               char       *fs_spec;       /* block device name */
               char       *fs_file;       /* mount point */
               char       *fs_vfstype;    /* file-system type */
               char       *fs_mntops;     /* mount options */
               const char *fs_type;       /* rw/rq/ro/sw/xx option */
               int         fs_freq;       /* dump frequency, in days */
               int         fs_passno;     /* pass number on parallel dump */
           };

       *BSD システムの場合、 fs_type フィールドには、5 つの文字列 "rw", "rq", "ro", "sw", "xx" の
       いずれかが入る (それぞれ read-write, quota 付き read-write, read-only, swap, ignore)。

       関数 setfsent()  は呼び出されると fstab ファイルをオープンし、 最初の行に移動する。

       関数 getfsent()  は fstab ファイルから次の行をパースする (必要な場合はファイルをオープンす
       る)。

       関数 endfsent()  は呼び出されると fstab ファイルをクローズする。

       関数 getfsspec()  は fstab ファイルを先頭から検索し、 fs_spec フィールドが special_file 引
       数にマッチするエントリーが見つかったら、その最初のものを返す。

       関数  getfsfile()  は fstab ファイルを先頭から検索し、 fs_file フィールドが mount_point 引
       数にマッチするエントリーが見つかったら、その最初のものを返す。

返り値

       成功すると、 getfsent(), getfsfile(), getfsspec()  の各関数は fstab 構造体へのポインターを
       返し、 setfsent()  関数は 1 を返す。 失敗するとこれらの関数は NULL を返し、 end-of-file に
       なったら 0 を返す。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────┬───────────────┬─────────────────────────────┐
       │インターフェース属性                          │
       ├─────────────────┼───────────────┼─────────────────────────────┤
       │endfsent(),      │ Thread safety │ MT-Unsafe race:fsent        │
       │setfsent()       │               │                             │
       ├─────────────────┼───────────────┼─────────────────────────────┤
       │getfsent(),      │ Thread safety │ MT-Unsafe race:fsent locale │
       │getfsspec(),     │               │                             │
       │getfsfile()      │               │                             │
       └─────────────────┴───────────────┴─────────────────────────────┘

準拠

       These functions are not in POSIX.1.  Several operating systems  have  them,  for  example,
       *BSD, SunOS, Digital UNIX, AIX (which also has a getfstype()).  HP-UX has functions of the
       same names, that however use a struct checklist instead of a struct fstab, and calls these
       functions obsolete, superseded by getmntent(3).

注意

       これらの関数はスレッドセーフではない。

       Linux  ではブロックスペシャルデバイスを複数の場所にマウントでき、 また複数のデバイスが同じ
       マウントポイントを共有できる (この場合はそのマウントポイントに最後にマウントされたデバイス
       が意味を持つ)  が、 getfsfile()  と getfsspec() はマッチした最初のエントリーしか返さないの
       で、 これらの 2 つの関数は Linux での利用には適していない。

関連項目

       getmntent(3), fstab(5)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。