Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       expm1, expm1f, expm1l - 引数の指数から 1 を引いた値

書式

       #include <math.h>

       double expm1(double x);
       float expm1f(float x);
       long double expm1l(long double x);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       expm1():
           _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
               || _XOPEN_SOURCE >= 500
               || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
       expm1f(), expm1l():
           _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
               || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE

説明

       これらの関数は、以下と等価な値を返す。

           exp(x) - 1

       結果の計算は、  x が 0 の近傍で、非常に近い 2 つの数字の引き算のため exp(x) - 1 が不正確に
       なるような場合でも正確となる方法で行われる。

返り値

       成功すると、これらの関数は exp(x) - 1 を返す。

       x が NaN の場合、NaN が返される。

       x が +0 (-0) の場合、+0 (-0) が返される。

       x が正の無限大の場合、正の無限大が返される。

       x が負の無限大の場合、-1 が返される。

       結果がオーバーフローする場合、範囲エラー   (range   error)   が発生し、   各関数はそれぞれ
       -HUGE_VAL, -HUGE_VALF, -HUGE_VALL を返す。

エラー

       これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7)  を
       参照のこと。

       以下のエラーが発生する可能性がある。

       範囲エラー (range error)、オーバーフローの場合
              errnoERANGE  が設定される  (「バグ」の節も参照)。  オーバーフロー浮動小数点例外
              (FE_OVERFLOW) が上がる。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌────────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├────────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │expm1(), expm1f(), expm1l() │ Thread safety │ MT-Safe │
       └────────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       C99, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

バグ

       Before  glibc 2.17, on certain architectures (e.g., x86, but not x86_64) expm1()  raised a
       bogus underflow floating-point exception for some  large  negative  x  values  (where  the
       function result approaches -1),

       glibc  2.11  あたりより前では、  expm1() は、 x が正の大きな値の場合、期待通りのオーバーフ
       ロー例外だけでなく間違って不正な (invalid) 浮動小数点例外を上げ、正の無限大ではなく NaN を
       返していた。

       バージョン  2.11  より前の glibc の実装では、 範囲エラーが発生した場合に、 errnoERANGE
       が設定されなかった。

関連項目

       exp(3), log(3), log1p(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2020-06-09                                   EXPM1(3)