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名前

       mq_getattr, mq_setattr - メッセージキューの属性を設定/取得する

書式

       #include <mqueue.h>

       int mq_getattr(mqd_t mqdes, struct mq_attr *attr);

       int mq_setattr(mqd_t mqdes, const struct mq_attr *newattr,
                        struct mq_attr *oldattr);

       -lrt でリンクする。

説明

       mq_getattr()   と  mq_setattr()   は、メッセージキュー記述子  mqdes で参照されるメッセージ
       キューの属性の取得と変更をそれぞれ行う。

       mq_getattr()  は、 attr が指すバッファーに mq_attr  構造体を格納して返す。この構造体は以下
       のように定義されている:

           struct mq_attr {
               long mq_flags;       /* フラグ: 0 か O_NONBLOCK */
               long mq_maxmsg;      /* キューの最大メッセージ数 */
               long mq_msgsize;     /* 最大メッセージサイズ (バイト単位) */
               long mq_curmsgs;     /* キューに現在入っているメッセージ数 */
           };

       mq_flags  フィールドには、オープンメッセージキュー記述 (open message queue description) に
       関連付けられているフラグが格納される。 このフィールドは mq_open(3)  でキューが作成される際
       に初期化される。 このフィールドに現れるフラグは O_NONBLOCK だけである。

       mq_maxmsgmq_msgsize フィールドは mq_open(3)  でメッセージキューが作成される際にセット
       される。 mq_maxmsg フィールドは、 mq_send(3)  を使ってキューに入れることができるメッセージ
       数の上限である。  mq_msgsize フィールドは、キューに入れることができるメッセージの 上限サイ
       ズである。 これらのフィールドはどちらも 0 より大きな値でなければならない。  これらのフィー
       ルドに設定できる値の上限は    /proc    ファイルにより決まる。    /proc    ファイルの詳細は
       mq_overview(7)  に説明されている。

       mq_curmsgs フィールドはキューに現在格納されているメッセージ数を返す。

       mq_setattr()  は、 newattr が指す mq_attr 構造体で与えられた情報を使って、メッセージキュー
       の属性を設定する。  変更することができる属性は、 mq_flagsO_NONBLOCK フラグの設定だけで
       ある。  newattr  の他のフィールドは無視される。  oldattr  フィールドが  NULL  以外の場合、
       mq_getattr()  が返すのと同じ情報を格納した mq_attr 構造体を oldattr が指すバッファーに入れ
       て返す。

返り値

       成功すると、 mq_getattr ()mq_setattr () は 0 を返す。エラーの場合、-1  を返し、  errno
       にエラーを示す値を設定する。

エラー

       EBADF  mqdes に指定されたメッセージキュー記述子が不正である。

       EINVAL newattr->mq_flagsO_NONBLOCK 以外のビットがセットされていた。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌───────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├───────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │mq_getattr(), mq_setattr() │ Thread safety │ MT-Safe │
       └───────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

注意

       Linux  では、 mq_getattr()  と mq_setattr()  はライブラリ関数であり、 mq_getsetattr(2)  シ
       ステムコールを用いて実装されている。

       下記のプログラムを使うと、 attr 引数に NULL を指定して mq_open(3) を呼び出した際に作成され
       るメッセージキューに割り当てられるデフォルトの  mq_maxmsgmq_msgsize の値を表示できる。
       このプログラムの実行例を以下に示す。

           $ ./a.out /testq
           Maximum # of messages on queue:   10
           Maximum message size:             8192

       Linux 3.5 以降では、 (mq_overview(7) に説明がある) 以下の /proc ファイルを使ってデフォルト
       値を制御できる。

           $ uname -sr
           Linux 3.8.0
           $ cat /proc/sys/fs/mqueue/msg_default
           10
           $ cat /proc/sys/fs/mqueue/msgsize_default
           8192

   プログラムのソース

       #include <mqueue.h>
       #include <sys/stat.h>
       #include <fcntl.h>
       #include <stdio.h>
       #include <stdlib.h>
       #include <unistd.h>

       #define errExit(msg)    do { perror(msg); exit(EXIT_FAILURE); \
                               } while (0)

       int
       main(int argc, char *argv[])
       {
           mqd_t mqd;
           struct mq_attr attr;

           if (argc != 2) {
               fprintf(stderr, "Usage: %s mq-name\n", argv[0]);
               exit(EXIT_FAILURE);
           }

           mqd = mq_open(argv[1], O_CREAT | O_EXCL, S_IRUSR | S_IWUSR, NULL);
           if (mqd == (mqd_t) -1)
               errExit("mq_open");

           if (mq_getattr(mqd, &attr) == -1)
               errExit("mq_getattr");

           printf("Maximum # of messages on queue:   %ld\n", attr.mq_maxmsg);
           printf("Maximum message size:             %ld\n", attr.mq_msgsize);

           if (mq_unlink(argv[1]) == -1)
               errExit("mq_unlink");

           exit(EXIT_SUCCESS);
       }

関連項目

       mq_close(3),    mq_notify(3),   mq_open(3),   mq_receive(3),   mq_send(3),   mq_unlink(3),
       mq_overview(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。