Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all
名前
link - ファイルの新しい名前を作成する
書式
#include <unistd.h> int link(const char *oldpath, const char *newpath);
説明
link() は存在するファイルへの新しいリンク (link) (ハードリンク (hard link) ともいう) を 作成する。 newpath が存在する場合には上書きはされない。 この新しい名前は全ての操作において古い名前と完全に同じように使用される; 両方の名前は同じ ファイルを参照しており (それで同じ許可 (permission) や所有者 (ownership) となるので)、 ど ちらの名前が本来のものであるか判別できない。
返り値
成功した場合は 0 が返される。エラーの場合は -1 が返され、 errno が適切に設定される。
エラー
EACCES newpath を含んでいるディレクトリへの書き込みが許されていないか、 oldpath または newpath へのディレクトリのどれかに検索許可がない (path_resolution(7) を参照)。 EDQUOT ディスクブロックか inode がそのファイルシステムのユーザクォータに達していた。 EEXIST newpath が既に存在する。 EFAULT oldpath や newpath がアクセス可能なアドレス空間の外を指している。 EIO I/O エラーが発生した。 ELOOP oldpath または newpath を解決する際に遭遇したシンボリックリンクが多過ぎる。 EMLINK oldpath によって参照されるファイルは 既に最大数までのリンクを持っている。 ENAMETOOLONG oldpath または newpath が長過ぎる。 ENOENT oldpath または newpath のディレクトリ部分が存在しないか、 壊れた(dangling)シンボ リックリンクである。 ENOMEM 十分なカーネルメモリーがない。 ENOSPC そのファイルを含んでいるデバイスに新しいディレクトリエントリを 作成するための空きが ない。 ENOTDIR oldpath または newpath のディレクトリ部分が、実際には、ディレクトリでない。 EPERM oldpath がディレクトリである。 EPERM oldpath と newpath を含んでいるファイルシステムがハードリンクをサポートしていない。 EPERM (Linux 3.6 以降) 呼び出し元にこのファイルへのハードリンクを作成する許可がなかった (proc(5) の /proc/sys/fs/protected_hardlink の説明を参照)。 EROFS ファイルが読み込み専用のファイルシステムに存在する。 EXDEV oldpath と newpath が同じマウントされたファイルシステムに存在しない。 (Linux は 1 つのファイルシステムを複数のマウント位置に マウントすることを許可している。 しかし link() は、たとえ同じファイルシステムであっても、 別々のマウント位置を跨いでは動作 しない。)
準拠
SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001 (但し「注意」を参照)。
注意
link() でファイルシステムを超えてハードリンクを作成することはできない。 このような場合は symlink(2) を使用すること。 POSIX.1-2001 では、 oldpath がシンボリックリンクである場合、 link() は oldpath の参照を解 決すべきであると記述されている。 しかし、カーネル 2.0 以降の Linux ではそのようになってい ない。 oldpath がシンボリックリンクである場合、 newpath は同じシンボリックリンクファイルへ の (ハード) リンクとして作成される (つまり newpath は oldpath が参照していた同じファイルへ のシンボリックリンクになる)。 他のいくつかの実装でも Linux と同じように動作する。 POSIX.1-2008 では link() の仕様が変更され、 oldpath がシンボリックリンクの場合にシンボ リックリンクの参照を 解決するかどうかは実装依存となった。 リンク作成時のシンボリックリンク の扱いについての詳細な制御に 関しては linkat(2) を参照のこと。
バグ
NFS ファイルシステムでは、NFS サーバーがリンクを作成した後に、 それを伝える前に死んだ場合 には返り値が不正な場合がある。 リンクが作成できたかどうか見つけるためには stat(2) を使用 すること。
関連項目
ln(1), linkat(2), open(2), rename(2), stat(2), symlink(2), unlink(2), path_resolution(7), symlink(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.54 の一部 である。プロジェクト の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。