Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       epoll_create, epoll_create1 - epoll ファイルディスクリプタをオープンする

書式

       #include <sys/epoll.h>

       int epoll_create(int size);
       int epoll_create1(int flags);

説明

       epoll_create()は epoll(7) インスタンスを作成する。 Linux 2.6.8 以降では、size 引き数は無視
       されるが、 0 より大きな値で なければならない。下記の「注意」を参照。

       epoll_create()  は、新しい epoll インスタンスを参照するファイルディスクリプタを返す。 この
       ファイルディスクリプタは、その後の epoll インタフェースの呼び出しに使われる。 もう必要でな
       くなった場合は、 epoll_create()  で返されたファイルディスクリプタは  close(2)   を使ってク
       ローズされるべきである。 ある epoll インスタンスを参照する全てのファイルディスクリプタがク
       ローズされると、 カーネルはそのインスタンスを破壊して、対応するリソースを解放し、 再使用で
       きるようにする。

   epoll_create1()
       epoll_create1()   は、 flags が 0 の場合、現在では使われていない size 引き数がなくなってい
       る点を除けば epoll_create()  と同じである。 flags に以下の値をビット毎の論理和 (OR) で指定
       することで、 異なる動作をさせることができる。

       EPOLL_CLOEXEC
              新しいファイルディスクリプタに対して  close-on-exec  (FD_CLOEXEC)  フラグをセットす
              る。 このフラグが役に立つ理由については、 open(2)  の O_CLOEXEC  フラグの説明を参照
              のこと。

返り値

       成功すると、これらのシステムコールは 非負のファイルディスクリプタを返す。 エラーの場合、-1
       を返し、 errno にエラーを示す値を設定する。

エラー

       EINVAL size が正でない。

       EINVAL (epoll_create1())  flags に無効な値が指定された。

       EMFILE /proc/sys/fs/epoll/max_user_instances によって指定されている、epoll  インスタンスの
              ユーザー単位の制限に達した。 更なる詳細については epoll(7)  を参照のこと。

       ENFILE オープンされたファイルの総数がシステム制限に達した。

       ENOMEM カーネルオブジェクトを作成するのに十分なメモリがなかった。

バージョン

       epoll_create()  はカーネル  2.6 で追加された。 ライブラリによるサポートは glibc バージョン
       2.3.2 以降で提供されている。

       epoll_create1() はカーネル 2.6.27 で追加された。 ライブラリによるサポートは glibc バージョ
       ン 2.9 以降で提供されている。

準拠

       epoll_create() は Linux 独自である。

注意

       初期の epoll_create() の実装では、size 引き数は、呼び出し元が epoll インスタンスに追加しよ
       うとするファイルディスクリプタ数をカーネルに教えるのに  使われていた。カーネルはこの情報を
       イベントの情報を格納する内部データ構造に最  初に割り当てる大きさを決める際のヒントとして使
       用していた (size で渡された ヒントよりも使用量が大きくなった場合には、必要に応じてカーネル
       は追加で領域を 割り当てる)。

       現在では、このヒントはもはや必要なくなっている  (カーネルはヒントなしで必要な データ構造の
       サイズを動的に変更する) が、今も size には 0  より大きい値を  指定しなければならない。これ
       は、epoll  を使うアプリケーションが古いカーネル で実行される際の後方互換性を保証するためで
       ある。

関連項目

       close(2), epoll_ctl(2), epoll_wait(2), epoll(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。