Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20140515+dfsg-2_all bug

名前

       setbuf, setbuffer, setlinebuf, setvbuf - ストリームのバッファリングの操作

書式

       #include <stdio.h>

       void setbuf(FILE *stream, char *buf);

       void setbuffer(FILE *stream, char *buf, size_t size);

       void setlinebuf(FILE *stream);

       int setvbuf(FILE *stream, char *buf, int mode, size_t size);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       setbuffer(), setlinebuf(): _BSD_SOURCE

説明

       バッファリングには  unbuffered, block buffered, line buffered の3つのタイプが ある。出力ス
       トリームのタイプが unbuffered の場合、データを書き込むとすぐに出  力先ファイルに書き込まれ
       るかターミナルに表示される。block buffered の場合、文 字の読み書きはブロック単位でいっぺん
       に行われる。line buffered の場合、  新しい行が出力されるか、ターミナルデバイスに接続してい
       るストリーム (通常、stdin) から新しい行が入力されるまで文字がたくわえられる。 ブロックを強
       制的に出力するには fflush(3)  関数を使う。 (fclose(3)  を参照のこと)  通常、ファイルはすべ
       て  block buffered である。ファイルに対して 初めて入出力処理を行うと malloc(3)  が呼び出さ
       れバッファが獲得される。もし ストリームが (通常、 stdout がそうであるように)  ターミナルを
       参照する場合には、ファイルは line buffered と なる。標準エラー出力 stderr はデフォルトでは
       常に unbuffered である。

       setvbuf()   関数は、オープンしている任意のストリームに対してバッファを変更できる。  引き数
       mode は、次の 3 つのマクロのうちいずれかである:

              _IONBF unbuffered

              _IOLBF line buffered

              _IOFBF fully buffered

       unbuffered のファイルを除き、 buf 引数は size バイト以上の大きさのバッファを指していなけれ
       ばならない。このバッファは現在の バッファの代わりに用いられる。もし、引数 buf が NULL なら
       ば、モードだけが変更される。          新しいバッファは次に読み書きした際に割り当てられる。
       setvbuf()  関数は、ストリームをオープンした後、 そのストリームに対して何らかの操作をする前
       にのみ使用できる。

       他の 3 つの関数は setvbuf()  の呼び出しに単純に置き換えることができる。 setbuf()  関数は、

           setvbuf(stream, buf, buf ? _IOFBF : _IONBF, BUFSIZ);

       と全く同等だし、 setbuffer()  関数は、バッファサイズがデフォルト値 BUFSIZ ではなく引数で与
       えられる点以外は同じである。 setlinebuf()  関数は以下と同じである。

           setvbuf(stream, NULL, _IOLBF, 0);

返り値

       setvbuf()  関数は、成功した場合 0 を返す。 失敗した場合、0 以外の値を返す (失敗とは、 mode
       が不正な場合またはリクエストが条件を満たさない場合である)。  setvbuf()  関数が失敗した場合
       は errno を設定することもある。

       その他の関数は値を返さない。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       関数 setbuf(), setbuffer(), setlinebuf(), setvbuf() はスレッドセーフである。

準拠

       setbuf()  関数および setvbuf()  関数は C89 と C99 に準拠している。

バグ

       setbuffer()  関数および setlinebuf()  関数は 4.2BSD  より前の  BSD  とは互換性がない。また
       Linux でも(古いバージョン では)利用できないかもしれない。4.2BSD および 4.3BSD のシステムで
       は setbuf() は必ず追加のバッファーのサイズを使用するので、これも使うべきでない。

       stream を閉じる時 (プログラムを終了する際にもこれは起きる) には、 buf が指し示す空間とが存
       在していることを保証しなければならない。 例えば、次のような使い方は許されない:

       #include <stdio.h>

       int
       main(void)
       {
           char buf[BUFSIZ];
           setbuf(stdin, buf);
           printf("Hello, world!\n");
           return 0;
       }

関連項目

       fclose(3), fflush(3), fopen(3), fread(3), malloc(3), printf(3), puts(3)

この文書について

       この  man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。