Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all
名前
atanh, atanhf, atanhl - 逆双曲線正接(inverse hyperbolic tangent)関数
書式
#include <math.h> double atanh(double x); float atanhf(float x); long double atanhl(long double x); -lm でリンクする。 glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照): atanh(): _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L || _XOPEN_SOURCE >= 500 || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE atanhf(), atanhl(): _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
説明
これらの関数は x の逆双曲線正接 (inverse hyperbolic tangent) を計算する。 すなわち、その双 曲線正接 (hyperbolic tangent) が x になるような値である。
返り値
成功すると、これらの関数は x の逆双曲線正接を返す。 x が NaN の場合、NaN が返される。 x が +0 (-0) の場合、+0 (-0) が返される。 x が +1 か -1 の場合、 極エラー (pole error) が発生し、 関数の種類に応じて、数学的に正しい 符号の HUGE_VAL, HUGE_VALF, HUGE_VALL がそれぞれ返される。 x の絶対値が 1 より大きい場合、 領域エラー (domain error) が発生し、 NaN が返される。
エラー
これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7) を 参照のこと。 以下のエラーが発生する可能性がある。 領域エラー (domain error): x が -1 より小さいか +1 より大きい errno に EDOM が設定される。 不正 (invalid) 浮動小数点例外 (FE_INVALID) が上がる。 極エラー (pole error): x が +1 か -1 errno に ERANGE が設定される (「バグ」の節も参照)。 0 による除算 (divide-by-zero) 浮動小数点例外 (FE_DIVBYZERO) が上がる。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。 ┌─────────────────────────────┬───────────────┬─────────┐ │インターフェース │ 属性 │ 値 │ ├─────────────────────────────┼───────────────┼─────────┤ │atanh(), atanhf(), atanhl() │ Thread safety │ MT-Safe │ └─────────────────────────────┴───────────────┴─────────┘
準拠
C99, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008. double 版の関数は SVr4, 4.3BSD にも準拠している。
バグ
glibc 2.9 とそれ以前のバージョンでは、 極エラーが発生した場合、POSIX で要求されている ERANGE ではなく EDOM が errno に設定される。 バージョン 2.10 以降の glibc では、正しい動作 をする。
関連項目
acosh(3), asinh(3), catanh(3), cosh(3), sinh(3), tanh(3)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの 説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。 2017-09-15 ATANH(3)