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名前

       scalbn, scalbnf, scalbnl, scalbln, scalblnf, scalblnl - 浮動小数点数に基数の整数乗を掛ける

書式

       #include <math.h>

       double scalbln(double x, long exp);
       float scalblnf(float x, long exp);
       long double scalblnl(long double x, long exp);

       double scalbn(double x, int exp);
       float scalbnf(float x, int exp);
       long double scalbnl(long double x, int exp);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       scalbln(), scalblnf(), scalblnl():
              _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
                  || /* glibc 2.19 以降: */ _DEFAULT_SOURCE
       scalbn(), scalbnf(), scalbnl():
              _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
                  || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
                  || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE

説明

       これらの関数は最初の引数  xFLT_RADIXexp 乗を掛ける (FLT_RADIX はおそらく 2 であ
       る)。つまり、以下の式の値を返す。

           x * FLT_RADIX ** exp

       FLT_RADIX の定義は <float.h> をインクルードすることで得られる。

返り値

       成功すると、これらの関数は x * FLT_RADIX ** exp を返す。

       x が NaN の場合、NaN が返される。

       x が正の無限大 (負の無限大) の場合、正の無限大 (負の無限大) が返される。

       x が +0 (-0) の場合、+0 (-0) が返される。

       結果がオーバーフローする場合、  範囲エラー  (range  error)   が発生し、   各関数はそれぞれ
       HUGE_VAL, HUGE_VALF, HUGE_VALL を返す。符号は x と同じになる。

       結果がアンダーフローする場合、範囲エラーが発生し、  各関数は 0 を返す。符号は x と同じにな
       る。

エラー

       これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7)  を
       参照のこと。

       以下のエラーが発生する可能性がある。

       範囲エラー (range error)、オーバーフローの場合
              オーバーフロー浮動小数点例外 (FE_OVERFLOW)  が上がる。

       範囲エラー (range error)、アンダーフローの場合
              errnoERANGE が設定される。 アンダーフロー浮動小数点例外 (FE_UNDERFLOW)  が上が
              る。

バージョン

       これらの関数は glibc バージョン 2.1 で初めて登場した。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌──────────────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├──────────────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │scalbn(), scalbnf(), scalbnl(),   │ Thread safety │ MT-Safe │
       │scalbln(), scalblnf(), scalblnl() │               │         │
       └──────────────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       C99, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

注意

       これらの関数は、 scalb(3) に説明がある廃止予定の関数群とは二番目の  引数の型が異なる。この
       ページで説明する関数群は、二番目の引数の型が  整数である。これに対して scalb(3) に説明があ
       る関数群は、二番目の 引数の型が double である。

       FLT_RADIX が 2 の場合 (これが普通だが)、 その場合は scalbn() は ldexp(3) と等価である。

バグ

       バージョン 2.20 より前の glibc では、これらの関数は範囲エラーの場合に errno を設定しなかっ
       た。

関連項目

       ldexp(3), scalb(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2020-11-01                                 SCALBLN(3)