Provided by: debhelper_13.14.1ubuntu5_all bug

名前

       dh_movefiles - debian/tmp からサブパッケージへファイルを移動する

書式

       dh_movefiles [debhelper オプション] [--sourcedir=ディレクトリ] [-Xitem] [ファイル ...]

説明

       dh_movefiles は、debian/tmp ディレクトリや他のディレクトリから、別のパッケージビルドディレ
       クトリへファイルを移動する役割を持つ debhelper プログラムです。これはパッケージしようとす
       るソフトウェアに含まれる Makefileフ ァイルにより、インストールすべき物が debian/tmp へイン
       ストールされてしまうような場合に、これらを別々のディレクトリに後から仕分けたいような場合に
       便利です。

       注意:dh_installdh_movefiles よりもはるかに良いプログラムなので、dh_install を利用する
       ことを推奨します。

ファイル

       debian/package.files
           とあるパッケージへ移動したいファイルを、空白区切りで列挙します。ファイル名は必ず
           debian/tmp/ からの相対パスで指定しなければなりません。また、ディレクトリ名を指定するこ
           ともでき、その場合は、ディレクトリをそのまま移動します。

オプション

       --sourcedir=dir
           debian/tmp (デフォルトの移動元) からファイルを移動する代わりに、別のディレクトリから
           ファイルを移動するように指定します。なお、移動元ディレクトリにある全ファイルを移動する
           為、--sourcedir=/ のような指定は、非常に危険です。こういった間違いを防ぐ為、移動元ディ
           レクトリは相対パスしか受け付けないようにしてあります。つまり、'/' で始まるディレクトリ
           指定は出来ません。

       -Xitem, --exclude=item
           item をファイル名のどこかに含むファイルはインストール候補から除外します。

       file ...
           移動すべきファイルを列挙したファイルです。列挙されているファイルは debian/tmp/ からの
           相対パスである必要があります。ディレクトリ名を列挙することも出来、その場合は、各ディレ
           クトリ全体を移動します。なお、-p-i-a を使って dh_movefiles にどのサブパッケージに
           移動すべきかを指定していない場合エラーが報告されます。

付記

       デフォルト debian/tmp からファイルを移動するという事になっています (もし debhelper が互換
       性レベル v1 以上で利用したとしても、debian/tmp 以外は利用されません)。この背景として、ビル
       ドされたパッケージは debian/tmp に一旦インストールし、後で dh_movefiles コマンドにより
       debian/tmp から移動するという考え方があります。なお移動されなかったファイルやディレクトリ
       は無視され、後に dh_clean によって消去されることとなります。

参照

       debhelper(7)

       このプログラムは debhelper の一部です。

作者

       Joey Hess <joeyh@debian.org>